企画記事
「ファイナルファンタジーXI」復帰者向けプレイガイド(2022年版)。ソロプレイ&短時間でも確かな成長を実感できる,“現在のヴァナ・ディール”を徹底解説
これが普通のオンラインゲームの周年企画なら,「あの頃は良かったね」と過去を懐かしむだけでもいいかもしれないが,FFXIの場合は少々特殊だ。なにせ,現在もシナリオやコンテンツがアップデートで追加されているだけでなく,プレイヤーのライフスタイルなどに応じて,各種システムのリニューアルなども積極的に行われているのだ。その結果,MMORPGとしての姿形も,20年前から大きく変化している。
「ファイナルファンタジーXI」の20年を振り返る。初めてMMORPGに触れる人達に“絆”の大切さを広く知らしめた,オンラインゲーム史に残る金字塔
「ファイナルファンタジーXI」は,家庭用ゲーム機向けとして初のMMORPGとして登場し,このたび20周年を迎えた。MMORPGというジャンルをいちはやく展開しただけでなく,プレイヤー同士の“絆”を重視したその作りは,当時のプレイヤーに強烈なインパクトをもたらしたのだ。
本記事では,そんなFFXIの現況を紹介するとともに,復帰者向けの実践的なプレイガイドをお届けしよう。基本的には,レベルキャップが75の時代(2003年〜2010年)にFFXIから離れたプレイヤーを想定しており,新規プレイヤーにとっても参考になるようにある程度の配慮はしているが,用語解説などは必要最小限に留めている。現在のヴァナ・ディールがどうなっているのか,ぜひ読み進めて確認してほしい。
■第一部■ FFXIの利便性を高めるシステムの数々
■第二部■ ジョブレベルを99まで上げる
■第三部■ アイテムレベル119の装備品を揃える
■第四部■ アイテムレベル119を揃えたら挑戦してほしいこと
■第五部■ リンクシェルに参加するか,ソロプレイで続けるか
■第一部■ FFXIの利便性を高めるシステムの数々
現在のFFXIをざっくり説明すると,エンドコンテンツ以外のほとんどがソロプレイで遊べるようになっている。また,プレイに時間をかけたぶん確実に成長を実感できるよう,無駄になりがちだった部分が大胆にカットされている。その点を踏まえたうえで,現在のFFXIでプレイヤーの利便性を大きく高めているシステムを3つ紹介しよう。
【1】人気のNPCと一緒に冒険できる「フェイス」
フェイスは,有名NPCの分身となるキャラを召喚魔法のように呼び出し,一緒に戦えるシステムである。ソロプレイで遊ぶときでも5体のフェイスを呼び出せば,従来のフルパーティ(6名)に近い戦力を発揮できる。バランスが取れたパーティを,手間をかけることなく編成できるのも大きなポイントだ。
現在は110種類以上のフェイスが実装されており,それぞれのジョブやウェポンスキル,そして行動パターンなどは細かく決められている。戦闘開始直後はナイトが挑発でターゲットを引きつけ,赤魔道士が弱体化魔法を唱え,プレイヤーキャラのTPが溜まったら侍が連携トスを行い,連携が決まったら黒魔道士がマジックバーストで締める……といったパーティプレイの戦術を,各フェイスがきっちりと担ってくれるのだ。
【2】プレイ目標を自分で選べる「エミネンス・レコード」
エミネンス・レコードは,プレイヤー自身が目標を設定する,少し独特なクエスト受注システムである。
メニュー内の[クエスト]→[エミネンス・レコード]→[目標一覧]内には,多くのクエストがラインナップされている。この中からどれかを選んでクリアすると,その場で各種報酬を得られるという流れだ。
一般的なクエストのように,開始/報告時にNPCと話す必要はなく,プレイスタイルに応じた目標を手軽に設定できる。逆に言うと,たとえクリア条件を満たしていても,エミネンス・レコードとして受注しない限りは報酬が得られない点には注意しよう。
報酬で注目すべきはエミネンス・ポイントで,これはさまざまなアイテムと交換できる。たとえばレベル上げの際に必要な武器・防具などは,このアイテム交換だけで全部揃えられるほどだ。
【3】遠距離移動時に使えるワープ機能など
移動システムが大幅に簡略化されたのも,FFXIの変化を象徴する部分だ。現在は,ほぼすべてのエリアに各種ワープポイントが設置されており,1回到達した後は瞬間移動が行える。狩場までの移動をはじめ,クエストを行ったり,バトルフィールド戦に挑んだりするときも,その目的地に直ちに向かえるというわけだ。
ワープの種類が複数あって微妙にややこしいのだが,とりあえず最初は,拠点エリアへの移動時はホームポイント,フィールド/ダンジョンエリアへの移動時はSurvival Guideを使うものと覚えよう。マップ画面にはホームポイントなどの場所が示されており,未到達の場合はアイコンが点滅しているため,新たなエリアに到達したときは最初にチェックするとよい。
移動にまつわる話なのでついでに紹介しておくと,ジュノ上層で簡単なクエストをクリアすることで,騎乗用のマウントを呼び出せるようになる。チョコボと同様に移動速度が上がり,モンスターにも絡まれない。しかもフィールドエリアならどこでも呼び出せるのだ。マウントを呼び出すコマンドの「/mount [マウント名称]」もマクロに登録しておこう。
■第二部■ ジョブレベルを99まで上げる
復帰プレイヤーにとって最初の大きな目標となるのは,ひとつのジョブレベルを99まで上げることだ。レベル99と聞いてギョッとするかもしれないが,実は現在のFFXIでは,各種ボーナスを駆使すれば1〜2日で到達できるものだったりする。
復帰したばかりのプレイヤーにとっては,各種リハビリの時間なども必要になるだろうが,それを考慮しても最初のプレイ目標としてちょうどよいだろう。
レベル上げ自体はサクっと行えるので,休眠前のメインジョブや,苦労して集めたレアアイテムに執着する必要はない。むしろ,これまで使っていた装備品は全部倉庫に突っ込んで,レベル1の新規ジョブを育てるほうが,エリア景観の移り変わりなども含め新鮮に楽しめそうだ。
ちなみに狩りの行いやすさだけ考えると,後述するフェイスの仕様上,近接攻撃系のアタッカー職が比較的育成しやすい。自分が好きなジョブを育成するのが一番だとは思うが,いちおう覚えておいてほしい。
以上の点を踏まえたうえで,復帰プレイヤーがどのようにレベル99を目指すのか,その大まかな流れを紹介しよう。
【1】エミネンス・レコードでフェイスを獲得
レベルが5以上のキャラクターは,「新魔法フェイス」という簡単なクエストを通じて,所属国に対応したフェイスを獲得できる。また,エミネンス・レコードの[チュートリアル]→[基礎編]のクリア報酬にも,計5種類のフェイスが含まれている。ナイトのヴァレンラールや白魔道士のミリ・アリアポーなど,パーティプレイにおいて要となるジョブも一通り揃っている。レベル99に至るまで彼らと行動することも十分に可能だ。
復帰前のプレイ状況次第にはなるが,そのほかのエミネンス・レコード項目でも,クリア条件を満たせるものが多くあると思われる。これらを受注すれば直ちに報酬を得られるわけだが,この段階では待ってほしい。次に紹介する,最序盤の狩場における爆速レベリング環境を体験してからでも遅くはない。
【2】レベル上げにおける基本スタイル
さて,いよいよ狩りでの経験値稼ぎだ。
レベル99までの経験値稼ぎは,基本的にソロプレイ+フェイスの構成で行うことになる。ほかのプレイヤーとパーティを組む必要はない……というよりは,フェイスを活用したほうがはるかに効率が良いのである。最初に呼び出すフェイスは,とりあえずナイトと白魔道士がいれば,あとは適当でも大丈夫だ。
低レベル帯であれば,たとえプレイヤーキャラが素っ裸の状態でも,フェイスが勝手に戦って倒してくれる。しかも,(詳細は後述するが)獲得経験値量も昔と比べて大きく増えているのだ。実際,1〜3戦もすればレベルアップするので,座ってヒーリングを行う必要もない。装備を更新するために帰還するのが面倒に感じるくらいのハイペースで,どんどんレベルが上がっていくだろう。
レベル40までの生息モンスターのレベル帯は,昔から大きく変わっていない。つまり3国の隣接エリアから出発し,バルクルム砂丘/ブブリム半島を目指す。そしてレベル20前後でジュノに上京しクフィムへ,といった定番の流れを,半ばパワーレベリング状態で突き進めるのだ。訪れたエリアのワープポイントを開通させながら,目についたモンスターを乱獲していこう。
現在はさまざまな形で経験値ボーナスが実装されている。とくに,キャンペーンで頻繁に配布されているエチャドリングという品は,再使用時間が2時間で,「使用期間内は獲得経験値+150%」の効果が使い放題という逸品である。また,ブースト効率は落ちるが,個人戦績の共通配給品には皇帝の指輪もあるので,エチャドリングが無いときは利用しよう。
現在のFFXIはレベル上げのスピードがあまりに速く,プレイの止めどきを見失ってしまうほどなのだが,エチャドリングの再使用時間がちょうどよい区切りとなっている印象だ。
【3】「ヴァナ・ディールの星唄」ミッションを進める
序盤の経験値稼ぎと並行して進めておきたいのが,「ヴァナ・ディールの星唄」ミッションだ。従来のミッションの主要人物が勢揃いする,ある意味でFFXIの集大成的なストーリーなのだが,段階的に得られる報酬「星唄の煌めき」の効果がスゴい。
例を挙げると,獲得経験値量の永続ボーナス,同時に呼び出せるフェイスの増加,ワープ移動時の費用の軽減,消耗品の購入ラインナップの追加……など。新規プレイヤーであっても1段階目の報酬は獲得できるので,肩慣らしが終わったあたりで取り掛かるとよい。
【4】レベル40以降の経験値稼ぎについて
基本的には適切な狩場を選んだうえで,「強そうだ(つよ)」〜「とても強そうだ(とてつよ)」前後のモンスターを倒していけば,レベル99まで順調にレベルアップできるだろう。
ただ,レベルが40以降になると,星唄ミッションで関わる「エスカ」と呼ばれるエリア群が候補に入り,ここでの経験値稼ぎがなかなかウマい。一方で,各ダンジョンの最深部がレベル80〜90代向けにリニューアルされているなど,従来の知識が通用しないケースが増えてくる。復帰プレイヤーにとっては,どこで狩りを行えばよいのか,次第に分からなくなるかもしれない。
自分の足で狩場を開拓するのも趣があるかと思うが,現在はFFXIの復帰プレイヤー向けに作られたファンサイトもあるので,先人の知恵を参考にさせてもらうのもよいだろう。
装備品の更新に関してだが,武器と防具はエミネンス・ポイントの交換品だけでレベル99まで事足りるだろう。つまり競売を利用したり,意識的に金策を行ったりする必要はほとんどない。エミネンス・ポイントの交換品にはアクセサリ類が少ないが,これに関しても,(復帰プレイヤーであれば)もし倉庫の奥底に眠っていたら流用するくらいの意識で構わないだろう。
長年のブランクがあるプレイヤーがFFXIをレベル1から再開した場合,レベル99に到達するまでの所要日数は,長く見積もっても1週間といったところだろうか。しかもソロプレイなのでマイペースで遊べるし,思い立ったら各種ワープで狩場まで瞬時に移動して,適切なパーティで大量の経験値をサクっと稼げるわけだ。現在のレベル上げ環境がいかに快適か理解していただけただろうか。
■第三部■ アイテムレベル119の装備品を揃える
レベル99はいちおうの“レベルキャップ”だが,これだけだと冒険者のランク的には,まだまだ駆け出しにすぎない。ここから先はアイテムレベルを高めることで,(レベル表記は99のまま)プレイヤーキャラを強化することになる。
現在のFFXIでは,レベル99向け装備の多くに,アイテムレベルという新しいパラメータが設定されている。そして,装備中の武器と防具(合計6部位)におけるアイテムレベルの平均値が,プレイヤーキャラの実質的なレベルとして扱われる仕組みだ。
エミネンス・ポイントの交換品にアイテムレベル117の武器と防具があるので,とりあえず一式装備してみよう。その瞬間,プレイヤーキャラの実質的なレベルは117となり,これまで経験値稼ぎを行ったモンスターなどは軒並み「とても楽な相手だ」に格下げとなるのだ。
現在のFFXIにおけるアイテムレベルの最高値は119となっている。このレベル帯には多数の品がラインナップされており,性能の高さに比例して入手難度も高まる。
ここでは,復帰プレイヤーでも比較的手軽に入手できるアイテムレベル119の武具を紹介しよう。どれから挑戦しても構わないが,コンテンツとしての難度と報酬のバランスが取れているので,一通り経験しておくとよいと思う。
【1】「アドゥリンの魔境」の同盟戦績ポイントで交換
最も簡単にアイテムレベル119の装備品を入手する方法は,拡張データディスク「アドゥリンの魔境」における報酬である。ざっくりと説明すると,新天地における開拓作業を通じて「同盟戦績」なるポイントを獲得し,「ピースキーパー・ワークス」という施設で,そのポイントと引き換えにアイテムレベル119の武器や防具などを入手できる。
アドゥリンの魔境は独特なシステムが多く,最初はとっつきにくさを感じるかもしれない。ただ,アクセスの良い拠点や,レベル90台の経験値稼ぎなどで重宝するエリアであることもあり,早いうちに慣れておいて損はないだろう。
【2】「ドメインベージョン」のポイントで交換
ドメインベージョンは,特定のエリアで突発的に開催されるレイド系のコンテンツである。周囲にいるほかのプレイヤーと共闘して,襲来するドラゴンを退治するという内容で,ビシージさながらの大混戦となるのだ。
ゲーム内ではほぼ常時,何かしらの形でドメインベージョンが開催されている。ドラゴン討伐ということで身構えてしまうかもしれないが,準備時間を含めても数分〜十数分で完了してソロプレイでも挑戦できるため,印象とは裏腹にハードルは意外と低めだ。
このドメインベージョンを通じて獲得できるポイントの交換品に,アイテムレベル119の装備品が多数含まれている。そのなかでも最もリーズナブルな品は,武器と防具を全部合わせても,ドメインベージョンに3日間通うだけで一通り揃えられるのだ。
【3】「アンバスケード」のポイントで交換
アンバスケードは,プライベートエリア内でノートリアスモンスターと戦うバトルコンテンツである。パーティプレイ向けの「アンバスケード-エキスパート(1章)」と,ソロプレイ向けの「アンバスケード(2章)」に大別されており,実際に戦うモンスターは毎月のアップデートで変化する仕組みだ。
アンバスケード(2章)をクリアすると,その難度に応じたホールマークというポイントを獲得できる。そしてホールマークの累計ポイントや,獲得したポイントとの引き替えで,アイテムレベル119の各種アイテムが得られるのだ。
従来のコンテンツで例えるならば,参加時のハードルが大きく引き下げられたバトルフィールド戦といったところだろうか。昔ながらの緊張感あふれるバトルを,ほぼノーリスクで味わえるので,腕試しにチャレンジしてみよう。
■第四部■ アイテムレベル119を揃えたら挑戦してほしいこと
アイテムレベル119の武器・防具を揃えたら,復帰プレイヤーのキャラ育成としては,とりあえず一段落といったところだ。続いて,せっかくここまで到達したからには,ぜひ挑戦してほしいコンテンツを3つ紹介しよう。
【1】「ヴァナ・ディールの星唄」ミッションのクリア
何はともあれ,星唄ミッションのクリアである。最後までクリアすれば上述の「星唄の煌めき」が最終段階まで開放され,獲得経験値が常時+180%(つまり280%。ほぼ3倍)になるほか,一部のアイテムに対する強化システムの開放や,次に紹介する「オーメン」がプレイ可能になるなど,その後のプレイ環境が劇的に向上するのだ。
この星唄ミッションは,実装時に“最終章”と謳われており,ファイナルファンタジーのナンバリング作と呼ぶにふさわしい壮大なストーリーとなっている。復帰プレイヤーはラスボス戦で手こずるかもしれないが,それも含め,昔ながらのFFXIらしさをたっぷりと感じられるだろう。
【2】現在におけるメインコンテンツの一角「オーメン」
上述した「オーメン」は,入場時に示された“お題”をこなしながら,プライベートエリアを制限時間内に攻略するバトルコンテンツである。エリア内は複数のルートに分かれており,その選択次第では,ソロプレイ+フェイスでも歯ごたえのあるバトルを満喫できるのだ。
報酬面で特筆すべきは,頻繁に獲得できる素材品の「黒の残魂」で,これは記事執筆時点の競売で単価9万ギル前後で取引されている。オーメンに足繁く通うだけで,たとえば2〜3百万ギル程度のアイテムなら,それほど苦労せず入手できるようになるだろう。
また,黒の残魂は雑魚モンスターからの通常ドロップのため,制限時間内にモンスターを倒したぶんだけ入手が見込める。育成した成果が,報酬としてハッキリ感じられるという面も含め人気のコンテンツだ。
【3】現在進行形の新シナリオ「蝕世のエンブリオ」
個人的に強くオススメしたいのは,2020年8月に開幕し,現在進行形で続いている新シナリオの「蝕世のエンブリオ」である。
どのように解説してもネタバレになってしまうので詳細は控えるが,ヴァナ・ディールの「世界」や「歴史」に関心のあるプレイヤーにとって,もうたまらないストーリー展開であろう。ここ数か月の実装分では核心に踏み込んでおり,将来はコンテンツにどういった影響を与えるのかも気になるばかりだ。
それにしても,まさか20年を迎えたMMORPGで,ここまで唸らされるシナリオ展開がされようとは夢にも思わなかった。この驚きや感動をほかのプレイヤーと共有するだけでも,現在のFFXIに復帰する価値があるのではとさえ思っている。
■第五部■ リンクシェルに参加するか,ソロプレイで続けるか
アイテムレベル119を揃えた後は,メリットポイントの上位版となる「ジョブポイント」を注ぎ込んだり,より高性能な武具を集めたりしてキャラを育成することになる。
これまでは異常といえるほどのハイペースだったが,このあたりから少しずつ昔ながらのMMORPGのペースに戻っていく。また,実際に関わるコンテンツも多岐にわたることになるので,プレイヤーの趣向や環境によっても適切なアドバイスは変わってくる。
ここで大きな分岐となるのが,リンクシェル(ギルド)に参加するか,あるいは引き続きソロプレイを行うか,という選択である。と言うのも,フェイスでは歯が立たない高難度のバトルコンテンツが増えてくるのだが,一方で現在のFFXIはさまざまな事情により,エリアシャウトでのパーティ募集が少ない。自分に見合ったリンクシェルに参加するか否かで,実際のプレイ内容は大きく変わってくるはずだ。
現在もFFXIを続けているようなプレイヤーは相当に“濃い”わけで,そういった人達が集まるリンクシェルに参加するのは,ほかのMMORPGでは得られない体験となる可能性がある。もし,今後もFFXIをガッツリと遊びたいと考えているのなら,リンクシェルへの参加を検討してほしい。
もちろん,リンクシェルに入らず引き続きソロプレイで遊ぶという選択肢もある。また,ソロプレイでも楽しめる上位コンテンツも随時追加されているので,その点も心配は不要だ。
まず,レベルキャップが75の時代に実装された多くのバトルコンテンツは,各種バランス調整が施され,現在は半ば無双状態で攻略可能だ。たとえば,FFXI初のレイドコンテンツとして実装された「デュナミス」は入場制限がなくなっており,まとめ狩りでレリック装束や旧貨幣などを乱獲できる。そうやって集めたアイテムを,アップグレードにより第一線で使い続けていける。
ミッションに関しても,プロマシアエリアにおけるレベル制限などの面倒臭いシステムは撤廃され,全部ソロプレイでクリアできる。昔は挑戦すら叶わなかったハイレベルノートリアスモンスター(HNM)も,手軽に入手できるトリガーアイテムで出現させるように仕様変更されている。
昔のFFXIにおけるハイエンドコンテンツの最たるものといえば,レリック / ミシックウェポンなどの最強武器群だが,こちらも大きくテコ入れされている。エンピリアン / イオニックウェポンという新たな種類が追加されているほか,高嶺の花というほどではなく,感覚的には「コツコツと頑張ればイケるのかな……?」というくらいの難度になっている。
今こそヴァナ・ディールに“里帰り”してみよう
レベルキャップが75だった頃のFFXIは,経験値稼ぎや狩場への移動,ミッションの攻略など,何をするにしてもほかのプレイヤーとの関わりや,長時間のゲームプレイを必要とするMMORPGであった。そもそも,チームワークで難局を乗り越える醍醐味を重視したMMORPGなので,ハードルの高さはある意味必然でもあったのだが。
そんなFFXIが登場してから20年が経過し,その間にさまざまな状況が変化している。多くのMMORPGが登場し,ジャンルとして浸透するとともにプレイヤーも慣れ,MMORPGの主戦場はスマホへと移行し,そこで時間の奪い合いが加速し,プレイ時間よりゲーム内課金が優遇されるようにもなった。チームワークで難局を乗り越えるどころか,下手をすると,チュートリアルが分かりにくいというだけでアンインストールされてしまう時代だ。
また,かつての熱心なFFXIプレイヤーすら,生活環境などの変化によって長時間のプレイが難しくなっていると思われる。当時,毎日寝ずにプレイしていた20歳の大学生も,今では40歳の働き盛りなのだから。
こういった状況下でも,いったいどうすればハードルが高いFFXIを現実的に遊べる状態で維持できるのかを考え抜いて行われたのが,本稿で紹介してきたリニューアルの数々であろう。
現在のFFXIは,ソロプレイかつ短時間でも成長する手応えを得られ,いつでも復帰できるMMORPGとなっている。一方で,それこそ20年続けているような人に対しても,新たな目標が提示され続けている。もちろん,実装されたコンテンツのすべてに触れる必要はなく,自分に合ったものを探して選べばいい。そうやって選択できる余地は,たっぷりとあるのだ。
もっとも,いくら手を加えたところでFFXIのMMORPGとしてのベースは,20年前のPlayStation 2向けに作られたものであり,いろいろと古臭さを感じる部分があることは否定しない。個人的にも,いまどきのスマホ向けアプリを遊んでいる若いゲーマーに向けて,FFXIを強くアピールすることはしない。
しかし,かつてFFXIに入れ込み,長年のブランクがある人であれば,現在のヴァナ・ディールに里帰りする価値は確実にあるし,それによって大きな衝撃を受けることになるだろう。そしてアイテムレベル119を揃えるまでの2〜3か月くらいで,ヴァナ・ディールで過ごした日々や,一緒に過ごしたプレイヤーなど,さまざまなことを思い出すことになるだろう。それはきっと,ほかのエンターテインメントでは決して得られない体験となるはずだ。
【5月13日(金) 17:00頃から】
— FINAL FANTASY XI/FF11 (@FFXI_JP) April 28, 2022
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