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第二回「ドラゴンクエスト ウォーキング<EAST>」体験記&柴 貴正Pインタビュー。富士の麓をフィールドに,3万人以上の勇者達がリアルウォークを楽しんだ
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これは,昨年12月に大阪で行われた「第一回『ドラゴンクエスト ウォーキング<WEST>』」に続く,東日本地域でのリアルイベント。前回とはイベントの体裁を一部変更して開催されることとなった。
本稿では前回に引き続きプレイヤーとして参加した筆者による体験レポートと,スクウェア・エニックスのプロデューサー 柴 貴正氏へのインタビューをお届けする。
「ドラゴンクエストウォーク」のリアルイベントに参加。万博記念公園がフィールドとなり,カンダタも登場!柴プロデューサーのインタビューも
スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストウォーク」初のリアルイベント「ドラゴンクエスト ウォーキング<WEST>」が大阪で開催された。会場内を実際に歩いてゲーム内の限定ミッションにチャレンジするイベントで,現場にはなんとリアルなカンダタが出現した。
平日も含む4日間の有料イベントに。会場は富士急ハイランド
今回の「ドラゴンクエスト ウォーキング<EAST>」は,多くのプレイヤーが待ち望んでいた東日本地域での開催だ。前回の会場で発生した混雑による混乱やスマートフォンの通信障害といったトラブルを鑑み,スクウェア・エニックスでは事前にプレイヤーからアンケートを取るなどして対応策を講じつつ,会場選びを進めていたという。
ウォーキングイベント「ドラゴンクエスト ウォーキング<EAST>」,今秋の開催に向けて準備が進行中
スクウェア・エニックスは2023年6月30日,スマホアプリ「ドラゴンクエストウォーク」の公式Twitterで,第二回リアルウォーキングイベント「ドラゴンクエスト ウォーキング<EAST>」を今秋開催すべく,準備を進めていると発表した。また,柴プロデューサーがイベント開催について説明する動画も公開された。
最終的に山梨県富士吉田市にあるアミューズメントパーク 富士急ハイランドと,隣接するイベント施設 コニファーフォレストを会場に,4日間の有料イベント(参加料金:税込み2970円)として開催されることが決定。都内からであれば高速バスか電車で2時間半〜3時間程度の距離で,周囲に宿泊施設も多く,リアルイベント会場としてはまずまずのロケーションだ。
参加チケットは転売対策のため,ゲームのプレイヤー1人につき1日だけ参加できる事前申し込み制で,都合がつかなくなったときのために,専用アプリ上でのチケットリセールのサービスも構築。また,発売開始当初の抽選制から申し込みをした全員がチケットを購入できるように変更された。
ちなみに筆者は,イベントの取材を初日の19日に行い,翌日には親しいフレンドと実際にチケットを購入して一般参加するという,少々イレギュラーなスケジュールで参加した。
イベント当日は,富士急ハイランドの南西側にあるコニファーフォレストが参加受付とイベントのスタート地点に設定されていた。最寄りの富士急ハイランド駅からは約1.6km(徒歩約25分)の距離があり,電車での来場者は最初からかなり歩く形となったが,通過する富士急ハイランドの入園口に近付くと,「序曲」をはじめとする「ドラゴンクエスト」シリーズのサウンドが大音量で流れてきて,ちょっと眠かった筆者のテンションも一気に上昇した。
イベントの内容は前回と同様,カンダタが主役のスタンプラリーが主体で,二つの会場でカンダタがいる六つの「スタンプスポット」を巡るのが目的だ。イベントを始めるにはコニファーフォレスト内にいるカンダタに出会う(画面上でカンダタに近づいてタップしてイベントを始める)ことが必須となる。
会場に近付くと画面がリアルイベントに切り替わった。会場となるエリアには「Coke ON」の飾り付けも見える |
カンダタ[A]のサークル内に入ることでリアルイベントが始まる。このカンダタとは会場内でしか遭遇できない仕組みだ |
コニファーフォレスト内は,フォトスポットや物販コーナーなどが設置された参加者だけが入場できるエリアだ。周りにいる人達全員がDQウォークのプレイヤーで,しかも普段はライブ会場としても使われるだけの広さがあり,木々の向こうには冠雪した富士山も見える。とても居心地のいい場所で,来場者はゲームやプレイヤー同士の交流,写真撮影を楽しんでいた。
また前回に引き続き「Coke ON」(コカ・コーラ)とのコラボも実施。会場内でコラボモンスターと再び出会えたほか,イベント限定のスペシャルメガモンスター「Coke ONコラボ大王」も登場し,参加者特典の「Coke ONとうばつ手形」を使うことで1日2回戦うことができた。
このエリア内で盛り上がりを見せていたのが,イベント限定の新グッズ「こころS缶バッジ」のカプセルトイコーナーだ。ゲーム内に登場する「モンスターのこころ(S)」をかたどった缶バッジ全20種類がラインナップされ,お気に入りのこころを引いたり,コンプリートを目指したりと,多くの来場者が思い思いに楽しんでいた。来場者同士でトレードをする姿も見られた。
イベントのメイン目的となるスタンプラリーは,富士急ハイランドをメインに実施。最初のカンダタを除く5人のカンダタ“本人”が会場内に存在する。イベントと同じシチュエーションで来場者を待ち受け,カメラやスマホを向けるとゲーム内と同様に,気さくに記念撮影に応じてくれた。またゲーム内でのカンダタとスラミチのやりとりも新たに作り込まれていて,前回参加した人にも楽しめるものとなった。
ハイランド内にいるカンダタは5人。マップではすぐ行けるように見えても,実は複雑に入り組んだ園内のどこかで出会える |
カンダタやスラミチの会話も富士急ハイランドのロケーションに合わせてあるのが楽しい |
会場は前回の万博記念公園ほど広くないが,園内にはたくさんのアトラクションやテーマエリアがある関係で複雑に入り組んでいる。カンダタがいる場所もよく考えられていて,ゲーム画面でカンダタのいる場所にまっすぐ向かったら行き止まりだった,なんて事態も発生。これぞリアルウォークイベントの醍醐味である。
カンダタのスタンプラリーは,早ければ1〜2時間ですべて回れるが,会場がアミューズメントパークなので寄り道も楽しい。パークにあまり興味がなくても,コニファーフォレストに戻ればプレイヤー同士の交流や記念撮影が楽しめ,会場から出て富士吉田市周辺を観光する選択肢もあった。また園内には山梨県のランドマークの一つ「鉄骨番長」があり,ついでにおみやげをゲットすることもできたはず。
会場には3キャリアの移動基地局車が用意され,前回の課題であった通信障害にも対応。一般客も多かった土日のハイランド側などで一部つながらないという報告もSNSでは見られたが,筆者個人としては通信状況に問題はなかった。
また,行列ができたグッズ販売は事前に専用アプリで予約も行われていて,欲しいものが決まっていた人は現地で並ばずに受け取ることができるなど,来場者のストレスになる事案はあらかた対応されていたように思える。
筆者は前回同様,本気で楽しむことができ,1日目は撮影をしながら1人で,2日目はフレンドと「一緒にぼうけん」モードでパーティを組んで進められた。なおイベントのスタンプラリーは1人につき1回しかプレイできない仕様だったので,2日目はフレンドのナビゲーターに特化して楽しんでいた。次回も同じような歩いて楽しめるイベントがあるなら,できる限り参加したいと心から思った次第だ。
そしてここからは,イベント会場を訪れていたプロデューサーの柴 貴正氏へのインタビューをお届けしていこう。次のイベントへの構想も語ってもらえたので,ぜひチェックしてほしい。
イベントを有料にすることで,来場者がより快適に遊べる環境を構築。それを実現できたのが富士急ハイランド
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。ついに開催に至った今回の「ドラゴンクエスト ウォーキング<EAST>」ですが,会場を富士急ハイランドとコニファーフォレストに決めた経緯から教えてください。
柴 貴正氏(以下,柴氏):
前回,西日本でのWESTには2日間で計5万人ものプレイヤーに来ていただいて,我々としても本当にうれしかったんですが,想定以上の参加人数だったのも事実でした。
これを同じ形で,東日本の……例えば東京でやるとなると,恐らく10万人規模の人出になってしまうだろうし,都内ではそれだけの人を集められる場所はちょっと考えられなかったんです。
4Gamer:
確かにその規模の人数が歩き回るとなると,相当なスペースが必要になりそうです。
柴氏:
WESTの会場だった万博記念公園は,5万人ぐらいが歩ける広さに加えて交通の便もいいという,リアルウォークイベントをやるには理想的な場所でした。でも都内の大型の公園はそのほとんどが国などの公的な機関が管理していて,イベント開催を禁止しているところばかりでした。そこで都内ではなく関東圏まで広げて10万人を集められる場所を探してみたんですが,やはり見つかりませんでした。こんな具合で会場探しから準備をしていたので,実施できるまでお待たせしてしまいました。
4Gamer:
会場を探す基準はどのように考えられていたんでしょうか。
柴氏:
リアルウォークイベントなので距離を歩ける広さが必要で,なおかつ安全に楽しんで頂くため,公道を限りなく使わないルートで巡れる会場を考えていました。
それともう一つ,今回はお客さんの具体的な人数を把握したいという狙いから,有料開催にしました。
4Gamer:
有料にすることで,必然的に熱意の高いお客さんが来ますよね。
柴氏:
まさにそのとおりで,ある程度のコストを支払っていただくことで,こちらとしてもより良い環境で楽しんでいただけるような準備が可能になります。そういったさまざまな事情を考慮しつつ,たどり着いたのが富士急さんだったんですね。
4Gamer:
今回4日間の開催ですが,参加人数はどれくらいだったのでしょう。
柴氏:
参加した翌日は富士急ハイランドで楽しもうといったお客さんもいらっしゃったので,まだ正確な数値は集計中ですが,本イベントに関しては4日間で3万人を超える来場があったようです。WESTと比較すると参加人数自体は減っていますが,有料にした影響ということよりも,場所の影響があったと考えています。都内ではなく,さらにもう少し遠出が必要となると,足が遠のいてしまう方も少なからずいらっしゃったようです。実際に行ってみると,都内からさほど遠いわけではないんですけど。
4Gamer:
高速バスなら,新宿から片道2000円程度の料金で,約2時間で行けますからね。
では,平日を含めたこの4日間を日程に選んだのは,どういう理由があるのでしょう?
柴氏:
これは前回と同じく,まずは天候を意識して,雨が少なく気温も低くなる秋以降ということに決めていました。それと,夏場は富士急さんのお客さんが多い時期ですし,そのあたりのバランスも見てこの日程にしました。
平日が入っているのは日程的な関係で,例えば今週土日と翌週土日の4日間の開催となった場合,その間の期間のフォローはどうするんだということになるし,平日に来たいというお客さんもいると考えてのことです。
4Gamer:
日程が分散したこともあり,混雑もそれほど見られませんでしたね。
柴氏:
初日の朝の受付では開場前にすでにたくさん方が並んでいたので,開場時間を少し早めたんですが,それでもけっこうお待たせしてしまいました。ただ,幸い混乱はなく,翌日以降は比較的スムースにご入場いただけたようです。
4Gamer:
2970円という入場料金は,どのように設定されたんでしょうか。
柴氏:
プレイヤーの皆さんが快適に遊べる環境作りを考慮した価格ですね。それでいて,映画を観るよりも少し高いぶん1日遊べるぐらいのイメージです。
実は有料制にすることについて,現場から反対意見もあったんですが,僕はこの価格でやってみたいと押しました。有料イベントでも,お金を払った以上の魅力的な体験を提供できれば,きっとプレイヤーの皆さんにも納得していただけるだろう,と。
4Gamer:
個人的にはチケット代以上に楽しめたと思っています。
柴氏:
今回,この価格設定でプレイヤーにどの程度満足していただけたのか,オペレーションに問題はなかったかなど,参加者を対象としたアンケートも行います(※参加者にメールでアンケートサイトのURLが送られた)。
4Gamer:
参加者全員にプレゼントを用意するとか,会場の一角に移動基地局車が用意するとか,前回の課題もクリアされていたように思えました。そのあたりも有料にしたからこそ,ということなんでしょうか。
柴氏:
この規模のイベントをお客様の入場料のみで開催することは難しいですし,それが目的ではありませんが,プレイヤーの皆さんが快適に過ごせる環境をより充実させるという点では,ご負担頂いた部分は有効に活用できたと思います。
4Gamer:
開催前に行ったアンケートの結果を見たときの感想はいかがでしたか?
柴氏:
だいたいこのぐらいになるだろうという結果に落ち着いて,想定外の答えはあまりありませんでした。アンケートはどちらかというとお客さんに内容を確認してもらうような意味合いもあって,こちらが考えていることとお客さんが希望することが合っているのか,答え合わせ的なものだったんです。
もちろん結果が想定外のことになっていたら,そこは対応する必要があるので,開催までもう少し時間がかかったかもしれませんね。
4Gamer:
この富士急ハイランドですと,周辺がまるごと大きな観光地なので,交通の便はもちろん,宿などの施設も充実していますよね。
柴氏:
遠いようで近くて,移動もしやすいんです。また,富士急さんは運輸が本業ですので,移動に関してフォローしていただけました。高速バスはかなり増便されていて,乗っている人はほとんどウォーカーで,遠足みたいな感覚でコミュニケーションしていたという話も聞いて,すごくいいなって思いましたね。
4Gamer:
イベント開催の発表後,チケットが抽選制から全員購入可能になったのは,やはり来場者数の目処がついたことが理由なのでしょうか。
柴氏:
最初は転売対策なども考慮したうえで抽選としたんですが,フタを開けてみると「(抽選だと)友達と行けないかも」という声がけっこうあったんですよね。
もちろんこの変更があったことで予定が変わってしまう方もいらっしゃって,そこは申し訳なく思っているんですが,結果として多くのプレイヤーのためになるだろうということで,販売の初動を見て早い段階で全員購入可能な形に変更させていただきました。
4Gamer:
リセールの仕組みも構築されるなど,チケットに関しては万全な体制でしたね。
柴氏:
数か月先のスケジュールが分からないという方もいますからね。あと,リセールの仕組みがあると転売ができなくなるんですよ。高い値段で売ることができないので,転売が成立しないんです。
4Gamer:
今回,「第二回」と銘打たれて,満を持しての開催となりましたが,もし「第三回」が開催されるとしたら,その内容はどうなるのでしょうか?
柴氏:
「ドラゴンクエストウォーク」として今回のようなウォーキングイベントは継続していくべきだと思っています。WESTとEASTは最初から2回開催することを告知していた関係で内容も踏襲しましたが,もし次があるのであれば,必ずしも同じ内容にする必要はないと思っています。2回の開催を経て見えてくるものもあると思うので,今後もウォーキングイベントは検討していきたいですね。
外に出るのが困難だったパンデミックを経て,4年目にしてようやくスタートを切れたDQウォーク
4Gamer:
ゲーム本編のお話も聞かせてください。現在実施中の4周年記念の「ドラゴンクエストIX」(以下,DQ IX)イベントに合わせて「宝の地図」が実装されてプレイヤーの間で盛り上がりを見せていますが,これはやはりDQ IXの内容に合わせたものなのでしょうか。
柴氏:
ええ,ナンバリングのイベントでは,そのタイトルならではのシステムを入れたいということで。DQ IXならすれちがいの宝の地図は外せませんから。
4Gamer:
システムがDQウォークに合わせた絶妙な内容にアレンジされていますね。
柴氏:
遊び方をドラスティックに変える仕組みとして,開発のコロプラさんと弊社の運営チームに提案してもらいました。僕からはゲームの性質上,地方のプレイヤーが不利になりやすいので,そうならないような仕組みをオーダーしました。
例えば地図の入手については,フォローしているフレンドからも手に入るようにしましたし,あとは「ふるさとスライム」のおかげで,地方の地図が欲しくなるようになりましたね。結果,多くの人にとってあまり行く機会がない地域のプレイヤーが流した地図がありがたがられたりして。
モンスターのこころが手に入れやすくなった「宝の地図」。DQ IXと同じく,すれちがい通信に近い仕組みで受け取ることができる |
チェックインすると持っている地図を配布できるリッカの宿屋。会場付近には2件あり,ひっきりなしに名簿が更新されていた |
4Gamer:
「モンスターのこころ」が手に入りやすくなったことで,始めたばかりのプレイヤーも遊びやすくなりましたね。
柴氏:
これまで一生懸命遊んでくれた方には申し訳ないんですが,コストの低いこころは手に入れやすくしたいということは以前から考えていたんですよね。
それともう一つ,地図の生成の仕組みにランダム要素を設けているので,ライトプレイヤーが急にヒーローになるみたいな,そんなムーブメントが起きています。SNSなどで有名なコアプレイヤーが「こんな地図がある!」とライトプレイヤーの存在を取り上げるという,これまでになかった動きが生まれましたね。
4Gamer:
素朴な疑問として,今回のイベントがDQ IXがテーマで,これまでナンバリングのイベントを数えてみると,残るは「ドラゴンクエストXI」のみとなるんですが,そこで打ち止めになったりはしませんか?
柴氏:
DQウォークの場合,4年がかりで10作品を扱ってきていますが,ほかのタイトルでは2年ぐらいのスパンでナンバリングを扱って周回をしていますし,そこの心配はありません。ナンバリング内でもまだDQウォークでは触れていないストーリーもありますし,余白は残してあるので,そこはご安心ください。
また最近は「ドラゴンクエスト」の派生タイトルとしてではなく,DQウォークだけのプレイヤーも増えてきたので,オリジナルのストーリーや装備なども増やしています。このあたりはサービスから4年が経過してようやく熟成されてきましたので,うまく回していきたいですね。
4Gamer:
前回のイベントでインタビューをさせていただいたときに,カジノのような,本編とは違う遊びも入れていく旨をお話いただきましたが,今後も考えていたりしますか?
柴氏:
そうですね,あそこまでディープなものではないですけど,準備はしています。僕はどちらかというと,ゲームを上に積んでいくのではなく,外側に散らしていくことが仕事ですので,本編とはまた違うところで楽しんでいただけるようなものを考えていきます。
4Gamer:
現在「ポートピア連続殺人事件」とのコラボイベントが開催されていますが,あのような特定の地域を舞台にしたイベントをやる予定はありますか?
柴氏:
特定のタイトルや地域とのコラボイベントって,「何でこのイベントをやるの?」という疑問に応えられるような,納得感のあるものではなければならないと思っています。「ポートピア」は「ドラゴンクエスト」と同じく堀井雄二さんのタイトルで,舞台も現実の場所が設定されているので納得感がありますよね。
4Gamer:
発表された時点で「なるほど」と思いましたし,実際に参加してみてなおさら納得感が深まりました。
柴氏:
そういう部分はかなり気にしていて,例えばどこか特定の地域でコラボイベントをやるとなったとき,DQウォークとのつながりがちゃんと説明できる企画になればいいんですが,なかなかそういうものがないんです。
体験として楽しくないとダメだし,DQウォークっぽくなくてもダメで,しかも開発にはそれなりのカロリーが必要です。となると,無理やりコラボイベントを作るよりも,その労力を本編の開発に注いだほうがいいと思うんですよね。
また,できれば全国のプレイヤーが平等に楽しめるものにしたいということもあり,「日本100名城」や「全国まものランド」のような,ランドマーク的なスポットを全国に設定しています。基本はこうしたものを優先していくつもりです。
4Gamer:
最後に,5年目に突入したDQウォークの今後の抱負と,プレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
柴氏:
まずはこの4年間,遊んでいただいてありがとうございます。至らぬ点もたくさんありますが,なんとかギリギリのバランスで回しております。もっと楽しくするために全力を尽くせるようがんばっていきます。
DQウォークは2019年9月に「スマホを持って冒険に出かけよう」というゲームとして始まったにもかかわらず,2020年からのコロナ禍で,外出自体が抑制される時期が続きました。それでも多くの方から,「あのときDQウォークがあったから,外を歩いて健康になれた」と言ってもらえたのはうれしかったです。とはいえ外出しよう! ということを全力でやってしまうのは憚られる時期でした。そこで開発と四苦八苦しながら家の中でもある程度遊べるようにしたことも,振り返ってみれば良い結果につながったと思っています。
4Gamer:
位置情報ゲームのプレイヤーにとって,なかなか厳しい時期でした……。
柴氏:
ええ。それでも昨年末ぐらいからようやく情勢が落ち着いてきて,DQウォークでやりたかった本来の遊びを提供できるようになり,僕らとしてはようやくスタート地点に立てたかなという気持ちです。
こういうオフラインのイベントも1年目からたくさんやりたかったんですが,逆に4年間運営してきた知見があるから前回と今回のイベントが開催できたことも明白です。初年度にこういうイベントをやっていても,うまくいかなかったかもしれません。
4Gamer:
プレイヤーとしても,十分ゲームに慣れてからのイベントということで,参加しやすかったように思っています。
柴氏:
そう思っていただけるとうれしいですね。
今後もゲームはガリガリ遊べるように作っていきますが,そこまで本気でやらなくても楽しめますし,何なら歩くだけでも,カジノやAR撮影をするだけでもいい。そういうゲームなので,気になった方は気軽に遊んでいただければと思います。
4Gamer:
これからのDQウォークにも期待しています。ありがとうございました。
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