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[TGS2022]SwitchでPCゲームができるWi-FiモジュールやVR向けガンコンなど,変わり種デバイスを達成電器で試す
これらのうち,PCエンジン互換機「RetroN GX」についてはレポート済みだが,それ以外の製品についてレポートしたい。
ゲーマー向けデバイスの製造を担当する頼もしい裏方
そもそも達成電器とは,中国・Dashine Electronicsグループの日本法人だ。主にゲームメーカーや周辺機器メーカーのライセンス製品を開発したり,生産を請け負っている製造企業になる。取引先情報を参照してみると,ASUSTeK ComputerやCorsair,Mad catzにRazer,Naconといった国内でも知られるメーカーの名前が並んでいる。母体であるDashine Electronicsの取引先にも,MicrosoftやLenovoの名前が挙がっているという具合だ。
達成電器ブースでは,とりわけゲームパッドの展示が目立っており,ワイヤードやワイヤレス,追加ボタンのあるものや,デザインを変えたコラボレーションモデルなど,数多くの製品を確認できた。
同社の説明員曰く,「詳しくは言えないが,いずれも達成電器に関係するものだ」とのことだ。ブースでゲームパッドを試し,筆者のように「この『L/R』トリガー,指がよく覚えている感触だな」と感じた読者もいるだろう。
本来は裏方的存在で,直接ゲーマーに製品を販売しているわけではない達成電器が出展していた理由は,自社の技術展示およびパートナー探しを狙ったものだ。ただ,開発や生産の技術はあるので,自社製品の独自展開も考えているようだ。それがまた,なかなかに尖ったアイテムであった。
・SwitchでPCゲームを遊ぶための「Stream Card」
TGS 2022では,携帯ゲーム機感覚でPCゲームを楽しめる小型ゲームPCが目立っていた。そうした小型ゲーム機の多くは,Switchのようにゲームパッドと一体化したボディを有しているが,達成電器の説明員氏に言わせれば,「SwitchでPCゲームが遊べたら最高じゃないか!」になる。
そんな背景から誕生したのが,「Stream Card」というWi-Fiモジュールだ。
Stream Cardは,Switch上部のゲームカードスロットに差し込んで使うものだ。単なるWi-Fiモジュールではなく,PCからのデータ受信後にいくつかの処理を行っているため,SoC(System-on-a-Chip)に近いという説明だった。実際にプレイできたのは,PC版「Stray」だ。Switchのすぐ隣にPCとディスプレイがあるので,遅延の少なさも確認できた。
まだ製品化に向けたパートナーが見つかっていないそうなので,気になるメーカーさんはアプローチしてほしい。なお,説明員氏は「(いくつかの企業が)立ち寄ってくれて,いい反応をしてくれた」と語っていた。
握りしめたりねじったりして操作できるやわらかコントローラ
ハンズオンはできなかったが,技術的に可能性を感じる特殊なコントローラの展示を見てみよう。
そのコントローラは,ボディ素材にフレキシブルポリマーを採用することで,D-Padやボタンでの入力だけでなく,タッチやジェスチャー操作,物理的な変形での入力などを可能にしたものだ。ボタンの押下だけでなく,握りこんだりネジったりなどで操作できるわけだ。
比較的安価で形状自由度の高いフレキシブルポリマーを利用したことで,既存コントローラのお約束に縛られることないため,自由なデザインの道を示していた。
展示されていたのは,大きなダイヤルと[A/B]ボタンがあるだけだが,赤いラインはタッチセンサーで,水色の部分は強く握りこむと反応するという。
説明員に,「球体型で五指の位置にボタン,荷重方向で入力なんてこともできる? 左右の手で使うアナログスティックみたいな感じで」と聞いてみたところ,「可能だ」とのこと。つまるところ,νガンダムやΞガンダムのコックピットにある操縦装置「アームレイカー」のことだが,再現可能というわけだだ。早く作って! ついでにアーマードコアの続編も早く!!
スマートフォンをサブディスプレイにできるステアリングホイール Racing Wheel Duo
「Racing Wheel Duo」は,シフトパドルの付いたステアリングホイールである。
本製品の面白いところは,PCやゲーム機を接続したディスプレイ(もしくはタブレット)とは別に,ステアリングホイール自体にスマートフォンを取り付けて,各種メーターやバックミラーとして活用できるという点だ。
PlayStationやXboxプラットフォームのレースゲームでは,スマートフォンをコンパニオンとして使用できる機能を持つものがあったが,あまり活用されずにいた。それゆえ,いささか不安を覚えるが,レーシングゲームやフライトゲームと相性がよさそうである。
StrikerVRが開発中のVRガンコンも体験
2021年に資金調達に成功して,2022年7月からプレオーダー受付中のStrikerVR製VR向けガンコントローラ「Mavrik-Pro」を,達成電器ブースで体験できた。SF的な見た目のガンコントローラだが,形状的にはチェーンソーや斧,両手持ちの剣として使う用途も想定しているとのこと。もちろん,メイスにもなる。
見た目に反して軽かったが,最終版ではないらしく,もう少し重くなるかもしれないし,軽くなるかもしれないとのこと。
Mavrik-Proは,内部にパフティクスエンジンやバイブレータを備えており,銃のリコイルや攻撃を受け止めたときの衝撃などを再現できるほか,そのとき選んでいる武器に応じて,銃撃時のフィードバックが変化する。これらは,Mavrik-Pro内にプリセットで持っているのではなく,そのときプレイしているゲーム側で武器を持ち替えると,自動的にフィードバックが変更される仕組みだ。
なお,先端部にはタッチパッドがあるほか,ハンドル部にもセンサーがあり,たとえばショットガンであれば,ポンプアクション操作もできるそうだ。
達成電器 公式Webサイト
StrikerVR公式Webサイト(英語)
4Gamerの東京ゲームショウ2022特設ページ
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