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Intel,Penrynのデモを少しだけ披露。45nmプロセスをアピール
インテルの吉田和正代表取締役共同社長は,Coreマイクロアーキテクチャ製品発売から1年が経ち「もはやPentiumという名前はほとんど聞かなくなった」と述べ,一時代を築いたPentiumから,Core 2へのブランドチェンジが成功を収めたことを強調する。そして,“その次”として用意されるPenryn世代のCPUに,インテルとしてかなりの期待をしているとした。
Penryn世代のCPUは一言でいうと,現行のCore 2 Duo/Quadを拡張した製品だ。Intelは1年ごとに「新しいプロセス」と「新しいサーキット(≒回路)」を順に投入していく「TICK-TOCKモデル」を採用しているが,Core 2 Duo/Quad登場後1年というわけで,今回は同社のCPUとして初めて45nm High-Kプロセスが採用されている。
この45nm High-Kプロセスに関しては,Intelの“大御所”ゴードン・ムーア氏――「ムーアの法則」の人で,Intel創業者の一人――が「1960年後半のMOSトランジスタの開発以来,最も大きな変化」と強調していることからも,その革新性が窺えよう。
ゲーマー的に最も重要なのが,L2キャッシュ容量の増加だ。従来は2コア当たり4MBだったのが,Penryn世代では同6MBに拡張される。従来よりも高速な除算回路(Radix-16 Divider)が搭載される点も,パフォーマンス向上に寄与してくれそうだ。
ビット単位の処理をハードウェアで支援するスーパーシャッフルエンジンの搭載も動画や画像処理周りでは重要なアップデートだ。ビット単位の入れ替えというのは,そういった処理で比較的多く利用されるので,この部分がハードウェアされることは,大幅な速度向上につながるだろう。
■デモ自体はあっさりしたものだったが
■量産前サンプルによるものである点は要注目
以上,Penrynのデモ自体はとくにどうということもなかったが,インテルが強調するように,Penryn世代で採用される45nm High-KプロセスはCPUのパフォーマンスを大きく上げる可能性を持つ技術と思われる。
一方ライバルのAMDは,Intelが45nmプロセスへの移行を果たすと,プロセス世代で1世代遅れることになる。マイクロアーキテクチャの改良だけでIntelに対抗できるのか,これが今後の注目点になりそうだ。とりあえずは,8月12日に行われる予定となっているPhoenom FXのデモにも期待しよう。(ライター:米田 聡)
※お詫びと訂正:初出時に「一方ライバルのAMDは,Intelが45nmプロセスへの移行を果たすと,プロセス世代で2世代遅れることになる」とありましたが,1世代の誤りです。お詫びして訂正いたします。
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