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和田洋一氏が「次の山はタイトーが作る」と意気込みを見せた! タイトー新プロジェクト&新製品発表会レポート
ハッピープロジェクトは,2009年4月より開始されるタイトー全社横断プロジェクト。「大切な人に喜んでもらいたい,かけがえのない思い出を作ってもらいたい,と思っているあなたをお手伝いする」をコンセプトに,アミューズメント事業を軸として,同社の全事業分野にまたがって展開される。
開発は,業務用FPS「ハーフライフ 2 サバイバー」を手がけたメンバーが担当。また環境への配慮から,ハーフライフ 2 サバイバーの筐体をリユースできるといった,業界初の試みにも挑戦している。稼動は2009年内を予定している。
会場では,2009年度に展開するアミューズメント施設関連の取り組みなどを紹介。また業務用ゲームとして上記のサイバーダイバーのほか,ガンシューティング「ホーンテッドミュージアム」,音楽ゲームとガンシューティングを融合させた“音シュー”ゲーム「ミュージックガンガン」を制作しているとの発表があった。
2人対戦仕様となった「ハッピーボタン2」は,4月より順次タイトーステーションに導入される |
リロード撤廃,弾数制限なしで爽快感を重視した新しいガンシューティング「ホーンテッドミュージアム」 |
ガンコントローラーを使う音楽ゲーム「ミュージックガンガン!」。筐体にはハンドバッグを置けるなど,女性層に配慮した工夫が見られる |
また,2008年10月からスタートした「PROJECT OCEAN」にて,回転盤の上で腰を振ってゲームを進める「オッポポブーン!」と,複数のプレイヤーで樹木を育てる「みどりのおせわ」の業務用ゲーム2タイトルの開発/制作が進行していることが明らかにされた。
「オッポポブーン!」コンセプトモデル |
「みどりのおせわ」コンセプトモデル |
PROJECT OCEANは,タイトーの全事業部門にまたがって構成される製品開発プロジェクトで,各事業分野で得た“顧客の視点”を意識している。今回発表された2タイトルは,その先陣を切って投入されたというわけだ。そのほか,業務用としてはアミューズメントプライズの新シリーズが発表されている。
コンシューマ機のパッケージソフトとしては,当日に発売されたばかりのニンテンドーDS用ソフト「SPACE INVADERS EXTREME 2」や,4月30日発売予定でファミリー向けの「みんなの動物園」などを紹介。いずれもすでに4Gamerでもお伝えしている内容なので,興味のある人は,リンク先の記事一覧で詳細を確認してほしい。
ダウンロードコンテンツでは,Wiiのバーチャルコンソールアーケードで4月初旬に「スペースインベーダー」を,バーチャルコンソールにて「たけしの挑戦状」を配信すると発表した。後者については,特別な演出で北野武さんからの公式コメントを紹介する一幕もあった。またXbox LIVE アーケードでは,リメイクとして近日中に「アルカノイド Live!」,2009年4月に通信対戦機能を実装した「スペースインベーダーエクストリーム」を配信する。また,こうしたリメイク版は「タイトーコレクション」として今後も充実させていくとのこと。
ビートたけしこと,北野武さんのコメント。わずか2画面,極めて短時間なのに,非常に印象に残る演出だった | |
タイトーの往年の名作も,Xbox LIVE Arcadeにて続々とリメイク配信される |
コンテンツ事業は,従来のプラットフォームに加え,今後はPCおよびiPhoneとGoogle Android,さらにマイクロソフトやNOKIAが予定している配信サービスへの展開に注力していく。またゲームセンターと携帯電話を繋ぐ携帯サイト「ハッピークーポン」を用意するなど,いつでもどこでもコンテンツを提供できるようにしていくとのこと。
さらに,タイトーのプラットフォーム戦略の一環として,PC上で動作する「キャラオケ」が紹介された。これは,自分が歌うカラオケに合わせてアバターに振り付けを施し,「キャラオケアイドル」としてデビューさせるというもの。衣装やアクセサリーでアバターのカスタマイズができるだけでなく,カメラワークやステージの演出も変更できるほか,これらを動画として保存し動画サイトに投稿することも可能となっている。
また,アイドルをプロデュースするだけでなく,逆にファンクラブに入会しプレゼントを贈ったり,シークレットライブに参加したりと,アイドルを応援する立場としても楽しめる。多くの応援を受けたアイドルには「歌姫」などの称号が送られ,よりビッグな存在になっていくとのこと。キャラオケの本格配信は5月下旬に予定されている。
それを実行するために和田氏は,二つの約束を提示した。一つは「タイトーは徹底的にお客様を応援する」というもの。そもそもタイトーは,企業理念として顧客の思い出作りに対して貢献することを掲げている。その原点に立ち返り,押し付けではなく顧客自身が思い出を作り出すことをゲームやサービスでバックアップしていこうというわけだ。その一環が,顧客視点を重視して審査される「タイトーステーション」ブランド認定制度であったり,上記のPROJECT OCEANであったり,あるいは幾つかのコンテンツで取り入れているコミュニティ志向であるとのこと。
もう一つの約束は「次の山はタイトーが作る」。和田氏は,昨今報じられるアミューズメント業界の不調について「山と谷が交互にあるのは今に始まったことではなく,過去何十年も続いてきたこと」と見解を述べ,「この業界は谷に落ち込んだあと,必ずそれ以上の山が現れる」と続けた。
また,その事象は景気循環によるものではなく,クレーンゲームやキッズ向けのカードゲーム,あるいはショッピングセンター内のゲームコーナーの登場なを例に挙げ,10〜20年前には考えられなかった新しいアイデアが新しいマーケットを開拓してきたと説明。
そして,今の谷を埋める「次の山はタイトーが作る」と力強い意気込みを見せた。とはいえ具体的にどこを攻めるか,どこからアイデアが出てくるかは皆目見当がつかないとのこと。PROJECT OCEANをはじめ,ゲーム関係以外の観点からの発想を求めて異なる業界店舗にフランチャイズ展開するなど,現在はブレイクスルーのための種を撒いている状態で,成果が見られるまでは1〜2年かかるだろうと予想を述べ,今後「二つの約束を絶対に果たす」ために尽力していくと締め括った。
登壇直後,「今日はこんなのを持ってきました」と和田氏が見せたのは風船。機械がなくとも人を楽しませることができるという実例を見せたかったそうだ |
発表会のあと,会場では一般客を招いた「タイトー・ハッピーステーション」が開催された。歴史的な名作から最新作までタイトーのアーケードゲームがズラリと揃った光景は壮観! |
- 関連タイトル:
SPACE INVADERS EXTREME 2
- 関連タイトル:
みんなの動物園
- 関連タイトル:
たけしの挑戦状
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