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[TGS 2020]「クレタク」は実在し,Dr.ワタリは血まみれで倒れ,ソニックがあんなところに紛れていた!? 「やりすぎセガ伝説」をレポート
実車's all I want!
“セガ伝説”の1つ目は,「本物のクレイジータクシーを見た」というもの。「クレイジータクシー」は1999年にリリースされたアーケードゲームで,3作目までシリーズが展開され,多数の家庭用ハードにも移植されている。そのゲーム中のタクシーは,道路に限らず鉄道の線路や海中なども走り回って乗客を運ぶのが特徴だが,そんなものが実在するのだろうか?
回答の映像で映し出されたのは,千葉のセガアリーナ蘇我店だ。この店舗のエントランスには,劇中のタクシーを再現したオブジェが設置されている。同店舗は全面的に「クレイジータクシー」をフィーチャーしたデザインとなっているので,ファンは道路交通法を守りつつ足を運んでみると良いだろう。
セガのグループ会社は世界じゅぅぅう!
2つ目は「世界中のセガのグループ会社を1人で旅したツワモノがいる」というもの。これもやはり実在し,広報部の亀卦川 滋氏がその人だ。亀卦川氏は,セガが「設立60周年を期に,自分達のことを改めて知るため」として実施した“ソニックリング”という企画を任せられ,今年初頭にアジア・ヨーロッパ・アメリカの各スタジオを回ることとなった。
ただCOVID-19流行のためスケジュール変更となり,ウェールズのSega Amusements Europeには行けていないため,正確には「“ほぼ”世界中のセガのグループ会社を1人で旅したツワモノがいる」とのことだ。
珍事件でもヒットメーカー
3つ目は「セガ本社で有名クリエイターが流血事件の被害者になったことがある」というもの。これの詳細は,近年では「メガドライブミニ」や「ゲームギアミクロ」などに携わった,ジャパン事業部副事業部長・宮崎浩幸氏から語られた。
番組中ではミステリ調に長々と語られたのだが,簡単にまとめると【2009年。ある部署が焼肉屋で宴会を行った後,泥酔した岡部 城氏(「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル」などのプロデューサー)がセガの敷地内において自転車で転倒,同じく泥酔した亙 重郎氏(「電脳戦機バーチャロン」などのプロデューサー)がカードキーを持っていなかったため窓ガラスを割って社内に侵入し,割れたガラスで怪我をしたまま寝入ってしまった】という話だ。被害者というより,自爆である。
その部署について宮崎氏は,「『セガガガ』のゾルゲ(岡野 哲氏)や,日本語版『デストロイ・オール・ヒューマンズ』を手掛けた人物などが在籍していた,一匹狼が集まっている梁山泊」といった旨をコメントした。往年のセガファンにとっては,「ああ。AM3研というかヒットメーカーというか,あのあたりならおかしくないエピソードだ……」といったところだろう。
ちなみに,泥酔して自転車など「軽車両」と定義されるものを公道で走行させることは「酒酔い運転」での飲酒運転にあたり,現行法では即座の免許取り消し,3年以上の運転免許欠格期間の付与,さらに刑事罰として5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられる。読者の皆さんは「自転車くらい……」や「近所までなら……」などと思わず,道路交通法を遵守して「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」を徹底しよう。
なお,番組中では宮崎氏から「近い将来,亙さんのプロジェクトも発表できたらいいなと思っています」というコメントも発せられた。どのようなプロジェクトなのか気になるところだ。
還らざる時の終わりと,時の継承者
4つ目は「クリエイター自身によるセガの公式ファンクラブ会報があった」というもの。これを解説するために出演したのはグラフィックデザイン部の吉田 徹氏と,第五開発部デザイナーの西村真人氏。紹介されたのは,「SPEC」(セガ・プレイヤーズ・エンジョイ・クラブの略)という会報誌だ。
「SPEC」は,営業部から「コンパイルの会報誌『コンパイルクラブ』みたいなものをセガでもやりたい」という要望が開発部へ寄せられたために始まったものとのこと。8号まで刊行されたのだが,セガサターンの開発が始まるなどして忙しくなったため,最終号とする予定だった9号も刊行できないまま自然消滅してしまったという。
長年沈黙していた「SPEC」だが,それをオマージュした「ファンタシースターオンライン2」の公式同人誌「P-SPEC」が“PSO感謝祭2013”のグッズとして誕生し,現在もシリーズ展開が続けられている。現時点での「P-SPEC」の最新号は,“PSO感謝祭2019”のあわせて刊行されたVol.6だ。
トイレだって遊び場だ!
5つ目は「女人禁制の場所に設置されたゲームが今も絶賛稼働中」というもの。これは近年の話であるうえ,テレビ朝日系列で9月8日に放送された「しくじり先生 俺みたいになるな!!」の第62回でも取り上げられたので,ピンと来る人は多いだろう。「(男性が)人生で最初に握るコントローラー」(※製品キャッチコピー)を用いるゲーム,「トイレッツ」だ。
「トイレッツ」は,東京ジョイポリスで稼働中。遊んでみたい男性は,清涼飲料水などをたっぷり飲んだうえで,道路交通法を守りつつ足を運んでみると良いだろう。
ペンゴラブ。〜プラス ソニック!〜
6つ目は「ぺぺんがPENGOのパッケージには恐ろしい秘密がある」というもの。「ぺぺんがPENGO」は1995年にリリースされたメガドライブ用ソフトで,アーケードゲーム「ペンゴ」をアレンジしたタイトルだ。
これについて解説を行ったのは,クリエイティブデザインチームのパッケージデザインディレクター・作田喜尋氏。同氏から明かされた秘密とは,パッケージに描かれたペンゴの群れの中に,ソニック・ザ・ヘッジホッグが紛れていることだ。
これは,当時セガに在籍していたイラストレーター・武藤 修氏との悪ノリで,上司の許可を得ずに仕込んだものであるとのこと。作田氏はデザインを監督する立場となった現在でも,「メガドラタワーミニ」のメガCD部分に基板やCDドライブをプリントした紙をこっそり仕込んだりと,隙を見つけては暗躍しているようだ。
長い歴史を持ち,独特な社風を持つため,奇妙なエピソードには事欠かないセガ。さらなる珍エピソードが公表されることや,新たな珍エピソードが誕生することに期待したい。
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