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    印刷2017/06/07 00:00

    イベント

    [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に

    PowerColorブース。展示は発売済みの製品が中心で,ちょっと寂しい内容だった
    画像集 No.002のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に
     デスクトップPC用グラフィックスカードを装着できないノートPCや超小型デスクトップPCで,こうしたカードを使えるようにする周辺機器が外付けグラフィックスボックスだ。PCとの接続に高速I/Oインタフェース技術「Thunderbolt 3」を利用できるようになって以来,複数の企業から製品が登場しており,今後も広がっていきそうなデバイスである。

     「PowerColor」ブランドでグラフィックスカードなどを展開するTulは,COMPUTEX TAIPEI 2017のプライベートブースで,新しい外付けグラフィックスボックスを出展していた。それが今回のテーマである「GAMING BOX」だ。既存の製品と何が違うのか,簡単にレポートしよう。

    GAMING BOXのデモ機。写真右側にあるのが実物だ
    画像集 No.004のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に


    形状変更で他社の大型カードも装着可能に

    電源ユニットも出力を強化


    DEVIL BOX
    画像集 No.003のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に
     PowerColorブランドの外付けグラフィックスボックスとしては,2017年1月に国内販売を開始した「DEVIL BOX」(国内では「THUNDERBOLT3 eGFX enclosure」)という製品がある。今回取り上げるGAMING BOXは,DEVIL BOXに改良を加えた第2世代モデルというか,マイナーチェンジ版とのことだ。

     先代モデルからの主な変更点は,動作の安定性を向上したことと,新しい世代のグラフィックスカードに対応したことにあるそうだが,筐体デザインの変更も重要なポイントであるという。
     DEVIL BOXは,直方体の角を斜めに削り落としたようなデザインで見映えはいいものだった。しかし,デザインを優先しすぎた面もあったそうで,大型のグラフィックスカードは斜めの面が邪魔になって,物理的に取り付けられないことがあったのだという。

     Tulとしては「PowerColorのグラフィックスカードとの組み合わせを想定して筐体を設計した」という立場だったようだが,互換性が重視されるPC周辺機器としてはまずいと判断したらしい。そこでTulは,角を削り落としたデザインを止め,内部スペースを拡大した。結果,GAMING BOXはより大型のグラフィックスカードを装着可能になったというわけだ。
     その代わりといってはなんだが,見た目としては無骨で,一般PCユーザーの間で最近流行のNAS(Network Attached Storage)を地味にしたような外観に落ち着いている。

    GAMING BOXの側面パネルを外して,内部を見えるようにした状態。シンプル極まりないデザインだが,大型グラフィックスカードも取り付けやすくなった
    画像集 No.009のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に

    DEVIL BOXの外形寸法は,172(W)×400(D)×242(H)mmだった
    画像集 No.005のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に
     対応グラフィックスカードの最大サイズは,基板を「底面」として見たときにDEVIL BOXが310(W)×140(D)×50(H)mmだったのに対して,GAMING BOXでは320(W)×155(D)×40(H)mmに拡大している。高さが小さくなっているように見えるが,「DEVIL BOXが大きすぎただけだ。40mmまでの対応でも,2スロット仕様のグラフィックスカードを問題なく装着できる」(Tul)とのことだった。

    GAMING BOXのサイズは163(W)×343(D)×245(H)mm。DEVIL BOXと比べて体積は小さくなったが,内部スペースは広がっている
    画像集 No.006のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に

    PCとの接続は,当然ながらThunderbolt 3を使用する。ブースではDellのノートPC「XPS 15」に接続して,グラフィックスベンチマークソフトの「3DMark」をループ再生していた
    画像集 No.007のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に
     対応するGPUは,AMD系がRadeon R9,RX 500,RX 400シリーズ,NVIDIA系はGeForce GTX 10,TITAN,GTX 900,700シリーズとのこと。ただ,Tulとしては,やはりPowerColorブランドのRadeon搭載グラフィックスカードとの組み合わせを推奨している。

     GPUに供給できる電力は,最大375W。これは先代から変わっていないのだが,筐体に内蔵する電源ユニットは,DEVIL BOXが定格出力500Wだったのに対して,GAMING BOXでは同550Wモデルに変更しているそうだ。
     背面には,USB 3.0 Type-A×3と,1000BASE-T対応の有線LANポートを備えている。電源出力の向上は,グラフィックスカードだけでなく,これらインタフェース類に電力を供給するときの安定性向上に寄与しているのかもしれない。

    LANポートやUSB 3.0ポート×3が並ぶ背面。なお,DEVIL BOXにあったUSB 3.0 Type-Cポートは,GAMING BOXには実装されていない
    画像集 No.008のサムネイル画像 / [COMPUTEX]PowerColorから第2世代の外付けグラフィックスボックスが登場。デザイン変更で大型グラフィックスカードも利用可能に

     GAMING BOXの発売は,2017年第3四半期を予定しており,価格は未定とのこと。国内におけるDEVIL BOXの販売代理店想定売価は5万5000円前後(税別)だったが,Tulに話を聞く限り,少なくともそこから大きく値上がりすることはないようだ。
     担当者によると,現在はIntelやAMDの新しいチップセットとの互換性を検証中だそうで,正確な発売時期やメーカー想定売価は,「検証が終わる6月末には発表できるだろう」とのことだった。

    PowerColor 日本語公式Webサイト

    COMPUTEX TAIPEI 2017取材記事一覧

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