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AMDの次世代Ryzen「Ryzen 9000」シリーズは7月31日発売。ゲーム性能で第14世代Coreを上回るとアピール
7月31日に発売となるラインナップは,以下のとおり。最上位モデルの「Ryzen 9 9950X」は,16コア32スレッドで最大動作クロック5.7GHzで,TDP(Thermal Design Power,
- Ryzen 9 9950X:16コア32スレッド,ブースト最大クロック 5.7GHz,L2+L3キャッシュメモリ容量 80MB,TDP 170W
- Ryzen 9 9900X:12コア24スレッド,ブースト最大クロック 5.6GHz,L2+L3キャッシュメモリ容量 76MB,TDP 120W
- Ryzen 7 9700X:8コア16スレッド,ブースト最大クロック 5.5GHz,L2+L3キャッシュメモリ容量 40MB,TDP 65W
- Ryzen 5 9600X:6コア12スレッド,ブースト最大クロック 5.4GHz,L2+L3キャッシュメモリ容量 38MB,TDP 65W
2024年6月に発表となったRyzen 9000シリーズは,TSMCの4nmプロセスを用いて製造される新CPUで,開発コードネーム「Granite Ridge」と呼ばれていた。現行世代の「Socket AM5」プラットフォームに対応しており,UEFI(BIOS)のアップデートを行えば,既存のSocket AM5マザーボードでも使用できる。
Zen 5アーキテクチャは,クロックあたりの命令実行数(Instructions Per Clock,以下 IPC)が,前世代の「Zen 4」に対して16%向上していると,AMDは主張している。その効果もあって,前世代のRyzenはもちろん,競合に位置付けられるIntelの第14世代Coreプロセッサよりも,高いゲーム性能を有するとのことだ。
AMDが今回,明らかにしたRyzen 9000シリーズと競合CPUの性能差を示すグラフを掲載しておこう。
グラフに載っているゲームは6タイトルだけだが,タイトルによっては20%以上の差を付けており,ゲーム性能も期待できそうだ。
ゲーム性能という点では,「3D V-Cache」を搭載したCPUも極めて優れた価格対性能比を有する。そのひとつである「Ryzen 7 5800X3D」と,Ryzen 7 9700Xの性能を比較したグラフも公表されている。それによると,平均で約12%のゲーム性能向上を実現しているという。
2024年7月17日13時頃追記:初出時,Ryzen 7 5800X3DをRyzen 7 7800X3Dと記述していました。お詫びして訂正いたします。
AMDは,Ryzen 9000シリーズの利点について,消費電力あたり性能の高さもアピールしている。前世代のRyzen 7000シリーズの同一コア数製品と比較した場合,同一性能であれば消費電力は低く,同一消費電力であれば11〜22%程度高性能であるという。
いずれにせよ,Zen 5世代のRyzen 9000シリーズは,前世代を上回る電力あたり性能の高さを実現しているようであり,高性能だが消費電力が高い第14世代Coreプロセッサよりも,使いやすいCPUとなっているようだ。
AMD 800シリーズチップセット
Ryzen 9000シリーズと同時に発表された,新しいデスクトップPC向けチップセット「AMD 800」シリーズについての新情報も明らかになった。
AMD 800シリーズは,4種類がラインナップされている。上位モデルの「AMD X870E」と「AMD X870」は,グラフィックスカードとNVM Express(以下,NVMe)接続のSSD用で,PCI Express(以下,PCIe)5.0を利用可能な点が特徴だ。
また,AMD X870E/X870は,USB4(≒Thunderbolt 3)にも対応している。
ゲーマーがAMD 800シリーズ搭載マザーボードを選ぶなら,AMD X870E/X870か「AMD B850」を選ぶのが,適切なようだ。
AMDのデスクトップPC向けRyzen 情報ページ
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Ryzen(Zen 5)
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