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日本ギガバイトユナイテッド代表に聞く「GIGABYTE」のこれから
2007/07/27 16:01
Joshua Yeo氏(Deputy Manager, Sales Department 1, Asia Sales Division, GIGABYTE UNITED)。これまでは台湾本社で日本と韓国,オーストラリア,ニュージーランド,南アフリカの営業&マーケティングを担当していたが,今後は日本に常駐しながら同じ業務をこなしていくという
 GIGABYTEグループでグラフィックスカードとマザーボードを取り扱うGIGABYTE UNITEDの日本支店(※支社ではない)「日本ギガバイトユナイテッド」。その設立が発表されて約1か月が経過した。

 ショップの店頭を見る限り,GIGABYTEブランドのグラフィックスカードやマザーボードの流通に表立った変化はない様子だが,実際のところ,日本ギガ・バイトの閉鎖と日本ギガバイトユナイテッドの設立により,何が変わったのだろうか? 今回4Gamerでは,日本ギガバイトユナイテッド代表のJoshua Yeo(ジョシュア・ロ,呂 正民)氏に話を聞く機会を得たので,同氏の発言から,GIGABYTEグループの現在とこれからをまとめてみたい。

■5社体制に再編されたGIGABYTEグループ
■マスタードギガとはほぼ無関係に


 さて,4GamerではCOMPUTEX TAIPEI 2007のレポートで「GIGABYTE UNITEDはGIGABYTE TECHNOLOGYの子会社として機能する」とお伝えしているが,2007年7月にグループは再編し直され,現在は「GIGABYTE GROUP」というホールディングカンパニーの下に,五つの子会社が並ぶ形となっている。具体的には以下のとおりだ。
  • GIGABYTE COMMUNICATIONS:携帯電話事業
  • GIGABYTE UNITED:リテールチャネル(=一般小売市場)向けグラフィックスカード,マザーボード事業
  • GIGABYTE TECHNOLOGY:デスクトップPC本体,周辺機器,ネットワークデバイス,(グラフィックスカードとマザーボードの)OEM事業
  • G-Style:ノートPC,UMPC事業
  • GIGAZONE INTERNATIONAL:クーラー,ケース,電源ユニット事業
5社のなかでは,2006年9月に設立されたGIGABYTE UNITEDが最も新しい。日本では長らく日本ギガ・バイトにすべて集約されていたので,このあたりは分かりにくかったかもしれないが
 5社は基本的に独立した企業として,それぞれが専用の工場を持って活動している。例えば,GIGABYTE TECHNOLOGYは,日本での窓口として同社が15%,GIGABYTE製品の代理店として知られるマスタードシードが85%それぞれ出資して設立した「マスタードギガ」という企業を持つが,「出資比率からしても分かるように,日本ギガバイトユナイテッドとマスタードギガの間に横のつながりはない」(Yeo氏)とのこと。今後,連携して日本で何かを行うといった可能性もまずないとしている。

 ところで,2007年6月14日の記事でお伝えしたとおり,4Gamer的に最も気になるグラフィックスカードの研究開発部門はGIGABYTE TECHNOLOGYにある。今の話を聞くとこの点は少々気になるが,Yeo氏いわく「GIGABYTE UNITEDが,開発委託先としてGIGABYTE TECHNOLOGYを利用しているとイメージしてほしい。製造&販売権はGIGABYTE UNITEDにある」。
 ただし,両社は台湾の新店市にあるGIGABYTEグループの本社ビルに居を構えており――残る3社は市内の別の場所にある――意志の疎通に問題はないとのこと。「台湾本社にいたとき,私はビルの3階にいたが,5階に上がっていけばグラフィックス部門とすぐ話ができた(笑)」そうだ。
 なおマザーボードについては,既報のとおり,研究開発,製造,販売の全部門をGIGABYTE UNITEDが抱えている。

■日本支店の社員6名による新規スタート
■サポートのレスポンスは高速に


 日本支店のスタッフは6名。国内における営業,マーケティング,サポート,広報活動のすべてを担当するとのことだ。日本ギガ・バイト時代と比較するとスタッフの数は大幅に減ったが,「サポートに関しては,これまでGIGABYTE TECHNOLOGYを通す必要があったが,GIGABYTE UNITED(と日本ギガバイトユナイテッド)が単独で動けるようになったことで,むしろレスポンスは早くなる」(Yeo氏)。(先述したマスタードシードと並んでGIGABYTE UNITEDの販売代理店となる)リンクスインターナショナルでも内部体制を変更したそうなので,遅かれ早かれ,何らかの違いが出てくるのではないだろうか。

 今後については,最近のGIGABYTEブランドのグラフィックスカードやマザーボードの路線を継続する姿勢を示したYeo氏。独自のグラフィックスカード用パッシブクーラー「SilentPipe」は,より発熱の高いGPUに対応すべく開発を継続するとのこと。マザーボードについては,高信頼性と,競争力のある価格の維持を,ハイエンドからローエンドで徹底する方向で,改めて日本市場でのシェア拡大を狙うという。

 秋葉原のオフィスも無事オープンし(Yeo氏にインタビューしたのはこのオフィスだ),ようやく大幅な体制変更がいよいよ落ち着きつつあるように見える日本ギガバイトユナイテッド。これからが勝負と思われるだけに,自作派ゲーマーとしては,Yeo氏の手腕に注目していきたいところだ。(佐々山薫郁)




そのほかのハードウェア
■開発元:各社
■発売元:各社
■発売日:-
■価格:製品による

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070727160153detail.html