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[CJ 2007#03]EA Mythic「Warhammer Online:Age of Reckoning」を中国でお披露目。サービス開始は2008年初旬を予定
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印刷2007/07/11 19:04

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[CJ 2007#03]EA Mythic「Warhammer Online:Age of Reckoning」を中国でお披露目。サービス開始は2008年初旬を予定

本作の紹介で真っ先に登場するフレーズの“War is Everywhere”
 EA Mythicは2007年7月10日,MMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」(以下,Warhammer Online)のプレスカンファレンスを,中国上海にあるElectronic Arts Chinaで開催し,EA MythicのJeff Hickman氏(以下,Hickman氏)によって本作の概要説明が行われた。
 このイベントは,実はアジア地域におけるWarhammer Onlineの初めての公式なお披露目だ。よって,いままでにさまざまな場所で明かされているゲーム内容を,改めて紹介するといういう内容に留まっていたが,その意義は大きい。

●左:中国の上海Electronic Arts Chinaの入り口。欧米最大のゲーム企業であるEAだが,「中国に入りては中国に従う」といった感じでこんな装飾が ●右:カンファレンスは,Electronic Arts China内のミーティングルームで行われた。参加メディアは数は約20だったが,日本からの参加は4Gamerのみ


25年以上の歴史を持つ「Warhammer」がベースというのも本作の強みのひとつ
 本作についてはすでに4Gamerでも何度かお伝えしているが,ここでは,今回のカンファレンスの内容にそってあらためて紹介しよう。
 本作は,ドワーフやエルフ,オークといった種族達が常に争い続けている,混沌とした世界が舞台のテーブルトークRPG「Warhammer」をベースにしたMMORPGだ。“War is Everywhere”(どこにでも戦いがある)というコンセプトの元に,RvR(Realm vs. Realm)に主眼を置き開発が進められている。
 登場する種族/勢力は,Order軍とDestruction軍の二つに分かれており,この勢力同士が争い続けているという設定だ。

■Order軍
 ドワーフ
 ヒューマン(エンパイア)
 ハイエルフ

■Destruction軍
 グリーンスキン(ゴブリンとオーク)
 ヒューマン(ケイオス)
 ダークエルフ

 それぞれ,ドワーフはグリーンスキン,ハイエルフがダークエルフ,そしてヒューマン同士がライバル関係にある。
 各種族には四つの職業が用意され,同じ種族であっても,選択した職業によって見かけが変わる。さらに,レベル,称号,能力値などによっても外見は変化するので,そのバリエーションはかなり豊かになる。プレイヤーであれば誰もが気になるクラスについては,公式サイトにその紹介が詳しいので,ぜひ公式サイトの文章を一読してイメージを膨らませておくことをお勧めしたい。

 対人戦(RvR)の仕様に関しても,以前お伝えしたときと変わりなく,

対立勢力と遭遇したきに発生する「スカーミッシュ」
決められた目標達成を競う「バトルフィールド」
インスタンスエリアでのグループ戦「シナリオ」
敵勢力の首都を占領する「キャンペーン」

という四つのシステムが用意されている。
 PvEの基本仕様にも変更はなく,公式サイトで明かされている通り,

軍の一員として行動する「パブリック・クエスト」
対立する目的を持った敵と競う「コンフリクト・クエスト」
プレイヤー自身がクエストの結果/報酬を選べる「ブランチング・クエスト」
貴重な報酬が選べる「クリスマス・クエスト」

の四つ。今回はこの中で,パブリック・クエストについての詳細な説明が行われた。



パブリック・クエストの結果はビクトリーポイントとして貯まり,RvRに反映される
 パブリック・クエストは,特定のエリア内にいるキャラクター全員に与えられるクエストのことだ。Hickman氏は例として,ドワーフとの戦闘を有利に進めるために,ジャイアントを味方に引き入れようとするグリーンスキンを挙げた。
 ジャイアントはSquigという小さなモンスターが苦手で,これらがエリア内に多く生息する限りは来てくれない。そこで,130匹のSquigを倒すというパブリッククエストが,エリア内のグリーンスキン全員に発生する。画面上部にアラートが表示され誰でも分かるようになっているので,全員で協力してSquig退治に励むことになるわけだ。無事に130匹倒せればジャイアントが力を貸してくれ,ドワーフとの戦闘が有利になり,失敗すればジャイアントはSquigにやられてしまうという。すべてのクエストは,クリアすると自分の所属する勢力に影響するビクトリーポイントを得られるようになっており,ポイントを溜めるほど有利になる。
 続いて説明されたのは,ギルドシステム。ギルドはメンバーの活躍に応じて成長していきギルドレベルがアップ。レベルが上がると,ギルドに称号が付き,ギルドの旗を建てられる機能や,メンバーだけが手に入れられる生産アイテム用の素材などが登場するという。 また,プレイヤーがゲーム内で行ってきたことが記録されるジャーナル機能もある。これには,倒したモンスターの名前や数,クリアしたクエストなど,かなり細かいことまで記載され,同じモンスターばかり倒していると“○○キラー”といった称号がつくという。

 最後に同氏は,本作の正式サービスを2008年の早い段階で北米と欧州で開始し,それに引き続く形でアジアでのサービスを行うことを明かした(「アジア」が具体的にどの地域を指しているのかといった詳細は語られなかった)。その後,ディナー出発直前のメンバーを引き留めて少しだけ時間を取ってもらえたので,そのときの様子をお伝えしよう。

RvRの概念図。各数字はキャラクターレベルに応じてPOPポイントが変化することを示している。どのキャラクターも番号間の往来は可能で,各場所でRvRが楽しめるようになっている


寝ていなかったせいか,ひたすら漫才を繰り返すEugine Evans氏(左)とJeff Hickman氏(右)
4Gamer:
 こんにちは。こんな遅い時間に時間をとらせてしまってすいません。皆さん中国は初めてですか?

Hickman氏:
 もちろん! 昨日着いて,ずっと今日の準備をしていたので,観光する間もないし,まったく寝てないんだけどね。オマケに,インタビューしたいとか言い出すメディアはいるし(笑)。

4Gamer:
 う。そんな状況でインタビューに応じていただきありがとうございます。ChinaJoyが終わったらぜひ観光など存分に……。

Hickman氏:
 いやちょっと聞いてほしいんだけどさ,実は7月12日,13日にChinaJoyに参加して,14日には帰るんだよ。初中国がなんでこんな悲惨なものに!
 そんな状況なので,まだほとんど上海の街を見てないけど,古い建物と現代的なものが同居していて,とても興味深いところだね。本当はもっと見ていきたいけれど,実は僕らは,“なるべく早く作らなければならないゲーム”を抱えているので,そうも言ってられないんだよね(笑)。

4Gamer:
 あぁ,それはぜひ最速で作ってもらわないと(笑)。しかしわざわざそんなハードスケジュールを組んでまで,あえてこのプレスカンファレンスを中国で行った意味を教えていただけますか? ご承知のように7月11日からはE3が始まりますし,アメリカでやっていればここまでキツイ思いをしないで済んだのでは。

Hickman氏:
 それはいい質問だ。Warhammer Onlineは国際的に展開していきたいと考えているんだけど,その中でもとびきり重要なのが,アジアのマーケットだ。E3に来るのは基本的にアメリカのメディアだから,アジアへのアピールが弱い。一方,ChinaJoyに合わせて中国でやれば,アジアのメディアに対して本作をよりアピールできるからね。

4Gamer:
 いやいや,E3は日本のメディアだって行きますよ!

Hickman氏:
 そうだね。でも中国まで追っかけてくる日本のメディアは一つしかないけど(笑)。

Evans氏:
 大体,なんで4Gamerとは中国とかドイツとか,日本でもアメリカでもないところでばかり会うんでしょうね(笑)。
 まぁそれはさておき,ご存知の通り,アジアのマーケットというのはオンラインゲーム人口が非常に多いです。ですから,Warhammer Onlineの成功を考えると,どうしても外せないマーケットなのです。

Hickman氏:
 とくに中国や韓国ではPvPの人気が高いし,Warhammer Onlineに向いていると思う。



■日本語版のCBTは2〜3か月後に開始?

4Gamer:
 確かにそうですね。アジアで本作のサービスを行うという発表が4月にありましたが,具体的にはどの国を指していますか?

Hickman氏:
 ええとね……(指折り数えながら)中国,韓国,台湾,日本,かな。

Evans氏:
 つまりサポート言語として,韓国語,繁体字中国語,簡体字中国語,そして日本語を考えているわけです。

4Gamer:
 日本語版も公式の予定に組み込まれているんですね。確かに公式サイトこそありますが,日本ではなかなか海外製のMMORPGが大きな成功を収められないので,実はちゃんと考えられてないんじゃないかと少しだけ心配していたんです。

Hickman氏:
 いやいや。僕らはやる気だから大丈夫。

4Gamer:
 2007年5月にクローズドβテストの登録者数が10日間で20万人以上を超えたと発表していましたが,各地域の内訳はどんな感じでした?

Evans氏:
 今回募集したクローズドβテスターは,基本的には北米と欧州のゲーマーを対象にしたもので,アジア向けにはそれほど積極的にプロモーションを行いませんでした。なので,ほとんどがそれらの国々のゲーマーになっていまず。
 日本などからも申し込めましたが,やはり使い慣れた言葉でゲームを楽しんでもらいたいと考えています。ですので,北米/欧州向けのテスト開始のちょっとあとで正式にテスター募集を開始しますので,少しだけ待っててください。

4Gamer:
 ちょっとあと……?

Evans氏:
 ええ,「ちょっとあと」です。

Hickman氏:
 ホントにちょっとだってば!

4Gamer:
 もう少し具体的な時期を……。

Evans氏:
 2〜3か月あとです。

Hickman氏:
 なんで言っちゃうんだよ!

Bales氏:
 あれ,まだダメだったの?(笑)

Hickman氏:
 最重要機密だよ! ビッグサプライズにしたかったのに……。



■今回は最初からマルチバイト対応なので,タイムラグはあまりない
ゲームデザインを担当しているBales氏
4Gamer:
 EA Chinaの人まで笑ってますよ(笑)。さてプレスカンファレンスでは,正式サービスを北米と欧州で2008年初旬に,その後なるべく早い段階でアジアで行うと発表していましたが,そこももう少し具体的に教えていただけますか。

Hickman氏:
 ごめん,まだ決まってないんだ。それ以上細かい部分は,まだ話し合っている最中だし。別にこれは隠しているわけではなく,本当に決まっていない。ただ,北米/欧州のスタートから,それほど遅れることがなくアジアでのサービスを開始できるように調整していることは約束するよ。

4Gamer:
 海外製のオンラインゲームを日本に持ってくるときには,オリジナル版のサービス開始より遙かに遅れることが多く,そこには大きな“時差”が発生します。これは日本でのパブリッシャの問題なんでしょうか。それとも開発サイドでの問題なんでしょうか。

Hickman氏:
 うーん……まずはゲームを完成させなければならないので,違う言語のバージョンを同時に作るというのは非常に難しい。結局のところそれは,パブリッシャによって発生するというよりも,開発側によるところが大きいというのが本音かな。

Evans氏:
 ちょっと追加で言わせてください。「Dark Age of Camelot」を開発していたときは,たぶんみなさんも想像されているとおりで,違う言語にローカライズするということをまったく考えずに設計してたんです。なので,その後別言語バージョンの開発に,長い時間が必要になりました。
 でも「Warhammer Online」では,完全に各国語へのローカライズを前提に開発がスタートしたので,そういったことはないでしょう。

4Gamer:
 ちなみに,日本語版用の翻訳作業というのはもう始まっていますか?

Evans氏:
 いえ,まだです。いまは良い会社を探している段階ですね。

4Gamer:
 「良い会社」の定義とは?

Evans氏:
 色々とあるのですが,Warhammer Onlineの翻訳作業に関しては,やはりベースとなっているWarhammerのルールや世界観を熟知しているところが良い会社だと思います。

Hickman氏:
 とりあえず,Game Workshop(Warhammerの版権元)が出しているWarhammer関連の書籍は全部買ったよ! Game Workshopって日本にもお店あるよね? 確か4店舗くらい。

4Gamer:
 あれ,4店舗もありましたっけ。3じゃなくて?

Evans氏:
 神田だろ,中野だろ……。

Hickman氏:
 Dustin,覚えてる?

Bales氏:
 いや,さすがに覚えてないなぁ……。

Hickman氏:
 なんだよ,みんなもっとちゃんと情報調べようよ!(笑)

4Gamer:
 うう,すいません……(編注:7月21日に新店舗が町田にオープンし,それで日本は4店舗となる模様)。
 ところで日本でも,すでに数社が運営に名乗りを挙げていると聞いていますが,EA Mythicから見て「良いパブリッシャ」とは,どんな会社でしょうか?

Hickman氏:
 その国のプレイヤー達をしっかりサポートし,ゲームを楽しめる環境を提供できるところ。それがすべてかな。



■RvR中心のゲームじゃないし,RvRがオマケなわけでもない

WoWを知らない振りをするなど,ライバルタイトルへの対抗心をあらわにするHickman氏。作っているゲームといい,“対戦”が根っから好きなようだ
4Gamer:
 ところで話は変わるんですが,今後出るファンタジーMMORPGは,しばらくの間は「World of Warcraft」と競うことになると思いますが……。

Evans氏:
 World……なんだって?

Hickman氏:
 そんなゲームあったっけ? 新作?

Evans氏:
 いや,知らないねえ。EA本社の人なら知ってるかもよ?

Hickman氏:
 よし,じゃあ今度聞いてみよう。

4Gamer:
 いや,あの(笑)。えーとそれで,WoWプレイヤーをいくばくか奪い取ることも当然視野には入れていると思うんですが,WoWプレイヤーの目をWarhammer Onlineに向けさせるためには,何が重要だと考えていますか。

Hickman氏:
 よし,真面目に話そう。開発者としては,いいゲームを作るということが,成功の条件だと考えている。事実上,プレイヤーに目を向けてもらうには,それしかないんじゃないかな。
 Warhammer Onlineは,今日のプレスカンファレンスで説明したような,徹底的にデザインされたRvRシステムなどの大きな要素,パブリック・クエストといった小さな要素を始め,いままでのMMORPGにはなかった色々な要素があるんだ。これらは,ほかのMMORPGからプレイヤーを奪ってくるだけの魅力にあふれたものだと自負しているよ。

4Gamer:
 確かにWarhammer Onlineの特徴としてRvRが真っ先に挙げられることが多いですが,そのイメージばかりが先行してしまっている感もあります。PvEだけでもゲームを楽しめますよね?

Hickman氏:
 もちろん! もしもほかのプレイヤーと戦いたくなければ,ダンジョンの探検や,ほかのプレイヤーと協力してのボス退治,パブリック・クエストなど,やることはたくさんあるから大丈夫。そして,クエストをこなせばビクトリーポイントが溜まるので,それですなわち自勢力へ貢献もできるというわけだ。
 もちろん,対戦するのが大好きな人も存分に楽しめるように作ってあるのはこれまで話してきたとおり。しかも,PvPでもアイテムやお金などがしっかりもらえるので,PvPだけをやっているだけでもゲームとして成立するというわけだ。プレイヤーが本当に望む形で遊べるのが,Warhammer Onlineの大きな特徴なんだ。ここ,強く書いておいてね(笑)。

4Gamer:
 了解です(笑)。あえて聞くんですけど,PvEとPvPのバランスは,ゲーム全体から見て何%くらいになってますか?

Hickman氏:
 難しいこと聞くね,おい。えーとね……50対50くらい?

Bales氏:
 いや,もうちょっとPvPが高いんじゃないかな?

Hickman氏:
 40対60くらいかな?

Evans氏:
 こっち見て聞かないでくれよ。俺はHickmanじゃないよ(笑)。

Hickman氏:
 教えてくれたっていいじゃないか(笑)。えーと,どのレベルで数字を言えばいい? プレイ時間? それともゲームのボリューム感?

4Gamer:
 ボリューム感です。

Hickman氏:
 じゃあ50対50だな。ホントにどちらも存分に遊べるようになってるよ。どっちかがどっちかのオマケみたいなことにはなってない。



■絶妙な対戦バランスにも強い自信が。DAoCの再来なるか?

Evans氏は,業界歴20年以上の大ベテラン。2004年にMythic Entertainment(現EA Mythic)に加わった
4Gamer:
 PvPは何レベルくらいからできるようになりますか?

Hickman氏:
 できるできないでいえば,レベル1だね。ただ,レベル4〜5くらいを推奨したい。なにせ初めの2〜3時間はチュートリアル的な内容だし,それらをこなしているうちにそれくらいのレベルになるよ。

4Gamer:
 しかしそれだけレベルが低い段階でPvPに参加できるとということは,高レベルのキャラクターがゲームを始めたばかりのキャラクターを“狩る”ことができるわけですよね?

Bales氏:
 それはまったく望ましくない事態ではありますが,そういったことを実際にできるし,そういうことを行うプレイヤーも出てくるでしょうね。

Hickman氏:
 でもちゃんと対策はとってあるよ。

Bales氏:
 まだ完全に決めていませんが,そういったことを行う人には,卑怯なことをできなくするような罰を与えることになると思います。何かこう,とびきりのやつを。
 そしてそれはもちろんPvPに関してのルールで,PvEには適用されません。上級者が初心者を助けるために,一緒にPvEを楽しむということは問題なくできますよ。

4Gamer:
 プレイヤーキャラクターに倒された場合のペナルティなどはありますか?

Hickman氏:
 経験値もなくさないし,装備もなくさない。もちろんお金もなくなさい。つまり,実質ペナルティはゼロかな。ただ一つ失うものがあるとすれば,それは「プライド」。

Evans氏:
 PvP好きなプレイヤーにとっては,もっとも重要なものですけどね。

Hickman氏:
 そう。僕らはそれをDAoCで学んだ。ともあれPvPは,Warhammer Onlineを楽しむための「要素」であって「目的」ではない。そこはどうかプレイヤーのみんなにも,勘違いしないでほしい。

4Gamer:
 私は個人的にはある程度のペナルティはあったほうがいいと思っているのですが,PvPでキツいペナルティを課しすぎるとイヤになってしまいますしね……。
 ところでDAoCといえば,Warhammer Onlineを楽しみにしているほとんどのプレイヤーが「絶妙な神のバランス」を期待していると思います。Warhammer Onlineでもあのような絶妙なバランスのうえになりたったRvRを楽しめると考えていいですか? 公式な意志表明として教えてください。

Hickman氏:
 もちろん! 我々を何のチームだと思ってるんだい?(笑)。
 まぁ冗談はさておき,PvEの要素なども強化しているけど,目指すところはDark Age of Camelotのようなバランスなのは間違いない。そして僕らは,Warhammer Onlineもそうできるという自信がある。そこは安心してほしい。

4Gamer:
 心強い回答をありがとうございます。……そろそろディナーのようですね。チームのみなさんが続々集まってきてます。では最後に,現在予定しているWarhammer Onlineのビジネスモデルを聞かせてください。
 日本を始めとしたアジア圏ではアイテム課金制が主流になってきていますが,例えば日本で欧米産MMORPGを好んでプレイする人達は,やはり月額課金制を好む――というよりアイテム課金を嫌う――人が多いと思っています。自分自身もそうですし。そんなわけで,日本のプレイヤーとして,どのビジネスモデルを採用する予定なのか,すごく気になっています。

Hickman氏:
 なんで最後に答えづらい質問を(笑)。これはまだ議論中といった段階で,いま言えるのは,本当にそこまで,かな。米国とヨーロッパでは月額課金で行うことは決まっているんだけど,アジア圏に関しては,いろいろな可能性が考えられることは間違いないと思うし,国によって違うスタイルを採る可能性もある。それ以上は決まっていないので,なんとも言えないなぁ……。

4Gamer:
 なるべく早く,より多くの人が納得する形で決まることを楽しみにしています。では最後に,読者へのメッセージをお願いします。

Hickman氏:
 おお,それは答えやすいな。「Play and Pay」! 以上。

一同:
 (笑)

Hickman氏:
 ……とかいう冗談はさておき。
 Warhammer Onlineは,ほかのMMORPGにはない要素が多くあり,とりわけRvRには力を入れています。ぜひ遊んでみてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。



 中国向けプレスカンファレンスに無理矢理割り込んだ挙げ句,終わったあとにインタビュー時間を設けてもらったわけだが,イヤな顔一つせず,素晴らしいノリでいろいろ答えてくれた3人。
 今回,Warhammer Onlineの(欧米での)サービス開始時期を2008年初旬と明かされたことで,「また延びてしまったのか」という落胆が大きかったのは事実。だが直接話を聞くと,ローカライズを前提に開発が進められており,北米/欧州でのリリースからそれほど間を空けずに,アジアでも展開されるという。まだ具体的にパブリッシャーは決まっていないが,日本語版の制作もきちんとプランニングされているということで,安心したファンも多いだろう。インタビューでも少し触れているが,編集部が聞いている限りでは,すでに数社が運営に名乗りを挙げているという。ビジネスモデルを含め,まだ完全には決まっていない仕様などもあるようだが,いまから年末に向かってラストスパートがかかるであろう進捗について,続報を待ちたいと思う。

 Warhammer Onlineは,その開発元および今まで表に出てきた情報から,「完全に対人戦に主軸が置かれたゲームデザイン」であると思われがちだが,実際にはそうでもなさそうだ。
 まだまだ「一般的な遊び方」にまでは昇華していない日本での対人戦,そして「面倒くさいクエストが死ぬほど嫌い」(だからシンプルで単純なクエストばかりなのだ)である韓国や中国でのオンラインゲームプレイヤー事情を考えると,その両方に受け入れられるのか,その両方から拒絶されるのか,そここそがまさにMythicの“絶妙なバランシング”にかかっている。しばらくはほかに出ないであろう「コアな欧米産MMORPG」の期待の星であるがゆえ,その動向は大きな注目を集めている。
 日本の古くからの洋ゲーファンを含め,多くの人に受け入れられる作品に仕上がってくることに期待したい。(Kazuhisa/noguchi,photo by kiki)



−−2007年7月10日収録

  • 関連タイトル:

    Warhammer Online: Age of Reckoning

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