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印刷2009/07/18 10:30

プレイレポート

2D対戦格闘ファンはもちろん,キャラクターファンにもオススメの「BLAZBLUE(ブレイブルー)」。その魅力と見どころをあらためて紹介

画像集#001のサムネイル/2D対戦格闘ファンはもちろん,キャラクターファンにもオススメの「BLAZBLUE(ブレイブルー)」。その魅力と見どころをあらためて紹介
 6月25日,アークシステムワークスより,2D対戦格闘アクション「BLAZBLUE(ブレイブルー)」PLAYSTATION 3版 / Xbox 360版)が発売された。

 本作は,現在アーケードで好評稼働中の同名タイトルを家庭用ゲーム機に移植したもので,アーケード版のゲーム性が忠実に再現されているのはもちろん,世界中の猛者達と対戦できるネットワークモードをはじめ,家庭用ならではのモードが多数搭載されている。アーケード版をやり込んだ人も,まだ本作をプレイしたことのない人も,2D対戦格闘(あるいは,キャラクターや参加声優陣)に興味がある人にはぜひ一度遊んでみてほしい一本だ。
 本稿では,そんなBLAZBLUEの魅力を,実際にプレイした印象を交えつつ紹介していきたいと思う。執筆の際にプレイしたのはXbox 360版だが,ゲームの基本的な部分はPLAYSTATION 3版と同様なので,機種の違いを気にすることなく読み進めてほしい。

関連記事:「これは遊ぶべき作品」―――2D格闘アクション「BLAZBLUE」が海外メディアに大受けの模様


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 BLAZBLUEを開発したのはアークシステムワークスというメーカーだが,この社名を聞いたときに,対戦格闘ゲームが好きな人ならすぐにあるタイトルが頭に浮かぶだろう。そう,今や「ストリートファイター」シリーズや「KING OF FIGHTERS」シリーズと並ぶ人気2D対戦格闘といえる,「GUILTY GEAR(ギルティギア)」シリーズだ。
 本作は,「ギルティギア ゼクス(以下,ギルティ)」の開発スタッフが再結集して作られたタイトルなのだ。それだけに,操作性やシステムなどはギルティシリーズの流れを汲んだものも多く,ギルティを経験済みの人であればすんなりとプレイできるはずだ。

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 BLAZBLUEのボタン操作は,弱攻撃,中攻撃,強攻撃,ドライブボタンの四つから成る。そんな中で最も特徴的なのは,やはりドライブだろう。
 ドライブとは,ボタン一つで(あるいは簡単は方向キー操作を組み合わせて)キャラクター独自の固有技が出せるボタン操作で,本作ではドライブの使い方が非常に重要になってくる。例えば,主人公であるラグナ・ザ・ブラッドエッジのドライブはソウルイーターという能力で,攻撃を与えた相手の体力をわずかだが吸収し,自分の体力に変換することができる。また,ジン・キサラギのドライブ,零刀(フロストバイト)は,相手を一定時間凍らせる効果がある。
 各キャラクターのドライブは,戦いを有利に進めるうえで欠かせないもので,非常に重要な意味を持っている。本作をプレイする際には,まず自分の使うキャラクターが,どんなドライブを持つのかを把握しておいたほうがいい。マニュアルや公式サイトで,しっかりと確認しておこう。

「BLAZBLUE」公式サイト

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ラグナ=ザ=ブラッドエッジ
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ジン=キサラギ
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ノエル=ヴァーミリオン
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レイチェル=アルカード
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タオカカ
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テイガー
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ライチ=フェイ=リン
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アラクネ
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シシガミ=バング
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カルル=クローバー
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ハクメン
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ニュー

勝負の行方を左右するほどの威力を秘めるディストーションドライブ。キャラクターごとに豪華な(あるいはユニークな)演出が用意されているので,積極的に狙っていきたいところだ
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 また,アクションを強制的にキャンセルし,素早く次の攻撃が行えるラピッドキャンセル,相手に多大なダメージを与えるディストーションドライブ,追い詰められたときに有効なバリアバーストなども,本作の特徴的かつ重要なシステムだ。基本的な操作に慣れてきたら,このあたりの特殊操作の習得を目標にするといいだろう。

 実のところ筆者は,ギルティシリーズはあまり得意ではなく,ゲームセンターなどで対戦しても,すぐにボコボコにされてしまっていたのだが,BLAZBLUEはギルティよりもボタン数が一つ少ないこともあって,かなり遊びやすい印象がある。
 当然,高度な連続技を駆使した戦いをしたいなら,連続技や,相手の攻撃に合わせた反撃パターンなどを,時間をかけて反復練習する必要がある。しかし,2D対戦格闘としてのハードルはさほど高くはないほうなので,ある程度の練習を積めば,この手のゲームが得意でない人でも,十分楽しめるレベルに達することができるはずだ。

ラピッドキャンセルやバリアバーストといった特殊操作を実戦で有効活用できるようになるまでが大変だが,これらのテクニックが必須となるのは,中〜上級者との対戦においてのみ。対CPU戦を普通に楽しめるレベルに達したあたりから,徐々に練習していけばいいだろう
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 なお本作は,ギルティシリーズでサウンドディレクターを務めた石渡太輔氏が楽曲を担当している。なので当然,ギルティシリーズで好評だった迫力のハードロックサウンドも健在だ。石渡氏の楽曲が好きだという人はお見逃し(お聞き逃し)なく。


すべてが見逃せない,家庭用ならではの追加要素


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 本作には,アーケードモードやバーサスモード,ギャラリーモード,トレーニングモードなど,格闘ゲームの家庭用移植作にはお馴染みのモードが一通り盛り込まれているが,熱心な対戦ファンや,「格闘ゲームは苦手だけど好き」という人にもうれしいモードが多数収録されている。ここからは,家庭用版ならではのモードを中心に紹介していこう。


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 まずは,ストーリーモードについて。このモードは,いわゆるサウンドノベルのような感じでストーリーが展開していき,ストーリー分岐によってさまざまな展開が楽しめるのが特徴だ。ルートによっては,アーケードモードでは語られなかった“真実の物語”が明らかになることもあり,本作の世界観やストーリー性に注目している人にとっては,非常にやり込みがいのある内容だ。
 なお,キャラクターのセリフはフルボイス(!)なので,豪華な声優陣に惹かれて本作を購入した,あまり格闘ゲームが得意ではない人でも,十分楽しめるはず。ストーリーの要所で戦闘は発生するものの,先述したように,コンピュータ相手ならば多少練習を積めばすぐに勝てるようになる。ワンボタンで必殺技を繰り出せる操作方法も用意されているので,ぜひボリューム満点のストーリーモードを楽しんでほしい。

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すべてクリアするとなると,数十時間は遊べるんじゃないかというボリュームのストーリーモード。ラグナ役の杉田智和さんや,タオカカ役の斎藤千和さんをはじめとする豪華声優陣が,本作の物語をフルボイスで盛り上げてくれる
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 お次は,家庭用版BLAZBLUEの要ともいえるネットワークモードについて。このモードは,文字どおりネットワークを介して世界中のプレイヤーと対戦できるモードだ。
 対戦格闘ゲームにおけるネット対戦というと,ラグが気になる人もいるかもしれないが,筆者がプレイした限りでは,とくに目立ったラグもなく,比較的快適にプレイできた。もちろん,一切ラグがないというわけではなく,自分や相手の通信環境によってはストレスが溜まることもあるのだが,個人的には快適に遊べた印象が強い。

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 ネットワークモードでは,プレイヤーにレベルが設定されており,対戦するごとに貯まるRP(Rebel Point)が一定値を超えるとレベルアップする。
 レベルアップすると,それに従ってさまざまな称号が得られる。対戦を積み重ね,最強の称号を目指すというプレイは,対戦格闘ファンにとって大きなモチベーションになるだろう。
 なお対戦する際には,プレイヤーレベルを「自分と同じくらいの強さ」「自分より強い」の二種類から選べるので,最初は同じくらいの強さの相手で腕を磨きつつ,自信が付いてきたら,自分より強いプレイヤーに挑戦してみるといいだろう。試合内容は,保存していつでもリプレイが可能なので,負けたときなどは自分のプレイを見返しつつ,敗因などを研究するといい。
 また,相手の許可が得られれば,試合内容をアップロードできるので,自分の名勝負を世界中の人に観てもらうこともできるし,ほかの人の試合をじっくりと観戦することもできる。プレイに疲れたときなどは,休憩もかねて相手の試合を観戦するのも,家庭用版BLAZBLUEならではの楽しみ方だ。

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 さらに家庭用版独自の要素として,プレミアムテーマの配信,Unlimitedキャラクター(ボス性能バーションのキャラクター)のアンロック機能,キャラクターの追加カラーといった要素も見逃せない。
 加えて,アーケード版ではタイムリリースキャラクター(一定日数が経つと解除されるキャラ)として使用可能だったハクメンとν-13が,家庭用版では最初から使用可能となっているのも,ファンには嬉しい要素といえるのではないだろうか。

 BLAZBLUEは,ど派手なアクションや爽快感溢れるコンボなどがウリの作品であるため,2D対戦格闘に苦手意識を持っている人の目には,若干ハードルの高いゲームに映るかもしれない。
 しかし基本的な連続技などは,弱→中→強といった具合にタイミング良くボタンを押せばつながるし,トレーニングモードで多少練習すれば,そこに必殺技を組み込むのもさほど難しくはない。CPUの強さも調整可能なので,例えば声優さん目当てで本作を購入した女性プレイヤーなどでも,十分楽しめるゲームだと思う。フルボイスで展開されるストーリーモードを全キャラ分クリアするだけでも,数十時間以上たっぷりと遊べるボリュームなので,ぜひとも挑戦してみてほしい。いやほんとに,一人遊びでも十分楽しいですから。

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 もちろん,アーケード版からのコアプレイヤーや,「最近の2D対戦格闘ってどんな感じなんだろう」という元格闘ゲーマーにも,本作はオススメだ。緻密なドット絵で表現された,なめらかなモーションで技を繰り出すキャラクター達を,自由自在に操作する気持ちよさは,中級者〜上級者のみが味わえる魅力と言えよう。観戦やリプレイの保存/観賞にも対応した充実のネットワーク対戦モードで,終わりのない研究/対戦の日々を満喫してほしい。
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