「FFXI」大規模アップデートが本日実施。レベルキャップが85に開放，新アドオン“アビセアの死闘”のプレイ解禁など，主な見どころを紹介

　スクウェア・エニックスは本日（9月9日），MMORPG「ファイナルファンタジーXI」（PC / Xbox 360 / PlayStation 2）において大規模アップデートを実施した。今回も多彩かつ膨大なアップデート量で，FFXIのサービス開始以来最大級といわれた前回分（関連記事）に匹敵する内容となっている。アップデートの具体的な内容については，FFXI公式サイトで細かく触れられているので，本稿ではその主な見どころを整理して解説していこう。

「ファイナルファンタジーXI」公式サイト

レベルキャップが80→85へと開放

新たな能力も続々と登場

　今回のアップデートは，全体的にコアプレイヤー寄りの内容となっているが，それを象徴するのが，マイキャラのレベルキャップが80から85へと開放されたことだ。FFXIは，2010年6月下旬のアップデートで，約6年半ぶりにレベルキャップが開放されたのだが，それからたったの3か月で再びキャップが外れたというのだから，FFXIプレイヤー達が盛り上がらないわけがない。
　キャップの開放を行う際は，従来どおり“限界突破”のクエストを行う必要があるが，難度設定は，極端に高くなってはいないようなので安心してほしい。

　レベルキャップが開放されたことで，各ジョブに対してキャラクターレベル81〜85用の，新たなアビリティや魔法などが多数追加された。ここでは到底紹介しきれないボリュームなので，詳細は公式サイトをチェックしてほしい。
　また，メインジョブのキャップ開放に伴い，サポートジョブ用のキャップが40から42へと開放されたことも見逃せない。そう，ついにすべてのジョブが，サポートジョブで“リフレシュ”を使えるときがきたのだ。そのほかにも“テレポヴァズ”など，いくつかの有用な能力が解禁されたので，各ジョブの能力を再度おさらいする必要があるだろう。


　ジョブ間バランスにも微調整が入っている。多くのジョブに対して上方修正が行われており，公式サイトを見る限り目立ったトピックといえるのは，シーフに“二刀流”が追加されたことや，最近伸びが著しい“獣使い，召喚士”といったペット系ジョブが，さらに強化されたことなどだ。
　アビセアでの活動時に得られる強力なバフ“アートマ”も含め，ジョブ同士の力関係が今後どのように変化するかに注目したい。

新アドオン「アビセアの死闘」のプレイが解禁

　今回のアップデートと同時に，ダウンロード販売されているアドオン「アビセアの死闘」のプレイが解禁となった。価格は980円（税込）で，プレイオンライン上で購入できる。

「アビセア」公式サイト

　アビセアは全3部作のアドオンなのだが，今回のアビセアの死闘は，その第2部にあたる。前回のアップデート時に公開された「禁断の地 アビセア」は，それまでに定着してた経験値稼ぎなどのプレイスタイルを良い意味で激変させ，プレイヤーからの評判が非常に高い。今回のアビセアの死闘にも，それと同様の期待が向けられている。

　アビセアの死闘では，「アビセア-アットワ，アビセア-ミザレオ，アビセア-ブンカール」の3エリアが追加された。経験値稼ぎ用のキャンプポイントや多数のクエスト，そしてノートリアスモンスターなどが待ち受けている。


　それらの中でも目下最大の見どころといえるのは，報酬として得られる“エンピリアン装束”である。かつてアビセアの英雄達が身につけていたというストーリー設定があり，過去のオフラインイベントでは，“通称：アーティファクト3”としてグラフィックスが紹介された経緯もあることから，ハイエンド系の装備シリーズだと思われる。

　アビセアの公式サイトでは，各ジョブ用のエンピリアン装束に関して“頭，脚，足”のパーツのグラフィックスが確認できる。そのほかにグラフィックスに反映される“胴，手”のパーツが，あえて公開されていないのが気になるところだが，もしかしたら第3部として予定されている「アビセアの覇者」で補充されるのかもしれない。


　また，アビセア全体に関するプレイ環境が，着々と調整されているところにも注目してほしい。主だった項目を抜粋すると，モンスターを倒すと得られるポイント“クルオ”の獲得量が増加，ノートリアスモンスターからのドロップアイテムが充実，アビセアで冒険するために必要な“トラバーサー石”のストック数が増加，アビセアの入口まで転送してくれるNPCが登場，といったところだ。こういった，痒いところに手が届く環境整備は，プレイヤーとして実にありがたい。

　最後の転送NPCに関しては，従来の“アウトポスト行きのテレポ”にも似た，手軽なワープ機能としても活用できそうである。「アトルガンの秘宝」のリリース以来，実質的な首都エリアが“アトルガン白門”になって久しいが，アビセアが人気を博すにつれ，もしかすると再びジュノに遷都される日がくるかもしれない。

さまざまな方面で整備される

ハイエンド向けのプレイ環境

　装備品を段階的に強化するクエスト群“メイジャンの試練”に関しては，順当にアップグレードが行われている。とりあえず，武器に関するクエストをざっと確認してみたが，“潜在能力”に，思わず目を見張るモノが含まれていた。クエストの難度にもよるが，今後プレイヤー間で大きく盛り上がりそうだ。

　またメイジャンに関しては，サーチコメントのカテゴリが追加され，ヴァナ各地の天気予報が確認できる（クエスト条件を満たすために活用）など，プレイ環境が着々と整えられてきている。メイジャンは好みの分かれるコンテンツだが，コツコツと地道に努力するのが好きな人にはオススメできる内容なので，これまで手を出していなかった人も，あらためて情報を追ってみるといいかもしれない。

　ハイエンド向けのアップデート内容でもう一つ注目したいのは，「ウォークオブエコーズ」の仕様変更である。バトルフィールドにおける制限時間が30分から45分に延長されたほか，宝箱からのドロップアイテムが獲得しやすくなるなど，全体的に緩和されているようだ。アビセアのインパクトが凄まじいこともあり，今のところ若干盛り上がりに欠けるウォークオブエコーズだが，バランス調整がきっちり行われれば“化ける”可能性があるだろう。

　最後に紹介したいのは，各武器種ごとに追加された新たなウェポンスキルについて。これに関する開発バージョンのムービーが，アップデートに先立って公開されていたのだ。

新ウェポンスキルの開発バージョンムービー

　ムービーでは，従来のモーションをうまく流用しつつ，とても派手なエフェクトでウェポンスキルを繰り出す様子が確認できる。また，そのムービーの中で，アビセアの戦闘曲が聴けることにも注目したい。個人的に，FFXIの戦闘曲は本当に粒揃いで，MMORPGによくマッチしていると思うので，アビセア未経験者の人にもぜひ視聴してもらいたい。

　アップデートの主な見どころは以上だ。現在のFFXIは，レベルキャップの開放と，アビセアに端を発するパワーインフレにより，大きな盛り上がりを見せている。多少のブランク程度なら，意外とあっさり埋められたりするので，たとえばレベル75のキャラクターを所有しているような人は，この機会にぜひログインしてみてほしい。

「ファイナルファンタジーXI」公式サイト