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  • 発表日:2003/10/23
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Release 80世代の正式版「ForceWare 81.85」は数日以内にリリース,デュアルコアCPU最適化の正体も明らかに
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印刷2005/10/18 20:44

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Release 80世代の正式版「ForceWare 81.85」は数日以内にリリース,デュアルコアCPU最適化の正体も明らかに

NVIDIAのAndrew Fear氏
 NVIDIAは,デュアルコアCPUへの最適化や,NVIDIA SLI(以下SLI)のパフォーマンス向上などを図った,公式ドライバのメジャーアップデート版「ForceWare 81.85」を近日中に発表する。
 今回4Gamerでは,このForceWare 81.85について,NVIDIAのシニアプロダクトマネージャであるAndrew Fear(アンドリュー・フィアー)氏に,電話インタビューができた。その内容から,来るべき最新ドライバについてお知らせしていきたい。

 まず,気になるリリーススケジュールだが,Fear氏は「ForceWare 81.85は現在,MicrosoftのWHQL(Windows Hardware Quality Labs)認証プロセスに回っています。米国時間の2005年10月19日にはその処理が完了し,20日か21日には弊社のWebサイトで『正式版』として公開できるでしょう」と語る。
 ForceWare 81.85は,現在nZoneで公開されているForceWare 81.84βのバグフィックス版という位置づけ。まず米国時間10月19日にnZoneでβ版として公開されてから,早ければ今週中にも正式公開される運びのようだ。

■グラフィックスチップからCPUへのリクエストをマルチスレッド処理
 さて,Release 80世代が持つ最大の特徴として,Athlon 64 X2やPentium Dといった,デュアルコアCPUへの対応が挙げられるというのは,再三にわたってお伝えしてきたとおりだ。デュアルコアCPU利用時のパフォーマンス向上がいかほどかについては10月17日のプレビューを参照していただくとして,実際には,何をどうすることによって,パフォーマンスの向上を実現しているのだろうか?

 Fear氏は,CPUが担当している,ゲームプログラムが扱うポリゴンデータをグラフィックスチップで直接処理可能な三角形データに変換する「トライアングルセットアップ」という処理を,Release 80世代のForceWareではマルチスレッド化したと説明する。「これまでの3Dアプリケーションでは,このCPU処理がボトルネックになってしまっていました。そこで,今回のドライバではそうした処理をマルチスレッドに対応させ,二つのCPUを効率よく利用できるようにしたのです」とは同氏のコメントだが,要するに,CPUのボトルネックを減少させることで,総合的な3D描画性能を向上させているというわけである。
 Intelは,物理処理をマルチスレッドに対応させるといった,(ゲームエンジンなど)アプリケーション側のマルチスレッド対応を3Dゲーム開発者に対して提唱している。だが,NVIDIAのアプローチはそれとは異なり,あくまで,グラフィックスチップがCPUを利用して行う,トライアングルセットアップのみがマルチスレッド対応(≒デュアルコアCPU対応)となっているのだ。このため,ゲーム側の対応は必要ない。Release 80世代のForceWareと,デュアルコアCPUがあれば,一様に恩恵を受けられる。

 Fear氏によれば,「Far Cry」で比較したとき,シングルコアCPUに対して,デュアルコアCPUを利用すると,シングルグラフィックスカードで約15%,SLI環境では約20%ほど,パフォーマンスの向上を期待できるという。ForceWare 81.84βを利用した実際の検証ではそこまでのスコアアップを確認できなかったが,SLI環境のほうがスコア向上率が大きかったのは確か。これについてFear氏は「SLI環境ではCPUへの負荷が高くなります。当然,シングルグラフィックスカードよりもSLI環境のほうが,デュアルコアCPUを利用したときの効果は大きいでしょう」と説明する。

 なお,デュアルコアCPUの話は抜きにして,SLIそのもののパフォーマンスも向上するとのこと。1600×1200ドットの解像度でFar Cryや「ハーフライフ2」をプレイするとき,5%程度のパフォーマンス向上が期待できるという。また,同解像度で4倍のアンチエイリアシングと8倍の異方性フィルタリングを適用した状態において,「DOOM 3」でも最大5%のフレームレート向上を実現しているとした。



■異なるクロックでSLIはNG,新UIは11月にサンプル
異なるグラフィックスメモリ容量のカードでもSLI動作可能とするスライド(出展:NVIDIA)
 このほか,詳細が明らかになった点について,順にお知らせしよう。
 前述のプレビューで検証し,期待されたスコアを得られなかった「同じコアのグラフィックスチップを搭載するが,動作クロックの異なる2枚のグラフィックスカードによるSLI」だが,これは「おそらく動作可能でしょう」(Fear氏)とのこと。この組み合わせに関しては,依然として動作保証外になるようだ。
 一方,グラフィックスメモリ容量の違いは吸収されるとのこと。例えば片方が128MB,片方が256MBであっても問題ない。これは,9月のプレスカンファレンスで説明された内容だが,改めて確認できたことになる。

 次に,気になる新ユーザーインタフェース(以下UI)についてだが,ForceWare 81.85では実装されない。「新しいUIの実装には若干の時間が必要です。これは,今後リリースされるRelease 80世代のドライバで対応することになります。現在のところ,11月にプレス向けのプレビューを配布できるようになる予定です」(Fear氏)とのことだ。ForceWare 82なのか83なのかは分からないが,いずれにせよ,Release 80世代のどこかのタイミングで実装されることになると思われる。



■PureVideoではプルダウン処理時の品質が向上
 ゲームとは直接関係ないが,PureVideoの品質向上についても興味深い話を聞くことができた。そもそもPureVideoとは,NVIDIAがGeForce 6世代以降のグラフィックスチップで提供している動画再生時の画質向上機能で,NVIDIAの「PureVideo Decoder」か,InterVideoの「WinDVD 7」といった対応アプリケーションから利用することで,インタレース解除などといった,動画デコード時の再生品質が大幅に向上する。
 では,Release 80では何が変わるのかといえば,3:2プルダウンや2:2プルダウン,時空間適応インタレース解除などの表示品質がさらに向上したとのこと。実際にどの程度変わるのかは検証を待つ必要があるものの,Fear氏の言い分をそのまま信じるなら,従来よりもジャギーは低減するはずである。

■GeForceを利用するユーザーは要注目
 早ければ明日にも(β版扱いだが)ForceWare 81.85は入手可能になるはず。デュアルコアCPUへの対応が独り歩きしている感はあるものの,メジャーアップデートだけに,GeForceシリーズのユーザーにとっては見逃せないリリースとなるだろう。(笠原一輝)

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