Intelの日本法人であるインテルは2010年12月13日,都内で報道関係者説明会
「インテル IAアップデート」を開催。ここ数年,インテルは12月に10大ニュースでその年を振り返っているが,今年も同じ試みがなされている。
インテルによる10大ニュース。ランキング形式ではない点に注意してほしい。4Gamer読者になじみ深いところでは,やはりCoreプロセッサファミリーの大々的な展開ということになるだろうが,将来的に効いてきそうな案件としては,Infineon Technologiesのワイヤレス事業買収も2010年の出来事だ
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吉田和正氏(インテル 代表取締役社長)
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インテルの吉田和正代表取締役は,1月のCoreプロセッサ投入に始まった1年を,「私達からアクションを起こして,新製品を投入し,より優れたユーザー体験をもたらすべく新しい展開に打って出るということを,これ以上ないくらい試みた年」と述懐。22nmプロセス世代に向けた多額の投資や,Infineon Technologiesのワイヤレス事業およびMcAfeeという2件の大型買収,北米市場で「Google TV」という製品に結実した組み込み向けAtomの展開,医療や教育市場に向けた活動の成果などを強調した。
サーバーからPC製品,タブレット&スマートフォン,組み込み機器にまでIntel製品を広げていくというのがCompute Continuumの発想である
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また吉田氏は,2010年からIntelが唱え始めた「Compute Continuum」(コンピュート・コンティニュアム)についても触れ,デバイス同士がつながっていく現在にあって,重要なのは連続的なユーザー体験だとしている。「来月には『Sandy Bridge』――第2世代のCoreプロセッサファミリーが登場する」とあらためて次世代CPUの投入を予告しつつも,それと同等か,それ以上の時間を割いて,普及期を迎えつつMobile WiMAXにさらなる力を入れていくことや,タブレットにスマートフォン,スマートテレビ,車載システムといった,AtomベースのSoC(System on a Chip),そして教育&医療分野に関する言及を行っていたのが印象的だった。
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Mobile WiMAXコントローラを内蔵したPCがその数を増やし,かつ,11月には6万1900件もの新規契約があるなど,Mobile WiMAXはいよいよ普及期を迎えつつあると吉田氏。「日本全国が広帯域で結ばれることで,世界でも類を見ない利用形態が見られるようになるのではないか」とのことだった |
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「新しい組み込み機器がネットワークにつながっていく流れの中で,Atomがよい働きをした。今後もこの流れは加速していくだろう」と吉田氏は述べ,「ネットワーク対応の白物家電」にも,国内メーカーが本気で取り組んでいくことになるのではないかという見通しを示した。もっとも「家のなかにあるさまざまなものがネットワークにつながって『それでどうなるの?』というのは,これから考えなければならない」とも述べていたが |
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Tick Tockモデルで一世代ずつ確実に進んでいくことで,AtomベースのSoCを展開しやすくなるという見解も示された。スマートテレビ,スマートフォン,車載向けといったSoC――部分最適化されたシリコンのニーズはあるため,高集積と低価格の両側面から展開していけると,吉田氏は自信を覗かせる |
吉田氏いわく,「これまで以上に提案型のソリューションを打ち出していく。そして,(フィードバックによって得られた)顧客のニーズを製品に反映させていくサイクルを作っていきたい」「タブレットやスマートフォンなど,新しい商品を展開できるチャンスがある2011年も,全力で走り続ける」。
“PC以外”にも注力する姿勢を明確に打ち出したIntel/インテルが,果たして(同社にとって)新しい市場でも強さを示せるのかどうか,2011年の同社からはやはり目が離せそうにない。
願わくは,チャレンジの結果,面白いゲーム関連デバイスが誕生してくれることを。