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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第150回「今年もよろしくウイイレ2012」
時間って恐ろしいもので,色々なものを変えてしまう力があるの。何も手を加えなくてもね。能力,容姿,環境,心境,すべてがそう。生きとし生けるものすべて,時間の流れには逆らえないわ。だからこそ,流行であったり,その時代のモラルであったりと一緒に,世の中はどんどん変わっていくわけね。
そして一方で,世の中のすべてが変わっていくからこそ,変わらないことが美徳とされるものもある。どちらが正しいのか。「変わる」ほうがいいのか,「変わらない」ほうがいいのか。
――思いのほか壮大な出だしになっちゃって,自分でも何の話をしたかったのか分からなくなっているところなんだけど、たぶんゲイムのシリーズものにも同じことが言えるよ! ってことを言いたかったんじゃないかしら。
ゲイムのシリーズものを作るにあたって重要なのって,「何を変えて何を変えないかを正しく判断すること」だと私は思うのよ。まったく変えずに次を出すことはできない。でも,あまりに変えすぎると,それはもう同じシリーズだとは言いがたい。作り手ってきっと,こういうジレンマをいつも抱えていると思うの。
……まあ,単純に評判が悪かった点を変えて,評判が良かった点を変えないというのが続編ものの一つのセオリーではあるんだろうけど。
でも,それはあくまでセオリー。やはりクリエイターという人種は,挑戦してみたくなるものだと思うのよ。どうやったらより良いモノを生み出すことができるか,というところに。もっと言うと,今まで誰も発明したことのないものを生み出したい,というエゴに。ただ,そのエゴと商売っ気は別の話だから,モノ作りは難しいんだけどね。
その気持ちや葛藤って,プロレスを生業にしている私には,とてもよく分かるの。……いちゲイプロレスラーをクリエイターにカウントしてもいいものであれば,だけど。
で,そのクリエイターのエゴと商売っ気を取りまとめるのがプロデューサーって人で,プロデューサーとクリエイターを繋ぐのがディレクターという役目だ,という認識で正しいのかしら? 直訳で「手がける人」と「指示する人」だから,おおむね間違ってないとは思うわ。もし違ってたら,4Gamer宛にその旨送っていただければ。
些細な変化でも怖いのに,大きな変化だったときには? そして,その商品がとても人気のあるシリーズのものだったとすれば? それはもう,考えも及ばぬほど,怖いことでしょうね。
「ワールドサッカー ウイニングイレブン2012」(PlayStation 3版)はやりおったよ。めちゃくちゃ変えてきおった。「同 2010」から「同 2011」もだいぶ変わったという実感があったけれど,個人的に2012は,今までで一番大きな変化が施されたと思っているわ。操作そのものの面でも,押したボタンに対するリアクションの面でも。
具体的に説明することはできるのよ。ボールを持っていない選手を動かせる「チームメイト・ムービング」だとか,ディフェンスとの駆け引きが楽しめる「バースト」だとか。でも,どれだけ書いても文章では伝わらないと思うの。この変化は実際に触ってみないと分からないはず。
ただ,簡単に言うと,勝てなくなった。いや,もちろんただの負け惜しみですよ? 要するに,オンラインでプレイしても勝てないのよ。もちろんオンラインだから私が負けたら相手は勝ってるわけで,勝つ人もいりゃ負ける人もいるわ。だから,全員が全員勝てなくなっているわけではない。そこは理解してる。
でも! 少なくとも私は勝てない。自分で言うのもなんだけど,このシリーズの腕前を通信簿制で表現すると,私って10段階評価で7か8くらいはあると思うのよ。今までのシリーズでは,いわゆるシャフタール ドネツクあたりの中堅チームを使ってレート600程度はキープできていたから。
それがね,今回はまったく勝てなくなった。クイックマッチならまだ何とかなるのよ。でも,マスターリーグオンラインでの勝てなさ具合といったら! 初期メンバーでDivision 2までいった2011の感覚で,ずっと初期メンバーでいこうかなーなんて思ってたら,まさかの1勝3分9敗。勝率なんと10%切り。
失点のほとんどが,ライン際までドリブルでぶっちぎられてからのクロス→ヘディング。もしくは同じくライン際からの横パス→ダイレクトシュート。逆に私は,ウイイレではよっぽどの場合じゃないとクロスは上げないようにしてるから,点が取れないったらありゃしない。
いくら私が勝利だけを求めていなくても,これだけ勝てないとさすがに悔しいから,早くも初期メンでのプレイはあきらめかけているわ。と書くと,初心者の人や様子を見てる人をビビらせてしまうからフォローしとくけど,スリートップにしてクロスを上げることが出来れば,初心者の人でもとりあえず攻めの形は作れるわよ。
まあ,ほかにも方法はきっとあって,そこまで難しい操作をしなくても,ちょっと練習すれば勝てるようにはなると思う。実際,私も負けてばかりで悔しいけど,楽しくないわけではないし。
ただ一つ,私が疑問に思った点を挙げるとすれば,今回の売りであるチームメイト・ムービングにしてもバーストにしても,初心者にはややこしすぎないかな,と。あくまでその二つは上級者向けの要素なわけじゃない。2012はビジュアルも向上して,比較的簡単な操作だけでも本物のサッカーっぽい展開ができるようになって,プレイせずに見ているだけだと本物のサッカーを見てるっぽい気分になれるのに。そんな気楽に遊べる加減があまり押し出されていないのが,個人的にはもどかしいわ。
イメージ的に,今回は初心者をターゲットにしているわけではないのかな? という気はするんだけど,日本で一番メジャーなサッカーゲイムのウイイレはやっぱり楽しいだけに,もしハードルの高そうな新要素が注目されることで,初心者が敬遠してしまうとしたら,その点はちょっと残念ね。まあ,本音は初心者が増えて勝ちやすくなったら嬉しいってことだけども。
そんな感じで今回はウイイレの「変化」について語ってまいりましたが。今回ウイイレが挑戦した「変化」について,シリーズファンの私から見て是か非かのケツ論を出すとすれば……まだ分からないのよねえ。ごめんね,日本人的な極めてあいまいな答えで。だって,勝てていないから。
勝てている人は是なんだろうけど,問題は私のような勝てていない人。勝てていない人がそのうちプレイすることを止めちゃうようであれば,それは非だと私は思うの。逆に,勝てていない人でも,文句言いながらでもプレイを続けることが出来れば,それは是だと言えるはず。
2011もそれなりに勝ってそれなりに負けてた私からすると,一年間プレイし続けてきたわけだから結果的に是だったわけ。それを踏まえて今のところ勝てていない私が,これから1年間プレイし続けられるかどうかが,私にとっての是か非かの答えになるでしょうね。
少なくとも,今はまだ止めるつもりはないので暫定で是かな。そんな感じで今年もよろしくウイイレ2012。1年間付き合うかどうかはまだこれからよ。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2012」
PSP:「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS」
ニンテンドー3DS:「謎惑館 〜音の間に間に〜」
Wii:「ファミリーフィッシング」
Xbox 360:まだスロットにハマってないけど「Gears of War 3」
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ワールドサッカー ウイニングイレブン 2012
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