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[COMPUTEX]Zenシリーズの多機能タブレットと自撮り特化型スマートフォン,iMac風オールインワンPCを総ざらい。ASUSイベントレポート
「R.O.G.」ブランドの新製品については別途お伝えしているから,気になる人はそちらをチェックしてもらうとして,本稿では,力の入った発表および展示になっていたASUSブランドの製品を紹介してみたいと思う。
なお,最初にお断りしておくと,今回発表された製品はいずれも,第2四半期〜第3四半期中に順次発売になるとされているが,日本など,個別の国や地域でいつ,どの程度の価格設定で出てくるかという情報は明らかになっていない。
ZenPad
今回,新シリーズとして発表されたZenPadは,機能やディスプレイサイズによって複数のモデルが用意されている。今回発表されたのは,8インチ液晶パネルを搭載する「ZenPad 8.0」「ZenPad S 8.0」と,10.1インチ液晶パネルを搭載する「ZenPad 10」,そして最小となる7インチの液晶パネルを搭載した「ZenPad 7.0」の4モデルだ。
順に見ていこう。まず,主力モデル的に扱われていたZenPad 8.0からだが,搭載するSoC(System-on-a-Chip)は,Wi-Fi(≒無線LAN)対応モデルが「Atom x3-C3200」,Wi-Fi&LTE対応モデルがクアッドCPUコアの「Snapdragon 410 MSM8916」もしくはオクタCPUコアの「Snapdragon 615 SM8929」。Atom x3-C3200というCPUの詳細は明らかになっていない。
メインメモリ容量は1〜3GB,ストレージ容量は8〜32GBで,販売される国や地域によって異なるという。液晶パネルの解像度は800×1280ドットで固定とのことだ。
専用の別売りオプションとして,6基のスピーカーによって5.1chサラウンドサウンド出力を可能にするというカバー「Audio Cover」が用意されるのは面白い。
ZenPad S 8.0は,8インチで「2K」とされる,解像度1536×2048ドット,アスペクト比3:4のパネルを搭載した,8インチクラスの上位モデルだ。上位モデルが「S」なのは,果物な感じの某メーカーを意識してのものだろうか。
搭載するSoCは「Atom Z3560」「Atom Z3580」「Atom Z3530」のいずれかで,Atom Z3530搭載モデルは,電磁誘導式で筆圧検知に対応したアクティブスタイラス「Z stylus」を利用できる。スタイラスの技術はAtmel製のものだという。
サウンド周りでは,ASUS独自の「SonicMaster」技術を,2chのステレオスピーカーに採用していることがアピールされた。「DTS-HD Premium Sound」に準拠したサウンドストリーミングのデコードに対応するのもトピックだ。
続いてZenPad 10だが,こちらは,SoCとしてAtom x3-3200もしくは「Atom x3-C3230」,Atom Z3560を採用する3モデルでの展開となる。メインメモリ容量は1GBもしくは2GBで,ストレージ容量は8〜64GB。こちらも,販売先となる国や地域によって,細かな仕様は変わるという。
ZenPad 10の別売りオプションとしては,スピーカー機能を搭載したBluetooth接続型キーボードドックが用意される。キーボード入力を行えるだけでなく,サウンドも強化できるというのが,ASUSの訴求ポイントだ。
ZenPad 7.0はAtom x3-C3200を搭載するWi-Fi接続モデルと,Atom x3-3230搭載でWi-Fi&3G接続および音声通信対応のモデルが用意される。メインメモリ容量が1GBもしくは2GB,ストレージ容量は8〜32GBで,販売される国や地域で変わるのは,ほかのサイズのZenPadと変わらない。
ASUSではWi-Fi&LTE対応モデルも将来的に投入予定だそうで,説明員によると,日本では当面の間,Wi-Fi対応モデルのみを展開しつつ,LTE対応モデルの登場を待つことになる見込みだそうだ。
なお,ZenPad 7.0にも,機能的にはZenPad 8.0シリーズ用と同じAudio Coverが用意される。
イベントでは,ZenPadシリーズ共通の仕様として,画面の高画質化技術「VisualMaster」も紹介された。
VisualMasterでは,テレビ向けのHDR(High Dynamic Range)化技術を応用した「Tru2Life」技術によって画面表示を最適化しており,コントラスト比を200%向上させたり,シャープネスを改善したりして,より鮮明な表示を行えるようにしてあるという。誤解を恐れずに述べておくと,Xperiaシリーズにおける「X-Reality」のような映像エンジンが入ったという理解でいいだろう。
3サイズ4製品のラインナップがあり,本体色のバリエーションが豊富で,オプションによりカスタマイズも可能。しかもVisualMasterにより,ゲームプレイ時やビデオの再生時,写真の閲覧時にはより美しい見栄えを実現できるというのが,ZenPadシリーズに対するASUSのメッセージだ。
冒頭でお伝えしたとおり,価格や発売日に関する情報は得られなかったが,日本市場で売る気は満々といった感じだったので,続報に期待したい。
ZenFone Selfie
Androidスマートフォンの新作となるZenFone Selfieは,自撮り(Selfie,セルフィー)用のカメラ性能と機能を強化したZenFoneという位置づけの製品となる。
リアカメラとフロントカメラの画素数は1300万画素で統一。開放F値は2.2,撮影範囲は88度という,明るくて広角のレンズをフロントカメラ用に採用し,さらに2基のLEDフラッシュを組み合わせてあるため,自撮りをキレイに撮れるというわけだ。
イベントでは,ASUSのデザインセンターでディレクターを務めるJen Chuang氏が,実演しながら,ZenFone Selfieを紹介した |
アウトカメラに匹敵する機能をインカメラでも備えたというのが,ZenFone Selfieにおける最大のトピック |
なお,搭載する液晶パネルは5.5インチで,解像度は1080×1920ドット。SoCはSnapdragon 615 SM8929とのことだ。ASUSの説明員は「Snapdragon 615の採用は業界初」と述べていたので,市場への登場はZenPad 8.0より早くなるかもしれない。
SIMは2枚差しの可能な,いわゆるデュアルSIM仕様。LTE通信に対応し,VoLTEも利用できるという。
Zen AiO
メインメモリ容量は最大32GB搭載可能。DDR4で動作クロックは2133MHzとのことなので,PC4-17400対応ということになる。
ストレージは,PCI Express Gen.3 x4接続となるSSDの搭載によって高速化を図っているという。
また,Zen AiOでは,Intelの3Dカメラ技術「RealSense」に対応することもトピックだ。生体認証によるログオンが可能になるほか,対応アプリケーションでは,手の動きをPCの操作として反映させることができるようにもなる。
ProArt PA329Q
ProArt PA329Qは,32インチで3840×2160ドットの解像度を持つ,いわゆる4Kディスプレイである。AdobeRGBカバー率100%という,正確な色再現性がウリ。工場出荷時にキャリブレーションされているのに加え,ハードウェアキャリブレーションにも対応するのも特徴だ。ゲーマー向けではないが,4Kディスプレイ市場にまた1つ選択肢が増えることは歓迎したい。
接続インタフェースはDisplayPort 1.2×1,Mini DisplayPort 1.2×1,HDMI 2.0×1,HDMI 1.4×2,USB 3.0×4となっている。
ZenWatch 2
ZenWatch 2は,2015年9月にドイツで開催予定のイベント,IFA 2015で正式発表予定の製品ということで,今回は参考展示のみとなっていた。
本製品は,Android Wearを搭載するスマートウォッチで,直径49mmと45mmの2サイズが用意される。「2」の新要素としては,本体の側面にボタンを配置してある点や,バンドを簡単に交換できる点など,時計らしさを向上させ,高級感を生む工夫が挙げられるだろう。
ASUS日本語公式Webサイト
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