GIGABYTEブランド継続&ASUSTeKは影響なし? 合弁新会社について両社がコメント
GIGABYTE TECHNOLOGY(以下GIGABYTE)が,マザーボード&グラフィックスカード部門を分離して,両部門とASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)で合弁の新会社を設立する――。そんな情報が世界中を駆けめぐったのは,2006年8月8日(つまり昨日)のことだった。 一夜明けた8月9日,4Gamerでは両社に確認を取ることができたので,まずはそれからお伝えしたいと思う。
さて,新会社を主導する立場になると目されるGIGABYTEの日本法人,日本ギガ・バイトの広報担当に話を聞いてみたところ,「マザーボード&グラフィックスカード部門を本社から切り離し,両部門とASUSTeKで2007年1月に合弁の新会社をスタートさせる予定です。資本金や両社の持ち株比率は報道されているとおりです」とのこと。8日の記事でお伝えした内容が,完全に肯定された格好だ。 ちなみに,台湾のニュースサイトでは,GIGABYTEとASUSTeKのトップが握手している写真が掲載されているが,「正式発表会が行われたわけではありません」(日本ギガ・バイト)。台湾の報道陣に対し,ひとまず質問に答えてみせた,というレベルのようだ。 また,今後についてだが,当面は今までどおりのビジネスを継続する予定。「何かお伝えできることができたら,その時点で発表します」とのことだった。
なお,同じ質問をASUSTeKの広報担当者にしてみたところ,「GIGABYTEと共同で子会社を設立するのは事実です」という答えが返ってきた。こちらは主導する立場ではないためか,一歩退いた印象だ。
■買収報道のあったGIGABYTE主導で ■新会社が誕生する理由
8日の記事でお伝えしたように,この事実が判明する直前には,「Hon Hai Precision Industry(以下Foxconn)が検討しているGIGABYTE買収を阻止するため,ASUSTeKがGIGABYTEを買収するのではないか」という噂があった。
この背景には,「そんな噂が出るほど,GIGABYTEの調子が落ちていた」という事実がある。では,なぜ「買収されるかも」という噂が出るほどのGIGABYTEが主導する形で,新会社が誕生するのだろうか? そして,新会社を設立するASUSTeKのマザーボード&グラフィックスカード部門はどうなるのだろうか?
合弁会社を主導するGIGABYTE。現時点では社長以下,経営陣の約3分の2がGIGABYTE,残りがASUSTeKから出ることになっているようだ
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これについてASUSTeKの関係者は「今回の出資はASUSTeKにとって,『新しいビジネスを始めた』に過ぎない。ASUSTeK本体は何も変わらないし,ブランドや製品にもまったく影響はない」という。 ASUSTeKのブランドや製品はまったくそのまま,資本金とされる約280億円の半額弱,140億円前後で,ライバルであるGIGABYTEに影響力を行使できるうえ,噂されていたFoxconnによる同社買収も阻止できる。ASUSTeKにとっては“安い買い物”かもしれず,こう考えると,GIGABYTEが主導する格好になっているのも合点がいく。
予想が外れることを恐れずに書き進めると,新会社は「ASUSTeKの血が49%入ったGIGABYTE」ということになるわけで,ブランド名としてはGIGABYTEの名が残りそうだ。その意味で,(内情はともかく,店頭で製品を見る限りにおいては)2007年以降も,GIGABYTEとASUSTeKの両ブランドに,これといった影響はないかもしれない。(佐々山薫郁)
※2006年8月9日20時12分追記:日本ギガ・バイトはこの件に関する日本語版プレスリリースを発表。そのなかで「GIGABYTEおよびASUSTeKのブランド名は2007年以降もそれぞれ継続する予定」と述べている。
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