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Futuremark,開発者blogで次世代3DMarkの登場を予告
ちなみに,フィンランド時間4月25日の記事では,3DMarkがどうやって作られているのかなどが語られているのだが,最後に「次回の更新で次世代3DMarkに関する画像(picture)を公開する」と予告されているあたりは要注目。DirectX 10世代の3DMarkに関しては,未だ音沙汰がないが,このblogを追いかけていくと,どうやらヒント――というか,答え?――が見えてきそうな気配だ。blogは英文だが,興味のある人はマメにチェックしてみるといいだろう。
なお,せっかくなので,以下に4月25日の記事を訳してみることにする。文中(※)は筆者による注釈。筆者は翻訳の専門家ではないので,日本語訳の精度はあまり期待しないでほしいが,blogを読むヒントにでもしてもらえれば幸いだ。(佐々山薫郁)
●2007年4月25日に掲載された記事の和訳
ベンチマークの誕生
時々,「どうやって新しいベンチマークの開発を始め,実際にそれを世の中に送り出しているのか」と聞かれることがある。(※そこで)いかにして企画書にすぎない3DMarkが本物の3DMarkになっていくかを,簡単に説明したい。
ベンチマークをデザインするというのは,公園を散歩するのとはワケが違う。リアルタイムで(そしてもちろんゲームから利用できる)革新的なアプローチやテクニックを実現するための,革新的で“使える”アイデアを思いつくというのは,ひどく難しい。世の中には,独立系ハードウェアベンダーの開発キットや技術資料というものが山ほどあるが,それらをベンチマークやゲームから実行可能な状態にすべく改良する――というか,最適化する――手段は,それぞれ完全に異なっているからだ。
見栄えのするエフェクトを作るのは難しいが,ベンチマークを正当かつ信頼性のあるものにするのは,もっと難しい。
3DMarkは,ラフな仕様を示したドラフトから始まる。ここには,バカげたものや変なもの,信じがたいもの,そして中にはどうやって実現していいか分からないものまで,みんなの持つすべてのアイデアを広げることになる。要するにドラフトは,「僕達のやりたいことリスト」と言ってもいいのだけど,ただし,僕達はこれを具現化する必要があるわけだ。3DMarkぐらいの大規模なプロジェクトになると,我々が実現したいすべてのエフェクトを実装するわけにはいかない。「すべてのクールでイカした要素をカットする」わけではないけども,まず実行できそうにないものは,たいていこの段階でカットされる。
もちろん,開発中に新しいアイデアや改良案が盛り込まれることがあるけど,基本的に,仕様書には想定される時間内で,(オタクたる)我々がちゃんと作り上げる自信のあることが書かれているべきなんだ。もし一つ一つのベンチマークに3〜4年の開発期間をくれたり,みんなが(たとえウルトラハイエンドマシンですら)完璧な紙芝居状態でしか動かなくてもOKだって言ってくれればラクなんだけどねえ(笑)
プログラマーやアーティスト,デザイナー,管理職の間を回覧されて,内部的にGOサインが出ると,コメントやフィードバックを求めるため,僕達とBDP(※Benchmark Development Program)契約を結んだ企業にドラフト仕様が送られる。同じタイミングで,僕達は年に一度の「TechTour」(※テックツアー)に出かけるんだ。僕達のアイデアを伝えて,細かなフィードバックをもらうためにね。
旅が終わってオフィスに帰ってきたら(ああ,なんてひどい時差ボケだ),僕達はリードプログラマーやリードアーティストを集めて,(※世界中から集めた)すべてのフィードバックと,旅の間に得たアイデアを共有する。これが,ベンチマークの真の仕様書を決めるタイミングだ。ベンチマークは,ここから形が出来始める。
3DMarkで実現可能な仕様が固まったら,それぞれのディテールをさらに細かいディテールにしていく作業に時間を使うことになる。ウリとなる特徴からコアエンジンのデザインまで,すべてを仕様に落とし込まねばならないんだ。さもないと,最も単純なタスクでさえ,それ自身が巨大なプロジェクトになってしまうかもしれないから。
最初のバージョンの仕様書が完成したら,僕達はそれをBDPメンバーに送る。ここが,実際にベンチマークの開発をスタートするタイミングだ。もちろん僕達はこれ以前に,いくつかのアイデアとテクニックを試すため,簡単な社内用テックデモを作ったりするけれど,3DMarkが本当に“仕込まれる”瞬間はここだ。
開発の全期間を通じて,僕達はBDPの連中との連絡を絶やさない。毎週,毎日,ときには毎時間ごとに我々は同じ情報を共有していなければならず,そうでないと僕達のベンチマークは「良いベンチマーク」でなくて,「カッコいいテックデモ」になってしまうだろう。
(※以上が開発の流れで,)3DMarkがどうやって生まれて,どのように開発が行われるかについての流れを理解してくれたと思う。
もう一つ指摘しておきたいのは,例えば「3DMark06」で僕達が使ったほとんどすべてのエフェクトやテクニカルなアプローチが,今のゲームにおいて完全に有効で,かつ実行可能であることなんだ。ここで「ほとんど」と言ったのは,いくつかの要素は,現在の平均的なハードウェアで実行するには,まだちょっと辛いかもしれないから。
もし,僕達が3DMarkで導入したことをあらゆるゲームが使っているとすれば,それはすごく光栄なことだ。なぜならそれは,僕達が特定のエフェクトを実現するために,正しい(※方法の選択を)決断したことを意味するからね。
僕はよく,別の質問も受ける。「Futuremarkはこれから登場するタイトルからエフェクトや特徴(※の実現方法)を“借用する”のか」と。正直,これに断定的な返事をするのは難しい。例えば僕達は,「Crysis」や「Halo 3」などといったゲームがサポートする(※エフェクトやグラフィックスその)ものに感銘を受けるけれども,それらがゲームのなかで,どのように実現されているものなのかを,正確に知ることは不可能だ。僕達は,ゲーム業界でどんなことが起きているかをフォローしているけど,他人の仕事を単純にコピーするのではなく,すでにあるものに新しくてより洗練された何かを付け加えようとしているんだよ。
次世代の3DMarkで僕達が実現しようとしているエフェクトを知ったら,君達はきっと驚くと思う。ここにあるのは,まだ君達が見たこともないくらい,メチャクチャ良くなったものであり,また,本当にイカしたものなんだ(ま,少なくとも現時点ではね)。
今すぐに画像を見せることはできないけど,次の更新では,君達に見せたいと思う。
- 関連タイトル:
ベンチマーク
- 関連タイトル:
3DMark Vantage
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