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[gamescom]ビルは崩れ,船が乗り上げ,ダムは決壊する。「バトルフィールド 4」のクリエイティブディレクターに聞いた,新要素「Levolution」の真骨頂とは
4Gamerでは,まだあまり登場回数の多くないGustovsson氏だが,「Battlefield 3」ではマルチプレイ部分のゲームデザインを担当しており,Battlefieldコミュニティではすでにお馴染みの人物だ。そもそもは,EA Games Label副社長のPatrick Söderlund(パトリック・ソダールンド)氏らが「バトルフィールド1942」のプロトタイプを開発していた1999年に,Digital Illusion C.E.(現EA DICE)に参加したという古参の一人で,まさにバトルフィールドブランドの血脈に連なる人物といえるだろう。
すでにお伝えしたように,gamescom 2013では本作の新要素として,新たなゲームモード「Obliteration」と,海洋領域を舞台にしたマルチプレイヤー用マップ「Paracel Storm」,そして環境破壊システム「Levolution」のお披露目が行われている(関連記事)。インタビューでは,それらの要素について詳しく話を聞いてみたので,本作に期待している人はぜひチェックしてみよう。
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環境破壊システム「Levolution」とは何か
今回のgamescomでは,2つの64人対戦が同時に進行するというプレイアブル展示が行われています。ということは,128席も試遊台が用意されているわけで,その規模に本当に驚きました。
Lars Gustovsson(以下,Gustovsson)氏:
ええ。プレイヤーの皆さんのリアクションを見るのが,すごく楽しいです(笑)。公式サイトでライブストリーミングを行っているのですが,勝ったチームの64人が一斉に手を上げて喜んだり,試合を見ている人達が歓声を上げたりするのを見ると,本当にうれしく思います。
4Gamer:
ではまず,今回発表されたゲームモード「Obliteration」についてご説明いただけますか。
Gustovsson氏:
Obliterationは,それぞれのチームが3つの拠点を持ち,それを爆弾を使って破壊し合う,というゲームモードです。先に相手の拠点をすべて破壊したチームが勝利となるのですが,爆弾は1度に1つしか出現しません。これをキャプチャー・ザ・フラッグのように奪い合いながら,ゲームが進んでいきます。
4Gamer:
ナイフの攻撃をかわして反撃できたのには,ちょっと感動しました。
Gustovsson氏:
ええ。あれはマルチプレイモードのデザインチームが出したアイデアなんです。テクノロジー的にはどうってこともないのですけど。一方オブジェクトの破壊などは,キャンペーンモードのデザインチームからのアイデアです。そういうさまざまなアイデアが組み合わさり,より良いゲームを作り上げていけるのが,EA DICEの良い部分なんですよ。
4Gamer:
なるほど。では「Levolution」はどうでしょうか。ステージデモでは,戦艦が横倒しになりながら陸地に乗り上げてくるというシーンが流れましたが,これは「マップを自由に破壊できる」というより,「破壊効果のあるイベント」という印象を受けました。E3 2013で公開された超高層ビルが倒れるシーンも,Levolutionですよね?
Gustovsson氏:
ええ,そうですね。ただ必ずしも破壊がおこるわけではありません。「インタラクティブな戦場」と表現したほうが,より正しいでしょう。巨大な建物の破壊もLevolutionの一つだし,プレイヤーが茂みに近付いた時に飛び立つ鳥もLevolutionです。敵が逃げ込んだ貨物列車にグレネードを投げ込み,扉を閉めてダメージを与える,なんてこともできます。
4Gamer:
一度遊んだだけでは分からなかったのですが,あの戦艦が乗り上げてくるイベントは,どんな条件で発生するのですか?
Gustovsson氏:
あれは島の沿岸沿いにある風力発電装置をすべて破壊することで発生します。まず嵐によって天候が悪化し,落雷によって一基目の風力発電装置が破壊されます。そうすると,ほかの装置をプレイヤーが破壊できるようになるという感じです。
4Gamer:
戦艦が陸に乗り上げたことによって,マップの主要経路が分断されてしまうようでしたが。
Gustovsson氏:
そのとおり。それによって,戦略そのものが変わってくるんです。あの戦艦には対空砲が備え付けてあるので,制空権を得るために重要な拠点となっています。そのため,両陣営は戦艦をめぐって争うことになるでしょう。上海の高層ビルの場合も同様で,あのビルの上部はスナイピングに最適なポイントになっています。スナイパー達は少しでも長くビルを占拠し続けたいと考えるはずですが,その対抗手段として,ビルの破壊を目指すことができます。
4Gamer:
ああ,なるほど。では新マップ「Paracel Storm」はどうでしょうか。海の部分がずいぶんと広いマップのようでしたが。
Gustovsson氏:
Paracel Stormは,本作に盛り込まれた「波のシミュレーション」という新しいテクノロジーを,ゲームの中にどう活かすか,というショーケースとして制作したマップです。これまでのシリーズでも,砂漠の真ん中で戦車と相対したときは,正面からぶつかるのを避けて,砂丘の凹凸を利用して背後に回ったりしましたよね。それと同じことを,海上でやろうと思ったんです。波を遮蔽物にしながら大きな船に近付いたりとかね。大きなマップということもあって,泳ぐスピードを向上させるなど,細かい調整もしています。
4Gamer:
銃撃や砲弾は,波を突き抜けないのですか?
Gustovsson氏:
突き抜けますよ。嵐という悪天候なので,波が黒くて見通しは効きませんが,撃てばちゃんと貫通します。どのくらい威力を落とすべきかは,調整中なんですが。
4Gamer:
嵐がどんどんと激しくなると,強い風で波が飛び散ったり,椰子の木が揺れたりしますよね。これらは銃撃や操縦に影響するのでしょうか。
Gustovsson氏:
いえ,そこまではしないつもりです。そういうことをやり始めると,シミュレーターになってしまって,対戦ゲームとして面白くなくなってしまいますから。環境のダイナミックな変化を楽しんでいただきたいですが,環境そのものにプレイヤーが合わせていかなければならない状況は避けたいと。
4Gamer:
マルチプレイ用マップは,ローンチ時に何種類用意される予定なのでしょうか。
Gustovsson氏:
10種類です。すべてのマップに,大なり小なりのLevolutionが設定されています。
4Gamer:
公開されたトレイラーには,ダムか防波堤のようなものが破壊されるシーンが映っていましたが,あれもその1つですか?
Gustovsson氏:
そうですね。
4Gamer:
本作は中国も大きな舞台の1つですから,ひょっとして三峡ダムだったりとか。
Gustovsson氏:
(ニヤニヤしながら)……まだ正式に発表してないマップですから。
4Gamer:
えっ,三峡ダムを破壊できる? まだ秘密ですか?
Gustovsson氏:
……秘密です(笑)。でも,そうやってゲーマーの皆さんがいろいろと詮索するのを聞くのが,本当に楽しいんです。まあ,実在の建物を破壊させてしまうと抗議されますから,モチーフにしていると表現したほうが正しいですね。
4Gamer:
じゃあひょっとして,爆弾でダムなり堤防なりを爆破して,大洪水を引き起こしたりできると。
Gustovsson氏:
(ニヤニヤしながら)……じゃあこの話題をまとめるために,とあるマルチプレイマップに,洪水という要素があるということだけは,ここで明言しておきましょう。ゲームの序盤では,迷路のような街の中を歩兵達が往来できるんですが,徐々に水量が上がってきて,そのうちボートや水上バイクが主要な移動手段になるんです。
4Gamer:
おお,それは面白そうです! では最後の質問になります。今年は2つの新しいゲーム機がリリースされるということもあって,とくにFPSのジャンルは大激戦が予想されますよね。バトルフィールド 4を選んだゲーマーは,何が得られるでしょうか。
Gustovsson氏:
楽しいひと時ですね。今回,シングルのキャンペーンモードに力を入れているのはもうご存じでしょうが,マルチも古参ファンに満足していただくべく,調整を続けています。さらにトレーニングモードも実装して,初心者でもゲームを楽しんでもらえるよう,開発しています。次世代機のパワーとFrostbite 3 Engineによって実現したLevolutionを始め,新しいゲームモードやマップなど,皆さんが「これだ」と思えるものが必ず用意されているはずです。ぜひご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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(C) 2013 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owner. All rights reserved
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