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[G★2008#10]KGC基調講演レポート。NCsoft開発本部長が語る,韓国のオンラインゲームに必要なもの
「Creating Different Gaming Experience」(これまでにないゲーム性の創造)と題された基調講演に登壇した同氏は,「会場であるKINTEXに行くには車が混んで大変。東京ゲームショウが,東京とつくけど実は千葉だったみたいに,G★も郊外でやらない?」とジョークを飛ばした。しかし講演が始まると冒頭の口調からは一転し,韓国のオンラインゲーム市場が持つ,おそらく誰もが認識しながらも,これまで続いてきた問題点を話しはじめたのだ。
NCsoftの開発本部長,ぺ・ジェヒュン氏 |
韓国における武侠物も同じことで,「レベル」が「段」へ,「MP」が「内功」へ,そして「剣」が「刀」に変わったとしても,中身は同じMMORPGなのである。
では,どうすべきなのか? 同氏は,例えば中国の武侠物を作るためには,多少オーバーなアクションが必要になると話す。
刀を飛ばすだけでは魔法と変わらない。だから,飛ばした刀があちこちに飛んで,複数の敵を切りつけたあとに手元に戻るような,映画のようなオーバーアクションを表現するべきだというのだ。こうした,ほかにはない新しい戦闘システムの設計や,その背景をベースにした設定と刺激的なストーリーが必要なのだと語る。つまり,単にビジュアルコンテンツを模倣するのではなく,制作しているタイトルのテーマに対しての理解が必要だというわけだ。
西洋ファンタジーは資料の多さや扱われてきた歴史の長さなどから,設定や世界観に確としたものがあるジャンルだ。一方,武侠ものはドラマなどではあっても,ゲームとしては資料になるものがほとんどない。どれもよく似た武侠物になってしまうのは,そうした資料不足によるテーマへの理解度が足りないからでもあるという。
ちなみに同氏は,オーバーアクションを表現するために,香港映画のノウハウをハリウッドで生かしたアクション映画「マトリックス」を引き合いに出していた。たしかに,マトリックスのような戦いがゲーム上で表現できれば,それはなんともオーバーアクションで楽しげかもしれない。
Ultima Onlineは非常に高い自由度を持っている。日本において,ハウジングや生産について説明する場合,Ultima Onlineを基準に比較することが多いのではないだろうか。
Ever Questは,時に48時間もの時間を費やす難度の高いRAIDやFaction,膨大なクエストなどでパーティプレイの基礎を築き,「World of Warcraft」をはじめ多くのMMORPGのベースになったという。
もう一つ同氏が挙げたLineageは,PvPをメインにUOとは異なる自由度を持ち,そこにEQを足したような感じであり,最近のゲームと比べても負けないほど豊富なシステムを持っているという。
これを例外とするなら,結局UOのハウジングを始めとした自由度は韓国でサービスされるどのゲームにもなく,一方でWoWを除けばEQほどのRAID要素もない。現在のタイトルには,新しいものもなければ,変わったものもなく,つまりは「斬新さがない」。それが問題点なのだそうだ。
その後,NintendoDSやWiiに代表される特徴的なインタフェースを利用したり,DSのようにタッチペンという昔からあるデバイスの利用を考えてみたりといった,特徴あるゲーム性を出すためのいくつかの提案がなされ,ぺ・ジェヒュン氏の講演は終了となった。
基調講演の印象としては全体的に,ややいまさら感を感じる内容であることは否めなかったものの,NCsoftの開発本部長からこの言葉が出たことの意味は大きいのかもしれない。今後,韓国発の独創的なオンラインゲームが登場することに期待したい。
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