プレイレポート
「モンスターハンター ストーリーズ」のプレイレポートをお届け。推しモンスターに乗って冒険に旅立とう!
本作はシリーズ初のRPGだ。「モンスターハンター」シリーズと言えば,プレイヤーが扮する「ハンター」が,さまざまなモンスターを狩猟するハンティングアクションというイメージが強いので,「モンスターハンターフェスタ’15 決勝大会」で発表された際には大いに驚いたファンも多いだろう(関連記事)。果たして,本作はどのようなゲームに仕上がっているのか,発売に先がけてそのプレイレポートをお届けしよう。
主人公はモンスターを狩る「ハンター」ではなく,モンスターを育てる「ライダー」
「ストーリーズ」は,従来作のようにモンスターを狩る「ハンター」ではなく,モンスターと共存する「ライダー」を中心に物語が展開していく。プレイヤーは,ハンターたちの社会から遠く離れた「ハクム村」の新米ライダーとなり,相棒の「ナビルー」と共に広大な世界へと旅立つ。
ライダーとハンターという存在の対比,主人公と仲間のモンスター「オトモン」との絆,「黒の凶気」と呼ばれる災厄を巡る物語など,今までのシリーズ以上にストーリー性の強い作品だ。
はじまりの地となる「ハクム村」。人間とモンスターが共存するライダー達の村だ |
プレイヤーと共に冒険する「ナビルー」。一風変わった外見のアイルーだ |
本編は道中で次々と発生するストーリーをこなすと進行していく。ストーリーの目標はゲーム内で常時確認でき,マップ上にも目的地のマーカーが表示されるので,迷うことなく進めていけるはず。また,ストーリーのほかにも「サブクエスト」が多数用意されており,クリアすると経験値やお金を獲得できる。
雷属性のブレスを吐くリオレイア誕生! ついつい夢中になるオトモン育成
さて先ほども少し触れたが,本作の目玉は何と言っても仲間となる「オトモン」の存在だろう。オトモンを仲間にするには,「モンスターの巣」からタマゴを採取する必要がある。モンスターの巣はフィールドにランダムで出現し,中には金色に輝く「モンスターのレアな巣」も存在する。
巣の奥にある「タマゴのありか」からタマゴを採取し,その外まで運ぶことができれば,見事ゲットとなる。タマゴのありかは,もぬけの殻の場合もあれば,モンスターが寝ている場合もある。隙を狙ってタマゴを頂戴しよう。
持ち帰ったタマゴは,拠点にある厩舎(きゅうしゃ)でふ化させることができる。タマゴは1つ1つ色や,模様,重さ,においなどが異なり,生まれてくるモンスターの種類や強さなども違う。
タマゴをふ化させると,さっそくオトモンとして旅に連れて行ける(※)。オトモンとは並んで歩くこともできるが,やはりモンスターの背中に乗って走る「ライド」が楽しい。広大な大地をお気に入りのモンスターに乗って走るのはワクワクするし,一緒に冒険している気分を盛り上げてくれる。
さらに,ライド中にはモンスターが「ライドアクション」を発動できる。障害物を乗り越えたり,モンスターの巣を探知したりと便利なものが揃っているので,うまく冒険に役立てよう。
※プレイヤーの絆石の解放段階によって連れて行くことが出来ない場合がある
ドスランポスのライドアクション「ジャンプ」は特定の足場から足場へ移動できる |
フルフル亜種のライドアクション「咆哮」は弱いモンスターを遠ざける効果を持つ |
また,モンスターの育成で重要になってくるのが,「伝承の儀」と呼ばれるシステムだ。これはオトモンが持つ「絆遺伝子」を別のオトモンに受け継がせることによって,新たなスキルを取得できるというものである。
たとえば,ドスランポスにイャンクックが持つ火球のスキルを宿した絆遺伝子を継承すると,火球を吐くドスランポスを生み出せる。アプトノスにザボアザギルが持つ拡散凍結ブレスを宿した絆遺伝子をかけ合わせれば,拡散凍結ブレスを放つアプトノスが誕生するのだ。
伝承の儀を行うためには,受け継ぎたいスキルを持つモンスターの絆遺伝子と,引き継がせたいモンスターのスロットが同じ場所に存在しなくてはならない。なお,絆遺伝子を渡してしまったオトモンは,野に帰ってしまうので注意しよう。
スキルには,火球や威嚇といったバトル中に使用できる「アクティブスキル」のほかに,毒無効や属性攻撃強化などの,持っているだけで効果のある「パッシブスキル」が存在し,組み合わせ次第で戦略が無数に広がっていく。モンスターの弱点を補うか,長所をさらに伸ばすか,どのような育成スタイルを取るかはプレイヤー次第だ。
以上,オトモンの育成システムについて紹介してきた。タマゴをふ化させるときのドキドキ感や自分好みにモンスターを育成するのがとても楽しく,筆者はストーリーを進めないまま,ついつい育成にのめり込んでしまい,気がつけばけっこうな時間が経っていたということもあった。収集癖のある人や,モンスターを試行錯誤して強くしていく過程が好きな人は,育成に夢中になってしまうかも?
相手の癖を読んで,オトモンと強力な「絆技」を叩きこめ!
通常攻撃のタイプには,パワー/スピード/テクニックという3タイプが用意されており,それぞれ3すくみの関係になっている。
これだけ見ると,単純に3分の1の確率で勝つ「運ゲー」と思われるかもしれないが,実際はそうではない。各モンスターには繰り出す技の属性には,“癖”が存在しているのだ。ランポスはスピードタイプの攻撃を多用するし,あるモンスターは「スピード→スピード→テクニック」と攻撃を仕掛けてくる傾向があったりする。この癖をバトルの中で見極めて,有利な攻撃をヒットさせていくことが勝利への近道となる。
また,攻撃をヒットさせていくと,下画面中央に表示される「絆ゲージ」が上昇し,最大まで溜まるとオトモンに「ライド」することができる。ライド中は相手に与えるダメージがアップするほか,絆ゲージをすべて消費して「絆技」を繰り出せる。絆技を使用するとライド状態が強制的に解除されてしまうが,一発逆転を狙える強力な大技なので,「ここぞ」という場面で相手に叩き込もう。
お気に入りモンスターがいるシリーズファンにこそおすすめしたい作品
さて,ここまで「ストーリーズ」をざっと紹介してきたが,筆者が遊んで驚かされたのは,従来作の世界観やシステムをうまくアレンジして,モンスターハンターをRPGへと落とし込んでいるという部分だ。
たとえば,シリーズでお馴染みの2回までなら力尽きてもクエストが失敗にならない,いわゆる「3落ち」のシステムは,バトル中に2回までなら力尽きても仲間が立ちあがるという風に再現されており,本家でモンスターをマークするのに使われる「ペイントボール」は,使用して3ターン以内にモンスターを討伐することで,モンスターが巣に帰るイベント「帰巣」を発生させるアイテムになっている。
また,武具の生産といったお馴染みの要素も「生産クエスト」という形で登場する。
このようにRPGといった新しいジャンルながらも,シリーズお馴染みの要素が随所にちりばめられており,根っこの部分からはしっかりと「モンハン魂」が感じられる。
2004年に発売された第1作「モンスターハンター」から12年,多くのファンに支持され続けてきた同シリーズ。ほのぼのとしたグラフィックスやアニメ版の放送開始など,新しいファン層の獲得を目指しているのがうかがえる「ストーリーズ」だが,むしろ今までのシリーズを楽しんできたファンこそ遊んでもらいたい作品だと感じた。
あのモンスターにコテンパンにやられたとか,何度も挑戦してようやくようやく討伐に成功できた,といったモンスターに対する愛着や思い出をシリーズファンなら誰しもが持っているはずだからだ。
モンスターを育てて共に冒険するという新たな切り口から,モンハンの世界を描いた「ストーリーズ」。ぜひ本作をプレイし,お気に入りのモンスターの背中に乗って世界を駆け巡る楽しさを味わってほしい。
「モンスターハンター ストーリーズ」公式サイト
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