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「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?
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印刷2015/11/28 00:00

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「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?

 2015年11月10日,Bethesda Softworks(以下,Bethesda)のオープンワールドRPG「Fallout 4」(PC / PlayStation 4 / Xbox One)が世界市場で発売となった。英語PC版であればもう購入できるので,読者の中にも,レイダーと戦いを繰り広げたり,クラフトに精を出したりし始めている人もいるのではないだろうか。
 12月17日には日本語版が発売となり,Steamで日本語の無償配信も始まるので,それを楽しみに待っている人も多いと思う。

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 そんなFallout 4は,「Fallout 3」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)や「The Elder Scrolls V: Skyrim」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)でもお馴染みのゲームエンジンである「Creation Engine」の新型,DirectX 11(Direct3D 11)対応版を採用している。それもあってかどうか,Fallout 4の推奨スペックは,GPUが「GeForce GTX 780」もしくは「Radeon R9 290X」以上,CPUが「Core i7-4790」と,なかなか厳しい。
 PC版ならではのお楽しみといえるMODの導入,とくに高画質化系MODの導入まで見据えると,「推奨スペックが最低スペック」とすら言えるかもしれないが,実際のところ,最近のGPUではどれくらい快適に動くのだろうか。日本語環境の配信を控えるこのタイミングで,GPU全28種をテストにかけてみたい。


現行製品に,1〜2世代前の主要製品も加えてテスト。垂直同期設定にはコツあり


 さて,28種の内訳だが,具体的には以下のとおり用意した。GeForceはGPUコアアーキテクチャにして3世代分,Radeonはリフレッシュ(リブランド,リネームともいう)品が多いので,「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャで3世代分,それぞれエントリーミドルクラス以上のGPUを用意している。


STRIX-R9FURY-DC3-4G-GAMING
3連ファン仕様の大型クーラーを搭載する,OC仕様のR9 Fury
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) info@tekwind.co.jp
実勢価格:8万4000〜9万円程度(※2015年11月28日現在)
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 以下,GPU名の「GeForce」「Radeon」は省略するが,今回,R9 Fury搭載カードは,ASUSTeK Computerから貸し出しを受けた「STRIX-R9FURY-DC3-4G-GAMING」を用いる。また,R9 300シリーズのグラフィックスカードは,すべてPowerColorおよび玄人志向ブランドのもので揃え,いずれも両ブランドの販売代理店であるCFD販売に貸し出しを受けた。それ以外はGPUメーカーから貸し出しを受けたものか,4Gamerで独自に用意したものかだ。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?
PowerColor PCS+ R9 390X 8GB GDDR5 DL-DVI-D/DL-DVI-D/HDMI/DP(AXR9 390X 8GBD5-PPDHE)
3スロット仕様の大型クーラーを搭載するR9 390X
メーカー:Tul
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店) 050-3786-9590(平日13:00〜17:00)
実勢価格:6万6000〜6万9000円程度(※2015年11月28日現在)
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PowerColor PCS+ R9 390 8GB GDDR5 DL-DVI-D/DL-DVI-D/HDMI/DP(AXR9 390 8GBD5-PPDHE)
上位モデルと同じクーラーを採用した,OC仕様のR9 390
メーカー:Tul
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店) 050-3786-9590(平日13:00〜17:00)
実勢価格:5万〜5万5000円程度(※2015年11月28日現在)
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PowerColor PCS R9 380 4GB GDDR5 DL-DVI-D/DL-DVI-I/HDMI/DP(AXR9 380 4GBD5-PPDHE)
2連ファン仕様のクーラーを搭載するOC版R9 380
メーカー:Tul
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店) 050-3786-9590(平日13:00〜17:00)
実勢価格:3万1000〜3万6000円程度(※2015年11月28日現在)
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PowerColor PCS+ R7 370 2GB GDDR5 DL-DVI-I/DL-DVI-I/HDMI/DP(AXR7 370 2GBD5-PPDHE)
冷却能力重視の大型クーラーを採用したR7 370
メーカー:Tul
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店) 050-3786-9590(平日13:00〜17:00)
実勢価格:2万4000〜2万7000円程度(※2015年11月28日現在)

RD-R7-360-E2GB/G2
シンプルな仕様のR7 360カード
メーカー&問い合わせ先:玄人志向
実勢価格:1万6000〜1万8000円程度(※2015年11月28日現在)
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 なお,これは言うまでもないことではあるが,カードメーカー各社の製品には,工場出荷時点で動作クロックが引き上げられたカードがいくつかある。それはMSI製のオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.1)でリファレンスレベルにまで動作クロックを下げているが,最近のグラフィックスカードは冷却能力の違いによって高い動作クロックで動作する時間が変わるため,入手したカードによって,スコアは微妙に変わることとなる。「すべてリファレンスカードで揃える」のが理想であるけれども,物理的に不可能であるため,この点はご了承を。

 また,GTX TITAN Black搭載製品である「GV-NTITANZD5-12GD-B」だけは,Afterburnerを用いても,コアクロックはリファレンスの889MHzから若干高い901MHzまでしか下げられなかったため,以下は「GTX TITAN Black901MHz」(※グラフ中は「GTXTB@901MHz)と表記する。この点もあらかじめお断りしておきたい。

 そのほかテスト環境は表1のとおりとなる。

そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。表画像をクリックすると完全版を表示します
画像集 No.009のサムネイル画像 / 「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?

 テストに用いたグラフィックスドライバは,GeForceシリーズが「GeForce 358.91 Driver」,Radeonシリーズは,R9 380Xのみ,貸し出しスケジュールの都合で,GPUレビュー用としてAMDから全世界のレビュワーに対して配布された「15.201.1151.1010-151110a-296225E」,それ以外では「Catalyst 15.11.1 Beta」を用いた。
 GeForce 358.91 DriverとCatalyst 15.11.1 Betaはいずれも,Fallout 4への最適化が謳われるリリースだ。15.201.1151.1010-151110a-296225EもCatalyst 15.11.1 Betaに近いバージョンとなっているため,最適化度合いにそれほど大きな違いはないと考えている。

 11月24日リリースの「Radeon Software」を使わないのはなぜか,という指摘はもっともだが,これは,

  1. GeForce 358.91 DriverのリリースをもってGeForceのテストを,Catalyst 15.11.1 BetaのリリースをもってRadeonのテストを開始した
  2. Catalyst 15.11.1 Betaがリリースされた時点で,Radeon Softwareのリリーススケジュールは明らかになっていなかった

という理由による。
 とはいえRadeon Softwareの挙動を確認しないというのも不安が残るため,今回は念のため,R9 Fury Xを用意して,「Radeon Software Crimson Edition 15.11」(以下,Crimson 15.11)と,Fallout 4最適化前の「Catalyst 15.11 Beta」を,Catalyst 15.11.1 Betaを比較してみることにした。その結果がグラフ1,2だが,平均フレームレート,最小フレームレートとも,Catalyst 15.11.1 BetaとCatalyst 15.11 Betaの間ではスコアの違いが見て取れるものの,Crimson 15.11とCatalyst 15.11.1 Betaの間に大きな違いはない。このことから,Crimson 15.11ではなく,Fallout 4最適化版ドライバをもってスコアを語っても問題ないと判断した次第だ。

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 というわけでテスト方法だが,テストシーンには,描画負荷が比較的大きいと判断できた「Corvega Assembly Plant」(自動車組み立て工場)を選択。そのなかで決まったルートを1分間動き,その平均フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)から計測している。
 ただし,1分間の進行ルート中では会敵する場面もあって,毎回同じ動きをすることができないことから,3回試行し,その平均をスコアとして採用した。

テスト中の様子。テストといっても,実際にプレイしている
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 テストに用いたFallout 4のバージョンは1.1.30.0.0だが,現地時間11月23日に,「Beta Update 1.2.33」がリリースされた。この1.2.33ではメモリ周りの最適化が入っているため,全体的なフレームレートの改善を期待できるはずだが,本アップデートは文字どおりβ版であり,Steamからプレイヤーがβプログラムへの参加を希望しない限り適用されないため,今回のテストで,同アップデートの適用は見送っている。

設定ファイル(iniファイル)を書き換えることで,垂直同期を無効化する
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 ところで,テストにあたって垂直同期は無効にする必要があるのだが,Fallout 4ではその設定が用意されていない。
 ではどうするのかというと,設定ファイルを直接書き換えることで対応する。具体的には「\\My Documents\My Games\Fallout4\Fallout4Prefs.ini」の[Display]セクションにある「iPresentinterval=1」の値「1」「0」に変更することになる。ただ,この設定ファイルはFallout 4を起動するたびに「1」へと書き戻されてしまうため,ファイルのプロパティから「読み取り専用」に設定しておく必要があった。設定後に解像度などを変更する場合には,再度この「読み取り専用」のチェックを外さねばならないので,注意しよう。

 設定の話が出たので続けると,Fallout 4には「Ultra」「High」「Medium」「Low」と,4つのグラフィックス設定プリセットが用意されている。そのなかから,今回は描画負荷が最も高いUltraと比較的低めのMediumを使いたい。
 両者では「Texture Quality」(テクスチャ品質)と「Shadow Quality」(影の品質)が異なっており,設定ファイルを見比べると「ShadowDistance」ではUltraが20000なのに対してMediumは3000,「ShadowMapResolution」もUltraは4096だが,Mediumは2048と大きな違いがある。その一方で,「Ambient Occulusion」(アンビエントオクル―ジョン)の設定は「SSAO(High)」で変わらず。アンチエイリアシングや異方性フィルタリングも,前者は「TAA(Best quality)」,後者は「16 Samples」で共通だった。

グラフィックス設定「Fallout 4 Options」からUltra設定を行った例
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 そのアンチエイリアシングだが,Fallout 4では「FXAA」(Fast Approximate Anti-Aliasing)と「TAA」(Temporal Anti-Aliasing)しかサポートしていない。今回はUltra設定で適用されるTAAを採用したのだが,一応,GTX 980 TiとR9 Fury Xで画面を見比べておこう。
 下に示したのがそのスクリーンショットだが,両GPUで見栄えの違いは確認できなかった。

GTX 980 Ti(左)とR9 Fury X(右)でTAAの効果を比較したもの。サムネイルは一部の拡大となるが,見栄えの違いは感じられない
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 試してみたところ,UltraとMediumでスコア差があまり大きくなかったこともあり,今回,Medium設定ではアンチエイリアシングと異方性フィルタリングの設定をともに無効とした。おそらくは,描画負荷が高いことを重視して屋内シーンを選択した結果,「Godrays Quality」の設定が意味をなさなかったこと,遠距離の描画設定を調整する「View Distance」の効果が薄らいだことの2つが理由だと思われる。今後,レギュレーションに採用するときは,このあたりを考慮する必要があるだろう。

 解像度は,1920×1080ドットと2560×1440ドット,3840×2160ドットを選択。ウルトラハイエンドからエントリーミドルクラスまでGPUが揃っているので,いろいろ試してみようというわけだ。
 気になるスコアだが,実際にプレイしてみた印象だと,「十分プレイできる」といえる及第点のラインは最小フレームレートが40fps以上「快適にプレイできる」と言い切るには,最小フレームレートで60fpsを確保する必要があるように感じた。とくに最小フレームレートの40fpsは重要で,これを下回ると,とたんにカク付きを多く感じるようになったため,いま述べた点を踏まえながら,続く段落を読み進めてもらえればと思う。

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Ultra設定の1920×1080ドットで「快適にプレイできる」GPUはGTX 970もしくはR9 390X以上


 いろいろ前置きが長くなったが,テスト結果を見ていこう。以下,グラフのバーの色分けは,GeForceがGPUコア世代,RadeonがGCN世代単位となるので注意してほしい。

 グラフ3は,Ultra設定における3840×2160ドット時の結果をまとめたものだ。平均フレームレートではR9 Fury XがGTX TITAN Xを上回り,R9 FuryもGTX 980 Tiに迫り,R9 Nanoもそれに次ぐスコアを記録した。全体的に「Fiji」コアのR9 Furyシリーズが善戦していると評していいだろう。これは,描画負荷が極めて高い状況において,Fijiがオンパッケージで搭載する「High Bandwidth Memory」(以下,HBM)の効果が如何なく発揮されたという理解でいいはずだ。
 ただし,トップを取ったR9 Fury Xであっても,最小フレームレームレートは40fpsを下回っており,快適にプレイできるとは言いがたいのが正直なところである。

 「あれ,GTX TITAN ZとR9 295X2がトップ争いじゃないの?」と思うかもしれないが,グラフを見てもらうと分かるとおり,両製品は中位に沈んだ。SLIもCrossFireも機能していないわけである。GTX TITAN ZのスコアがGTX TITANとほぼ同じで,R9 295X2のスコアがR9 290Xとほぼ同じあたりは,ある意味で見事だ。
 いずれにせよ,「現行GPUのなかに,Ultra設定,4K解像度でFallout 4を快適にプレイできるものはない」という事実を押さえておいてほしい。

画像集 No.023のサムネイル画像 / 「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?

 これが,解像度を2560×1440ドットに落とすと,一気に「快適なプレイの現実味」が増してくる。グラフ4がその結果だが,GeForceとRadeonの両ツートップがいずれも最小フレームレート60fpsを超えてきているからだ。
 また,及第点である最小40fpsにまで範囲を広げると,現行製品であればGTX 970以上とR9 390以上,少し前の世代まで入れるとGTX TITANやR9 290まで選択肢となってくる。

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 多くの4Gamer読者が気になるであろう,Ultra設定の1920×1080ドット条件の結果がグラフ5だ。ここでは,グラフ4で及第点のスコアを示していたGPUがそのままスライドして合格ラインを突破してきている。
 新たに及第点レベルへ達したのは,現行製品だとGTX 960およびR9 380シリーズで,一世代前だとGTX 770以上とR9 285。それより下のモデルでUltra設定を選択するのはお勧めできない。

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 グラフィックス設定をMediumに落としたらどうなるかだが,Mediumであっても,3840×2160ドットは現実的な選択肢でないということが,グラフ6を見るとよく分かる。
 メモリ周りの負荷が下がったためか,HBMのメリットが薄れ,R9 Fury XがGTX TITAN XとGTX 980 Tiの逆転を許しているのは気になった。

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 解像度を2560×1440ドットに落としてみると,Ultra設定とは異なり,GTX 980とR9 Nano,R9 390Xの3製品が「最小フレームレート60fpsクラブ」の仲間入りを果たした(グラフ7)。
 及第点となる最小40fps以上となると,GTX 780やR9 380と,範囲が広がってくる。

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 最後に,1920×1080ドットの結果がグラフ8となる。
 上位陣は安泰すぎるほど安泰だが,逆に下位のほうは,ここまで下げてもGTX 780やGTX 960が最小60fpsを超えられなかった。快適なゲームプレイを前提にするなら,最低でも現行世代におけるハイクラス以上のGPUは必要な気配だ。
 そのなかでちょっと面白いのはR9 380シリーズで,R9 380XとR9 380はいずれも,平均フレームレートがいま名前を挙げたGTX 780およびGTX 960以下であるにもかかわらず,最小フレームレートでは60fpsを超えてきた。体感にも違いがあったので,この点は指摘しておきたい。

画像集 No.028のサムネイル画像 / 「Fallout 4」をGPU全28製品で一斉検証。荒廃したボストンを歩き回るのに必要なグラフィックス性能は?

 テスト中におけるシステム全体の消費電力も取得したので,結果をグラフ8にまとめてみた。
 正しくマルチGPU動作していないにもかかわらず大食いなGTX TITAN ZとR9 295X2の“無駄飯喰らい”ぶりが目を引く……と書こうとしたら,R9 390Xがそれらを千切っているのが衝撃的である。
 全体的には,第2世代Maxwellアーキテクチャ搭載モデルの消費電力が低めという,いつものまとめになる感じながら,得られている性能を考えると,R9 Furyシリーズの3製品もかなり善戦しているとはいえる。

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CPUは2コア4スレッド対応で十分? 同一クロックならそれ以上でスコア差はない


 本稿の主題はFallout 4を前にしたGPU性能の比較だが,CPUのコア数がフレームレートにどういう影響を及ぼすかも気になるところだ。ここでは,GPUをGTX 980 Tiで固定のうえ,Core i7-6700Kのコア数をUEFIから4コア,2コアと変化させ,さらに「Intel Hyper-Threading Technology」の有効/無効も切り替えることにより,4コア8スレッド(4C8T,以下同じように表記),4C4T,2C4T,2C2Tの状況を作り出している。実のところ,1コアもテストしてみたのだが,Fallout 4を起動するとフリーズする現象に陥ったため,1コアでのテストは割愛した。

 テスト方法自体はGPU検証時と同じだが,描画負荷が大きすぎるとCPU性能の違いが表れづらくなることから,ここではMedium設定の2560×1440ドットと1920×1080ドットでのみ取り上げる。
 その結果がグラフ10だ。見てもらえば明らかなとおり,2C2Tだけ大きくスコアが落ち,2C4T以上はほぼ横並びの状況となった。Fallout 4をプレイするにあたって必要なCPUコア数は物理2,論理4だという理解でいいだろう。

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やはり“重い”Fallout 4。今後のことを考えるならGTX 970&R9 390X以上がベターか


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 テストを通して,やはりFallout 4はかなり“重い”タイトルだというのが,よく分かった。現状ではデュアルGPU構成が正常に機能せず,3840×2160ドット解像度は現実的な選択肢とならないこともあって,より低い解像度について話さざるを得ないわけだが,たとえばUltra設定の1920×1080ドットで,MODの導入まで想定するという条件では,現状のハイクラス製品を選択するほかなさそうだ。「PCならではのグラフィックス」を実現し,かつ,将来にわたっての快適性も確保したいなら,最低でもGTX 970もしくはR9 390X以上が必要だろう。

 ただ,とりあえずバニラ(Vanilla,何もMODを導入していない状態のこと)で快適に,というのであれば,GTX 780 TiやR9 290などといった,一世代前のハイエンドGPUが選択肢になってくる。「とにかく快適」にこだわらず,一定レベルの快適性があればいいというのであれば,GTX 960やGTX 770,R9 380やR9 285といったあたりまで大丈夫そうだ。
 GTX 950やGTX 760,R7 370とそれ以下のGPUは,それでもかなり厳しいが。

 全体の評価としては,GeForceが優勢ながら,Radeonも上位モデルやGCN 1.2世代のモデルは健闘している,といったところ。PC日本語版の登場を待っている人や,目下プレイ中でグラフィックスカードの買い換えを考えている人は,ぜひ参考にしてほしいと思う。

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