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ゲームボーイのカートリッジや,しゃべるぬいぐるみなど。ユニークなメディアで名曲がよみがえる。ロックバンドのグリーン・デイが「Dookie Demastered」発表
「Dookie Demastered」公式サイト
グリーン・デイは1987年に結成され,2015年には「ロックの殿堂」入りも果たした人気のパンクロックバンドだ。1994年にリリースされた「Dookie」はグリーン・デイがメジャーデビューを飾ったサードアルバムで,今年,発売30周年を迎えた。
通常,既存アルバムを再販する際,リメイクやリマスターが行われることが多いが,この「Dookie Demastered」は“リ”マスターではなく“デ”マスター(Demastered)を謳っていることが特徴だ。1曲ごとに異なるメディアが用意されているが,そのセレクションが面白い。
1900年代初頭,自動ピアノで使われていたピアノロール(巻紙)や,レトロな蓄音機で使われていた蝋管(蝋をしみこませた筒に溝を掘って音を記録したもの),さらにオルゴール,フロッピーディスク,MD,マニアックすぎる「肋骨レコード」(1940年代のソ連で,使用済みのレントゲン写真をレコードとして再利用したもの)など,音楽再生の歴史を遡るアカデミックな企画のように思える。
とはいえ,しゃべるぬいぐるみ,ドアベル,骨伝導スピーカーを内蔵した歯ブラシ,留守番電話,魚の壁掛けが歌うジョークグッズなど,音が出て面白いものなら何でもOKといわんばかりのラインナップ。つまり,音源をデジタル化したりするリマスターではなく,より古いメディアに移し替えるでマスターというわけだ。
公式サイトには「不忠実な複製により,オリジナルに精通している人は,実存的な不安を経験するかもしれません」「低忠実度オーディオにより,愛好家は長時間のリスニングで怒りと吐き気を覚えることがあるかもしれません」という注意書きもあり,単なるジョークにとどまらない凝り方がすごい。
ゲーマー的に注目すべきは,フロッピーディスクとゲームボーイのカートリッジだろう。フロッピーディスクには懐かしいRealAudio形式で「ハヴィング・ア・ブラスト(Having a Blast)」と歌詞のテキストファイルが収められている。また,ゲームボーイのカートリッジでは実機で「ウェルカム・トゥ・パラダイス(Welcome To Paradise)」の8ビットバージョンを聴けるという。
公式サイトには「レコードを探して,お気に入りの曲の8ビットバージョンを探し,親指が痛くなるまで聞いてから再度プレイしてください」とあり,スクリーンショットを見る限り,ちょっとしたゲーム仕立てになっている様子だ。
15曲はそれぞれ異なるメディアに入っており,抽選販売が行われる。販売数は曲によって異なるとのこと。
リマスターとして音質を上げるのではなく,デマスターとしてメディアを変えるというユニークなアプローチだが,フロッピーディスクやゲームボーイのカートリッジが選ばれたのは,ゲーマーにとって興味深い事例といえそうだ。
1:「Burnout」ピアノロール 49ドル(約7300円)
2:「Having A Blast」フロッピーディスク 19ドル(約2800円)
3:「Chump」Teddy Ruxpin(喋るぬいぐるみ) 99ドル(約1万4000円)
4:「Longview」ドアベル 49ドル(約7300円)
5:「Welcome to Paradise」ゲームボーイのカートリッジ 39ドル(約5800円)
6:「Pulling Teeth」歯ブラシ 49ドル(約7300円)
7:「Basket Case」Big Mouth Billie Bass(バスが喋るジョークグッズ) 79ドル(約1万1000円)
8:「She」HitClip(2000年代に使われたカートリッジ) 29ドル(約4300円)
9:「Sassafras Roots」8トラック 19ドル(約2800円)
10:「When I Come Around」蝋管 49ドル(約7300円)
11:「Coming Clean」肋骨レコード 49ドル(約7300円)
12:「Emenius Sleepus」留守番電話49ドル(約7300円)
13:「In The End」MD 19ドル(約2800円)
14:「F.O.D.」フィッシャープライスのオルゴール用レコード 29ドル(約4300円)
15:「All By Myself」オルゴール 19ドル(約2800円)
「Dookie Demastered」公式サイト
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