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[CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ
Rinkは,モバイル向け仮想現実(以下,VR)対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)用に開発されたもので,親指側から手の甲と手のひらを挟むように装着するワイヤレスデバイスが2個と,HMDの上面に取り付けるセンサー部からなるコントローラだ。センサーで2つのワイヤレスデバイスを感知することにより,ジェスチャの認識だけでなく,両手のポジショントラッキングも可能にしている。
その細かな動作原理は公開されていないものの,C-Labの担当者は,充電対応のバッテリーを内蔵し,ケーブルに煩わされることなく利用できるコントローラ部は,モバイルVRの用途をさらに広げるものだと述べていた。
ちなみにこのRink,Samsung製モバイルVR HMDである「Gear VR」専用……というわけではなく,Googleの「Cardboard」規格に則った製品など,モバイルVR HMD全般で利用できるとのことだ。
試してみた限り,腕を横に突き出した状態で身体を一周させてもきちんとトラッキングできていた。
クリップ状のワイヤレスデバイスを手に装着するというその仕様上,プレイヤーが歩き回ることは想定されておらず,全身の動きは取れないものの,上半身の動きだけならRinkでかなりの部分をカバーできそうな気配だ。
C-Labは,Samsung社内の有志が社内スタートアップ的なチームを結成してプロジェクトに取り掛かるところだそうで,このRinkも,たった6人のエンジニアが開発したものだそうだ。2015年9月頃から,VR界隈では「Gear VRがポジショントラッキングに対応する」という噂があったのだが,それがRinkだったということなのだろう。
ただ,担当者によると,来場者からの反応はとてもいいとのこと。現状,モバイルVR HMDは「見ること」に特化しているが,Rinkが製品化されると,その状況が変わる可能性もあるように思う。
モバイルVRのさらなる活用への道を拓くかもしれないデバイスとして,Rinkの動向は注目する価値がありそうだ。
Rink公式Webサイト
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