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  • AMD
  • 発表日:2007/11/19
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    AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表
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    印刷2007/09/10 13:01

    ニュース

    AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表

    Quad-Core Opteronに合わせて,Opteronのロゴが刷新された
    画像集#002のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表
     日本時間2007年9月10日1:01PM,AMDの日本法人である日本AMDは,開発コードネーム「Barcelona」(バルセロナ)として知られていたサーバー/ワークステーション向けCPUを,「Quad-Core Opteron」(クアッドコアオプテロン,AMDによる正式名称は「Quad-Core AMD Opteron Processor」)として発表した。
     その立ち位置からして,ゲーマーと直接の関係はない製品だが,同社の次世代デスクトップPC向けCPU「Phenom」(フェノム)と共通のマイクロアーキテクチャ(≒設計思想)を持つだけに,気になる人はいるだろう。今回は第一報として,ニュースリリースにある製品のポイントを簡単に紹介してみたい。

    画像集#003のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表
     ……とはいうものの,AMDによる英文のニュースリリースには,性能を推測するに当たってヒントとなるような詳細データがほとんど書かれていない。製品ラインナップすら発表されていないので,まずは,AMDがQuad-Core Opteronについてこれまでに発表した内容を,以下のとおりざっと確認しておこう。

    • 「Direct Connect Architecture」により,4個のCPUコアがFSBを介さずに接続される,ネイティブなクアッドコアCPU
    • AMDの自社工場「Fab 36」の65nmプロセスで製造
    • トランジスタ数は4億6300万,ダイサイズは283mm2
    • キャッシュ容量はL1が64KB,L2が512KB,L3が2MB。L3のみ4コアで共有される
    • 内蔵するメモリコントローラはDDR2対応
    • 第2世代の2/4/8way向けOpteronと同じく,1207ピンのSocket F対応

    ニュースリリースに合わせて公開されたQuad-Core Opteronの概要
    画像集#004のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表 画像集#005のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表

    画像集#006のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表
     トランジスタ数やダイサイズは,必ずしも最終製品と同じとは限らないが,ひとまず,基本的なスペックはおよそこのような感じと理解しておいて問題ないだろう。
     AMDのHector Ruiz(ヘクター・ルイズ)会長兼CEOは,リリースのなかで今回のQuad-Core Opteronを「性能,電力効率,仮想化技術,投資効果という4部門の勝者」と位置づける。とくに電力効率については自信があるようで,同一の消費電力で比較したとき,既存のデュアルコアOpteronである「Opteron Model 2222/3.0GHz」と比較して,Quad-Core Opteronの「Opteron Model 2355」(動作クロック未詳)が,浮動小数点と整数演算のそれぞれで50%高速というデータがリリースでは示された。

     またAMDは,電力効率をアピールするためか,Quad-Core Opteronに合わせて,新しい電力指標「ACP」(Average CPU Power)を導入すると発表した。
     これは,PCメーカー向けの熱設計指標である「TDP」(Thermal Design Power,熱設計消費電力)とは異なり,現実的な動作/負荷環境においてCPUがどれくらい電力を消費するのかを示す値で,データセンターの電力予算などを計算しやすいという。発表時点におけるQuad-Core OpteronのACPは55Wもしくは75Wで,今後はTDPと合わせて提供される予定だ。

     このほかQuad-Core Opteronでは,いくつか新しい省電力技術が導入されている。概要は以下のとおり。

    • CoolCore Technology:CPUコアにおける“使っていない部分”の電源を落とす
    • Independent Dynamic Core Technology:CPUの負荷状況に応じて動的に動作クロックと動作電圧を制御する「PowerNow! Technology」の拡張。必要に応じてクアッドコアCPUが持つ各コアの動作クロックを動的に制御する
    • Dual Dynamic Power Management(DDPM):CPUコアとメモリコントローラのそれぞれに対し,負荷に応じて別々の電圧を供給する

     このうちDDPMについて補足すると,リリース文中に「ほとんどのQuad-Core Opteronで導入される」とあるため,ラインナップの一部には採用されないモデルも存在すると思われる。逆にいえば,そういった注釈がない以上,CoolCore TechnologyとIndependent Dynamic Core Technologyは全ラインナップに採用されると見ていいのではなかろうか。

    画像集#007のサムネイル/AMD,“真の”クアッドコアCPU「Barcelona」を新世代Opteronとして発表
     残る仮想化技術と投資効率に関しては,ほぼ100%サーバー用途向けのトピックなので,以下,簡単に紹介するに留めたい。
     仮想化はサーバーのワークロードを統合し,またクラッキングなどの被害からの迅速な復旧を行うことを可能にする重要な技術。Opteronでは従来から「AMD Virtualization Technology」による仮想環境下のオーバーヘッドの低減を実現してきたが,Quad-Core Opteronでは,仮想環境下のアプリケーションにおいてリアルタイムに近いパフォーマンスを実現する技術「Rapid Virtualization Indexing」が新たに導入されている。
     また投資効率というのは,「第2世代Opteron搭載システムからCPUを乗せ換えるだけで導入できるので,これまでの投資がムダにならない」という意味である。デュアルコアCPUシステムと同じ消費電力,同じ熱設計でクアッドコアCPUシステム化できるため,冷却や消費電力回りの複雑さを考慮しなくていいというのもウリである。


     搭載サーバーはHewlett-Packard,Sun Microsystems,Dell,IBMなどから今月中に発売とされ,Phenomは2007年12月の登場が予告されている。Phenomがゲーマーの手に渡るのはもうちょっと先の話になってしまうが,それまでにQuad-Core Opteronのデータが揃えば,Phenomに関してもいろいろ分かってくるだろう。Phenomが気になっている人達は,しばらくQuad-Core Opteronの動向もチェックしておいたほうがよさそうだ。
    • 関連タイトル:

      Phenom

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