インタビュー
[インタビュー]インディーゲーム開発者支援プログラム「iGi indie Game incubator」のキーパーソンが語る,第3期までの成果を踏まえた第4期の展望
今回,4GamerではiGiのプログラムマネージャーを務める知念さおり氏(マーベラス)と,アドバイザーの佐藤 翔氏(ルーディムス),そして一條貴彰氏(ヘッドハイ)にインタビューを行い,これまでの成果と第4期への展望を聞いた。
「iGi indie Game incubator」公式サイト
ゲーム産業におけるiGiの役割への理解が進んだ第3期
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずはiGiにおける皆さんの役割を教えてもらえますか。
知念さおり氏(以下,知念氏):
第3期からiGiのプログラムマネージャーに就任した知念です。約10年前,マーベラスに入社して,ブラウザゲームの企画を担当の後,主に人事部で採用教育のマネージャーを務めていました。iGiには1期の終盤よりジョインをしています。
佐藤 翔氏(以下,佐藤氏):
iGi事務局長という肩書きでアドバイザーをしている佐藤です。私が代表を務めるルーディムスは,海外のゲーム産業の調査などを10年近くやってきましたので,その知見を生かし,海外のゲームパブリッシャや関連団体とのつながり作りを中心にiGiの活動をお手伝いしています。
一條貴彰氏(以下,一條氏):
同じくiGiのアドバイザーを務めている,ヘッドハイの一條です。佐藤さんが海外のつながりをメインに活動しているのに対して,私は国内のゲーム開発者様やステークホルダーと言われるプラットフォーマー様やパブリッシャー様とのつながり作りを担当しています。私自身が約10年前からインディーゲーム開発者として活動しており,Steamやコンシューマ機向けにゲームをリリースしているので,自身の経験をベースにiGiのプログラムが実際にゲームを作っている日本の開発者にフィットするものになるよう努めています。
4Gamer:
それではiGiの第3期を振り返って,トピックや手応えなどを教えてください。
知念氏:
まず第3期は,応募数が過去最多となりました。実は第2期では,参加したチームごとに開発費を支援する施策を打ったのですが,それは本来インキュベーションのやるべきことではないということで,第3期では止めてしまったんです。そのため第3期は応募数が減るだろうと予想していたのですが,フタを開けてみれば過去最多の応募数になり,お金ではないところにiGiの価値があるということが浸透してきた手応えを感じています。
また,産学官連携企画として大阪電気通信大学様とのコラボを実施したり,3期生に対して1チームあたり415時間のサポートを行ったりしてきました。
4Gamer:
協力企業・団体も,第2期の13社2団体から増えましたよね。
知念氏:
第3期は16社2団体でした。なお第4期は19社3団体となっており,しかも先方からサポートを申し出ていただけた企業さまもあり,こちらも非常にいい形でiGiの価値をご理解いただけている感触を得ています。
4Gamer:
各イベントへの出展状況はいかがでしょう。
数字で言うと,2023年のBitSummitおよび東京ゲームショウのブース訪問者数が約1万6000人で,出展したゲームの試遊回数が約1700回となりました。。
またBitSummitでは,3期生のトロヤマイバッテリーズフライドさんの「Death the Guitar」が朱色賞<大賞>に選出され,2022年に1期生のネオトロさんが「NeverAwake」で選出されたことに続いて,iGi参加チームが2年連続受賞を記録しました。
さらに言うと,3期生のhayatoskieさんの「KALEIDOLA」が朱色賞<大賞>に,2期生のDOUKUTSU PENGUIN CLUBさんの「断崖のカルム」がビジュアルデザイン最優秀賞に,それぞれノミネートされました。
ほかにも東京ゲームショウの「センス・オブ・ワンダー ナイト2023」に,iGiの運営陣が審査員として参加しました。加えて,2023年10月に開催した第3期のDemodayには,33社のパブリッシャ様にご来場いただきました。
4Gamer:
リアルなイベントの場でもiGiの存在感が増してきたということですね。
知念氏:
はい。さらに2023年に注力したところでは,集英社様のゲームクリエイターズCAMPや講談社様のゲームクリエイターズラボ,そして神戸市様と一緒にイベントを開催したり,ゲームクリエイターズCAMP様主催のイベントにiGiが参加したりと,いろいろなコラボを展開しました。こちらは日本のインディーゲーム開発者の活動全体を盛り上げる,有益なサポートになったのではないかと捉えています。
また,新しい試みとして,佐藤さんのご尽力により海外パブリッシャを対象とした
iGiタイトルの紹介イベントも開催しました。日程が東京ゲームショウの翌日だったにもかかわらず,世界各地から10社様にご参加いただき,盛況なイベントとなりました。
そのほか,iGiの卒業生が3期合計で16チームとなり,数が多くなってきたことからiGi単独の展示会を行ったところ,けっこうな来場者数を記録しました。あとはコロナ禍が明けたことに伴い,iGiのオフライン説明会や現役参加者と卒業生の懇談会など,実際に顔を合わせるということも意識した1年でした。
一條氏:
iGiの立ち上げ時期が,コロナ禍に突入して社会が大混乱していたときだったんですよね。でも第3期は,オープニングの段階から3期生同士で顔合わせができたり,イベントを通じてほかの開発者さん達とオフラインで交流できたりしたので,開発者さんのなかでiGiが何をやっているプロジェクトなのかの認知度が上がったと捉えています。
とくに知念さんもおっしゃっていたように,ゲーム業界内の認知が高まりました。iGiが日本で最初にスタートしたインディーゲーム開発者向けインキューベーションプログラムという観点からすると,ゲームの販売コンテストを運営している,集英社様のゲームクリエイターズCAMPや講談社様のゲームクリエイターズラボ,そして行政の神戸市様とコラボして一緒にイベントをやったことが,個人的にはかなりエポックメイキングだったと捉えています。
と言うのも,かつてはゲーム産業の方や開発者さん,インディーゲーム会社さんから,iGiも「ゲーム販売コンテスト」と同じようなものだと思われがちだったんです。でも実際はそうではなく,iGiはあくまで開発者様が開発するコンテンツのブラッシュアップやビジネス的知見の強化などを通じて,集英社様や講談社様を含む,世界中のゲームパブリッシャ様につないでいくというプログラムなんです。今回,一緒にイベントを開催したことで,ゲーム産業におけるiGiの立ち位置がより分かりやすくなったのではないでしょうか。
4Gamer:
これまで以上にiGiの立ち位置を明確にできたということですね。
そのほか,第3期で印象に残っていることはありますか。
一條氏:
iGiのゲーム産業内での役割として,日本でインディーゲームのピッチイベントを開催するというものがあります。そこにプラットフォーマー様やパブリッシャ様などゲーム産業のステークホルダーの皆さんをご招待するのですが,その場がそれぞれの立場の垣根を越えた,ある種の交流の場になっていたのが良かったですね。繰り返しですが,iGiはゲームの販売をしないので,現在インディー向けに支援活動を実施している各社様のプロジェクトと競合しません。iGiのピッチイベントに来ると半年間鍛練を積んだ5チームの発表が見られるうえに,さまざまな立場のステークホルダーの皆さんと交流できる。そういった認知がゲーム産業内で広まったことが,非常に大きなトピックだったと思いますね。
また,インディーゲーム開発者様にも,iGiがどういった立ち位置にあるか深く理解していただけるようになったとも感じています。以前は「ゲームを販売してくれるのか」「お金を出してくれるのか」みたいな感じだったんですが,今は「ピッチイベントの動画を見て,支援内容に興味があります」「iGi卒業生の知り合いです」といった反応が増え,iGiの提供するものが伝わりやすくなったという手応えを感じました。そうした状況になったのは,当時学生だった方からベテランの方まで,もう16チームの卒業生がゲーム産業で活躍しており,iGiで何が学べるのか,何が大変だったのかなどを発信してくださっているからだと捉えています。
知念氏:
一條さんが実行委員を担当されたIndie Developers Conference 2023のセッションに1期生の方が登壇してiGiについて話したり,3期生のコタケクリエイトさんが,別途ご自身で開発された「8番出口」のスペシャルサンクスに3期生全員と英訳を手伝ったインターンの学生の名前を載せたりと,プログラム外での皆さんの活動にiGiの存在が反映されたり,培った絆を活用してくださったりしていると感じますね。
4Gamer:
iGiが採択したコタケクリエイトのゲームは,「Strange Shadow」ですよね。
一條氏:
はい,iGiとして直接支援したのは「Strange Shadow」で,「8番出口」はそのあとにリリースされたタイトルです。応募時に開発しているゲームのブラッシュアップ支援は,iGiの機能の1つです。ただ,iGiが重視しているポイントは,「ゲームタイトル1本だけではなく,開発者や開発チームそのものに対して知見を提供する」ことにあります。これを私はよく「情報の筋肉を付ける」と例えています。つまりiGiは,「これからゲーム開発者としてさまざまなコンテンツを世に送り出していくにあたって,ずっと使える知見を提供していく」わけなんです。その観点からすると,開発者様が応募時のゲームを開発するときだけでなく,その先で活躍してることは,すごく喜ばしいことです。実際,卒業生の中には,iGiに応募した当時のゲームをリリースし,すでに次のゲームの開発に取り組んでいる方もいらっしゃいます。そういう方々の活躍の一助になれているのは本当にうれしいですね。
4Gamer:
佐藤さんはいかがでしょう。
佐藤氏:
おふたりのおっしゃるとおり,第1期と比較すると第3期は国内外のさまざまなイベントでiGiの存在感が増してきたと感じています。とくに国内のインディーゲーム関連のイベントでは,16チームの卒業生のうち誰かしらがいることが多いので,アルムナイ(卒業生)にとっては居場所があって安心して参加できるようになったかなと思っています。
また国外では,CiGA(中国インディーゲーム連盟)が主催・運営する中国最大のインディーゲームイベント「WEPLAY」に,私どものメンターである高橋玲於奈さんのご協力により,共同出展的な形でiGiの出展をしました。
私も直接会場に行き,いくつかのパブリッシャ様とお話をしたのですが,先方は最初「日本人か」みたいな反応なんですけれども,iGiだと分かると「知ってるよ」とゲームの名前を挙げるんです。挙げるゲームの名前は人によって違うんですけれども,数多くの中国のパブリッシャ様がiGiをご存じでした。その事実に非常に驚くとともに,やって来てよかったなと思いましたね。
4Gamer:
海外での認知度が高まっている手応えを感じられたんですね。
佐藤氏:
ええ。Demodayにオンラインで参加していただいたり,ビルドを触っていただいたりした方達を合わせると,ヨーロッパ,アメリカ,中国,韓国といった地域の計100社前後のパブリッシャ様がiGiに注目してくださっています。「新タイトルが出るなら知らせてほしい」といったリクエストもたくさんいただいているので,「国内外のパブリッシャとつないで,インディーゲーム開発者様がより活躍しやすくなる環境を整備する」という意味では,かなり成果が出てきていると捉えています。
一條氏:
私達にとっては,iGiの知名度が上がって私達が嬉しいということではなく,「iGiの知名度が国内外で上がる」=「iGiが提供する開発者様とパブリッシャ様をつなげる機能が,より強力になった」ということなんですね。
また卒業生も,半年間のプログラムが終わってすぐ「さよなら」ではなく,今もずっとつながりがあって,いろいろなやり取りをしています。
参加する開発者の年齢やバックグラウンドはさまざま
4Gamer:
ところで,これまでiGiに参加した開発者の年齢層はどのくらいなのでしょうか。
知念氏:
平均を取ると,30代前半くらいです。なぜ平均かと言うと下は18〜23歳のいわゆる学生さん,上は40歳前後の方まで幅広い層が応募してくださるんです。その中で一番多いのは,26〜35歳の方々なんですね。
4Gamer:
それはずっと変わらないのでしょうか。
一條氏:
そうですね。学生さんの応募が多い年と少ない年があるくらいでしょうか。ただ,年齢が審査に影響することはありません。
知念氏:
第2期の参加チームには,専門学校の講師の方はいますがいわゆる学生はいないんですよね。
学生さんはやはり学業が忙しい時期もありますから,そのうえで「メンタリングに400時間かかります」と言われると腰が引ける部分もあるかもしれません。ただiGiとしては,就職活動をされている学生さんでもどんどん採択しています。iGiの目的として,卒業生に独立系の開発者として活躍していただくことを掲げていますが,卒業後すぐに独立して起業しましょうと言うつもりはまったくなくて,卒業して新卒で開発会社に入社して,そのあと数年後,十数年後に独立するときにiGiの知見が生きてくれたらいい,と考えています。
4Gamer:
30代前半くらいの参加者が多い理由をどう分析していますか。
一條氏:
個人的な観点として,ゲーム産業にお勤めの方や,あるいは社会人になって別業界でお仕事をしていた方が,空き時間に自分のゲームを作っていて,形が見えてきたり,ものになってきたりというタイミングなのかなと捉えています。ただ,年齢制限があるわけではないので,面白いゲームが出来つつあって,これから独立してこのゲームを世界で売っていきたいという方は,ぜひご応募ください。
知念氏:
30歳前後は現状に迷われたり,チャレンジをしたい気持ちになるのかもしれませんね。
一條氏:
UnityやUnreal Engineが日本で普及し始めた時期も関係あるでしょうね。実際のところ,これまでの参加者のバックグラウンドは本当にバラバラで,ゲーム産業で十数年働いてきたけれども,自分のゲームを作るためにフリーランスになったという方もいれば,会社が副業OKなので今後の独立を視野に入れて応募したという方もいます。あるいは全然違う業態から, 製鉄工場や,もっとお堅い会社に勤めているような方が,夜間に独学でゲームを作っているというケースもあります。
そういった方々が,これからSteamやコンシューマ機向けにゲームを出そうと思ったときに,何をすればいいのか分からないということで,ご応募いただくこともあります。結果として,毎年さまざまなバックグラウンドの皆さんに参加していただいているイメージです。
知念氏:
とくに意識して選定しているわけではないのですが,結果的にさまざまな方が集まったという感じなんです。
佐藤氏:
また,拠点としている場所は関東圏が確かに多いんですが,関西地方や中国地方を拠点にしている方もいらっしゃいますね。
一條氏:
イベント出展の際は会場に来ていただく必要があるんですけれども,基本的にメンタリングはオンラインで行います。1回あたり1時間程度,メンターの方と直接オンラインで話す形式なのですが,時間さえ合えばいつでもOKというのが大きな特徴ですね。
この形式はメンターに負担をかけてしまう部分もあるのですが,本業がある開発者様だと夜間しか空いてない方もいらっしゃいますので,メンタリングの実施時間は柔軟に対応してもらっています。ともあれ,ご自身のバックグラウンドやゲーム産業に関する知識はまったく関係なく,むしろゲーム産業を知らないほうがiGiとして提供できる知見が多くなるので,ぜひ応募していただけるとうれしいですね。
4Gamer:
iGiでは,ゲームのブラッシュアップ以外の知見も提供しているんですよね。
一條氏:
開発スタジオ運営の知見や,それに伴う法的な知見も提供しています。第4期からご協力いただくガンマ法律事務所様は,ゲーム産業の契約なども扱っていらっしゃいますので,これまでと少し違った面白いメンタリングになるのではないかと期待しています。
またAmazon Web Services様とGoogle Cloud様にも,第4期から協力をしていただけました。最近は,個人でもバックエンドサーバーを使うゲームを作る開発者様も多いので,クラウドを活用するチームの強力なバックアップとなっていただけると期待しております。
第4期は充実のプログラムはそのまま,卒業生へのサポートも強化
4Gamer:
それでは,第4期の展望を教えてもらえますか。
一條氏:
3期分の実施を通して,メンタリング内容の洗練,メンターの充実化,パブリッシャーに対する日本におけるピッチイベントとしての知名度向上など,プログラムはより良いものになっています。まずは第4期生に対してその濃度をしっかりと提供していきたいですね。
知念氏:
これまでiGiは16チームを輩出してきていますので,第4期では皆で培ってきた広がりやつながりを一層大事にしていきたいです。具体的には,卒業生に対する支援も拡充していきたいですね。第2期までは,卒業したら基本的に「頑張ってパブリッシャを見つけてね」で終わりだったんですが,第3期からは希望があれば追加のメンタリングを行うなど,卒業後のつながりをキープしていくことをすでに試みています。
今はまだそれくらいですが,卒業生の皆さんがインディーゲームの展示会やイベントなどでiGi出身であることを示すPOPを提供したり,XなどのSNSを活用して相互フォローや宣伝をしたりするなど,卒業生とのつながりを有効に活用していこうと考えています。
実際,卒業生向けのメンタリングを見ると,卒業前とは求める知見の優先順位が変わっているんですよ。例えば学生さんは,税務や法律に関するメンタリングを受けても最初はよく分からないと思うんです。もちろん,最低限必要な基本知識を身に付けてもらうという意味では価値があるのですが。
その一方で,卒業して時間が経ってから,税務や法律のメンタリングを希望されるケースが意外に多いんですよ。
知念氏:
パブリッシャとの契約に関連する事務的なことなども出てきますからね。
佐藤氏:
私達アドバイザーに,「このパブリッシャから声がかかったけれど,どんな会社なのか」といったことを尋ねてくる卒業生もいらっしゃいます。中には,何十社もリストアップして「それぞれどのような会社か教えてくださいください」と依頼してきた卒業生もいました。そんな状況ですから,やはり卒業生への継続的なサポートは必要であろうと。
一條氏:
iGiはゲームのビジネスに直接関わらない──つまりパブリッシングをしないので,パブリッシャ様や,ほかのステークホルダー様に関するご相談をいただくと,かなりフラットにお答えできます。また,日本にあまり情報が入ってこない海外のパブリッシャ様やステークホルダー様に関しても,佐藤さんやメンター陣がかなりの情報を持っているので,参加チームや卒業生に活用していただけています。
また,卒業生にはすでにゲームをリリースして活躍されている方もいらっしゃいますから,そろそろメンターとして後進の育成に関わってもらう流れも出てくるでしょう。実際,iGiが参考にしている世界各国のインキュベーションプログラムも,卒業生が新しい世代をサポートするというサイクルになっています。それを日本で再現できるようになるのが,第4期以降になるというわけです。
佐藤氏:
長く続いている海外のインキュベーションプログラムには,卒業してインディーゲームのリリースに成功された後に,メンターやインディーゲームのパブリッシャー・投資家など,いろんな立場で関わっている人が大勢いるんです。その意味でも卒業生のコネクションが,今後のiGiの重要な要素になっていくだろうと思います。期を重ねるごとにどんどん重要になっていくでしょうね。
4Gamer:
どんな開発者に応募してほしいですか。
一條氏:
とにかく,さまざまなタイプの開発者様にご応募いただきたいです。知念さんがお伝えしたとおり,第2期でやっていたことを一部取りやめたにもかかわらず,第3期は応募者数が増加しました。これは純粋にインディーゲーム開発にチャレンジする人口が増えたことが関係していると捉えています。そして,展示会などで自分の作ったゲームを出展しているという方もいますけれども,まだそういう場に出ておらず,パブリッシャ様やプラットフォーマー様が知らないゲームもたくさんあるはずなんですよね。
iGiは,そういう皆さんにもご応募いただきたいと考えています。ゲームのプロトタイプができて,これから展示会への出展やパブリッシャ様との交渉などをしていこうという前に,まずはゲームをよりよいものにして,かつパブリッシャ様と交渉するために必要な知見を身に付けてみませんか? というのがiGiのアプローチです。第4期も,多くの皆さんからご応募いただけることに期待しています。
4Gamer:
ゲームジャンルの制限などはあるのでしょうか。
一條氏:
iGiのこれまでの採択チームでは3Dアクション系が多めになっているので,よく「アクションゲームじゃないといけないんですか」と質問されるのですが,ジャンルの縛りはないです。ただ海外展開の支援が軸の1つにあるので,国内のみで突出して人気のあるジャンルにおいては,海外市場に受け入れられる秘策を持つゲームであると好ましいです。
佐藤氏:
とはいえ,第2期の白黒羊さんが作った「虹の降る海」はアドベンチャーでしたし,本当にジャンルは関係ありません。
一條氏:
第3期の「KALEIDOLA」はパズルゲームですしね。
佐藤氏:
今までにないジャンルのゲームも大歓迎です。
知念氏:
そういう意味でiGiは「縛りがない」ところが面白いですね。パブリッシャの縛りもなければ,コンテンツの縛りもないし,カリキュラムそのものも開発者様それぞれのライフスタイルに合わせて提供するので,ダブルワークの方でも学生の方でも本当に一丸となってサポートするところが非常に魅力的で,我々も自信を持っています。
年々注目度が高まる国内のインディーゲーム
4Gamer:
少し話は変わりますが,最近の日本のゲーム市場では,ワールドワイドに展開するAAAタイトルと,インディーゲームに注目度が二極化していて,その中間が空白になっている印象を受けます。こういった状況をどう分析しますか。
必ずしも中間が必要だとは考えていません。と言うのもインディーゲーム開発は,その立ち位置として開発者様それぞれの創造性を生かしやすいことが特徴だと捉えているからです。大型タイトルは巨額の予算と何百人の人員を投入し,しっかり売れることを前提としていますから,どうしてもチャレンジングな内容は少なめになってしまうのではと思います。既視感のあるゲームを作って売れたとしても,表現者としては夢がないと感じるんですよね。「あれ,何でゲームを作っているんだっけ?」と思ってしまうんです。
その意味では,iGiが採択してきたゲームにはそれぞれ異なる特徴があります。いい意味で「何でこれをゲームにしようとした?」というものもあれば,「こんなビジュアルのゲームは見たことがない」というものもあります。インディーゲームは商品の前に作品ですから,そういったゲームを,産業全体で応援すべきだと私は考えています。そこでiGiでは,開発者の最初のステップのところをアシストして,ゲーム産業全体を盛り上げることにつなげようとしているわけです。
話を二極化に戻すのであれば,解消しようと言うよりも,すでに二極化しているので,iGiはインディーゲーム開発者様を集中して応援することにより,ゲーム産業全体を盛り上げようとしています。
佐藤氏:
今のお話は日本のゲーム市場についてでしたが,ご存じのとおりSteamにしろPlayStationにしろ,海外市場が圧倒的に規模が大きいです。そうした状況の中,どうすれば自分のゲームを市場に送り出せるのか分からないというインディーゲーム開発者様が多くいらっしゃるんですよね。そこをさまざまな形でお手伝いすることによって,開発者様がご自身の目指すところに向かいやすくする,ターゲットのゲーマーにご自身のゲームを届けやすくすることがiGiの狙いでもあります。その意味では,日本のインディーゲームももっと世界的に知っていただくチャンスを作っていきたいですね。
一條氏:
いろいろな日本の開発者様を見ていると,最近は国内向けにゲームを作っている人は圧倒的に少なくて,むしろ世界中のゲーマーに届けたいと考えている方が多いと感じます。これまた個人的な話ですが,私がインディーゲーム開発者として活動し始めた10年前は,まだSteamで自由にゲームをリリースできなかったし,海外のゲーマーが自分のゲームを遊んで喜んでくれるという感覚もありませんでした。
しかし今は,インディーゲームの展示会やイベントに行くと,「このゲームは中国語と韓国語,英語,ヨーロッパ言語に対応しています」「今は日本語のみですが,翻訳スタッフや業者を探しています」といったように,最初からグローバル展開を目指す方がかなり多く見受けられるようになりました。これは,日本人のテイストで開発したゲームには,世界中にファンがいるという実感を多くの人が得られるようになったからだと捉えています。
そこでiGiとしては,誰でもSteamでゲームを提供できるようになった今,どうやって世界中のゲーマーに対して皆さんの作ったゲームの魅力を伝えていくかを考え,マーケティング専門のメンタリングもやっているわけです。お金があれば広告宣伝がっつりすればいいんですけどね,インディーは基本的にお金がないですから。
佐藤氏:
海外のパブリッシャ様も日本のインディーゲームのイベントにいらっしゃるようになっています。それは,日本のインディーゲームは面白いし,世界でも絶対通用すると思っているからなんですね。海外のパブリッシャ様とお付き合いしていると,そういった方々が日増しに増えていると感じます。
一條氏:
本当にありがたい状況になりました。4〜5年前だと,私を含めた国内のインディーゲーム開発者には,「そもそも日本にインディーゲームがあるということが知られていない」という共通認識があったんです。
そんな状況の中,iGiも提携しているインディーゲームコミュニティ・Asobuのコミュニティマネージャーが,GDC 2022にて「日本のインディーゲームはこれだけある」とアピールするセッションを行ってくださり,その影響もあってか,2022年の後半くらいから国内のインディーゲームの存在感が強くなりました。iGiも頑張ってきましたが,それだけではなく講談社様や集英社様,たくさんのインディーゲームパブリッシャ様が国内のインディーゲームをどんどんアピールしてくださったことも大きいと捉えています。
日本のインディーズゲームはなぜ海外での露出が少ないのか? GDCの講演で語られた日本のシーンの現状と問題とは
近年におけるインディーズゲームは目覚ましい盛り上がりを見せているが,その一方で,世界市場という面から見ると,日本発のタイトルが大きな注目を浴びるケースは珍しい。この現状を踏まえ,そこにどんな問題があるのかを分析した講演がGDC 2022にて行われたので,その概略をレポートしたい。
4Gamer:
知念さんはいかがでしょう。iGiのプログラムマネージャーであると同時に,マーベラスの社員という立場でもありますが。
これはインディーゲームに限らないゲーム全般の話なのですが,もはや「国内ゲーム市場」という括りが存在しなくなりつつあり,マーケットは世界全体になっていると感じています。そのためゲームを作るにあたっては,意識を世界に向ける必要があるかなと。iGiにおいても,設立当初から「世界にゲームを届ける」ことを目的に掲げていますので,むしろマーケットがより近付いてきているような状況です。
またマーベラスとしては,iGiを通じて優秀な開発者の皆さんと関わりを持てることが重要だと捉えています。iGiから世界に羽ばたく方が出てくる中で,「この人はiGi出身だ」というブランディングがなされ,ひいてはiGiを運営しているマーベラスのブランディングもなされていくと思っているので,引き続き活動を続けていきます。
一條氏:
関わりを持つという意味では,iGiのメンターの皆さんは別にiGiの社員というわけじゃないんですよね。もちろん謝礼はお出ししていますけれども,フルタイムでお願いしているわけではないんです。それでも,iGiというプロジェクトに価値を感じていただけたので,貴重な時間を割いていただいているんです。かなり前のめりに支援していただいているので,メンタリングを受けている開発者様が大量の質問をしても,「もう終業時間なので…」「他のプロジェクトが忙しくて…」といったことはありません。そこはメンターの皆さんのご厚意に甘えているというところはあるんですけれども,真摯に対応していただいています。
また,大事なこととしてよく言うんですけれども,メンターは先生ではないんですよね。メンターも同じゲーム産業内のいち事業者で,たまたま5年10年先行して知見があるという差しかないので,その教えを受けた開発者が翌年にはライバルになるなんてことも当たり前に起きます。そういった,メンターが対等な立場にいることもiGiの強みなので,第4期の応募を検討している皆さんには,そこを魅力に感じていただけるとうれしいです。
知念氏:
今,本当に優れたインディーゲームが増えましたよね。東京ゲームショウ 2023にiGiの展示を行っていた際もゲーム開発会社の社員だと仰る方が,iGiの作品を見て「インディーゲームでこのクオリティが出せるなら,我々は何を作ればいいんだ?」と嘆いていました。
一條氏:
説明が難しいんですが,開発者にとって展示会は晴れ舞台なんですよね。そこはインディーゲーム開発者も企業の開発者も同じで,それまで作ってきたゲームの一番いいところを一番いい状態で出展しています。でもその裏側には苦しくて地道な努力があって,1年に展示会が5回あるとしたら,それ以外の360日は死ぬような思いをしているんです。とくにインディーゲーム開発者は,大手企業と違って資金も広報部も経理部もありません。そのないない尽くしの中で立ち回っているので,いいところだけを切り取った展示会ではすごいと思っていただけるかもしれませんが,実際はもっと効率の悪いことをやっていたりします。
それは別に大手企業や一般の開発会社を目の敵にしているとか,やり方に反発しているとかではなく,インディーはもうそれしか開発体制を取れないんですよね。たとえばゲーム内コンテンツの量産体制を取ることが非常に難しい。インディーゲーム開発者としては,一般のゲーム開発会社が通常やっていることを度外視して,その先を届けることについてうまくバランスを取っていきたいですね。
知念氏:
確かにインディーゲーム開発でネックの1つになるのは,量産体制を取れずボリュームを作れないことです。でも,例えばマーベラスのように開発部隊があるパブリッシャとインディーゲーム開発者様との利害が一致すれば,「ここを拡充しよう」とボリュームを増やすことも可能になるという相乗効果が生まれます。
佐藤氏:
実際,海外を中心に大手パブリッシャはインディーゲーム開発者に対して積極的にアプローチしています。たとえばElectronic Artsは「EA Originals」,ユービーアイソフトは「Ubisoftインディーコレクション」,テイクツー・インタラクティブは少々規模が大きいですが「プライベートディビジョン」,スクウェア・エニックスは「Square Enix Collective」といったように,それぞれインディーゲーム関連のプロジェクトを展開しています。そうやって,インディーゲームとの接点をより強く求める大きな会社が増えていると感じます。
一條氏:
しかもそれらの展開は,インディーのチームを買収しよう,囲い込んで社員にしてしまおうということではなく,接点を持つことで純粋にクリエイティビティを高めてゲーム産業を盛り上げようという取り組みなんですよね。それが世界的な流れになっています。逆にインディーゲーム開発者としては,支援しようとする人たちがそこを履き違えていると引いてしまうんですよね。
繰り返しご説明させていただいているとおり,iGiはパブリッシャではありません。参加チームがパブリッシャを選ぶときに,マーベラス様の優先交渉権が発生しますが,どこにするかは最終的な決定権は参加チームにあります。その決定の過程で,いろんな選択肢が開発者様に与えられるといいなと個人的に思いますね。
インディーゲーム開発者とパブリッシャが対等に交渉できる環境を目指す
4Gamer:
おっしゃるように,今のインディーゲーム開発者の多くは,パブリッシャの下請けになりたいわけではないと思います。お互いが目指すところのすり合わせは,どのように進めているのでしょうか。
一條氏:
ケースによって違うとは思いますが,国内の一般的なパブリッシャ様だと,開発中のゲームを見て,これを自社でリリースするとなった場合に,たとえばパブリッシング手数料が何%というような取り決めをします。その手数料は主にマーケティングや翻訳,事務部分の予算で,ゲーム内のクリエイティビティに使われることはあまりありません。
ただパブリッシャ様によってはもっと資金を投入する──それこそ講談社様や集英社様であれば,自社の持つ漫画家さんなどのリソースを使ってイメージボードを作ることもあります。
一般的なゲーム開発会社様にとっては,パブリッシャ様との関係だと,まずパブリッシャ様にIPモノなどのゲームの企画があって,そこに予算を投入し,開発会社様を当て込んで作ってもらうというケースが多いんじゃないかと思います。一方,インディーゲームの場合はすでに開発中のゲームが存在する中で,パートナーになっていただくパブリッシャ様を探します。いろいろな選択肢がある中で,会社の機能的にも担当者の理解的にも一番いいパートナーになりそうなパブリッシャ様と手を組むわけです。とくにSteamに登録したり,コンシューマ機向けにリリースしたりといったときの事務的な手続きやマーケティング,問い合わせ対応などをパブリッシャ様にお願いするといった感じですね。
知念氏:
iGiの特徴の1つが,パブリッシング機能を持たないことなので,開発者様とパブリッシャ様との契約には基本的に口を出さないという前提があります。「こういうことを言ってくるところには気を付けよう」というレクチャーはしますが,それ以外は細かく言うことはありません。ただ,契約書に気になるところがあれば,法律関連のメンタリングで相談に乗りますというスタンスですね。
また,口を出さないという前提はマーベラスとの契約もしかりです。マーベラスが参加者に対してパブリッシングオファーを出すときでも別部門が担当をし,iGi運営である我々は口を出さず中立の立場を意識しています。
一條氏:
そこは何がいい悪いではなく,開発者様それぞれが何をやりたいのかが大事なところですよね。
ただiGiは,「こういうゲームが作りたい」と自発的に頑張っている方を支援する立場であると言うだけですね。いろんなスタイルがあっていいですし,そのスタイルが何かのきっかけで移り動くことも当たり前だと捉えています。
佐藤氏:
例えば,パブリッシャが,クリエイティビティに口を出していいという契約を締結したケースで,大きな問題が起きたことがあると聞いています。パブリッシャが作品に何度もダメ出しをすることで開発期間を伸ばして,開発者様の生活が苦しくなったところで,開発会社の株式と引き換えに資金提供を提案する。これを繰り返された結果,もともと思い描いていたものを作れないどころか,最終的に開発者様の会社やチームがパブリッシャに買収されてしまったという悪質なケースもあるそうです。インディーゲーム開発者にとって,作りたいものを作れなくなるという状況が一番悲しいですから,それを避けるためにも契約に詳しい方に相談できる環境を作ることが,iGiの役割だと捉えています。
4Gamer:
iGiは,独立性を担保するための相談窓口でもあると。
一條氏:
海外では法的トラブルの事例が結構ニュースになっていますが,インディーゲームの注目度が上がっていく中で,身近なところでもそうした事例が増えていくでしょう。そこで繰り返しですが,iGiとしてはご自身のゲームの可能性をパブリッシャ様と検討する前に,まず法的知識も含めた開発スタジオ運営の知見を高めましょう,と。パブリッシャ様からすると「iGi卒業生は,契約書をじっくり読み込んでしまってなかなか返してくれない」となるかもしれませんが,それが正常なんです。むしろ開発者側が契約書をよく読まずにサインして,あとからパブリッシャ様とトラブルになる事態に陥るよりもいいことだろうと考えています。
国内外のパブリッシャ様を筆頭とするステークホルダー様となるべく対等な立場で交渉して,開発者様がご自身のコンテンツを世に送り出せる環境を実現したいですね。
4Gamer:
逆に,パブリッシャにとってのiGiの価値は何でしょう。Demodayが,ステークホルダーの交流の場になっているというお話もありましたが。
パブリッシャ様にとって,いいゲームを探すことは大変なんです。いざ見つけたと思っても,すでにほかのところから声がかかっていたなんてことが普通にあるので。そのため,まだどこからも声がかかっていないゲームを紹介できるiGiのようなインキュベーションプログラムは,パブリッシャ様にとって貴重な存在となっています。100社前後のパブリッシャ様が,DemodayなどでiGiのゲームをチェックしてくださるのは,そこが大きいと捉えています。
一條氏:
Demodayのピッチイベントも,パブリッシャ様にとって大きな価値になっていると感じています。今,国内ではインディーゲームの展示会やイベントが毎月何かしら開催されているのですが,それをパブリッシャ様が全部回って1つ1つ交渉するのは大変です。また,いいゲームを見つけても,すでにSteamに登録済みで「明日から配信します」なんてこともあり,必ずしもパブリッシャ様の思惑と一致するとは限りません。
それに対してiGiはしっかりと「パブリッシャー契約前である」というルールがあり,400時間以上のメンタリングを介してさまざまな知見を得た開発者ですから交渉においても話しやすいですし,バーティカルスライスが出来上がっていることが保証されます毎期5チームのピッチを見て交渉できる場を設けていることが,パブリッシャ様に注目されている理由なのかなと思います。
4Gamer:
最後にiGiに興味があったり,第4期への応募を検討していたりする人に向けて,メッセージをお願いします。
一條氏:
iGiがどんな機能を提供しているかを説明してきましたが,それでも400時間のメンタリングを通じていったい何を得られるのか,イマイチ分からないというのは当然あると思います。そのあたりはiGiの紹介動画などを通じてiGiの卒業生の声をお伝えしているのでぜひチェックしていただきたいですし,もし可能ならインディーゲームのイベントなどで,16チームいる卒業生に直接話を聞いてみるのもいいのではないでしょうか。それがiGiを知るための,一番の近道です。
またiGiは,未採択であれば同じゲームで何回でも申し込めます。たとえば第3期で採択した「Strange Shadow」は,実は第2期にも応募があったのですが,そのタイミングでは完成度が足りず,メンタリングを提供できる段階ではなかったんですよね。第3期の応募時には方向性がしっかり定まって,パブリッシャ様との交渉もできる状態になったので,あらためて採択したという経緯がありますので,今期で採択にならなかったから第5期はダメということはありません。ご自身がベストだと思ったタイミングで申し込んでいただけると幸いです。
知念氏:
「iGiの関係者は,なぜつながりがそんなに強いのですか」と聞かれたことがあるのですが,まず皆さんがオフラインで意図的に接点を持つようにしているからなんですよね。とくに卒業生同士のつながりが,すごくいいものになっていると思います。それは,iGiの400時間におよぶプログラムの中でお互いのゲームをプレイし合ったり,皆でレクチャーを受けたりといったようにクラブ活動みたいな時間を共有しているからなんですね。その中で団結の輪も生まれて,同じ先輩がいるといったつながりができています。
ゲームを作ってお金を儲けるということももちろん大事ですが,そうやって仲間とのつながりができる,あるいは困ったときに我々事務局に相談できるような環境は,個人の開発者様だとなかなか得がたいと思います。その環境を提供できるiGi第4期へのご応募を,ぜひご検討ください。
佐藤氏:
iGiは形式的にゲーム単位で応募することになっていますが,実質的には開発者様自身を応援しています。開発者様が応募されたゲームの開発ではもちろん,その次のゲームを作るときにも役立つようなメンターや卒業生同士,あるいはパブリッシャ様とのコネクション作りをサポートしています。たとえばiGiがメンタリングしたゲームでは契約に至らなかったパブリッシャ様でも,次に作ったゲームで契約につながる可能性も当然あります。
その意味では,将来的な視点でインディーゲーム開発者として成功していただけるチャンス作りに,ぜひiGiを役立てていただければなと考えております。
4Gamer:
ありがとうございました。
「iGi indie Game incubator」公式サイト
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