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ゲームに合わせて振動するヘッドセットやクッションなど,Razerが独自イベントで新製品を発表
発表となった製品のラインナップは以下のとおり。なお,国内向けの価格は明らかになっていない。
- Razer Kraken V4 Pro:ワイヤレス&ワイヤードヘッドセット,2024年冬頃国内発売,399.99ドル(約5万7700円,税別)
- Razer BlackWidow V4 Pro 75%:ワイヤレス&ワイヤードキーボード,2024年10月国内発売,299.99ドル(約4万3300円,税別)
- Razer Freyja:ハプティクスクッション,2024年冬頃国内発売,299.99ドル(約4万3300円,税別)
- Razer Laptop Cooling Pad:ノートPC用クーラー,2024年冬頃国内発売,149.99ドル(約2万1700円,税別)
Razer Kraken V4 Pro
Razer Kraken V4 Proは,Razer製ヘッドセットの中でも,ゲームへの没入感や臨場感といった要素を重視したKrakenシリーズのハイエンドモデルである。
大きな特徴は,イヤーカップに組み込まれた振動による触覚フィードバック(ハプティクス)機能「Razer Sensa HD Haptics」と,小型有機ELディスプレイが付いたUSBサウンドデバイス「OLEDコントロールハブ」にある。
第1の特徴であるSensa HD Hapticsとは,ゲームサウンドの周波数に応じて,イヤーカップ内の振動板を震わせて臨場感を高める機能だ。ゲームに限らず,映画や音楽でも振動できる汎用性の高さもポイントである。
第2の特徴であるOLEDコントロールハブは,PCとUSBで接続するサウンドデバイスで,Kraken V4 Pro本体とはRazer独自の低遅延ワイヤレス技術「Razer HyperSpeed Wireless」で接続するワイヤレスアダプタも兼ねている。
PCやゲーム機と接続するためのUSB Type-Cポートを2つ備えているので,それぞれをOLEDコントロールハブにつないでおいて,Kraken V4 Proで音を聞きたい側に切り替えるといった使いかたも可能だ。さらにOLEDコントロールハブは,3極3.5mmミニピンのAUX入力端子も備えているので,アナログサウンド出力の機器を接続して,Kraken V4 Proでサウンドを再生することも可能だ。
なお,Kraken V4 ProはBluetooth機能も内蔵しているので,ヘッドセット本体とスマートフォンやゲーム機をBluetoothでも接続できる。
米ドルの時点で約400ドルという価格とスペックからすると,競合となるのはSteelSeriesの「Arctis Nova Pro Wireless」や,ロジクールの「ASTRO A50 X」といった,PCやゲーム機でマルチに使えるワイヤレス&ワイヤードヘッドセットになりそうだ。これら競合製品と比較した場合,ハプティクス機能に魅力を感じるかで,評価が分かれそうだ。
Razer BlackWidow V4 Pro 75%
ワイヤレス&ワイヤードキーボードのRazer BlackWidow V4 Pro 75%は,RazerCon 2024開催前の9月12日に発表となった製品だ。
BlackWidow V4シリーズは,Razer独自のメカニカルキースイッチを採用するキーボードである。シリーズ最新のBlackWidow V4 Pro 75%は,2023年9月に発売となった「Razer BlackWidow V4 75%」と同じく,フルキーボードと比べて横幅が75%サイズの10キーレスキーボードだ。
BlackWidow V4 75%はワイヤードキーボードだったが,BlackWidow V4 Pro 75%は,Razer HyperSpeed Wirelessによる低遅延ワイヤレス接続と,Bluetooth 5.1接続にも対応するのが大きな違いである。USBワイヤレスアダプタを使えば,ワイヤレス接続時にUSBレポートレート(ポーリングレート)4000Hzの高速通信も可能だ。
また,キーボード右奥側に,小型有機ELディスプレイとセットになったダイヤル「Razer Command Dial」を備えており,小型ディスプレイで確認しながら,ダイヤル操作でキーボードやWindowsの設定を変更できるのも特徴である。
BlackWidow V4 75%と同様に,キースイッチの交換もできるので,標準のRazer製スイッチから,3ピンまたは5ピン仕様のメカニカルキースイッチに差し替えて,キーごとに打鍵感やアクチュエーションポイントを変えることも可能だ。
キースイッチを並べたトップフレームを,ガスケットマウントで支える構造を採用しているので,打鍵音が静かで打鍵時の感触が柔らかいのもポイントである。
Razer Freyja
Razer Freyja(レイザー フレイヤ)は,椅子の座面と背もたれの上に重ねて使うクッションだ。ヘッドセットのKraken V4 Proと同じく,ハプティクス機能のSensa HD Hapticsに対応しており,ゲームサウンドに合わせて座面や背もたれが振動するというものである。
Razerは,2019年頃からゲーマー向けチェアにハプティクス機能を組み込む取り組みを行っていた(関連記事)。その最新の成果がFreyjaだ。
Freyjaは,背もたれ部分に4つ,座面に2つの振動プレートを組み込んでおり,Bluetoothまたは独自方式ワイヤレスで接続したPCのサウンドに合わせて,振動する。あくまでもFreyjaは振動するだけで,スピーカーの機能は持っていない。
基本的には,出力するサウンドの周波数に合わせて振動するので,ゲームだけでなく音楽や映画でも振動する。振動する周波数帯の設定は,新しいRazerの統合設定ソフト「Razer Synapse 4」で行う。
Freyjaは,特別に対応していないゲームやコンテンツでも振動はできるが,対応したゲームであれば,ゲーム内の映像や動きに合わせて振動させることも可能だ。たとえばリメイク版「SILENT HILL 2」であれば,主人公が振り降ろすチェーンソーの動きに合わせて,斜めに振り下ろすように振動する。またPC版「FINAL FANTASY XVI」であれば,攻撃に合わせて座面から上に向かって振動が上がっていく表現が可能だ。
Freyjaの発表時点では,このほかにも「ホグワーツ・レガシー」や「黒神話:悟空」(Black Myth: Wukong)などが,ゲームに合わせた振動機能に対応するそうだ。
Freyjaは,複数のストラップで椅子の背もたれに固定する仕組みなので,よほど特殊な形状でなければ,Razerのゲーマー向けチェアに限らず,大半の椅子に取り付けられる。必要なケーブルは電源ケーブル1本だけで,引っ張られると途中で外れるクイックリリース機構を備えているので,ケーブルに煩わされることも少なさそうだ。
誰にでも役立つアイテムではないが,ゲームの臨場感をさらに高めてみたいと思う人なら,試してみると面白そうだ。
Razer Laptop Cooling Pad
最後のRazer Laptop Cooling Padは,Razer製ノートPCや他社製のゲーマー向けノートPCに対応するノートPC用クーラーだ。
ノートPC用クーラーはありふれたものだが,Razer Laptop Cooling Padの大きな特徴は,PCとUSBで接続して,Synapse 4を経由してCPUの動作状況や温度を取得して,それに合わせて冷却ファンの動作を制御するという機能を備えているのが最大の特徴だ。
さらに,14インチ級から18インチ級,ファンレスや底面に吸気孔のないノートPCなど,サイズや形状の異なるノートPCでも効果的に冷却できるように,ノートPCとクーラー本体の間に挟むフレームを3種類同梱している。ノートPCに合ったフレームを取り付けることで,クーラーとの隙間から空気が漏れることを防いで,冷却効果を高めるわけだ。
こうした工夫により,CPUやGPUの温度を最大18%も下げられると,Razerはアピールしている。
底面にはカラーLEDイルミネーションを組み込んでおり,LEDの光り方やクーラーの動作は,Synapse 4でカスタマイズ可能だ。また,USBハブの機能も備えている。
ノートPC用クーラーとしては高価な製品だが,ゲームをプレイするときにゲーマー向けノートPCを効果的に冷やしたいという人なら,響くところがある製品かもしれない。
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