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[GDC 2014]あなたの知らないPS4〜開発キット制作者が語るPS4の魅力とは
2014年3月時点における全世界での累積出荷台数は,Xbox Oneが370万台,Wii Uが580万台に対して,PS4が610万台となっており(※VGChartz調べ),2012年発売のWii Uすら抜き,新世代の据え置き型ゲーム機としてはトップシェアを獲得するに至っている。
PS4の現状
セッションでは最初に,PS4の現状に関する報告が行われた。
PS4のソフトは,ダウンロード版とパッケージ版の両方を合計してこれまでに1370万本が販売されたとのこと。概算で,PS4 1台あたり約2本のソフトが売れたことになる。
DUALSHOCK 4とPS Cameraの秘密
充電用のインタフェースがDUALSHOCK 3のUSB Mini-BからDUALSHOCK 4ではUSB Micro-Bに変わったことで,PS4のスタンバイモード時にも充電が可能になったことも改善点だと,Norden氏は挙げていた。
DUALSHOCK 3でも搭載されていた加速度センサーとジャイロスコープは,DUALSHOCK 4でセンサーの世代が上がり,検出精度が上がっているとのことだ。
DUALSHOCK 4のLED仕様をあらためて |
PS MoveはPS4でそのまま使える |
また,モーションコントローラたるPlayStation Move(以下,PS Move)は「PS4でそのまま使える」とNorden氏。2012年11月までの時点で1600万台販売されているため,「PS4と組み合わせてユーザーに使ってもらうことは,それほど高いハードルではない」とNorden氏。
先ほどから何度かその名が挙がっているPS Cameraは,二眼のRGBカメラを内蔵しており,カメラが向いている方向を立体的に撮影できる。チルト(傾き)センサーも付いており,場所や向きの問題でPS Cameraが正常に動作しそうにないときは,正しく設置するよう,ユーザーに注意を促すことも可能とのことだ。
4基のマイクが内蔵されているのはPS3用のPlayStation Eyeから変わっていないが,「PS Cameraは横長の形状で,マイクも横方向に広がって配置されているため,音像の位置検出精度が上がっている」(Norden氏)という。
「シェア」機能の秘密
「シェア」は,PS4でプレイしているゲームの映像を録画してコミュニティにアップロードしたり,UstreamやTwitchでリアルタイム配信したりする機能だ。
ここで氏が強調したのは,この録画機能がCPUコアやGPUコアに対してまったく負荷をかけない点である。これはPS4のメインプロセッサであるAPUに統合された「VCE」(Video Codec Engine)がリアルタイムエンコードを担当するためだ。また,「シェア」がPS4の標準機能としてOSレベルで統合されているため,ゲーム側のメモリリソースも消費しない設計になっている点もアピールされている。
ライブ配信時は,PS Cameraが捉えたプレイヤーの映像を,ゲーム映像に“乗せられる”が,「(現在準備が進められている)次期開発キットでは,配信画面の細かい設定や,プレイヤー映像の合成位置などを含めて,細かくカスタマイズできるようにする」とNorden氏は予告していた。
ライブ配信時は,視聴者からのコメントを募集できるが,そのときにネタバレ発言や悪態発言,そのほか特定キーワードなどをカットする制御や,視聴者をそのゲームに招き入れる仕組みなども,16KBの追加メモリを消費すれば導入できるという。
コンパニオンデバイスとの連携やリモートプレイは簡単に
PS3時代はPSPやPlayStation Vita(以下,PS Vita)をコンパニオンデバイスとして位置付けてきたが,PS4プラットフォームでは,PS Vitaに加え,スマートフォンやタブレットなども標準的なコンパニオンデバイスとして取り扱うことになる。こうしたコンパニオンデバイスで動作するアプリケーションでは,当然のことながらPSNサービスへのアクセスやPS4との通信確立が必要になるわけだが,そうしたライブラリは,ライセンシーにちゃんと提供されるとのこと。
PS4ではセカンドスクリーンへの対応も容易だとNorden氏は述べる。
セカンドスクリーンとは,そのゲームのメイン画面とは別に,もう1画面を別の機器に表示させる機能のこと。PS4においては,ステータスやアイテム一覧,マップ,あるいは別視点のゲーム映像を,PS Vitaやモバイルデバイスに表示できる機能のことを指すが,このセカンドスクリーン機能を簡単に実現するための仕組みも,ライブラリとして用意されているという。
「PS4へおいでよ」
最後にNorden氏は,「PS4は,一般ユーザーが想像している以上に高い性能を持っている」と述べ,「シェア」やPS4 Linkを筆頭とした高機能なサービスをシステムソフトウェア(=OS)レベルで実現し,ゲーム開発側の負荷をほとんど強いることなく提供できることをあらためて強調していた。高い演算性能やグラフィックス性能だけでなく,総合的なサービスや支援機能を有機的に結びつけることで,新しいゲーム体験の世界を提供できる,というわけだ。
Norden氏は,開発者に向け「PS4においでよ」というメッセージを投げかけて,講演を締めくくった。
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