連載
ヴァナ・デビュー「ファイナルファンタジーXI」 / 第3回:いざ,パーティープレイへ!
運営7年目となる国産MMORPG「ファイナルファンタジーXI」(FFXI)を,今から一緒に始めてみようという初心者向け連載「春だ一番 ヴァナ・デビュー」のはじまりはじまり。早いものでもう第3回となるが,FFXIの凄さはまだまだこれから。今回からはいよいよ,FFXIの真髄である“パーティプレイ”に関してのノウハウを紹介していきたい。
FFXIでは,最大6名のグループ(パーティ)での冒険が可能だ。FFXIは一度の戦闘時間が比較的長く,戦術的な要素をたっぷりと満喫できるのだが,その醍醐味はパーティプレイで花開くといっても過言ではない。
ゲームの中盤以降では,パーティ向けに用意された膨大な冒険コンテンツが待ち受けている。6人のチームワークを駆使して,これらの激戦を見事に切り抜けた瞬間の達成感と連帯感は,ほかのFFシリーズではなかなか味わえないものだろう。
先週の連載で紹介した「フィールド・オブ・ヴァラー」などにより,最近のFFXIはソロプレイでも十分遊べるが,中レベル帯以降の経験値稼ぎになると,パーティによる“キャンプ”(その場に留まり続けてモンスターを狩り続ける行為)の人気が今も変わらず高い。なので少しずつパーティプレイにも慣れていきたいところだ。
今回改めて,新規でキャラクターを育成してみて実感したのだが,FFXIの初心者がいきなり6名のフルパーティに参加するというのは,少々大変かもしれない。新たに覚えねばならない情報が山のようにあるので,人によっては混乱してしまう可能性がある。
「俺はベテランのMMOプレイヤーだぜ!」という人はともかく,できればフルパーティよりも気楽に遊べる,2〜3名による小規模のパーティを何度か経験し,まずはパーティの雰囲気を軽く知っておくといいだろう。
友達と一緒にFFXIを始めた人なら,パーティメンバー探しには困らないかとは思うが,皆が皆そうとは限らない。では実際にどのようにして仲間を探すかだが,とりあえず「サーチ機能」を使ってみよう。これはゲームメニューからも選べるが,コマンドでの入力のほうが扱いやすい。例えば自分のレベルが13だった場合,このように入力してみてよう。
「/search 12-14 region」
これは,周辺のエリアにいるレベルが12〜14のキャラクターをリストアップする,という意味のコマンドだ。リストの名前の左に点がある場合は,各々のアピール用のコメント(サーチコメント)が記されている。また,左側に丸く(!)マークが付いているのは,「パーティに参加したいです!」と意思表明している人だ。つまり,普段からこれらの設定をしつつ遊んでいれば,他の人から誘われやすいというわけ。
またアクティブな人なら,自分から積極的に声をかけてみるのもよいだろう。その際に「フリートライアル版で始めた初心者です」などと添えれば,相手もナルホドと分かってくれるはず。同じ初心者という人も声をかけやすく感じてくれるかもしれない。
少人数でのパーティを勧めるのには理由があって,第一に,編成時にジョブバランスをそれほど考慮しなくても何とかなりやすいこと。後衛系のジョブも「Field Manual」の“戦闘支援”(※第2回参照)を活用すれば,直接攻撃主体で戦えるだろう。
モンスターの強さも,ソロプレイでは「楽な相手だ」が主だったが,パーティであれば「丁度いい相手だ」「同じくらいの強さだ」クラスの敵でも十分に狙っていける。仮に目ぼしいモンスターが近くにいなければ,気軽に転戦もできる。こういったこともフルパーティでは,なかなか行いにくくなる。
しかし何より大切なのは,「パーティを組んでプレイする」という経験である。それだけでもいろいろな発見があるはずだし,仲間とのチャットでこれまで知らなかった世界が開けていくはずだ。
FFXIにはパーティプレイを行いやすくするためのサポート機能がいくつかある。初心者プレイヤーにとって役立つものを以下に紹介するので,実際にフルパーティでの冒険を行なう前に,一度目を通しておこう。
2008年9月に導入された「レベルシンク」(関連記事1,関連記事2)は,FFXIのレベル上げ環境を大きく変えたシステムだ。これはパーティプレイの最中に,キャラクターレベルの上限を,一時的に任意のメンバーのレベル数に設定するというもの。例えばパーティ内のレベル構成が,
- キャラクターA Lv10
- キャラクターB Lv20
- キャラクターC Lv30
だった場合,レベルシンクをAに設定。すると,BとCのレベルが一時的に10まで引き下げられる(もちろんだが逆はできず,Cに設定してもAやBがレベル30にはならない)。
レベルシンクを行なうことで,たとえレベル差のあるメンバー構成になっても,それぞれに平等に経験値が得られるのである。しかも装備品の強さもシンク後のレベル相応に引き下げられるので,面倒な準備は一切いらない。友人のキャラクターとレベルが開いてしまっても,これを使えばいつでも一緒に経験値稼ぎができるというわけだ。
レベルシンク時は経験値カットなどのペナルティは一切ないが,装備品と同様に,スキル値の上限もレベル相応に引き下げられる。そのためレベルシンクばかりに頼っていると,「レベルばかりが上がりスキル値はそのまま」といった状況になるかもしれない。なのでパーティの編成時は,まずレベルが近い冒険者を探し,どうしても見つからない場合にレベルシンクを利用していこう。後からスキルを上げることも可能なので,これを利用して積極的にパーティを編成してみてほしい。
前回の連載でソロプレイ時に役立つ「マクロ」を紹介したが,これはパーティプレイの際はもっと重要となる。前回に引き続き,パーティプレイでの代表的なマクロ用コマンドを三つ紹介するので,これを叩き台に自分のジョブに合ったものを設定しておこう。
(1)「/p <t>を釣ってきます」→「/range <t>」
モンスターを弓矢などで攻撃して,キャンプポイントまで連れてくる(FFXI内では“釣り”との呼び名が一般的)ときに使うマクロ。「/p」は,パーティチャットで発言するという意味。そして「/range」は,遠隔スロットに装備した武器を使用するというコマンドだ。
チャットによる情報伝達は,パーティプレイでの基本中の基本。例えば,何も言わずにモンスターを釣ってこられても,他のメンバーはびっくりしてしまうだろう。こういった情報を毎回タイピングするのは大変なので,マクロを使うのが一般的だ。
(2)「/target <bt>」
他のメンバーが釣ってきたモンスターを,ただちにターゲットするマクロがコレ。「<bt>」は,現在パーティが戦闘中のモンスター(=名前が赤く表示)を示す。例えば画面内に多くのモンスターがいるなど,マウスでのターゲットが難しいような状況でも,これを使えば一発でお目当ての敵をターゲットできるというわけだ。とくに,パーティ内で最初に「挑発」を行なうキャラクターはぜひ登録しておこう。
(3)「/ma ケアル <stpc>」
こちらは後衛ジョブ向けにオススメのマクロ。「<stpc>」とはサブターゲットの略で,使用すると現在ターゲットしているものとは別に,青いカーソルが一時的に表示される。そしてこのカーソルは,メイン用のターゲットとは別々に動かすことができる。例えば後衛ジョブのキャラクターが,モンスターを直接攻撃しながら味方にケアルができるというわけだ。
この系統のコマンドは全部で3種類ある。サブターゲットの対象がPCのみの「<stpc>」のほか,NPC全般(モンスターを含む)を対象とする「<stnpc>」,PC・NPCに関係なく対象とする「<st>」があるので,アビリティや呪文などの用途に応じて使い分けよう。
マクロに登録するほどではないが,感情表現用(エモート)のコマンドもついでにいくつか紹介しておこう。これらはジェスチャー付きで,タルタルなどに絶妙なタイミングで使われると「うっ」と来る人も多い。要注意だ(何に?)。
/wave | 手を振る |
/cheer | 応援する |
/clap | 拍手をする |
/bow | お辞儀をする |
/nod | 頷く |
/sigh | 落ち込む |
/sit | その場に座る |
「定型文辞書」とは,あらかじめ登録された言葉を選んでチャットをすることで,クライアント側の言語圏に応じた言葉へ置き換えて表示してくれる,自動翻訳にも似たシステムだ。チャット時にTABキーを押すことでこの機能を利用でき,定型文で選んだ文字は左右に緑と赤のカッコ付きで表示される。
例えば,我々日本人が定型文で【こんにちは。】と入力した場合,それは英語圏のクライアントでプレイしている人には【Hello!】,フランス語圏のプレイヤーには【Salute!】,ドイツ語圏のプレイヤーには【Hallo!】と表示される。結構色々な使い方ができるので,公式サイトの解説文にも一度目を通しておくとよいだろう。
http://www.playonline.com/ff11/guide/system/dictionary01.html
>【こんにちは。】【パーティ】【いりませんか?】
>【キャンプ】【どこですか?】
>【英語】【答えたいけど表現が分かりません。】
実際にはこのような感じで,複数の定型文を組み合わせて文章を作り上げることが多い。挨拶をはじめ一般会話や各種固有名詞など,かなり多くの言葉が定型文には登録されており,慣れればパーティプレイ時に必要な情報のやりとりくらいはこなせるようになるだろう。
FFXIでは常時,ワールドワイドでたくさんの人達が遊んでいる。そういったなか,定型文辞書を使ってくれる外国人プレイヤーというのは,少なくとも「他の言語圏のプレイヤー相手にも意思疎通を試みてくれる人」である。この点はくれぐれも忘れないでほしい。
ただ,FFXIを始めたばかりの初心者にとっては,慣れないパーティプレイに取り組むだけでも大変だろう。そのうえ定型文辞書も加わることで,人によっては少々ハードルが高く感じてしまうかもしれない。その結果,他言語圏のプレイヤーにトラウマを抱いてしまい,パーティプレイそのものを敬遠してしまう人が万が一にも出てしまうと,非常に残念だ。
なので最初のうちは,リーダーが日本人のパーティに限り参加するというのも,一つの手だろう。まずはパーティプレイでの基本的な動きが分かるようになってから,定型文辞書を用いて外国人プレイヤーとコミュニケーションを取るようにしても,決して遅くはない。
少々個人的な見解になるが,FFXIは日本生まれのMMORPGということもあり,ほかのタイトルよりも親日家の海外プレイヤーが多い傾向にあるように思える。また,ややこしい英文法などを覚えることなく,彼らとやりとりを行う手助けをしてくれる定型文辞書は素晴らしいシステムだと思う。今は初心者のプレイヤーも,いつかはこの機能を使いこなせるようになってほしいと願っている。
少人数のパーティで基礎を身につけたら,いよいよフルパーティに挑戦だ。大体レベルが15〜20前後で初めてのフルパーティを経験する人が多いかと思うが,そのとき最も多く利用されるエリアは,サンドリアとバストゥークの中間地点に位置する「バルクルム砂丘」である。現在ヴァナ・ディールの最前線でブイブイいわせているベテラン冒険者も,かつてはここで試行錯誤しながらパーティプレイを身につけてきたのだ。
ここではバルクルム砂丘の全体地図をもとに,要所要所を解説したうえで,注意点などを紹介していきたい。
参考までに,フルパーティの規模で戦うモンスターの大まかな目安はこのような感じである。気の利いたリーダーは,こういった情報をざっと事前に調べたうえで,メンバーのジョブ構成やキャンプポイントを決めるのである。結構ノウハウが必要なところなので,フルパーティではリーダーの指示を仰ぐのがよいだろう。
Lv13〜15前後:Sand Hare(ウサギ),Hill Lizard(トカゲ)
Lv15〜17前後:Brutal Sheep(羊),Snipper(カニ),Goblin系
Lv18〜20前後:Damselfly(トンボ),Beech Pugil(魚)
(※カッコ内はプレイヤー間の通称)
バルクルム砂丘で冒険する際に注意してほしい点がいくつかある。まず,このレベル帯では“戦闘不能”になった場合,復帰手段が乏しい。セルビナでジョブチェンジが行なえるので,運良くほかのメンバーから蘇生魔法を受けられることもあるが,毎回そうとは限らない。最悪の場合は,一度拠点に戻って再び走ってこなければならないだろう。なのでもし,チュートリアルの報酬で貰った“レイジングピアス”(リレイズの効果がある耳装備品)の使用回数が残っていたら,ここでの冒険時に使うのがよい。
この戦闘不能に関しては,バルクルム砂丘やセルビナに“ホームポイント”を設定するという手段もある。しかしその場合,今度は拠点へ戻るのに時間が掛かってしまい,また冒険者のシグネットの効果時間も短いため,あまり強くはおすすめできない。
ちなみにモンスターの強さに限っていえば,バルクルム砂丘とは別に,「ブブリム半島」というエリアもある。今回は冒険者が多く訪れるバルクルム砂丘を詳しく解説したが,メンバーさえ揃えば,ブブリム半島でも同様にキャンプなどが行なえる。ウィンダス出身の冒険者にとっては,こちらのほうが現実的かもしれない。
移動時に時間は掛かってしまうが,ウィンダス出身者が比較的安全にバルクルム砂丘を訪れる方法もないことはない。ブブリム半島の先にある拠点エリア「マウラ」と,セルビナの間には船の定期便が運航されているのだ。経験値稼ぎというよりは“旅”をするような感覚で,一度バルクルム砂丘を目指してみるのも悪くないだろう。もちろん,サンドリアやバストゥーク出身の冒険者が,船に乗ってブブリム半島へ遊びに行くのも悪くない。
バルクルム砂丘とブブリム半島は両方共海岸沿いのエリアだが,例えば陽の光が微妙に違っているなど,景観面の見どころがある。せっかくFFXIをプレイするからには,こういった細かいところも楽しんでもらいたい。
それでは今回はここまで。次回の連載では,冒険者の個性を大きく引き出してくれる「サポートジョブ」や,3国の冒険者が集結する都市国家「ジュノ」での冒険などについてレクチャーしていこう。
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