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印刷2017/03/01 12:51

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[GDC 2017]NVIDIA,「GeForce GTX 1080 Ti」を発表。699ドル(税別)でGTX 1080より35%速い

 北米時間2017年2月28日,NVIDIAはGDC 2017に合わせて米サンフランシスコ市内で自社イベントを開催。その場で,同社のJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)CEOが,Pascalアーキテクチャベースの新しいフラグシップGeForceとなるGPU「GeForce GTX 1080 Ti」を発表した。
 北米市場におけるメーカー想定売価は699ドル(税別)で,来週の発売予定だ。

GTX 1080 Ti Founders Editionを掲げるJen-Hsun Huang氏。予告どおり,新しいフラグシップGeForceが登場してきたわけだ
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GTX 1080 Ti。北米市場におけるメーカー想定売価は699ドル(税別)で,これはGeForce GTX 1080のFounders Editionが登場したときと同じ設定である(※NVIDIAは,GTX 1080 Tiのリリースに合わせて,GTX 1080の価格改定を発表している)
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 Huang氏によれば,GTX 1080 Tiは,購入して製品ボックスから出した状態で「GeForce GTX 1080」より35%速く,現行のデスクトップPC向け最上位モデルとなる「NVIDIA TITAN X」よりも高性能だという。

 NVIDIAはこのイベントに先立ち,報道関係者向け事前説明会を開催しているので,以下は,その内容を基に,GTX 1080 Tiのスペック情報をまとめてみたいと思う。

GTX 1080 Ti Founders Editionの実機
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GP102ベースで3584基のCUDA Coreを集積。グラフィックスメモリは容量11GB,速度11GHz相当に


外部出力インタフェースはDisplayPort×3,HDMI×1。NVIDIA TITAN XにもあったDual-link DVI-D端子がついに姿を消した
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 GTX 1080 Tiが採用するGPUコアは,TSMCの16nm FinFETプロセス技術を用いて製造され,約120億トランジスタを集積した「GP102」。つまり,2016年7月に世界市場で発表となり,10月には日本でも搭載PCの購入が可能になっていたNVIDIA TITAN Xと同じだ。

 しかも,両製品では,総シェーダプロセッサ数も3584基で揃っている。
 GP102コアは,“ミニGPU”的に機能する「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)数が6基,GPCが内包する演算ユニット「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)数が5基という仕様だ。Pascalアーキテクチャの場合,SMあたりのシェーダプロセッサ「CUDA Core」数は128基なので,フルスペックだと総シェーダプロセッサ数は3840基となるわけだが,そこから2基のSM分,CUDA Coreを無効化した仕様という意味において,GTX 1080 TiとNVIDIA TITAN Xの間に違いは何もない。
 GTX 1080 TiのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は250Wで,これもNVIDIA TITAN Xと同じである。

GTX 1080 Tiのブロック図と製品概要。ジオメトリエンジンである「PolyMorph Engine」はSMあたり1基なので総数28基,テクスチャユニットはSMあたり8基なので総数224基になる
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 では何が違うかというと,GPUコア側の動作クロックとメモリコントローラ周りだ。
 まずGPU側の動作クロックだが,これは以下のとおり異なっている。

  • GTX 1080 Ti:ベース1480MHz,ブースト1582MHz
  • NVIDIA TITAN X:ベース1417MHz,ブースト1530MHz

 動作クロックが高い分,理論演算性能値となる単精度浮動小数点演算性能はNVIDIA TITAN Xが11 TFLOPSのところ,GTX 1080 Tiは11.34 TFLOPSと,若干高くなっている。NVIDIAによれば,GTX 1080 Tiでは,自己責任のオーバークロックにより,最大2GHz前後のオーバークロック動作を実現できるとのことだ。

こちらはイベントでHuang氏が披露したデモ。GTX 1080 Ti Founders Editionの動作クロックを2GHz以上に設定しても,3Dアプリケーション実行時のGPU温度は60℃台を保てるという
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 ではメモリ周りはどうかというと,メモリチップとしてGDDR5Xを組み合わせるのはNVIDIA TITAN Xと同じながら,以下のとおり仕様が異なっている。

  • GTX 1080 Ti:ROP数88基,グラフィックスメモリ接続インタフェース幅352bit,メモリクロック11GHz相当(実クロック1375MHz),メモリ容量11GB
  • NVIDIA TITAN X:ROP数96基,グラフィックスメモリ接続インタフェース幅384bit,メモリクロック10GHz相当(実クロック1250MHz),メモリ容量12GB

搭載するGDDR5XメモリチップはMicron Technology製とのこと。電気特性の改善により,高クロック化を実現できたという
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 つまり,GTX 1080 TiではNVIDIA TITAN Xと比べると(8基のROPユニットを内包する)ROPパーティションが1基少なく,そのためメモリ接続インタフェースもメモリ容量も一段低くなる一方で,メモリクロックは向上している,ということになる。この「メモリ周りの1ブロック削減」と「メモリクロックの10%向上」がうまくバランスを取り(?),メモリバス帯域幅はGTX 1080 Tiが484GB/s,NVIDIA TITAN Xが480GB/sと,ここでもGTX 1080 TiがわずかにNVIDIA TITAN Xを上回る程度の値になっている。

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Jonah Alben氏(SVP GPU Engineering, NVIDIA)
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 報道関係者向けの事前説明会で登壇したNVIDIAのJohah Alben(ジョナ・アルベン)氏は,「GTX 1080 Tiのキーワードは『11』だ」と述べていた。たしかにROPパーティションは11ブロックで,メモリインタフェース幅352bitは32bitの11ブロック,容量も11GBだ。
 Alben氏は,「11は10(=GeForce GTX 10シリーズ)より上」という「当たり前ジョーク」で会場の笑いを取っていたが,NVIDIA TITAN Xとのスペック差バランスをうまく取った結果,スペック表に11が並んだというのが,本当のところではなかろうか。

 なお,気になるバリエーションだが,Founders Editionとは別に,NVIDIAのパートナーとなるグラフィックスカードメーカー各社からは追ってオリジナルデザインの製品も登場予定とのことである。こちらも期待したい。

NVIDIAは合わせて,11Gbps仕様のグラフィックスメモリと組み合わせた「GeForce GTX 1080」,そして9Gbps仕様のグラフィックスメモリと組み合わせた「GeForce GTX 1060 6GB」の登場も予告している。ただし,情報らしい情報はこのスライドだけで,発売時期は明らかになっていない
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NVIDIA日本語公式Webサイト

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    GeForce GTX 10

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