プレイレポート
「スーパーモンキーボール バナナランブル」メディア体験会レポート。おサルを転がしてステージを走破。最大16人でレースやバトルを楽しめる
シリーズ完全新作である本作は,最大16人でのオンラインマルチプレイにも対応している。バナナ集めやロボット退治など,おサルたちが入り乱れてのハチャメチャ対戦をみんなでワイワイと楽しめるのだ。
「スーパーモンキーボール バナナランブル」公式サイト
おサルを転がしてステージを走破。新要素「スピンダッシュ」は段差も越えられる
セガが2024年6月25日に発売を予定している「スーパーモンキーボール バナナランブル」は,シリーズとしては12年ぶりの完全新作ということもあり,2月に配信された「Nintendo Direct」でのサプライズ発表を喜んだファンも多いのではないだろうか。
本作は,過去作品からある“ボールに入ったおサルを転がして,コースの外に落とさないようゴールへと導く”というシステムには変わりがない。コースは細い橋や急カーブ,ベルトコンベアなどギミック満載で,気がつくとおサルが真っ逆さまに落ちていくという嫌な点も変わりがないのだ。
これまたいつものことだが,「今度はできるだけ安全に行こう!」と心に決めても,あちこちに置かれたバナナが誘惑してくるのも同じ。本作では,バナナを集めてポイントを稼ぐと,おサルのコスチュームやエフェクトと交換可能なので,つい無理をしてでも取りたくなってしまう。コスチュームなどは,おサルの性能に影響を及ぼすものではないものの,それでも欲しいものは欲しいのである。
そしてバナナの誘惑に負けると,やはりおサルが落ちてしまう。“手のひらの上で転がされている”とはまさにこのことで,作り手がほくそ笑んでいる幻すら見えてくる。
練り込まれたコースは,バナナやショートカットなどの誘惑で一杯 |
誘惑に負けるとこのありさま。コースの最初や特定のポイントからやり直し |
もちろん,大きな変化もある。新要素の「スピンダッシュ」は,ボタンを押し続けて力を溜め,スティックを行きたい方向に倒したままボタンを離すと急加速するというもの。通常ならば越えられない段差などもスピンダッシュなら突破できるし,坂で加速すればぽんと跳ねることもできる。
もちろん普通に転がりながら力を溜められるため,「スーパーモンキーボール」シリーズが持つテンポ感が阻害されることはない。
パワーを溜めて加速するスピンダッシュ。転がりながら力を溜められる |
力の溜め具合によってスピンダッシュの距離が変わるのも面白い。狭い橋やつづら折りの地形では,溜めすぎず,抜きすぎずの力加減が必要で,上手くいけばタイムが縮まるのだからやりがいがある。
そして,スピンダッシュは新たな誘惑でもある。一直線だが細い橋,飛び越えればショートカットできそうな崖など,リスク含みの地形が無謀なスピンダッシュに駆り立てる。シリーズの攻略では恒例となったショートカット探しも,スピンダッシュでさらに盛り上がりそうだ。
コースのあちこちにはショートカットできそうな場所がある |
新要素が追加されたとはいえ,プレイ自体は複雑にはなっていない。基本のルールは前述の通りシンプルだし,ミスしても即座にリトライが可能だ。さらに,お助け機能も充実しており,任意で時間を戻してコースアウトすらなかったことにできる「巻き戻し」や,進む方向を示す「ルートガイド」,コースの途中から再開できる「チェックポイント」,さらにお手本を見せてくれる「ゴースト」など,手厚いサポートを受けられる。
巻き戻しは,落下中でも使える |
もちろん,ステージを「クリアしたことにする」コマンドも前作から続投。まずはゲームをクリアして,その後から,練習してより良い記録を目指すトライアンドエラーを楽しむといった遊び方もできるのだ。またプレイ序盤は,ゲームシステムの基本を学べるものになっているため,シリーズを初めて遊ぶ人でも安心なのである。
クリアできないときは,ゴーストをお手本に。進むべき方向は,矢印が示してくれるので迷いにくい |
なお,物語仕立ての「アドベンチャーモード」は200ステージが用意されており,オフラインローカルで4人までのマルチプレイが楽しめる。キャラクターをぶつけあってのプレイが苦手の人のため,ホスト側のゲーム設定でお互いのぶつかり判定をオフにできるのも嬉しい。
コース上にあるバナナを取ってポイントを貯めると,コーデアイテムが買える |
ローカルのマルチプレイは,画面分割で4人まで同時に遊べる。キャラクターの被りもOKだ |
オンラインプレイでは,最大16人でレースやバトルを楽しめる
「スーパーモンキーボール バナナランブル」の大きな目玉となるのが,オンラインマルチプレイだ。過去作では,趣向の凝らされた「パーティーゲーム」が用意されていたが,シューティングやボウリング,野球など本編とは異なるシステムであることも少なくなかった。しかし今回のマルチプレイのモードは,本編のルールに近いものになっている。
体験会では,みんながゴールへと向かう「レース」と,空から振ってくるバナナを集める「バナナコレクター」,フィールド上のロボットに体当たりする「ロボブレイカー」の3ルールをプレイできた。
レースはアドベンチャーモード同様におサルをゴールへと導くものだが,スタート地点に16匹のおサルがひしめく。なおバトルモードでは,キャラクターのぶつかり判定をオフにできない。それもあって,走り出す前からガンガンとコンタクトするのが賑やかだ。
そして,ほかのおサルがコース上にいるということは,プレイに大きな影響を及ぼす。例えば細い橋があったとして,自分がミスしなくても誰かにぶつかられて落ちる可能性が出てくるわけだ。ただでさえ落下を誘発する作りのコースに,動きの読めないほかのおサルが絡んでくるというわけで,通常プレイ以上にカオスとなるだろう。
ただ今回は,参加者が同じ場所に集まっており,さらに顔が割れているためかみんな行儀がよかった。難所では,お互いに譲り合うような光景が多く見られたが,発売後は世界中からおサルたちがやってくるわけで,匿名性に守られた状況だとどんなプレイになるかが楽しみだ。
レースの開始前。落ち着きのない16匹のおサルたち |
ほかのおサルがスピンダッシュを狙っているのも矢印で分かるので,駆け引きも熱い |
レースに彩りを添えるのが各種アイテムだ。アイテムは,時間経過や落下で溜まるゲージが一杯になるか,コース上に並べられたものに触れることで入手できる。アイテムの種類は,手に入れるまで分からないといった,妨害系レースではお馴染みの方式だ。
アイテムの効能は,「ほかのおサルたちを踊らせる」「強制的にジャンプさせる」「相手を16tの重りに変身させて動きを鈍らせる」ものなど,妨害に特化したものが多い。
狭い道でおサルたちがぶつかり合う |
加えて,おサルによってそれぞれに固有のスペシャルアイテムが用意されているのもポイント。例えばゴンゴンの場合,巨体がさらにデカくなってウリの安定性がさらにアップする。スペシャルアイテムの性能で,自分が操るおサルを選ぶのも面白いだろう。特にハイスピード系のコースでは,アイテムの応酬となって盛り上がる。パーティーゲームとしての面白さが強調されている感がある。
頭上からの一撃を食らうと「16t」の重りとなり,動きが鈍ってしまう |
バナナコレクターは,落下の危険性が少ない広いフィールドが舞台だ。あちこちに落ちてくるバナナを集め,その数を競い合う。フィールドには,ときおり高得点のバナナが降ってくる「バナナ雲」が出現し,フラフラと動き回る。
もちろんこのポイントはライバルとの奪い合いになる。ガンガンとぶつかって大量得点を目指すも良し,目立たない場所でこっそりバナナを集めるも良し。ルールはシンプルだが,立ち回りに性格が出るという印象だ。
バナナが落ちてくる位置の予測も必要 |
高得点の房バナナを狙うか,低い得点でも数で勝負するか。ほかのプレイヤーとの駆け引きも重要だ |
ポイント1位のおサルには頭上に王冠が付く |
ロボに体当たりして破壊するロボブレイカーは,実に爽快なモードだ。スピードが速いほど与えるダメージと得点もアップ。ロボを破壊できれば高得点をゲットできるため,ダメージを稼ぐ意味でスピンダッシュが重要になる。
フィールドから落ちることがないようなので,このモードでスピンダッシュの使用感を掴むのも良いだろう。最大で8対8のチーム戦となっており,仲間と自然に協力できるのも魅力だ。チームとしての一体感を味わいやすく,マルチプレイにありがちなギスギスとした雰囲気にもならないのもいい。
ひたすらに,ロボットに体当たり |
ロボットの背後や顔面を狙うのも有効だ |
8対8の2チーム対戦となるため,自然と協力しあえる。ボールの色でチームを見極めよう |
シリーズ最新作の「スーパーモンキーボール バナナランブル」は,「スーパーモンキーボール」としての面白さはそのままに,ありそうでなかったスピンダッシュでゲーム性がより奥深くなったという印象だ。
ひとりで道を究めるもよし,パーティーゲームとして接待用に使うもよしと,幅広い遊び方ができるだろう。なお,発売後もオンラインマルチプレイのルールやおサルの衣装が追加されていく予定とのこと。まずは2024年6月25日の発売日を楽しみに待ちたい。
「スーパーモンキーボール バナナランブル」公式サイト
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スーパーモンキーボール バナナランブル
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(C)SEGA
- スーパーモンキーボール バナナランブル【予約特典】バナナの着ぐるみ(DLCコード)同梱- Switch
- ビデオゲーム
- 発売日:2024/06/25
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