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Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円
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印刷2010/04/27 14:52

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Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円

 Creative Technology(以下,Creative)の日本法人であるクリエイティブメディアは,PCI Express x1版サウンドカードの新製品,「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD」(以下,X-Fi Titanium HD)を発表した。
 クリエイティブメディアの直販サイト「クリエイティブストア」における価格は1万9800円(税込)。発売は5月中旬が予定されている。

PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD。一部半透明のカバーに全体が覆われているようだ
画像集#002のサムネイル/Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円


カード型として初めてRCAアナログ入出力対応

OPAMPも交換可能に


画像集#003のサムネイル/Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円
 X-Fi Titanium HDは,サウンドチップ「X-Fi Xtreme Fidelity」を搭載する,PCI Express Sound Blaster Titanium(以下,X-Fi Titanium)シリーズの最上位に置かれる製品だ。「中高音域における音場のダイナミクスを劇的に改善する高級オーディオ用の高音質コンポーネント」(※リリースより原文ママ)を採用することにより,カードレベルのS/N比(※1)122dB,THD+N(※2)0.001%を実現するなど,アナログ品質の向上に最適化された設計になっているのが,最大の特徴である。

※1 Signal to Noise Ratioの略で,SNRとも書く。信号におけるノイズ成分の量を対数で示した値で,値が大きいほどノイズは少ないことを示す
※2 Total Harmonic Distortion plus Noise(全高調波歪率+ノイズ)の略で,音声信号たるサイン波に含まれる歪みと,(サイン波とは相関のない歪みである)ノイズを足したもの。音を歪ませる成分の合計で,割合は低いほどよいといった理解でかまわない

シールドカバーを外した外観。4基搭載されたOPAMPはすべてソケットタイプとなっており,自己責任での交換が可能になっている
画像集#004のサムネイル/Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円
 音質追求という目的のため,カード型のSound Blaster製品として初めて,入出力各2系統のモノラルRCA端子によるアナログ接続をサポートしたとされているのも,X-Fi Titanium HDにおける大きな特徴の一つだ。厳正を期せば,Creativeは1997年発売のISAバス接続サウンドカード「Sound Blaster AWE64 Gold PnP for DOS/V」で,モノラルRCA 2系統によるアナログ2chステレオ出力を実現していたので,RCAアナログ出力に史上初対応,というわけではないが,少なくともEAX 3.0対応製品以降で入出力とも対応したのは初めてと言い切っていいだろう。

 なお,RCA入力はS/N比が118dB,THD+N 0.001%とのこと。合わせて,ミニピン端子のヘッドフォン出力とマイク入力も用意されているので,これまで使ってきたアナログ接続ヘッドセットは問題なく利用できる。サウンドカード上で再生中のサウンドと,ライン&マイク入力をステレオミックスすることもできるので,いわゆる“実況”も問題なく可能だ。

 また,OPAMP(オペアンプ)がソケットタイプになっており,ユーザーの手による交換が可能になっているのも,筆者が記憶している限り,PCI以降のSound Blasterでは初めてだ。なお,写真を見る限り,アナログ1系統ずつ一つのOPAMPが用意されているようだが,断言まではできない。


THX×Creativeの独自技術「THX TruStudio PC」対応

ゲーム用途は従来どおりCMSS-3Dで


 サラウンド出力周りではまず,複数のミニピン端子によるアナログサラウンド7.1ch出力が廃されたのが目を引く。アナログでは,前述したRCAステレオとヘッドフォン端子しか用意されないわけだが,そんなX-Fi Titanium HD上でアナログのサラウンドサウンドを利用すべく,「THX TruStudio PC」技術を採用してきたのが,Creative独自の「X-Fi CMSS-3D」技術を一貫して採用してきたX-Fi Titanium従来製品に対する,X-Fi Titanium HDの大きな拡張だ。

THX TruStudio PCのユーザーインタフェース。ぱっと見,従来のX-Fi Titaniumシリーズから変化はない印象だが,シンプルになっているような雰囲気もなくはない
画像集#005のサムネイル/Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円
 THX TruStudio PCは,総合的なサウンド品質検証会社として知られ,映画館やAV機器の認証プログラムでもお馴染みである米THXの「THX TruStudio」をベースにしたもの。「THX TruStudio Software」によって導入される下記の機能によって,PCをTHX準拠のサウンド環境にするというブランドビジネスだという解釈でOKだ。
 THXとCreativeのコラボレーションによってPCへもたらされる本技術は,これまで主に,CreativeのOEM部門が管轄しており,実際,OEMとなるノートPCメーカーやマザーボードメーカーで基本的には採用されてきた。その意味で,X-Fi Titanium HDが,THX TruStudio PCを採用したというのは,ちょっとしたニュースだといえるだろう(※THX TruStudio PC自体は,直販限定となる「World of Warcraft」推奨ヘッドセット「Sound Blaster World of Warcraft Headset」で採用されているため,Creativeの自社製品初採用,というわけではない)。

 なお,TXH TruStudio PCによって,X-Fi Titanium HDで実現される機能は下記の5項目。「Crystalizer」あたりでピンときた人もいると思うが,基本的には,X-Fi CMSS-3Dをベースに,映画鑑賞に最適化を行ってきたものという理解でよさそうだ。

  • THX TruStudio PC Surround:2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットでバーチャルサラウンド表現を可能にするもの
  • THX TruStudio PC Crystalizer:非可逆圧縮されたサウンドデータの補正を行い,圧縮によって失われた周波数帯域やダイナミックレンジの復活を図るもの
  • THX TruStudio PC Speaker:2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットで,これら機器が苦手とする低域の厚みを加えるもの
  • THX TruStudio PC Dialog Plus:映画における会話パートの出力レベルを引き上げ,(ノートPCの内蔵スピーカーシステムなどで)会話パートが効果音やBGMに紛れて聞き取りにくいという問題を解決するもの
  • THX TruStudio PC Smart Volume:録音レベルの異なる複数のサウンドデータを再生するとき,自動的に出力レベルを一定に調整する,いわゆるスマートボリューム機能を提供するもの

 Sound Blaster X-Fiシリーズで,動作モードを「Entertainment」「Game」「Audio Creation」の三つから選択できることを憶えている人も多いと思われるが,映画鑑賞用という位置づけからも想像できるように,THX TruStudio PCはEntertainmentモード向けの技術。Gameモードの選択時には,従来のSound Blaster X-Fiシリーズ同様,X-Fi CMSS-3D技術を利用できるという。

 また,一見するとデジタル入出力端子を用意していない印象のX-Fi Titanium HDだが,実は左RCA入力端子が光デジタル入力,右が同出力端子として利用できるようになっており,「Dolby Digital Live」もしくは「DTS Connect」プログラム準拠のマルチチャネルビットストリーム出力を行えるようになっている。つまりサラウンドサウンド環境は,アナログ出力時だとバーチャル,デジタル出力時だと外部AVレシーバ(≒AVアンプ)を組み合わせたリアル(もしくはバーチャル)がサポートされるというわけだ。

外部インタフェースの接続イメージ
画像集#006のサムネイル/Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円

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 ……他社が一通り実装し終えた各種ギミック&機能へ,ようやくCreativeも追いついたといったところで,目新しさはとくにないX-Fi Titanium HD。だが,これまでCreativeのハイエンドモデルというと,特定のユーザー以外,必要としない周辺機器が付属し,価格が跳ね上がっていたケースが大多数だっただけに,フラグシップモデルが2万円程度と,現実的な価格に落ち着いている点は評価できそうだ。
 大型連休明けの販売開始となるはずなので,気になる人は予算の確保をお忘れなく。


●PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HDの主なスペック
  • 接続インタフェース:PCI Express x1
  • サウンドチップ:Creative製「X-Fi Xtreme Fidelity」
  • 公称出力S/N比:フロントチャネル122dB ,ヘッドホン117dB(インピーダンス330Ωのヘッドホン接続時)
  • キャッシュメモリ:搭載(※容量未公開)
  • アナログ出力:最大24bit/192kHz 2ch(※HD Audio対応のPCケース前面端子向けコネクタ搭載)
  • アナログ出力インタフェース:RCA×2,ミニピン×1(※ミニピンはヘッドフォン用)
  • アナログ入力:24bit/96kHz 2ch
  • アナログ入力インタフェース:RCA×2(ライン×1),ミニピン×1(※ミニピンはモノラルマイク用)
  • デジタル出力:光角形(アナログ入力 右チャネルと排他利用)
  • デジタル入力:光角形(アナログ入力 左チャネルと排他利用)
  • デジタルマルチチャネルビットストリーム出力:対応(Dolby Digital Live,DTS Connect)
  • APIサポート:DirectSound,DirectSound 3D,EAX 1.0/2.0,EAX ADVANCED HD 3.0/4.0/5.0,OpenAL
  • 対応OS:32/64bit版Windows Vista&7
  • 直販価格:1万9800円(税込)
  • 関連タイトル:

    Sound Blaster

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