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Coming Soon! ついに発売時期の決まった「Assassin’s Creed」とはどんなゲームなのか?
2006年10月に発売延期の発表があって以来,あまり新情報の出てこなかったアサシン クリードだが,いきなり発売時期の発表があったことで,各メディア/コミュニティもにわかに活気づいた雰囲気。というわけで,期待の「新世代アクション」(Ubisoft)である本作について,現在分かっていることをちょっとまとめてみよう。
制作は,Ubisoftの内部チームであるモントリオールスタジオが行っている。ここにはUbisoftが以前から多額の投資を行っており,2013年までに3000人規模のスタッフを擁する予定だとか。「Tom Clancy's Rainbow Six: Vegas」や,シリーズの中でも評価の高い初代「Splinter Cell」と第3作「Splinter Cell: Chaos Theory」,そしてPrince of Persiaシリーズなどを制作してきた,同社の中心的なスタジオである。
ちなみにモントリオール市は,2000人規模を誇るElectronic ArtsのEA Canada(EA Sportsの多くの作品を手がけている)があるほか,中小のヨーロッパ系デベロッパも本拠を構えるなど,すっかりゲーム開発の中心地の一つとなった感のある都市だ。
アサシン クリードのデビューは,2006年のE3(Electronic Entertainment Expo)。ゲームジャーナリストなどが選ぶ「Game Critic Awards」でBest Action/Adventure Game賞を獲得する(関連記事)など,発表当時からかなり注目されたタイトルだったが,そのときは次世代コンシューマゲーム機専用とされていたため,4Gamerでは「いいなあ」と思いながらもあまり取り上げてこなかったという経緯がある。PC版についてUbisoftは長らく「否定も肯定もしない」という態度をとり続けていたが,アンオフィシャルなインタビューやレポートでは再三にわたりPC版にも言及されており,いつの間にやら発売間違いなしという雰囲気にはなっていた。とはいえ,今回のアナウンスでPlayStation 3,Xbox 360と並んで“Windows PC”と明記されていたことに安心したのも事実だ(もっとも,各プラットフォームの同時発売というケースは珍しいので,発売されるまでは分からないかも,という心の声も聞こえたりなんかして)。
時代は12世紀。第三次十字軍遠征も終わろうとする頃のシリア。主人公のアルタイルは,わずか25歳でマスター・アサシンの称号を得たアサシン中のアサシンだったが,テンプル騎士団団長暗殺と財宝回収の任務に失敗して称号を剥奪され,見習いにまでその地位を落とされてしまう。彼は,失った名誉を取り戻すために黙々と仕事をこなしていくが,やがて,聖地エルサレムの崩壊をも招きかねない陰謀に気づく。次々に起きる不可解な事件に,アルタイルはその企みの姿を追い求めていく……,というのが本作の物語だ。
殺し屋を主人公としたアクションゲームといえば,Eidos Interactiveの人気作,ヒットマンシリーズが思い出されるが,アサシン クリードもヒットマン同様,ターゲットの殺害に成功しさえすれば,いつ,どこで,どのように行動しようと自由といったシステムになっている。アルタイルにはスプリンターセルシリーズのサム・フィッシャーのような高い身体能力が与えられており,壁だろうと梁だろうと物理的に移動できるところは移動可能。プログラム的に決まったルートは存在せず,したがって屋根伝いにこっそりターゲットに近づくことも,また正面から力任せに攻撃することもできる。
とはいえ,公開されたムービーを見る限り,群衆の前ではっきり現場を見せることもまた重要であるようだ。おそらくアサシンにとっての暗殺行為は宗教的信念(つまり,Creed)に基づくものであり,人々にそれを見せる必要があるのだろう。ヒットマンの主人公「47号」は,なるべく誰にも見られずこっそり任務を遂行することも,派手な銃撃戦に持ち込むこともできるが,前者のほうが得られるポイントが高い。アサシン クリードでそのあたりのゲームシステムがどうなっているのかは不明だ。
仕事の前にNPCから情報を得ることができるが,その前に会話をするなり金を渡すなりして顔見知りになっていなければならない。また,人混みにまぎれて目標に接近したり,逃走中に群衆に隠れたりと,このようにアサシン クリードではNPCがゲームの進行に大きく影響してくるようだ。公開されたデモンストレーションムービーでも,群衆の動きやグラフィックスは圧巻である。
47号の「変装」や,サム・フィッシャーの「ハイテクガジェット」に相当するフィーチャーがあるのかはよく分からない。アルタイルは戦闘力も高く,数人の敵なら苦もなく倒すようだが,あまり強いと,プレイヤーがあえて計画を立て,細かい段取りを決めて暗殺を行うのを面倒だと感じるかもしれない(殴り込んで倒せばいいのだから)。本作のように自由度の高さをウリの一つとするゲームでは,このあたりのバランスが重要になってくるだろう。デベロッパの意図を考えると,やはりある程度のスニークを要求するものになると思う。
2007年11月といえば,同じUbisoftのモントリオールスタジオが制作中の「Splinter Cell: Conviction」の発売時期に当たる(もちろん,順調にいけばの話だが)。最近公開された情報では,Convictionもまた群衆にまぎれてのスニークをメインにした,従来作とは違うゲーム性を追求した作品になるとされており,つまり期せずして同趣向のタイトルが同じデベロッパからリリースされる可能性が高いわけだ。このあたりのこともちょっと気になるが,いずれにしろ,まさに新世代のゲームと呼ぶにふさわしい数々の特徴をもったアサシン クリード。これからも注目していきたい一本である。(松本隆一)
- 関連タイトル:
アサシン クリード 日本語マニュアル付英語版
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