紹介記事
「ゼルダの伝説 TotK」と「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」の開発秘話も。無料で視聴できるGDC 2024の講演動画をピックアップ
GDCでは例年,Webサイト「GDC Vault」にてその年実施された講演の動画やスライド資料のアーカイブ公開を行っている。GDC 2024も4月12日にセッションの動画や資料が公開され,その一部が無料で閲覧可能だ。
5月22日のGDCオフィシャルX(@Official_GDC)でもあらためて伝えられたとおり,同サイトでは任天堂による「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」のセッション「Tunes of the Kingdom: Evolving Physics and Sounds for 'The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom'」のアーカイブが無料公開されている。
GDC Vault「Tunes of the Kingdom: Evolving Physics and Sounds for 'The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom'」
GDC 2024の目玉のひとつだった同セッションでは,テクニカルディレクターの堂田卓宏氏,リードフィジックスプログラマーの高山貴裕氏,リードサウンドエンジニアの長田潤也氏が登壇。拡張されたハイラルの冒険世界に向けた物理ベースのゲームプレイとサウンドデザインの進化をテーマとした講演を行っている。4Gamerでは現地からの聴講レポートを掲載しているので,動画と合わせてチェックしてほしい。
[GDC 2024]「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の自由な遊びは,現実的な物理のルールで世界ができていたからだった
GDC 2024で行われた任天堂のセッション「Tunes of the Kingdom: Evolving Physics and Sounds for 'The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom'」のレポートをお届けしよう。「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」のゲームプレイとサウンドデザインはどのように作られたのだろうか。
[GDC 2024]人を思いやる気持ちが新たな遊びと驚きを生む。「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」の講演で語られた2Dマリオの魅力と進化
GDC 2024にて行われた「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」のセッションをレポートする。2Dマリオ11年ぶりの最新作は,クラシックなスタイルに影響を受けながら新たな遊びと驚きに向き合うことで誕生した。それを成功に導いたのは,人を思いやる気持ちを持って挑んだチームでのゲーム開発だ。
ほかにもたくさん公開されていますよ。GDC 2024の講演動画は
こちらの取材記事一覧のとおり,現地で多くセッションをカバーした4Gamerですが,しかし現地取材班4人対730では多勢に無勢。またセッションのほかにインタビューや新技術の発表,展示エリアなどの取材もあり,現地取材を担当していると「こっちも面白そうなんだけどなあ」「仕事としてはこっちだけど,個人的にはあっちの話が聞きたいな……」と後ろ髪を引かれる思いで移動するなんてこともよくあります。
4Gamer「GDC 2024」掲載記事一覧
そんな現地参加者にとっても大変ありがたいのが,GDC Vaultのアーカイブ動画。基本的に現地参加者やサブスクリプション会員(年間649ドル)向けの有料コンテンツですが,その一部……というかけっこうな数の講演ムービー(もしくはスライド資料)が無料で公開されています。
講演は日本語字幕を表示できるので,“現地参加には英語が必須”というハードルがなく,現地の雰囲気を感じながらゲームにまつわるさまざまな学びを得ることができます。
なお,ここで紹介するのはほんの一部。サイトにはまだまだ多くのセッションがあるので,さらに興味がわいた人はご自身で掘り起こしたり,サブスクリプション会員への入会を検討したりしてもいいでしょう。
GDC Vault
※以下,無料公開されているセッションの情報は2024年5月31日17:00時点のものです
日本のゲーム開発者/スピーカーが登壇したセッション
なお「FINAL FANTASY XVI」のセッションは,4Gamerにて聴講レポートを掲載しています。
[GDC 2024]「FINAL FANTASY XVI」映像制作の裏側に迫る。開発チームがかけた映像の魔法
「FINAL FANTASY XVI」のハイクオリティな映像制作の裏側に迫る講演「FINAL FANTASY XVI: Wrangling Complexity to Deliver Top-Quality」が,「Game Developers Conference 2024」で行われた。スクウェア・エニックスの岩渕栄太郎氏によって語られた講演の内容をレポートしよう。
AAA,インディー,カジュアルゲームにクラシック。2023年の話題作や往年の名作のセッション
GDC Vaultではそのほとんどが有料公開ですが,「'Baldur's Gate 3': A Fireside Chat (Presented by Dolby Laboratories)」や「Larian Cinematics: A Top-Down Look at Our Bottom-Up Approach in 'Baldur's Gate 3'」といったセッションが無料で視聴できます。
[GDC 2024]4人でスタートした「Baldur's Gate 3」のシネマチック・アニメーション制作。大事なのは,チームの人間的な側面を見失わないこと
2023年を席巻した「Baldur's Gate 3」は,GDC 2024でも注目のタイトルだ。会期中にいくつかのセッションが予定されており,初日に実施されたセッションでも長い列が形成されていた。その中から,シネマチック・アニメーション制作をテーマとしたセッションのレポートをお届けしよう。
[GDC 2024]「バルダーズ・ゲート3」のプロモーションでTikTokを運用。わずか1年あまりで27万フォロワーを獲得した秘訣とは
Larian Studiosは,「Baldur's Gate 3」の発売に合わせたプロモーション施策でTikTokの運用を行い,わずか1年で27万フォロワーを獲得するという結果を出した。果たして,いったい何を仕掛けたのだろうか。同社のCreative Content ManagerであるBen Maltz-Jones氏によって,その秘密が語られた。
ちなみに,大型拡張パック「仮初めの自由」が好評の「サイバーパンク2077」も「Baldur's Gate 3」と同じく多くのセッションが行われていたのですが,GDC Vaultでの無料公開は資料のみでした。4Gamerでは下記のふたつの聴講レポートを掲載しているので,ぜひこちらをどうぞ。
[GDC 2024]「サイバーパンク 2077」大型拡張パック「仮初めの自由」で追求されたインタラクティブ・シネマティックスという“自由”
現在開催中のGDC 2024初日のNarrative Designサミットにおいて,CD Projekt REDでシネマティックデザイナーを務めるカイェタン・カスプロウィッチ氏が登壇し,「サイバーパンク 2077」の大型拡張パック「仮初めの自由」で追求された,インタラクティブ・シネマティックスというコンセプトを解説した。
[GDC 2024]「サイバーパンク2077」の街づくりは現実の都市計画と変わらない。“生きている街”ナイトシティはいかにして作られたのか
「サイバーパンク2077」が好評を得ている部分の一つとして忘れてはならないのが,まるで現実のような“生きている街”を感じさせるナイトシティだろう。同作の街づくりは,どのように進められたのか。GDC 2024で行われた2つのセッションを紹介する。
[GDC 2024]インドの家庭料理の音を,懐かしさとともにリアルに再現。「Venba」の制作で行われた“ゲームが表現する文化”に忠実なサウンドアプローチ
GDC 2024で行われた,「Venba」のサウンドをテーマとした講演「Independent Games Summit: 'Venba': An Intimate Journey Through Sound」の内容をお届けしたい。IGFとGDC Awards,共に受賞を果たしたVenbaの心に残るサウンドは,どのようにして作り上げられたのだろうか。
[GDC 2024]「Venba」がたどり着いた,いい感じの妥協。開発者が語る制作秘話
Visai Gamesが2023年7月31日にリリースした「Venba」のポストモーテム(事後検証)講演「Good Enough is Better than Good: A Postmortem of 'Venba'」がGDC 2024で行われた。登壇者は,本作のゲームデザインとシナリオを担当したVisai GamesがのAbhi氏だ。
世界のゲーム事情やクリエイターの働き方,プレイヤーに向けた考え方のセッション
リモートワークにおけるメンタルヘルスがテーマの「Remotely Possible: Mental Health and Your Work from Home Space」は,ゲームに関わる仕事ではなくても参考になることがありそうです。
そして,個人的に一番興味を惹かれたのが「Age-Friendly Design for the 50+ Gamer」。直訳すると「50歳以上のゲーマーに優しいデザイン」というセッションです。
こういった調査や研究がテーマのものは,スピーカーの考え方がしっくりこなかったり,説明がピンとこなかったりすることも少なくないですが,人それぞれにいろいろな考え方があることをあらためて知る良い機会になります。
正しいかどうかを判断するのではなく,自分自身の考え方を広げたり深めたりする目的で聴講すると,その時間はさらに有意義なものとなるのではないでしょうか。
GDC Vault
GDC(Game Developers Conference)公式サイト
4Gamer「GDC 2024」掲載記事一覧
- 関連タイトル:
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
- 関連タイトル:
スーパーマリオブラザーズ ワンダー
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(C)Nintendo
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