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NVIDIA,GeForce Driverの大規模アップデート「Big Bang II」開始。第1弾は「Far Cry 2」最適化&X58環境でのSLIをサポートした「180.42 Beta」
その皮切りとなるのは,米国時間2008年10月21日に公開された公式最新β版,「GeForce Driver 180.42 Beta」。対応OSはWindows XPおよび32/64bit版Windows Vistaで,GeForce 8800シリーズおよびGeForce 9以降専用となる。
すぐに入手したい人は,下に示したリンクを利用してほしい。
→Windows XP用GeForce Driver 180.42 Beta(84MB)
→32bit版Windows Vista用GeForce Driver 180.42 Beta(97.1MB)
→64bit版Windows Vista用GeForce Driver 180.42 Beta(114MB)
Release 180世代となる「GeForce Release 180 Drivers」では,
- 最近の人気タイトルにおけるパフォーマンスの向上
- 「Intel X58 Express」チップセット環境におけるNVIDIA SLI
- 新機能「Multi-Display SLI」
- マルチGPU環境で単体GPUをPhysX専任に割り当てること
が,順次実現される予定。NVIDIAはそんなRelease 180世代を,NVIDIA SLI(以下,SLI)の導入時に匹敵するものとして,「Big Bang II」(抜本的な改革第2弾)と位置づけている。
その初回アップデートとなるGeForce Driver 180.42 Betaは,「Far Cry 2」への最適化が行われ,従来比で30%ものパフォーマンス向上を実現。また,「Intel X58 Express」(以下,X58)チップセット搭載マザーボードでのNVIDIA SLI(以下,SLI)動作をサポートするという。
1.最近の人気タイトルにおけるパフォーマンスの向上
Release 170世代と比べて,著名なゲームタイトルやベンチマークテストで,10〜35%のパフォーマンス向上が図られた。180.42 Betaですでに30%強の引き上げを実現したFar Cry 2のほかにも,今後のアップデートにより,「Half-Life 2: Episode Two」で35%,「Race Driver: GRID」で15%など,最近の人気タイトルを中心に最適化が進む予定だ。
2.「Intel X58 Express」チップセット環境におけるNVIDIA SLI
NVISION 08の時点でPetersen氏によって予告されていた,Intel X58 Express(以下,X58)チップセット搭載マザーボードにおける2/3-way SLI。これがGeForce Driver 180.42 Betaでサポートされている。
X58システムでは,PCI Express 2.0 16レーン×2による2-way SLIと,同16レーン×1,8レーン×2による3-way SLIを利用可能。X58マザーボードでは同8レーン×4という設定も行え,この場合は3-way SLI+PhysXアクセラレーションを利用できるとのことだ。
また,NVIDIA製のPCI Expressブリッジ/スイッチングチップである「nForce 200」(NF200)を利用すれば,PCI Express 2.0 16レーン×3,もしくは4という構成も実現できる。
高解像度のゲーム環境において,「GeForce GTX 280」の3-way SLIと「ATI Radeon HD 4870 X2」の4-way ATI CrossFireXを比較すると,1920×1200ドットのAA無効時に30%程度,2560×1600ドットの4x AA+16x AF設定時に45%程度,前者のほうがパフォーマンスで上回るという。
3.新機能「Multi-Display SLI」
●Fullscreen 3D gaming mode
デュアルディスプレイ接続時に,NVIDIAコントロールパネルからSLIの有効/無効を設定することなく,デュアルディスプレイと,片方のディスプレイだけを利用したSLI動作を切り替えることができるようになるモード。SLI動作でシングルディスプレイに出力している間,セカンダリディスプレイには何も表示されなくなる。
●Multi-monitor gaming mode
対応ゲームタイトルにおいて,プライマリとセカンダリに別の情報を表示させながらプレイできるモード。発表時点では「World in Conflict」「Supreme Commander: Forged Alliance」「Microsoft Flight Simulator X」でサポートされ,セカンダリディスプレイにゲームの全体マップなどを表示させたりできるようになる。ゲームの対応状況次第では画期的なものになる可能性がありそうだ。
●Windowed gaming & interactive web mode
ゲームをウインドウモードで実行させつつ,別の作業も行えるモード。例に出ているのは「Age of Conan: Hyborian Adventures」だが,オンラインゲームをSLI構成でプレイしながら,別のディスプレイに大きく開いたWebブラウザを使ってWikiなりなんなりをチェックできるようになるのは,けっこう便利そうである。
4.マルチGPU環境で単体GPUをPhysX専任に割り当てること
PhysXの設定項目がNVIDIAコントロールパネルに統合され,マルチGPU環境において,3D描画処理に使わないGPUをPhysXアクセラレーション専用に利用できるようになった。正直にいえば,GeForce Power Packですでに実装されていた機能なので,何が新しいのかよく分からないのだが,Release 180世代で正式サポートされるということなのかもしれない。
なお,ATI Radeonを3Dグラフィックス処理に,GeForceをPhysXに専任させる形でのマルチGPU構成はとれるか聞いてみたところ,できないとのことだった。
というわけで,SLI(≒マルチGPU環境)とPhysXにやや振られ過ぎているきらいはあるものの,全体として,予告されているRelease 180世代のアップデート内容はどれもたいへん興味深い。個人的には,Multi-Display SLIのMulti-monitor gaming modeで,片方にメインのゲーム画面,もう片方に全体マップを表示させてRTSあたりをプレイすると,「これでスタイラスがあればほとんどニンテンドーDSだなあ」とか思ったりもするが,とにもかくにも,今後,順調に実装されていくことを期待するばかりである。
4Gamerではこれまでどおり,公式ドライバがアップデートされるたびにその内容をレポートしていくつもりなので,今後もお楽しみに。
- 関連タイトル:
GeForce Driver
- 関連タイトル:
Far Cry2 日本語マニュアル付英語版
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