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第2次プレオープン直前のMMORPG「三國志 Online」,プレス先行試遊会で体験できた新しい要素を紹介
三國志 Onlineはコーエーが開発中の「三国志演義」の世界を舞台としたMMORPGだ。2007年中に幾度かのβテストが行われ,一度は製品の発売日も決定,プレオープンサービスまでそのステータスを進めた本作だが,サービス開始直前の段階でさらなる品質の向上が必要だとしてリリースが延期されたということは,4Gamer読者なら知っている人も多いことだろう。そこで,どのような改良が必要だと判断され,また具体的にどういった要素が追加されるのかについては以前に掲載された「こちら」のインタビュー記事が詳しい。
サービス開始の延期が発表になったのは昨年の2007年10月5日。それから数か月を経て,先日2008年1月17日に,リリースに先駆けて行われる第2次プレオープンサービスが2008年2月7日から始まることが発表された。今回行われた“プレス向け先行試遊会”では,その第2次プレオープンで公開されるものと(ほぼ)同じバージョンの三國志Onlineがプレイできたのだ。約4か月で三國志Onlineはどのような変化を遂げたのか。これまでいくつかの情報は入ってきてはいたものの,動いているゲーム画面でそれを確認できる機会はなかった。このレポート記事では追加要素や変更点を中心に,最新の三國志Onlineの姿をお伝えしていく。
※すべてプレスツアー用のテストキャラクターのため,名前は消していません
声にバリエーションが追加された,キャラクターメイク
プレイヤーはキャラクターメイキング時に,自キャラクターが発する声を選択できるが,この新バージョンでは男性,女性の両方に選択可能な声が一種類ずつ追加されている。さらに声の高さ(低さ)もカスタマイズでき,声の選択時にスライダーを使って調節可能だ。男性,女性両方で最も高い位置と最も低い位置を試してみたが,不自然な感じを受けることはなかった。思う存分,太い声を堪能(?)できそうである。
さまざまな新要素が垣間見れる,水鏡村
ユーザーインタフェース(以下,UI)関連の変更で大きいのは,かなり多くのウィンドウでフレーム(外枠)を透明にできることだ。枠を消すとバックグラウンドも半透明から透明に変化する。不必要な枠と背景をどんどん透明にしていくことで,画面は以前よりもかなりすっきりしたものにできる。
細かいところでは,依頼の進行状態を画面に常に表示しておくための小ウィンドウ(クエスト・トラッカー)に,依頼の目的地を地図上に出すための緑色のボタンがついた点が挙げられる。以前であれば「依頼一覧を開く → 目的の依頼を選択 → 目的地表示のボタンを押す」とそれなりの手順を踏まなければならなかったものが,より簡単な操作で実現可能になっている。
現在の経験値量を表示する「能力一覧」はキャラクター育成中に頻繁に見ることになるウィンドウだが,1項目を確認したいだけなのに,多くの数値とバーがズラリと出てきてしまうという煩わしさも持っていた。新バージョンでは任意の1項目のみをミニウィンドウとして表示できるようになっており,これならば常に画面の角に置いておいても邪魔にならない。
「武将との関わりをより強く感じられるようにする」というのも改良のポイントとして挙げられているが,新たな水鏡村では,以前は固有名がなかったNPC「戦闘総師範」が,有名武将の一人である“徐庶”になっていた。クエストの文面や内容もそれに合わせて“より三国志らしい”ものになっているようだ。三国志らしさに関して言えば,新しい合戦のシステムに関わる「制覇図」や「軍団値」のウィンドウを,水鏡村などに新たに設置された掲示板からも確認できた。
引き続き村内を走り回っていると,生産施設が集まっている一角に「銭荘出張所」という名のNPCを発見した。銭荘とはいわゆる銀行(バンク)のこと。このNPCのおかげで生産者の移動の手間はだいぶ軽減されるはずだ。さらに銭荘のウィンドウには「一族倉庫を開く」というボタンも確認できる。同アカウント内のキャラクターとの間でのアイテムのやりとりも,簡単に行えるようだ。
新バージョンでは,これまでの展示販売とは異なる「自動販売」が追加されている。展示販売では,プレイヤーが売りたいものを提示し,それに対して実際に取り引きする必要があったが,自動販売では一般的なバザールと同じように,出品されたアイテムを直接そのウィンドウから購入できるようになった。
荊州周辺で戦闘システムを体験
いくつかの新システムを確認したところで,村の外に移動し,クエスト対象の悪人や動物と戦ってみよう。
戦闘関連での最も大きな変更は,敵や味方の技能の準備動作を目視できる「ウェイティングバー」が追加されたことだろう。ウェイティングバーは対象のHPバーの下に表示され,敵が詠唱(あるいは準備動作)している最中に技能による攻撃を当てると,クリティカルが発生する。これによって技などを発するタイミングが今まで以上に重要になり,戦闘の戦略性が増している。またクリティカルヒットをはじめとした技のエフェクト/演出も改良されているので,戦闘シーンは今まで以上にきらびやかなものになっている。
また戦闘に役立つ「ターゲット一覧」というUIが追加されたことにもぜひ触れたい。これは画面内にいるターゲットの一覧を即座に表示する機能で,このリストを直接クリックすることでもターゲットの選定が可能となる。リスト上のターゲット名と実際のターゲットの間には点線が引かれ,視覚的にも分かりやすいように工夫されている。この機能はクリックでターゲットを選別しにくい乱戦時や対人戦時に効果を発揮しそうだ。
なお,説明によれば戦闘そのものがいままでよりもスピーディになっているとのことだが,これについては正直なところ,それほど強くは実感できなかった。村の周りで一人で狼を狩るような簡単な戦闘ではなく,徒党を組んで強敵と連戦するような状況になると大きな違いが出てくるのかもしれない。今後注目していきたい部分である。
荊州のフィールド上で地図のウィンドウを開いたら,村などの地名が変更されていることに気がついた。さらによく見れば,マップ上の馬屋の数が増加しているようだ。キャラクターの移動速度が上昇していることもあわせて,現在のバージョンでは以前よりもかなりスピーディにマップの各所に移動できるようになっている。
歯ごたえのある攻略コンテンツ,プライベートダンジョン
プライベートダンジョンは,前回までのテストにはなかった完全な新要素だ。これは徒党(連合)ごとに個別生成される専用のダンジョンだ。ダンジョンへの入場は,徒党を組んで該当のNPCに話しかけることで行える。その手順はこれまでにもあった「軍略」とほぼ同じようだ。
こういったグループ専用のダンジョンにはパブリックなダンジョンとは違った面白さがある。ほかのプレイヤーを気にすることなく自分たちだけで攻略に集中できるし,ある程度リワード(報酬)が約束されていることもうれしい。きちんとした終わりがあるので,プレイ時間の見通しが立ちやすいこともポイントが高い。
軍略と部曲戦
最後に「軍略」と「部曲戦」を体験した。「軍略」は専用フィールドを使った単発のミッションのようなもので,15〜20分程度で終わるグループ用のコンテンツだ。「部曲戦」は同じく専用ステージを使った部曲(ギルド)同士の集団PvPマッチである。この二つは第一次プレオープンでもプレイ可能だったコンテンツであり,この試遊会で体験できたものはそれと同じもので,内容に大きな変更は見あたらなかった。
この二つのコンテンツはどちらも,割と積極的に勢力に荷担しなければアクセスできない性質のものなので,今回は「そこまでのプレイはなかなか難しい」というプレス関係者に体験してもらうという意味合いが強かったのかもしれない。ただし,軍略に関してはまだ水鏡村にいるようなゲームの初期段階で,勢力に所属していない状態でも参加できるようになるという。プレイを始めたばかりのキャラクター同士が出会う,よいキッカケとなってくれることを期待したい。
この試遊会で体験できた改良ポイントは,その多くが「遊びやすさを向上させる」ためのものだった。以前のバージョンでプレイヤーたちが感じていたであろう不満の多くが解消され,要望の多くは聞き入れられている印象だ。刷新されたクエストの内容などをつぶさに見ていけば,さらに多くの変更に気が付いただろうと予想できる。プライベートダンジョンによってコンテンツのボリュームもアップして,三國志 Onlineはさらに挑戦しがいのあるゲームになっているようだ。
さて,手応えが感じられる部分がある一方で,二つほど気になったことを書いておこう。まず「遊びやすさを向上させる」UIのさまざまな機能の追加によって,操作感が若干複雑になったことが挙げられる。そのため,初見でのプレイでは操作に戸惑うこともあるかもしれない。しかし,短いスパンで見ればたしかに複雑に感じられるUIも,豊富なカスタマイズによって自分にあったプレイスタイルが構築しやすい。プレイを長く続けていくMMORPGでは,プレイに慣れていくにしたがって,プレイアビリティが向上していく幅が大きいのではないだろうか。やや融通の効かないUIだっただけに,ここは素直にありがたいと思った。
最も気になったのは,改良のもう一つの軸である「三国志らしさを実感できるものにする」という部分にあまり触れられなかったことだ。
武将と自分との関わりを強く感じられたり,戦局に自分が積極的に関わっているのだと実感できたりするための仕組みとして,「客将」や「三国制覇」といったシステムが追加されることはすでに発表されており,そのシステムが組み込まれていることも,武将への「納入」など,プレイの端々からも実感できた。
むろん,限られた時間でそれを「体験」することは不可能に近いだろうし,そこに文句をつけるつもりは毛頭ないが,UIの強化だけでない「よくなった部分」をもなんらかの形で見せてほしかった気はする。そこが,おそらく今回の延期における最も要(かなめ)の部分なのだから。
UIやプレイアビリティの向上がすべてのプレイヤーに向けた改良であるとするならば,「三国志らしさの追加」は,熟練プレイヤーのモチベーションを維持するための改良だと言える。であればこちらはやはり,ある程度の期間をプレイしないと実感できない部分だ。この作品を通して得られる“三国志体験”はどのように強化されているのだろうか。
コーエー関係者によれば「108か所の修正点があるらしいですよ。嘘かホントか知りませんが」(108といえば水滸伝?)という,今回の第二次プレオープン。1時間程度触れただけでは分からないさまざまなポイントが変わっていることを,早く体験したいものだ。
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