ブロックチェーンゲーム業界を牽引する31名に聞く。2024年に注目したニュース，ヒットを生むために必要なこと，そしてブロックチェーンの未来

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スクウェア・エニックス
インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター
畑 圭輔

＜質問1＞いま最も読者に知ってほしい自社サービスは何ですか

　SYMBIOGENESIS。
　当社初のグローバルで展開するNFTを活用したコンテンツです。2023年12月からサービスを開始し、現在3章を配信中となります。
　全6章構成で展開される壮大なストーリーに紐づく謎やミッションを1万体のNFTキャラクターがもつ情報を頼りに考察や攻略を進めていくチャレンジなタイトルとなっています。
　NFTキャラクターは全てデザインが異なっており、オークション形式で販売されるため、手に入れた時から愛着が高まるコンテンツ設計となっております。

＜質問2＞2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか

（回答なし）

＜質問3＞ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか

　ブロックチェーンを活用した実装例としては暗号資産、特にビットコインが挙げられますが、私たちはより本質的な価値をゲームユーザーに提供したいと考えています。
　具体的には、ブロックチェーンを活用したデジタルアセットを通じて、保有することで生まれる愛着や取引を通じたゲームの経済圏への貢献活動を誰もが体験できる世界の実現を目指しています。

＜質問4＞近い将来（または遠い将来），ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか

　ブロックチェーンが持つ透明性、堅牢性、不可逆性でしか解決できないことを新しい体験として提供できたときに自然と浸透していくと考えています。

＜質問5＞2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ

　Web3という言葉が先行しているイメージがありますが、最も重要なのはゲームユーザーに新しいエンターテイメントと体験を提供できるかどうかだと考えていますので、この軸をぶらすことなく、今後もチャレンジを続けていきたいと考えております。

© SQUARE ENIX
畑氏の代表作：「SYMBIOGENESIS」「資産性ミリオンアーサー」

「SYMBIOGENESIS」公式サイト

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スゴロックス
エグゼクティブプロデューサー
西山泰弘

＜質問1＞いま最も読者に知ってほしい自社サービスは何ですか

　『魁 三国志大戦』。
　ガチの対戦ゲームです。武将を駆使した軍勢カードバトルとしてサービス開始を予定しています。

　オリジナルである『三国志大戦』の良さを活かしつつ、スマホとPCブラウザに特化したゲームに仕上げました。
　また、対戦相手とのライバルシステムやランキングなど、このゲームに参加している他のプレイヤーを意識させる工夫を随所に凝らしています。ゲームを楽しむだけでなく、プレイヤー間の絆や繋がりもぜひ感じてください。

©SEGA ©double jump.tokyo

＜質問2＞2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか

　『コインムスメ』のリリース。
　Web3ならではのサービスだと思うし、『魁 三国志大戦』とはOASYS仲間ということで、応援している部分もあります。
　うちとは全く違うポリシーのサービスになりますし、どういう成長の仕方をしていくのか注視しています。色々と勉強させていただきたいです。

＜質問3＞ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか

　熱量が高いゲーム体験の提供。
　まずはゲームそのものや、ゲームを通じて得られる体験の熱さが必要です。エコシステムや、NFT、コミュニティ形成などは、そこから派生するものだと考えています。
　プレイヤーの皆様に「応援したい」「運営やサービスにかかわりたい」というモチベーションを持っていただけるように、しっかりとゲームを作り込み、その体験を楽しんでいただける環境を整えていきたいと思っております。

＜質問4＞近い将来（または遠い将来），ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか

　ブロックチェーンの浸透に伴って、サービスを選んでいく側であるプレイヤーが全員、その選んだサービスの当事者になっていくような世界がくると考えています。サービス提供側とプレイヤー双方がフェアな関係になっていく世界です。
　ブロックチェーンをとおして、アカウントとしてのセキュリティー、保持するデジタルアイテムや仮想通貨のセキュリティー、ゲームが通信やクライアントで処理していく部分のデータのセキュリティーなど、あらゆるサービスがフェアなものになって、新しい体験（それじゃないと通用しない）が生まれやすくなっていく。そんな環境になれば、もっと面白いサービスが生まれていくのかなって考えています。
　サービスホルダー側にとっては厳しい時代になりますが、本来のクリエーター魂を燃やして、いいサービスを提供できるように頑張っていきたいです！

＜質問5＞2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ

　4Gamerの読者の皆さんは、サービスを先入観無く、実力で評価いただけるプレイヤーの方が多いと感じています。
　だからこそ、読者の皆さんにしっかりと評価され、認めていただけるような熱いサービスを、提供できるように頑張っていきます！

　『魁 三国志大戦』の話を皮切りに、新しい仕掛けもどんどんしていくつもりです。「やるな！スゴロックス！！」と思っていただけるように、4Gamerの読者の皆さんとの関係を続けていければと思っています。
　2025年は、皆さんに熱い体験ができたと満足してもらえるように頑張りますので、お楽しみに！！

©SEGA
西山氏は，セガ在籍時に「三国志大戦」や「チェインクロニクル」を手掛けた人物だ

「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」公式サイト

スゴロックス 公式サイト

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セガ
代表取締役 社長執行役員COO
内海州史

＜質問1＞いま最も読者に知ってほしい自社サービスは何ですか

　セガのIPを使用した2つのBCGが2025年にリリース予定です。
　double jump.tokyoさんからリリースされる『魁 三国志大戦 - Battle of Three Kingdoms -』はカードバトルゲームで、アーケード版を開発した元セガの西山プロデューサーも開発に加わり、より戦略性の高くなったゲーム性とNFTならではのカードトレーディング要素が魅力です。
　またLINE NEXTさんからリリースされる『レンタヒーロー Z』についてはまだ詳細をお伝え出来ませんが、原作の持つ唯一無二の世界観・コンセプトがBCGとしてどう仕上がるのか、ぜひご期待頂ければと思います。

　BCG以外では、The Game Awards 2024で3部門を受賞した『メタファー：リファンタジオ』、12/27より映画も公開中の『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』が絶賛発売中、年明けには『龍が如く８外伝 Pirates in Hawaii』もリリース予定なので、年末年始は是非セガのゲームをお楽しみください。

＜質問2＞2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか

　2024年のWeb3市場は大きな成功事例もなく少し元気がない印象でしたが、年末になってトランプ氏の大統領再選によりビットコインが高騰し過去最高値を更新したことには大変驚きました。特に影響があったのはビットコインとイーサリアムですが、BCGと暗号資産取引は大きく関係しているので、2025年リリース予定のBCGにとって追い風になるのではないかと期待しています。

＜質問3＞ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか

　ブロックチェーン技術によってデジタルアセットの所有や交換・売買ができるようになることは、本来であればユーザーにとってプラスであり、ゲームの魅力を増加させるものだと考えています。
　ただ初期のNFTプロジェクトやBCGに対する印象から、投機的で胡散臭いというイメージや、ウォレットなどの初期ハードルが高いというネガティブなイメージが既についてしまっており、それがマスアダプションに向けて大きな妨げになっていると思います。BCGをヒットさせるベースとして、健全性と流動性を持つ仕組みが必要だと考えています。

＜質問4＞近い将来（または遠い将来），ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか

　各国でステーブルコインが発行・流通されるようになれば決済・送金などの金融サービスが大きく変わり、社会に大きな変化をもたらすと思いますが、法規制の整備などにまだ時間がかかりそうな印象。
　ブロックチェーンはあくまでも技術・インフラであって、法規制含めてブロックチェーンそのものが表立って話題になっている間は、社会に浸透していくのは難しいと思います。前の質問とも重複しますが、ユーザーがウォレット、トークンなどを意識せずに使えるような環境を構築することが重要だと思います。

＜質問5＞2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ

　2025年はいよいよ『魁 三国志大戦 - Battle of Three Kingdoms -』がdouble jump.tokyoさんから、『レンタヒーロー Z』がLINE NEXTさんからリリースされますので、是非両タイトルとも期待してお待ちください！
　またセガでは、Web3に限らず、他の先端技術・新たな領域へのリサーチを継続しており、今後もゲーマーの皆様に驚き楽しんでいただけるような新たな取り組みに挑戦してまいりますので、2025年もセガの取り組みに是非ご期待ください。

「魁 三国志大戦 - Battle of Three Kingdoms -」公式サイト

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ドリコム
代表取締役社長
内藤裕紀

Xアカウント：@no7110

＜質問1＞いま最も読者に知ってほしい自社サービスは何ですか

　現在ドリコムでは、Web3プロジェクト「Wizardry BCプロジェクト」を展開しています。主要なコンテンツとしては『Eternal Crypt - Wizardry BC -』 、『Twelve Goblins - Wizardry BC』があります。
　また、エクウィズのゲーム内通貨であるBlood Crystalは先日12月18日からコインチェックの販売所でも取り扱いが開始され、より手軽に楽しめるようになったので、この機会にぜひ遊んでみてください。

＜質問2＞2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか

　今年は、トランプ氏の大統領就任というニュースのインパクトが大きかったと思います。
　このニュースをきっかけに、米国主導のWeb3産業の拡大への期待が大きく広がった年でした。

＜質問3＞ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか

　一般の人がストレス無く安全にトークンの売買などを行うことができる環境になることが必要だと思います。
　例えば、iPhoneやAndroidの基本機能にウォレットとトークンの取引所機能が実装され、取引に伴う作業のストレスと、ミスをしたら紛失するかもという心理的ストレスの両方から解放された状態で利用できるようになるとより広がるでしょう。

＜質問4＞近い将来（または遠い将来），ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか

　高いディスクローズを求められるトランザクションにおいて、その透明性と信頼性を担保するために利用されることが増えるでしょう。
　一般的なサービスだけでなく、例えば、選挙などにもブロックチェーン技術が使われていくのではないかと思います。

＜質問5＞2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ

　4年に1度のサイクルの中でWeb3業界は大きく発展しています。
　今回も大きく前進することを期待しています。

©Drecom Co., Ltd. “Wizardry” is a trademark of Drecom Co., Ltd.

「Eternal Crypt - Wizardry BC -」公式サイト

「Twelve Goblins - Wizardry BC」公式サイト

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ネクソン
Executive Producer of MapleStory Universe
ファン・ソンヨン

＜質問1＞いま最も読者に知ってほしい自社サービスは何ですか

　長年のゲーム開発で培った専門知識と革新的なブロックチェーン技術が融合した「MapleStory Universe（MSU）」を強くおすすめします。

　MSUは単なるゲームではなく、コミュニティ主導のエコシステムです。プレイヤーがゲーム内資産を真に所有し、その発展に参加し、コンテンツを共同制作できる場を提供します。
　ユーザーによるアイテムの発行や、エコシステムにおけるトークン使用といったWeb3要素が、懐かしくも魅力的な「メイプルストーリー」の世界観に組み込まれていることで、新規プレイヤーから長年のファンまで、革新的な体験を得られる作品となっています。

＜質問2＞2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか

　2024年における最も興味深いトレンドのひとつは、従来のゲーム開発者がブロックチェーンゲームにますます参入している点です。ゲーム体験の地平を拡張するというブロックチェーンのユニークな可能性を、多くの開発者が認め始めていることに心が躍ります。

　一方で、ゲームを楽しむための新たな方法が台頭していることも見逃せません。これは、私たちのゲームの定義を一新しようとしています。
　たとえば、Telegramのようなプラットフォームを活用したプロジェクトでは、IPとの関わり方を斬新かつクリエイティブに展開することで、ブロックチェーンゲームが予想外で魅力的な方向へと進化し続けていることを示しています。

＜質問3＞ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか

　ブロックチェーンゲームをヒットさせるには、まずは現代の進化し続けるプレイヤーに響く体験を提供しなければなりません。
　ゲーマーはもはやひとつの均質な集団ではありません。従来のプレイヤーは魅力的なゲームプレイや親しみやすさを重視しますが、Web3ユーザーは所有権やゲームエコシステムを通じた経済的な機会を求めています。
　成功するブロックチェーンゲームは、楽しさを第一に考えたゲームプレイと、体験を複雑にするのではなく向上させる革新的なWeb3要素をバランスよく組み合わせることで、これらふたつの世界を結びつけます。

　このバランスの中心となるのは、異なるプレイヤーのモチベーションとインセンティブを一致させる能力です。
　熱心なゲーマーにとっては、有意義な報酬や成長要素を提供すること。クリエイターにとっては、コンテンツの制作や収益化を可能にするツールを用意すること。そして投資家にとっては、持続可能な経済を整備することが必要です。
　そのためには、直感的で自然に感じられるシームレスなWeb3導入プロセスが不可欠となります。

　真の所有権や創造の自由、面白いコンテンツ、現実世界とのつながりなどにより、プレイヤーがブロックチェーンの機能に価値を感じたとき、ゲームはその可能性を最大限に解放し、多様なオーディエンスをひとつの魅力的なエコシステムに結びつけるのです。

＜質問4＞近い将来（または遠い将来），ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか

　ブロックチェーン技術は、ゲーム内資産の直接的な管理と実用化を可能にすることで、資産所有の概念を一変させ、より循環的で分散型のオンライン経済を実現するでしょう。
　ゲームの観点では、これはプレイヤーがゲーム内資産を真に所有し、プラットフォームを越えた取引や販売、活用が可能になることを意味し、ユーザー主導のダイナミックなエコシステムを促進します。

　ゲーム以外でも、ブロックチェーンの分散型所有モデルはさまざまな業界に多大な影響を与えます。
　たとえば金融業界では、分散型金融（DeFi）プラットフォームを通じて、より包摂的で透明性の高いシステムの構築が可能になります。デジタルアイデンティティはより安全になり、個人が自分自身のデータを管理できるようになります。
　さらに、知的財産やクリエイティブコンテンツはトークン化され、クリエイター自身が作品を管理・配布できるようになります。最終的には、ブロックチェーン技術によってデジタル資産とのやり取りだけでなく、幅広いデジタルおよび現実世界での信頼と持続可能性のあり方そのものが大きく変革されるでしょう。

＜質問5＞2025年に向けての抱負と，4Gamer読者に向けてのメッセージ

　2025年の私たちの目標は、MapleStory Universeをグローバルへと広げ、ブロックチェーンを使ったゲーム体験の新基準を打ち立てることです。分散型技術によって、プレイヤーが愛する没入感のある楽しいゲームプレイを損なうことなく、人気のIPをどのように高められるのかを示したいと考えています。
　ビジョンの中心にあるのは、プレイヤーがただの参加者ではなく、コンテンツや体験を能動的に形作る「創造者」として活躍できるエコシステムの構築です。単なるイノベーション以上のものを目指しており、それはプレイヤー自身が所有権を持ち、自分が関わる世界を発展させるための機会を得られることです。

　読者の皆様へ──情熱と関心をありがとうございます。長年のメイプルストーリーファンの方も、ブロックチェーンゲーム好きの方も、ぜひこの新たな刺激的なチャプターにご参加いただければと思います。共に、ゲームの未来を再定義していきましょう！

「MapleStory Universe」公式サイト

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