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ペンキ塗りや人質救出など,ビデオゲーム気分で遊べる液晶ダーツボード「Pixeldarts」のKickstarterキャンペーンを展開中。プログラムで新たなルール開発も可能
「Pixeldarts」は,シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 4 Model B」を内蔵したプログラマブルなダーツボードで,ビデオゲーム的なインタラクティブ性を持っていることが特徴だ。
Kickstarter「Pixeldarts」キャンペーンページ
「Pixeldarts」はデジタルなダーツのほか,人質救出や爆弾の解除,ペンキ塗りなど,さまざまなルールを切り替えて,8〜16ビット時代を思わせるドット絵の画面でプレイできるというもの。
ダーツのマトになるのは,解像度128×128 ピクセルの液晶ディスプレイで,チップ内蔵の専用ダーツがヒットすると,当たった座標を正確に認識する能力を持っている。Raspberry Pi 4 Model Bを内蔵しているので,ビデオゲームのようなインタラクティブ性と映像表現とダーツを組み合わせたプレイを楽しめる。
キャンペーンページによれば,「Splash」は,ダーツが当たった場所に自分の色のペンキが塗られ,より大きな面積を確保したプレイヤーが勝つモードだ。「Hostage Rescue(人質救出)」モードでは,画面上のギャングにヒットさせるとバタリと倒れる。また,「Bomb Defusal(爆弾解除)」では,爆弾から伸びる導火線にダーツを当てて火を消すというもので,導火線は毎回,ランダムで生成される。そして,「Mini Golf Challenge」モードではダーツでボールの方向を決めてホールインを目指す……といった具合だ。
開発元である香港Chessnutは2025年6月の製品発送までに10種類のモードを準備し,その後も毎年,5〜10の新モードを実装するとしている。また,APIをオープンしたうえでインセンティブプログラムを用意することで,開発者の参入を促進するとのことだ。
専用ダーツは,玩具銃「ナーフ」シリーズで使われているダーツとも互換性があり,こちらを使ってガンシューティングのようにプレイすることも可能だ。専用ダーツは「シャフト」(手で持つ「バレル」と後部の羽根「フライト」を連結する部分)とフライトをカスタマイズできる構造で,先端はゲームの性質に合わせて「液晶ディスプレイにくっつき続けるもの」と「1〜3秒すると自然に離れるもの」を選べるとのこと。
また,ダーツのチップでプレイヤーを区別できるので,順番に縛られないプレイもできるという。
ゲームをしていないときは,壁掛け液晶ディスプレイとしても使え,スマートフォンアプリと連携し,時計や天気予報,スポーツの途中経過など,さまざまなウィジェットや,ChatGPTとの対話で生成したGIFアニメーションも表示可能。仮想マシン「PICO-8」を動かすこともでき,コントローラを接続してPICO-8用のゲームをプレイできる。
ダーツ機能のないディスプレイ特化型「Pixelboard」も用意され,サイズは「Pixeldarts」が幅440mm×高さ600mm×厚さ40mm,「Pixelboard」は幅360mm×高さ360mm×厚さ30mmとなっている。
プレッジは1709香港ドル(約3万3000円)で「Pixeldarts」,3899香港ドル(約7万5000円)で「Pixelboard」とのセットが手に入る。世界各地への発送が可能とされているので,日本から支援することもできるようだ。ただし,日本語に対応するかどうかは明記されていない。
ちなみに先日の「アミューズメント エキスポ 2024」では,映像を投射したマトに通常のダーツを投げる「ARダーツ」が発表されていた(関連記事)。「ARダーツ」もルールの切り替えや映像表現をウリにしているが,「Pixeldarts」とはアプローチが異なるところが興味深い。
ダーツとゲーム技術の組み合わせが同時多発的に試みられているわけで,ダーツファンとビデオゲームファンの双方にとって面白い取り組みといえそうだ。
Kickstarter「Pixeldarts」キャンペーンページ
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