宮本 茂氏の新入社員向け講義や開発費増加問題などについて言及。任天堂，2025年3月期 第2四半期決算説明会の質疑応答資料を公開

　任天堂は2024年11月6日，2025年3月期 第2四半期決算説明会/経営方針説明会 質疑応答（要旨）を公開した。


　質疑応答では，Nitendo Switch後継機種や開発費，Nintendo Musicについての質問が寄せられた。
　
　最新ハードやサービスなどに質問が集まる中で，見落とせないのがゲーム業界における開発費の増加問題だ。代表取締役フェローの宮本 茂氏によると，任天堂の研究開発費は年々増加しているという。実際に開発規模は大きくなっており，それに伴って費用が増えていくのは避けられない側面になっている。任天堂は開発費の大小よりも何を作るかに重きを置いているとした。
　
　全体の開発費は増加しているが，今までと大きく変わらないものもあり，費用の増加を抑えるさまざまな手段が生まれているという。開発者が効率的にゲーム開発を進められる環境の用意や投資が，重要な取り組みであるとしている。
　
　また，宮本氏が毎年新入社員向けに行っている講義について，講義の内容や，同氏のクリエイティブな考え方が社内でうまく継承されているのか質問された。

　質問者は「外から見た印象では、宮本さんは天才だからヒットを生み出し続けているように感じる。」と発言したが，宮本氏は「100〜200名程度の新入社員や中途入社の社員に向けた毎年の講義の後で、『宮本さんはどんな人かと思っていたら、意外と普通の人で安心しました。』という感想をよく聞きますので、私は結構普通な人なのだと思います。」と否定した。
　
　講義は2時間ほどのもので，任天堂の歴史，任天堂がゲーム作りにおいて強みにしていること・大事にしていること，ゲームデザインとは何かを伝える3部構成になっているという。
　
　ゲーム作りにおいては，それぞれのプロデューサーが，宮本氏からいろいろな話を聞いたり，一緒にゲームを作ったりする中で，その考えを咀嚼し，それぞれ特徴のあるゲームを作っていく。プロデューサーと共に開発している人たちにも同じように考えが受け継がれているとのことだ。
　
　このほか，Nintendo Switchの後継機種独自の魅力をどのように伝えていくか，Nintendo Switch Onlineの目指す方向性はどうなるかなどについて質問が寄せられた。
　
　詳細は任天堂公式サイトの株主・投資者向け情報で公開されている資料で確認してほしい。

任天堂　2025年3月期 第2四半期決算説明会/経営方針説明会 質疑応答（要旨）※PDF