インタビュー
[台北2024]「レスレリアーナのアトリエ」とコンシューマ機向けの新作「アトリエ」,2つの軸で展開していく。開発陣にシリーズの今後を聞いた
グローバル版が配信されたあと,本作の総合プロデューサーを務めるコーエーテクモゲームスの細井順三氏,同開発プロデューサーの作田泰紀氏,アカツキゲームス開発プロデューサーの田川勝也氏にインタビューする機会を得たので,その模様をお伝えしよう。
「レスレリアーナのアトリエ 〜忘れられた錬金術と極夜の解放者〜」公式サイト
「レスレリアーナのアトリエ 〜忘れられた錬金術と極夜の解放者〜」ダウンロードページ
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4Gamer:
今回はグローバル版の配信に合わせた出展という形になりましたが,なぜ台北ゲームショウに合わせることとなったのでしょう。台湾市場をどう見ていらっしゃいますか。
細井順三氏(以下,細井氏):
「アトリエ」シリーズは,多くのタイトルで繁体字中国語版も発売していますので,台湾に熱心なファンの方が多くいらっしゃることは知っていました。昨年の台北ゲームショウ2023で,「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」(PS4 / PS5 / Nintendo Switch / PC)を出展したときも,多くの声をいただきました。
そうした背景もあり,今回,グローバル版の配信時期を考える中で,台北ゲームショウというお祭りと同時期であれば,より喜んでいただけるのではないかと考えました。
4Gamer:
台湾では,「アトリエ」シリーズはいつ頃から出しているんですか。
細井氏:
コンシューマで、シリーズ連続のタイトルとしては「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」以降です。大きな分岐点になったと感じたのは「不思議」シリーズと「秘密」シリーズでしょうか。少しずつファンが増え,今もコアなユーザーさんがついてくださっています。
4Gamer:
台湾のファンの反応は,日本とは違いますか。
細井氏:
いいえ,あまり変わらず,日本と同じように熱量が高く感じます。ありがたいです。
田川勝也氏(以下,田川氏):
台湾の方々は日本のコンテンツに非常に親しみを持っていただいてますし,コアな方々は日本版も遊んでいただいていることもあって,反応はけっこう似てますね。
細井氏:
今回,グローバル版の発表で会場のファンの方から温かい反応をいただけて,嬉しかったです。
田川氏:
グローバル版に関しては,日本国内版を4か月間運営して,そのなかでいただいたさまざまな声を反映しています。キャラクターの育成をリセットできる機能やUIの改善などが最初から入っていて,iOS,Androidに加えてPC(Steam)版も最初からあります。
ローカライズの都合があるので,グローバル版を楽しみにしていた方々には4か月お待たせしてしまったのですが,今後は,日本国内版でいただいた意見も反映しながら,しっかりとしたサービスを提供していければと思います。
4Gamer:
とはいえ,4か月差で実装は相当早い気が。
作田泰紀氏(以下,作田氏):
はい。実はすごく大変なのですが,IPとしてグローバルに「レスレリ」が届いている状態にしたいので,できる限り早く提供していきます。日本国内版とグローバル版で展開にあまり差がないので,もしかしたら,今後は海外からの要望を日本国内版に取り入れる,ということもあると思います。
4Gamer:
「レスレリ」は,「アトリエ」シリーズの今後の展開を踏まえて,スマホゲームに挑戦したいという思いで開発していると,以前お話しいただきました(関連記事)。サービス開始からある程度経ちましたが,手ごたえはいかがでしょうか。
細井氏:
ユーザー圏がより広がったという印象で,そこはすごくポジティブに受け止めています。「レスレリ」によって,常に「アトリエ」シリーズに触れていただける環境,そしてよりコンスタントにユーザーの方の反応やご意見をお聞きできる機会ができたと感じていま
す。
田川氏:
開発・運営を担当しているアカツキゲームスとしては,いつでも触れられる「レスレリ」を,「アトリエ」シリーズが好きな人にとって話題の中心となるポータルにしていきたいと考えています。現在,月に複数のシリーズキャラクターが登場していますが,そのシリーズやキャラクターが好きな方に反応してもらえるのが嬉しいです。
今後,「アトリエ」シリーズの新作が出れば,もちろん,「レスレリ」とのコラボもあり得るわけですから,「アトリエ」の輪が広がるとともに,「レスレリ」のファンも増えていく。「アトリエ」ファンは,「レスレリ」でも好きなキャラクターの活躍が見られる。そうした相乗効果を目指したいですね。
細井氏:
イメージとしては,ガストで展開していた「サージュ・コンチェルト」と似ています。「シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜」という旗艦タイトルがあって,これがコミュニティの母体です。当時,PS Vitaでオンライン専用タイトルという形で発売されたタイトルですが,「シェルノサージュ」はプレイヤーがイオンという女の子と対話するコミュニティツールでもあります。ですので,これとリンクする「アルノサージュ 〜生まれいずる星へ祈る詩〜」が新作として登場しても,コミュニティの中心にある「シェルノサージュ」に戻ってくる,といった形を目指していました。
作田氏:
私が担当している「DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation」も同じです。「DEAD OR ALIVE」というコンテンツが常にユーザーの目に触れる,キャラクターと何かしら接し続けられるという環境を作るのは,非常に重要なことです。
細井氏:
火を絶やさないことが大切ですから,これからも「レスレリ」をそうした軸としても育てていければと思います。
4Gamer:
「レスレリ」の今後の方針についても教えてください。
作田氏:
「レスレリ」は12月に,キャラクターを鑑賞したり,こだわりをもって撮影したりできるよう「フォトモード」の機能を追加しました。また,4Kグラフィックスに対応した,キャラクターがより魅力的に見えるPC(Steam)版も年明けにリリースしています。こうした新要素で,キャラクターを愛でられる環境のベースができたと考えていますので,今後はより良いゲーム体験を用意できればと思います。
作田氏:
これまで,毎月メインストーリーを更新し,毎月新規のキャラクターを複数体実装してきましたが,話題が生まれる火を絶やさないよう,今後も一定のコンテンツを提供し続けます。キャラクターと向き合うベース部分の改修が一段落してきたところですので,ほかのものをいろいろと追加する素地もできました。
4Gamer:
今後という意味では,新作がどうなるのかという点も気になるのですが,聞いていいですか。
細井氏:
そこは,我々がまだ発表できておらず,ユーザーさんに申し訳なく思っています。「アトリエ」シリーズはコンシューマ中心で広がってきたシリーズなこともあり,おそらく,「レスレリ」の展開を見て不安を感じられている方もいらっしゃると思うんです。
もちろん,コンシューマ向けの新作の「アトリエ」も開発中です。
4Gamer:
「秘密」シリーズとは違う,新シリーズということですよね。
細井氏:
シリーズになるかは,まだ分からないですが,我々としては,その新しい世界と「レスレリ」の世界,2つを軸に展開することで,これまで以上に「アトリエ」シリーズを広げられると考えています。
4Gamer:
先ほどの,「レスレリ」をコミュニケーションの母体にしつつ,新作で相乗効果を生むという形ですね。
細井氏:
そのためには,「レスレリ」をもっとユーザーさんに愛していただけるように開発し続けること。そして,しっかりとしたコンソールの新作を提供することが必須になります。
新作について,まだお話はできないのですが,よいものになっている,という手ごたえを感じていますので,今後の発表にご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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