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ASUS,国内初のAtom採用Androidタブレットとなる「Fonepad」を4月25日に発売。SIMロックフリーの3G通信機能搭載
Fonepad ME371MGはメーカー想定売価2万9800円前後で,4月25日発売予定。TransAiO P1801はメーカー想定売価15万9800円前後で,4月20日発売予定だ。
Fonepad ME371MG |
TransAiO P1801 |
Atomでもアプリの互換性は問題ナシ?
グラフィックス性能は少々低め
ゲストとして登壇したインテルの土岐英秋技術本部長は,Atom Z2420について,最大消費電力が約10Wと,x86プロセッサとして低めであることをアピールポイントとして挙げていた。実際,Fonepad ME371MGのバッテリー駆動時間は(3G通信無効時に)最大約10.5時間が確保されているという。
実のところ,Atom Z2420は新興市場向けのCPUに位置付けられており,日本で販売される製品に,採用される事例は多くないだろう。しかし,Intelとしては今後登場するであろうAndroid端末に「Intel inside」を定着させたい考えを持っており,土岐氏は,AtomがAndroid端末に採用されるうえでの懸念事項になりかねない,アプリケーション互換性について懸念の払拭に努めていた。
いわく,高速化を目的に,開発ツール「Android NDK」を用いてC言語やC++言語で開発されたアプリケーションであっても,Atom Z2420でほとんどが問題なく動作するとのこと。それが事実かどうかは今後の検証に委ねたいが,Intelとしては,ARMベースのプロセッサでなくとも,Android対応アプリケーションは問題なく動作するという立場をとっているようだ。
互換性の次に気になるのは性能だ。最近のタブレットで採用されるSoCは,,CPUコアを2〜4基搭載するものが多い。一方,Atom Z2420はマルチスレッディング対応とはいえ1コア。実機を触る前には,性能差が大きいのではないかという懸念があった。
しかし,Fonepad ME371MGを実際に触ってみると,画面の切り替えやアプリケーションの起動時間などは,NVIDIAのTegra 3を搭載する,最近の一般的なAndroidタブレットと比べても違いは感じない。むしろ想像以上にきびきびと動くので,意表を突かれた思いだ。
下に掲載したムービーは,Fonepad ME371MG実機上でUIの反応を撮影したものだが,軽快な動作の一端が見て取れるだろう。
テストの結果は,96回程度の連射に対して結果は「85」。処理の飽和は29前後で生じていた。これはなかなか優秀な結果で,タップに対する感度は良好と述べていいだろう。
参考までに,「Graphics test 1」実行中の直撮りムービーを掲載しておくので,チェックしてみてほしい。
IIJmioのプリペイド型SIMを提供するキャンペーン実施
タブレットとしてはオーソドックスで価格相応
冒頭で述べたとおり,Fonepad ME371MGはSIMロックフリーで音声通話も可能なAndroidタブレットだ。一方,標準では通信用のmicroSIMカードが付属していないわけだが,そこでASUSは,Fonepad ME371MGの購入者に対し,IIJmioのプリペイド型microSIMカードをプレゼントするキャンペーンを行うとのことだ。
キャンペーンの詳細は本機の発売日である4月25日までに明らかになる予定。「プリペイドSIMなんて買ったことないよ」という人に向けた配慮として,これはアリな気配である。
なお,CPU以外に目を向けると,「Nexus 7」の製造元であるASUS製品らしく,Fonepad ME371MGはごくオーソドックスな7インチタブレットだといえる。液晶パネルはIPS方式を採用し,解像度は800×1280ドット,メインメモリ容量1GB,ストレージ容量8GBというのは,イマドキの製品としては少なめだが,これは価格とのトレードオフといったところか。もっとも,ストレージ容量はmicroSD&SDHCメモリーカードで増やせるので,大きな問題はないだろう。なお,OSはAndroid 4.1.2(Jelly Bean)だ。
外観に特徴的な部分は少なく,こちらも「ごく普通の7インチタブレット」としか言いようがない。用意されているハードウェアスイッチは,側面にある電源/スリープボタンとボリューム調節のボタンだけ。前面には120万画素のインカメラ,ややカーブを描いた背面の上側には300万画素のアウトカメラを装備しているなど,Androidタブレットとしては定番のレイアウトだが,アウトカメラがあるのは,Nexus 7との差別化ポイントといえるかもしれない。
サイズは196.6(W)×120.1(D)×10.4(H)mm,重量は約340g。ちなみに,Fonepadの重心はセンターからやや下の位置にある。これは縦画面で持ったときに,テコの原理によって重さを感じさせないための工夫で,7インチ以上のタブレットでは定番のものとなっている。
本体前面。120万画素のインカメラを装備。前面にハードウェアボタンはない |
本体背面。300万画素のアウトカメラがある。Intel insideロゴがとても目立つ |
そのほか主なスペックは下記のとおり。比較的安価な3G対応タブレット端末としてはもちろん,Intel Insideタブレット端末としても注目を集めそうである。
●Fonepad ME371MGの主なスペック
- 型番:ME371-GY08
- OS:Android 4.1.2
- SoC:Atom Z2420/1.2GHz
- メインメモリ容量:1GB
- ディスプレイ:7インチワイド液晶パネル,800×1280ドット,10点マルチタッチ対応
- ストレージ容量:8GB(+容量5GBの「ASUS WebStorage」永久無料版)
- 無線LAN:IEEE 802.11g/n
- 対応通信方式:W-CDMA(HSPA+/3G) 850/900/1900/2100MHz,GSM/EDGE(2G) 850/900/1800/1900MHz
- Bluetooth:Bluetooth 3.0
- 内蔵センサー:GPS(A-GPS&Glonass対応),電子コンパス,光,加速度,近接
- インタフェース:microSIMカードスロット,USB Micro-B端子,microSDカードスロット
- カメラ:アウトカメラ300万画素,インカメラ120万画素,
- バッテリー駆動時間:無線LAN通信時約11.5時間,モバイル通信時約9.5時間
- サイズ:120.1(W)×10.4(D)×196.6(H)mm
- 重量:約340g
- 主な付属品:USB−ACアダプターセット
TransAiO P1801はWindows 8搭載PCと
大画面Androidタブレットの一体型マシン
続いては,18.4インチ,解像度1920×1080ドットで,10点マルチタッチに対応した液晶パネルを搭載する一体型PC,TransAiO P1801だ。本機が持つ最大の特徴は,冒頭でも紹介したとおり,一体型PCとしては比較的小さめな液晶パネル部を取り外すと,それをそのまま18.4インチ液晶パネル搭載の巨大なAndroidタブレットとして利用できる点にある。
台座部には「PCステーション」という名が与えられているが,要するにPCとしての本体はこの台座部。そして,液晶パネル部にAndroidタブレットとしてのハードウェア一式が備わっているため,PCステーションから外すと,単体で使えてしまうというわけだ。
ディスプレイの後ろに見えるのが,PC部分の本体に当たるPCステーションだ |
タブレットになるディスプレイの裏側には,折りたためるスタンドを装備している |
メインメモリ容量は8GB,ストレージ容量は2TBだ。ストレージデバイスとしてはHDDが採用されている。
Androidタブレット側のSoCはTegra 3。メインメモリ容量は2GB,ストレージ容量は32GBとなっている。画面サイズの巨大さを除くと,今日(こんにち)的なAndroidタブレットとしてオーソドックなスペックといえそうだ。
なお,Windows 8からAndroidに切り替えても,PCステーション側のWindows 8は動作し続けるが,AndroidからWindows 8に切り替えた場合,Androidはスリープ状態になるとのことだった。
そのほか主なスペックは下記のとおりだ。
●TransAiO P1801の主なスペック
- 型番:P1801-B061K
- OS:64bit版Windows 8
- CPU:Core i7-3770/3.4GHz(4C8T,最大動作クロック3.9GHz,L3キャッシュ容量8MB)
- メインメモリ容量:8GB
- GPU:GeForce GT 730M
- ストレージ容量:2TB(HDD)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 無線LAN:IEEE 802.11g/n
- Bluetooth:Bluetooth 4.0
- インタフェース:HDMI出力×1,USB 3.0×4,USB 2.0×1,SDHCカードスロット×1
- 本体サイズ:466(W)×162(D)×267(H)mm
- 重量:約4.1kg
- 主な付属品:ACアダプター,電源ケーブル,ワイヤレスキーボード,ワイヤレスマウス
- OS:Android 4.1(Jelly Bean)
- SoC:Tegra 3(※詳細未公開)
- メインメモリ容量:2GB
- ディスプレイ:18.4インチワイド液晶パネル,グレア(光沢)加工,1920×1080ドット,10点マルチタッチ対応
- ストレージ容量:32GB(eMMc)
- 無線LAN:IEEE 802.11g/n
- Bluetooth:Bluetooth 3.0+EDR
- 内蔵センサー:GPS,加速度
- インタフェース:USB Micro-B×1,microSDXCカードスロット×1,ドッキングポート×1
- カメラ:インカメラ100万画素
- バッテリー駆動時間:約5時間
- サイズ:466(W)×18(D)×294(H)mm
- 重量:約2.4kg
- 主な付属品:ACアダプター
ASUSは「新世代デバイス」を訴求
それによると,ASUSは,これまでにもいくつか登場しているユニークな製品群を「新世代デバイス」と定義しているとのことだ。タブレットと合体するスマートフォン「Padfone 2」や,2枚のディスプレイを搭載する2画面Ultrabook「ASUS TAICHI」,タブレット型の本体にキーボードドックが合体するノートPC「TransBook」などが,新世代デバイスの代表例とのことで,「Fonepad ME371MGは,これら新世代デバイスのなかでも『最小の新製品』と位置づけられる」(Teng氏)。一方,TransAiO P1801は,新世代デバイスのなかで最大のデバイスと位置づけていた。
ASUS日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
Android端末本体
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Atom
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