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「バイオハザード」「モンハン」を含むUSJのアトラクションが総務大臣賞を受賞。「Splatoon」「Minecraft」も表彰された第21回AMDアワード授賞式をレポート
AMDアワードは,デジタルコンテンツを日本のコンテンツ産業発展の中核的存在として捉え,制作者の立場から,デジタルメディアの質的向上ならびに人材育成を目的として制定されたもの。表彰式では,優秀なデジタルコンテンツなどの制作者が表彰される。
今回は,2015年1月1日から12月31日の間に,日本国内で発売/発表されたデジタルコンテンツおよびサービスの中から,「大賞/総務大臣賞」「AMD 理事長賞」「年間コンテンツ賞『優秀賞』」「20周年記念特別賞」「20周年記念ソーシャルインパクト賞」「江並直美賞(新人賞)」「リージョナル賞」「先端科学技術賞」「功労賞」の授賞作品/受賞者が選出された。各賞の授賞作品/受賞者および選出理由は「こちら」の記事でお伝えしたとおりだ。
今回,大賞/総務大臣賞を獲得したのは,「ユニバーサル・クールジャパン」。これは大阪市にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンで展開された期間限定のアトラクション群で,その中には人気ゲームを題材とした「バイオハザード・ザ・エスケープ」「モンスターハンター・ザ・リアル」も含まれている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン マーケティング本部長の森岡 毅氏は,日本の優秀なクリエイターが生み出すIPを国外に発信したいという思いで企画したと,ユニバーサル・クールジャパンの狙いを説明。今回の受賞は,そうしたコンテンツのクリエイターや,ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのおかげであると謝辞を述べた。
AMD 理事長賞を獲得したのは,「Splatoon(スプラトゥーン)」。開発を手がけた任天堂の野上 恒氏は,同タイトルについて,まだコンテンツの評価が定まらないうちから多くのプレイヤーや小売店などの応援を受けて成長できたと感謝し,今後も世界に通用するコンテンツとして,大切に育てていきたいと意気込みを見せた。
また,同タイトルを開発したスタッフについては,映画や音楽に加え,ゲームにも影響を受けて育ってきた若い世代であり,今後もそうした若い世代が新しいコンテンツを作ることを後押ししていきたいとも語っていた。
功労賞には“PlayStationの父”である久夛良木 健氏が選出された。久夛良木氏は,コンピュータとエンターテイメントの融合,そして来たるべきネットワーク時代の到来というPlayStationの構想に,世界中のクリエイターが共感したことで,一緒にエンターテイメント業界の柱を作ることができたと感謝の意を示していた。
優秀賞に選出された「Minecraft」を開発したMojang からは,「日本の皆さんの素晴らしいクリエイティビティと,“キモ可愛い”キャラクターを愛する心,そしてプレイヤーコミュニティに大変感謝しています。これからも全世界にいる『Minecraft』ファンの皆さんに向けて,楽しい体験を提供していきます」とのメッセージが寄せられた。
大賞/総務大臣賞の表彰で登壇した高市早苗総務大臣は,先端科学技術賞を受賞した「マツコロイド」を例に,今後さらに日本の優れた研究成果がデジタルコンテンツの発展に寄与することに期待するとコメント。また大賞に選出されたユニバーサル・クールジャパンについては,「バイオハザード」「モンスターハンター」「進撃の巨人」「エヴァンゲリオン」といった日本のコンテンツを世界に向けて発信する存在であり,日本政府が推進するクールジャパン戦略とも合致すると語った。
最後に設けられた総評の場では,審査員長を務めた慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授 夏野 剛氏が,今回の優秀賞作品は優れたものが多く,どれが大賞を取ってもおかしくなかったと明かし,それだけ豊作だった理由を「日本のソフトとハード,そして文化の融合」と分析。さらに「2015年は日本の底力を強く感じた年だった」と表現した。しかし反面,それが実社会にあまり活かされていないのもまた事実であるとし,受賞者に向けて「ソフトとハード,文化の力を最大限に活かし,AMDアワードを世界的な賞にしていきたい」と展望を語って表彰式を締めくくった。
- 関連タイトル:
Splatoon(スプラトゥーン)
- 関連タイトル:
Minecraft
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