連載
ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第33回「ゲームの最新作もヒット中! 『ストリートファイター』が再び映画に!(1)」
今週末(2月28日)に,ゲームシネマ「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」が公開される。
映画公開の約2週間前(2月12日)には,PLAYSTATION 3とXbox 360向けに,アーケードでも絶賛稼働中の「ストリートファイターIV」がリリースされ,こちらもヒット中とあって,ちまたのストリートファイター熱も高まっている頃ではないだろうか。
対戦格闘ゲームのスタンダードとして,長期にわたって人気を得てきたストリートファイターの第一作は,1987年にアーケード用としてリリースされている。アップライト筐体版では圧力センサーを採用し,ボタンを押す強さによってキャラクターが繰り出す攻撃の強さが変わるという画期的なシステムが話題を呼んだ。
しかし,本当の意味でこのシリーズがメジャーになったのは,その続編「ストリートファイターII」だろう。その後の対戦格闘ゲームにも多大なる影響を与えており,スピンオフタイトルともいえる“ZERO”シリーズも含めると,全世界でシリーズ累計2500万本を売り上げたとされている。
最新作のストリートファイターIVも,全世界で200万本の出荷数を,発売からわずか12日で達成し,人気の根強さを証明してみせた。
そんなストリートファイターの実写映画化は,今回が二度目である。1994年に公開された映画「ストリートファイター」は,ゲームのストリートファイターIIをベースに,ジャン=クロード・ヴァン・ダム扮するガイルが大暴れするという内容だった。
だが,ゲームチックなテイストは映画ファンからトンデモ映画として評価され,ゲームファンからも映画「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」と並ぶゲームシネマの失敗例として今でも語りぐさになっている。
こういったマイナスのイメージを払拭できるのか? といったあたりも,今回の映画の一つのポイントといえるだろう。なお,レジェンド・オブ・チュンリーでメガホンを取ったのは,FPS「DOOM」の映画版を撮ったことのある,アンジェイ・バートコウィアク監督。ゲームシネマ経験者だけに,その手腕に期待したいところではある。
元と出会ったチュンリーは,彼から実戦的なマーシャルアーツを学んだり,ベガの子分であるバルログと戦ったりしながら,ストリートファイターとして成長していく。そして元は元で,バイソンと戦うことになるのだ。
このように,ゲームの設定を一応は生かしつつも,完璧にトレースしているわけではない。
チュンリーはスピニングバードキックや気功掌こそ出すが,代名詞ともいえる百裂脚を使わないし,ナッシュはただのエロ男で,メガネをかけていないこともあってか(?)知性を感じられないし,バルログの素顔が美しくないし……といったあたりが,残念な気もするが,きっと独立した映画としても成立するように苦心した結果なのだろうと思う。きっと。
ちなみに,本作のクライマックスには,日本を舞台にリュウが登場する続編を予見させるようなシーンも。本当に続編が予定されているのか定かではないが,ぜひとも期待したい。そしてシリーズを重ね,いつの日かジャン=クロード・ヴァン・ダムのガイルがリベンジしてくれるところも見たいものだ。
ゲン |
サニー |
ナッシュ |
バイソン |
バルログ |
ベガ |
チュンリー役のクリスティン・クルックさんインタビュー
ジャンクハンター吉田(以下,J):
今回は「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」のプロモーションのための来日ですが,日本の印象を教えてください。
クリスティン・クルックさん:
東京の前に大阪でキャンペーンをしてきたんですが,そこで吉本興業の芸人にお会いして,ユーモアのセンスがカナダと大きく異なることに驚きましたね(笑)。
東京では,高層ビルの多さに圧倒されました。バンクーバーは一部にビルがあるほかは,山ばかりなんです。ここまでたくさん,コンクリートのビルが立ち並んでいる風景は,カナダでは見られません。
J:
日本は国土が狭い分,ビルが密集しているということかもしれませんね。
今回,クルックさんが演じたチュンリーは,日本でもゲームファンにとって思い入れのあるキャラクターなんですが,演じるにあたってこだわった点はありますか?
クルックさん:
日本でも愛されているキャラクターだということは知っていました。自分にとって一番大切だったのは,彼女を人間として扱うこと。皆さんが観て,信じられるようなキャラクターとして演じあげることでした。
ゲームだけでもチュンリーのイメージは沸くと思うのですが,映画の中ではより触れられるような,感情移入できるような人間味を出すべく,気を遣いました。もちろん,アクションもなるべくリアルに見えるよう努力しましたよ。
J:
チュンリー役に決まったときは,どう思いましたか?
ストリートファイターシリーズの人気キャラクターであるチュンリーとして,主人公を演じられたこと自体に満足しています。ちゃんと自分自身で力を備えていて,価値観を曲げずに生きているチュンリーを凄いと思っているので,このようなキャラクターを演じられたことはエキサイティングな経験でした!
J:
アクションでケガなどしませんでしたか?
クルックさん:
プロのスタントの方にもお願いしましたので,ケガをするような場面はそれほどありませんでした。それでもパンチを顔に受けたり,体ごとテーブルにぶつかって顎と頭が腫れたりはしましたね。まぁそれは自分のせいだったんですけど(苦笑)。
J:
アクションの準備には,どれぐらいの期間をかけたんですか?
クルックさん:
撮影はタイのバンコクで行なわれたんですが,私は撮影開始の5週間前にバンコク入りをして,スタントチームと一週間のうち5日間,毎日4時間の特訓をしたんですよ。
J:
同じくゲームから実写映画化された「モータル・コンバット」に出演していたロビン・ショウさんが,元役で出演していますね。彼は数々の大会で優勝経験を持つリアルなマーシャルアーツ・ファイターなんですが,撮影現場でアクションのアドバイスなどはありましたか?
クルックさん:
アクションに関してちょっと話したりとかもしましたが,どちらかというとずっとふざけて笑ったりしているほうが多かったですねぇ(笑)。
一緒にアクションをやるシーンは一つしかありませんでしたが,彼は経験も技術も非常に豊富なので,凄くやりやすかったのは確かですよ。
J:
実はクルックさんも空手の経験者なんですよね。
実は母が子供に習い事をさせたがるタイプだったんですよ。だからピアノ,空手,歌,体操,ダンスなどいろいろやっていました。自分で情熱を持って空手に取り組んでいた……っていうわけではないんです(笑)。
むしろ……犯罪心理学には興味を持っていたんですけどね。なぜか俳優の道に進んでしまいました(笑)。
J:
人生っていうのは,分からないものですね(笑)。
さて,今回の映画で気に入っているシーンはありますか?
クルックさん:
撮影していて一番楽しかったのは,映画中盤のクレーンを使ったシーンです。スタントなしで飛び降りたんですけど,凄く楽しかったんです!
J:
度胸ありますね!
今回演じたチュンリーと,ご自身を重ね合わせてみて共通する部分はありましたか?
クルックさん:
チュンリーは,世界に平和をもたらすために女戦士として戦っていますよね。方法論として,それが正しいことなのか……というのは正直なところ私個人として理解できないない部分もあります。フィクションですしね。
ただ,演じるということは,何かの目的を持って結果を求める姿勢のようなものだとも思います。このあたりは共通しているかもしれません。
J:
観る側にとって,チュンリーとクルックさんに共通するのは,強さと美しさじゃないかと思います。その秘訣を教えてください。
肉体的な強さは日頃の鍛錬で培えるものです。そして誇りや感情的な強さといった内なるものは,自分で考えたりすることで生まれるものだと思います。そして美しさとは自発的なものではなく,他者がいて初めて成立する概念ですよね。人によって何を美しいと感じるかは違いますが,私の場合は喜びを内面に持っている人を美しいと思っているんです。
今後は演技をしていくうえでも,何らかの形でそういったものを出していけるようにしたいと思っています。
J:
ところで,今回の出演にあたって,ジャン=クロード・ヴァン・ダムさん主演の「ストリートファイター」はご覧になりましたか? 実は彼,「ストリートファイター」の続編が作られるのなら,ぜひ出演したいと熱望していたようですが……。
クルックさん:
ヴァン・ダムさんが主演していた映画の存在は知っています。全部は見ていませんが,YouTubeで名場面クリップを観たことはあります(笑)。
何を意図しているのかまでは分かりませんでしたが,ビデオゲームに基づいたスタイルだったのかなと思いました。ちょっとおふざけ感が強くて,観ていて楽しいキッチュな映画という印象を持っています。
J:
今回とは正反対ですよね。
クルックさん:
はい,今回はシリアス路線で現実的な世界観に変わりました。前作のストーリーとも違うし,ビデオゲームとも違います。だからこそ,ビデオゲームを知らない人でも楽しめる作品になっているんです。ぜひ,多くの人に観てほしいと思っています。
■ドブ漬けゲームスープレックス(33)
Xbox 360 / PLAYSTATION 3
「FIFA ストリート3」(エレクトロニック・アーツ)
やっぱ球技といえばサッカーでしょ! なんせ,筆者自身がサッカー経験者だし(ヘタレなキーパー)! ということで今回は,ストリートサッカーをゲーム化した作品で遊んでみた。
北米では,この手のストリートスポーツとしてはバスケがメジャーだが,欧州ではこうやってストリートサッカーも楽しまれているんだろうなと感じさせられた。
ストリートサッカーとはいえ,FIFAのオフィシャルライセンスを取得したゲームなのも嬉しい。大好きなロナウジーニョがメインで登場するだけで,必然的にやる気も高まる。普通のサッカーゲームでは,イングランドばっかり選択するんだけど。
このゲームでは豊富な足技を自在に繰り出せるのはもちろん,トリックポイントを溜めて映画「少林サッカー」ばりのスーパープレイやスーパーシュートも楽しめる。ちょっとドタバタした感じにはなるが,それもまた面白い。
独特なデフォルメが施されたキャラクターの造形が,あんまり日本人受けしなさそうなのが残念なポイントかと。
せっかくなのでXbox Liveでマルチプレイを楽しんでみようと思ったが,発売されたのが2008年6月ということもあってか,遊んでいる人が2時間待っても見つからず。無念。
「FIFA ストリート3」公式サイト
|
- 関連タイトル:
ストリートファイターIV
- 関連タイトル:
ストリートファイターIV
- 関連タイトル:
ストリートファイターIV
- 関連タイトル:
FIFA ストリート3
- 関連タイトル:
FIFA ストリート 3
- この記事のURL:
キーワード
(c)CAPCOM U.S.A., Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
(c)CAPCOM U.S.A., Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
(c)CAPCOM U.S.A., Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2008 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS, EA SPORTS BIG and the EA SPORTS logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. Official FIFA licensed product. "(C) The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved." Manufactured under license by Electronic Arts Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.
(c) 2008 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS, EA SPORTS BIG and the EA SPORTS BIG logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. Official FIFA licensed product. (c) The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved. Manufactured under license by Electronic Arts Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.