企画記事
ブロックチェーンゲーム業界の人達は,こんな人。業界を引っ張る28名に,ブロックチェーンの今と未来を聞いてみた
※記事掲載時点では26名でしたが,12月29日20:00に2名追加しました
ゲーム業界は,ある意味で時代の最先端を行く業界なので,常に新たなテクノロジーや概念が導入され,それによって自身の壁を外へ外へと広げながら進化し続けている。しかし,業界を揺るがすレベルの根本的な変化は,実は10年ほど前(2010年〜)の「スマホネイティブアプリ」が最後だ。
1980年代のアーケードゲーム,1990年代のコンソールゲーム,2000年ころから始まるPCオンラインゲーム,そして2010年あたりから始まるスマホネイティブアプリと,10年周期くらいでパラダイムシフトが起こり,新たな「柱」が業界に追加されてきた。
そして,最後のパラダイムシフトであるスマホネイティブアプリから,10年が経った。
もちろんその間にも,コンソールゲームは膨大な進化を重ねており,10年前のゲームと最新作を比較するまでもなく,表現はリッチになっている。技術の進歩に伴ってコンソール機自身も代替わりし,PCプラットフォームはSteamとeスポーツという追い風を得て,そのSteamではインディーゲームが急成長している。業界は順調な進化と進歩を重ねているわけで,そんなタイミングで登場した新たなパラダイムが,「ブロックチェーン」である。
とはいえ,2022年末のこの瞬間での「ブロックチェーンゲーム」をすべて手放しに称賛する意図はない。とくに少し前までは,これはポンジ・スキームでしかないのでは,と思われるものも多かったし,「必ず儲かりまっせ」的なイメージを高らかに謳ったブログや記事も多かった。
ブロックチェーンゲームは,暗号資産(仮想通貨)と切っても切れない関係にあるので,そちら方向での詐欺スレスレ話(場合によっては,ほぼ詐欺)みたいな話も,話題に事欠かなかったといえるだろう。
しかしそれでもなお,ブロックチェーンというテクノロジーには,業界を変える力があるのではないかと思う。それを取り巻く暗号資産や,さらにその先に「メタバース」も控えており(なんとなくセットで語られることが多いが,本質的には3者は別々のものである),VRや,もしかしたらゲーミフィケーションなども加えていけば,それはもう,既存のゲーム業界の文脈には収まらない,新しい何かが生まれる素地になるのではないだろうか。
こと日本においては,法整備の問題などもありいますぐ加速するのはなかなか難しいのだが(会計処理をどのようにするのかとか,デジタル所有権という概念がないとか,そのあたりからだ),業界に新しい概念を打ち立てた「アイテム課金」も「ガチャ」も,そして昨今では「eスポーツ」も,法整備を待つことなく普及していったので,おそらくは今回も同じことが起こるだろう。
そんなブロックチェーンゲームは,ファイナンスの文脈から始まった出自のせいか,少し前までは(我々ゲーマーから見たら)「それはないわ」レベルの作品も散見されたが,ここ最近ではゲームとしての面白さを目指したものも出てきており,専業ゲーム会社も次々と参入している。「お,これは?」と興味を惹くものが登場しつつあるのだ。
日本で誰もが知る国内大手メーカーの皆さんも,まだ未発表のものも含め,エース級の開発者をヘッドに据えてブロックチェーンゲームの開発に取り組んでいる会社も多い。コアゲーマーであっても「これならやってみよう」と思える作品が登場するのも,時間の問題だと思われる。すでにチラホラと情報は出始めており,2023年はもっと多くのタイトルが登場するだろう。
「三国志大戦」のIPを使用したブロックチェーンゲームの開発をdouble jump.tokyoが発表。ゲームに特化したブロックチェーン“Oasys”を採用
double jump.tokyoは本日,セガより「三国志大戦」のライセンス許諾を受け,「三国志」をテーマとしたブロックチェーンゲームを開発すると発表した。新たに制作されるゲームでは,「三国志大戦」のIPを使用したアートワークを楽しめるという。開発には,ブロックチェーンプロジェクト「Oasys」を採用する。
ブロックチェーンゲーム版「かんぱに☆ガールズ」2023年夏頃リリース。DMM.comがOasys上の独自チェーンと共にローンチ予定
Oasysは本日,DMM.comが,Oasys上で独自のLayer2ブロックチェーン(Verse)を構築し,DMM.com初となるブロックチェーンゲーム「かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM」(2023年夏頃グローバルリリース予定)と合わせてローンチ予定であることを発表した。あの「かんぱに☆ガールズ」が再び登場するのだ。
4Gamer内ブロックチェーンゲーム記事
そんな2022年末に,ブロックチェーンゲームの関係会社の方28名に参加いただき,中の人達がどう考えているのかを語ってもらうコメント集を作ってみることにした。立ち上がって間もないジャンルなので,このあと毎年続けられれば,その業界の変化がコメントから見てとれるようになってアーカイブ的にも興味深いかな,と思っている。
まずは初年度,まだブロックチェーンゲームに興味のない皆さんも「へー」と思いながらぜひお読みいただきたい。ブロックチェーンゲーム界隈の皆さんは,たぶん皆さんが思っているより,あれこれちゃんと考えている……のかもしれない。
[インタビュー]ブロックチェーンによって新しい価値を提供して,ユーザーがもっと夢中になれる環境を作りたい―――YGG Japanは,ゲーム業界に何をもたらそうとしているのか
もはやバズワード化した「ブロックチェーン」と「NFT」だが,まだまだゲーマーの皆さんに普及しているとは言いづらい。そんな中,東京ゲームショウでちょっと目立っていたのがYGG Japanだ。彼らはブロックチェーンゲームで,何を目指しているのだろうか。
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- 編集長:Kazuhisa
- TGS 2022
- ブロックチェーン
「ブロックチェーンゲーム界隈」とひと言で言っても,そのエリアは思ったより広く,ゲーム開発会社だけでなく,ブロックチェーンアークテクチャであったり,NFTプロジェクトであったり,DAOであったり,関係している組織や会社はさまざまだ。
第一回である今回は,その中から4Gamer編集部のチョイスで27社28名の方にご参加いただき,以下の質問をさせてもらった。
2022年のBCG界隈で,最も感心させられた,あるいは衝撃を受けたこと
<質問2>
BCG化してみたい,またはBCGで遊んでみたい,ゲームや映画,小説,コミックなど(どうやるのかも合わせて)
<質問3>
いまのBCG業界で,一番問題だと思っていること
<質問4>
BCGにあまり詳しくないゲームプレイヤーに,一番教えてあげたいこと
<質問5>
理想的なBCGのあり方とは,どんなものだと考えているか
<質問6>
2023年に向けての抱負,また4Gamer読者に向けてのメッセージ
本記事では,回答者の生の声を届けるため,編集作業は必要最低限に留めている。表記ブレなどはご容赦いただければ幸いだ。
最後に,年末の忙しい時期にも関わらず,本企画にご賛同,ご協力いただいた皆様に,この場を借りて厚く御礼申し上げます。ネガティブな質問にもお答えいただき,本当にありがとうございました。来年も続くことになったら,またよろしくお願いいたします。
また,今回ご参加いただけなかった(4Gamerがご連絡できていない)会社さんは,ぜひともご連絡ください。
回答クリエイター一覧
(敬称略,社名アルファベット順/五十音順)
※名前をクリックすると,その人物のアンケート結果にジャンプします
■ACT GAMES
李 炯遠[代表取締役]
■BLOCKSMITH&Co.
真田哲弥[代表取締役社長]
■Com2uS
Kyu Lee[USA代表]
■CRETA
中里英一郎[代表取締役]
■CryptoGames
小澤孝太[代表取締役社長]
■Dapper Labs
Mikhael “Mik” Naayem[President]
■Digital Entertainment Asset
山田耕三[Founder & Co-CEO]
■double jump.tokyo
上野広伸[代表取締役/CEO]
■enish
公文善之[取締役 / De:Litheシリーズ プロデューサー]
■Epic League
Jay Kim[Executive Director]
■Fantasy Tech
アレックス・フイ[CEO]
■gumi
寺村 康[Business Promotion Director -Head of Blockchain Business]
■LCA GAME GUILD
細金恒希[Founder]
■MARBLEX
Jake Moon[Head of business development]
■MCH
若尾俊仁[代表取締役]
■Metap
Maxi Kuan(關 劭驊)[代表取締役社長]
■Mythical Games
John Linden[CEO / Founder]
■Nerdystar(LUXON)
Alan Huh[CEO]
■Oasys
玉舎直人[ファウンダー]
松原 亮[Representative Director]
■Thirdverse
國光宏尚[代表取締役CEO / ファウンダー]
■tofuNFT
沼崎 悠[Co-Founder]
■YIELD GUILD GAMES (YGG)
GABBY DIZON[Co-Founder]
■YGG Japan
藤原哲哉[Co-Founder]
■ドリコム
内藤裕紀[代表取締役社長]
■グリー
村田卓優[Head of business development GREE,Inc. Web3 Unit]
■ゲームオン
李 一守[株式会社ゲームオン 執行役員 CSO / NEOWIZグループ 日本リージョン 投資/新規事業開発 担当]
■スクウェア・エニックス
畑 圭輔[ブロックチェーン・エンタテインメント事業部 事業部長]
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