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NVIDIA,PhysX対応GeForce Driverと物理演算デモをまとめたPower Packを公開
グラフィックスドライバだけ対応しても,実際にGPU PhysXがどれくらいの威力を持ったものなのか分かりづらいということからか,GeForce Driver 177.83は,「GeForce Power Pack」の一部として提供されている。
GeForce Power Packは,NVIDIA PhysX関連のデモアプリケーションや体験版(と,CUDA対応の並列コンピューティングを利用するアプリケーション)をまとめたもので,PhysXに関連したデモのほとんどは,ChinaJoy期間中に上海で行われたプレス発表会のときに公開されていたものと同じである。アルファベット順に,軽く紹介してみよう。
●Badaboom 0.9
これはElemental Technologies製となる,GPUを使ったトランスコード用のソフトウェアツールで,PhysXではなく「CUDAを用いた並列コンピューティングのデモソフト」という位置付け。30日間の期限付き体験版となっている。GeForce GTX 280登場時の記事で,再生速度の5倍速で高解像度H.264のエンコードができるとされていたツールを実地で試すことができる。ゲームとは関係ないのだが,ビデオのトランスコードを頻繁に使う人には注目のデモだろう。
●Fluid demo v1.0
●Folding@Home GPU v620_nv
タンパク質の構造計算を世界的な規模で行っているFolding@HomeのGPU版である。わしゃわしゃと動く分子モデルが表示されるだけで,普通の人はなにが起きているのかは見ても分からないと思うが,どこかで人を救うことになるかもしれないプログラムなので,協力できる人はゲームをしないときに動かすようにしよう。
●MKZBenchmark PreAlpha v0.6
●Nurien Alpha v0.7
●The Great Kulu v1.1.2
物理演算によるソフトボディのデモである。画面内にいるエビ状の生物をマウス(で操る光線銃)でいじるとピチピチと跳ね回る。
●UT3 PhysX ModPack
「Unreal Tournament 3」での物理演算を使用したマップが3種追加される拡張MODだ(使用には製品版のUnreal Tournament 3が必要なので注意)。どんな感じで動作するかは,2008年7月10日の記事を参照してほしい。
NVIDIAによると,Unreal Tournamnet 3のPhysX対応マップにおいて,GeForce 9800 GTX+搭載システムのパフォーマンスは,ATI Radeon HD 4850搭載で,PhysXアクセラレーションに対応できない(=CPU処理となる)システムを180%上回るとのこと。肝心の搭載CPUの種類は不明だが,ベンチマークスコアで2.8倍と,たいした差がついていないので4コアの最新製品ではないかと思われる。対CPUであまり差がついてないのは,このスコアがフレームレートをベースにしたもので,GPUは演算以外の描画処理も行っていること,元々PhysX PPUをターゲットとしていたMODなので,実はそれほど大量の物理演算を行っているわけではないことが原因と思われる。
●Warmonger v2.1
なお,添付されているプログラムは以上のとおりだが,コントロールパネルのNVIDIA PhysXを開くと,DarkBasicで作られたと思われるデモがいくつか実行できる。
また,正式ドライバ公開を受けて,「バイオニックコマンドー マスターD復活計画」や「Cryostasis」「Backbreaker」などPhysX対応のゲームが近日中に発売される予定となっている。さらに年末にかけて20タイトルほどのPhysX対応ゲームが登場する見込みだ。
とりあえず,デモを見ているだけでも楽しめるので,GeForce 8以降のGPUを使用している人はぜひダウンロードしてみよう。
GeForce Experience Pack(Power Pack)
http://www.nvidia.co.jp/content/forcewithin/jp/download.asp注:8月12日10:00PM公開のページですが,8月13日10:00AM現在,Internet Explorerでは,そのままだと閲覧できません(※Mozilla Firefoxでは閲覧可能)。Internet Explorerをお使いの場合は,リンク先でブランクページが表示されたら,
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