「Black Myth: Wukong」や「スター・ウォーズ無法者たち」に対応する「GeForce 560.94 Driver」リリース

　米国時間2024年8月20日，NVIDIAは，公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 560.94 Driver」をリリースした。WHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）通過版となる本バージョンは，新作タイトルへの対応や9月発売予定のマイナーチェンジ版「GeForce RTX 4070」に対応したドライバだ。

　GeForce 560.94 Driverで対応しているのは，新作アクションRPG「Black Myth: Wukong」（黒神話：悟空），8月24日発売予定の新作ヒーローシューター「CONCORD」，スター・ウォーズシリーズの新作アクションRPG「スター・ウォーズ無法者たち」（Star Wars Outlaws），そして9月18日に発売されるPC版「FINAL FANTASY XVI」の4タイトルだ。

　これらのうち，NVIDIAがとくに力を入れてアピールしているのがBlack Myth: Wukongと，Star Wars Outlawsだ。

　Black Myth: Wukongは，GeForce RTXシリーズの技術を活用したフルレイトレーシングによる美しいグラフィックス表現が特徴であるそうだ。ここで言うフルレイトレーシングとは，カメラからランダムに光線（レイ）を飛ばして光源に達するまでの光跡を計算し，カメラに写っている映像を再現するという，いわゆるパストレーシングのこと。計算負荷が非常に高い代わりに，正確なディテールの再現が可能で，写実的なグラフィックス描画では定番の手法だ。
　GeForce RTXシリーズGPUが備えるレイトレーシングエンジン「RT Core」と，AIベースの超解像技術「DLSS 3」の併用により，パストレーシングをフルに使用したグラフィックスが可能になったと，NVIDIAはアピールしている。フルレイトレーシングによる映像の違いをアピールする動画をNVIDIAが公開しているので，興味のある人は見てみよう。

Black Myth: Wukong | Official 4K RTX Video With Full Ray Tracing & NVIDIA DLSS 3

Black Myth: Wukong | Official 4K RTX Video With Full Ray Tracing & NVIDIA DLSS 3

　NVIDIAが公開しているデータによると，「GeForce RTX 4090」であればDLSS 3を併用すると4K解像度でも約100fpsで，「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」以上のGPUで60fps以上が得られるそうだ。また，解像度を1920×1080ドットまで落としてDLSS 3を使えば，「GeForce RTX 4060 Ti」以上のGPUで60fpsを超えるフレームレートが得られるという。

Black Myth: Wukongで，解像度1920×1080ドット，DLSS 3有効時のフレームレートグラフ

　フルレイトレーシングはさすがに処理負荷が高いので，NVIDIAは公式ベンチマークツールを利用して，フレームレートを確認することを勧めている。本作の購入を検討しているGeForce RTXユーザーは試してみるといいだろう。

　一方のStar Wars Outlawsは，「DLSS 3.5」による「Ray Reconstruction」（※AIを使用したレイの再構成）や，GeForce RTXシリーズのアクセラレーションを活用した大域照明技術「NVIDIA RTX Dynamic Illumination」（RTXDI），さらに遅延低減技術「Reflex」といった技術を活用しているのが特徴だという。これらの技術によるグラフィックスをアピールする動画を公開しているので，見てみるといいだろう。

Star Wars Outlaws | Official PC Gameplay Trailer

　PC版FINAL FANTASY XVIは，DLSS 3のフレーム生成や，AIを用いたアンチエイリアシング技術「DLAA」，そしてReflexに対応しているとのこと。これらの技術は，発売に先立って配布が始まった体験版にも組み込まれているそうなので，GeForce RTXシリーズのユーザーは試してみよう。

　そのほかに，CONCORDはDLSS 3とReflexに対応しており，GeForce RTX 40シリーズであれば，高解像度と低遅延を両立できるとNVIDIAはアピールしている。

　GeForce 560.94 Driverではほかにも，9月に発売されるというGDDR6メモリ搭載版「GeForce RTX 4070」に対応しているとのこと。もともと，GeForce RTX 4070は，GDDR6メモリにも対応すると謳われていたが，これまではGDDR6Xメモリ搭載モデルしか発売されていなかった。GDDR6メモリ搭載版は，価格を抑えたマイナーチェンジモデルという位置づけになるのだろう。メモリがGDDR6になる以外にスペックの違いはないそうなので，性能がどの程度異なるかは興味深いところだ。

　ドライバのアップデートは自己責任となる点を理解してもらったうえで，すぐにでも入手したい人は，以下に示したリンクかGeForce ExperienceもしくはNVIDIA Appのアップデート機能を利用してほしい。

→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 560.94 Driver（701.11 MB）
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/230855/
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 560.94 Driver（701.11 MB）
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/230887/

＃＃以下，NVIDIAによる公式紹介記事および英文リリースノート（リンク先はPDF）まとめ＃＃

●GeForce 560.94 Driverの対応製品