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[GDC 2017]NVIDIA,「GeForce GTX 1080 Ti」を発表。699ドル(税別)でGTX 1080より35%速い
北米市場におけるメーカー想定売価は699ドル(税別)で,来週の発売予定だ。
Huang氏によれば,GTX 1080 Tiは,購入して製品ボックスから出した状態で「GeForce GTX 1080」より35%速く,現行のデスクトップPC向け最上位モデルとなる「NVIDIA TITAN X」よりも高性能だという。
NVIDIAはこのイベントに先立ち,報道関係者向け事前説明会を開催しているので,以下は,その内容を基に,GTX 1080 Tiのスペック情報をまとめてみたいと思う。
GP102ベースで3584基のCUDA Coreを集積。グラフィックスメモリは容量11GB,速度11GHz相当に
しかも,両製品では,総シェーダプロセッサ数も3584基で揃っている。
GP102コアは,“ミニGPU”的に機能する「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)数が6基,GPCが内包する演算ユニット「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)数が5基という仕様だ。Pascalアーキテクチャの場合,SMあたりのシェーダプロセッサ「CUDA Core」数は128基なので,フルスペックだと総シェーダプロセッサ数は3840基となるわけだが,そこから2基のSM分,CUDA Coreを無効化した仕様という意味において,GTX 1080 TiとNVIDIA TITAN Xの間に違いは何もない。
GTX 1080 TiのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は250Wで,これもNVIDIA TITAN Xと同じである。
では何が違うかというと,GPUコア側の動作クロックとメモリコントローラ周りだ。
まずGPU側の動作クロックだが,これは以下のとおり異なっている。
- GTX 1080 Ti:ベース1480MHz,ブースト1582MHz
- NVIDIA TITAN X:ベース1417MHz,ブースト1530MHz
動作クロックが高い分,理論演算性能値となる単精度浮動小数点演算性能はNVIDIA TITAN Xが11 TFLOPSのところ,GTX 1080 Tiは11.34 TFLOPSと,若干高くなっている。NVIDIAによれば,GTX 1080 Tiでは,自己責任のオーバークロックにより,最大2GHz前後のオーバークロック動作を実現できるとのことだ。
ではメモリ周りはどうかというと,メモリチップとしてGDDR5Xを組み合わせるのはNVIDIA TITAN Xと同じながら,以下のとおり仕様が異なっている。
- GTX 1080 Ti:ROP数88基,グラフィックスメモリ接続インタフェース幅352bit,メモリクロック11GHz相当(実クロック1375MHz),メモリ容量11GB
- NVIDIA TITAN X:ROP数96基,グラフィックスメモリ接続インタフェース幅384bit,メモリクロック10GHz相当(実クロック1250MHz),メモリ容量12GB
Alben氏は,「11は10(=GeForce GTX 10シリーズ)より上」という「当たり前ジョーク」で会場の笑いを取っていたが,NVIDIA TITAN Xとのスペック差バランスをうまく取った結果,スペック表に11が並んだというのが,本当のところではなかろうか。
なお,気になるバリエーションだが,Founders Editionとは別に,NVIDIAのパートナーとなるグラフィックスカードメーカー各社からは追ってオリジナルデザインの製品も登場予定とのことである。こちらも期待したい。
NVIDIA日本語公式Webサイト
4GamerのGDC 2017特集ページ
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GeForce GTX 10
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