プレイレポート
[プレイレポ]「ソニックスーパースターズ」で思い出す,2Dアクションを繰り返し遊んでいた頃のキモチ
本作が生まれるきっかけになったのは,2017年にリリースされた「ソニックマニア」のスマッシュヒットである(関連記事)。「ソニックマニア」は海外の熱心なソニックファンが中心になって作りあげたタイトルだが,そのプレイフィールは本家のクラシックソニックに近いものだった。そんなファンの熱い声に対する,本家からのレスポンスが「ソニックスーパースターズ」だと言えるだろう。
本稿では,主にソニックを操作して「スーパースターズ」をプレイし,ひとまずスタッフロールを見た時点でのインプレッションをお伝えしたい。
「ソニックスーパースターズ」公式サイト
これが始まり――という感覚が強い
筆者が本作のラスボス(おそらくファンも納得する,あの強敵がリニューアルして待ち構えている)を倒して,スタッフロールを見ながら何を思っていたか。それは「これが本当の始まり」ということだ。詳しくはネタバレになるので伏せておくが,エンディング自体がかなり挑発的な作りになっていて,「ソニックをコントロールする感覚,ちゃんと身につけましたか?」と問われた気がした。
そもそも「スーパースターズ」,そしてそのベースとなった「クラシックソニック」の作品群とはどんなゲームなのか,あらためて紹介しておこう。
基本的な遊び方はステージに待ち構える敵を倒したり,穴を飛び越えたりして先に進み,ゴールを目指すというもの。操作方法もシンプルで,ソニックを移動させる方向ボタン(または左スティック)とジャンプのボタンしか使わない。これは「スーパースターズ」でも踏襲しており,手触りもほとんど一緒だ。
最大の特徴は,やはりソニックのスピードだ。走り続けると徐々に加速するだけでなく,その場で体を回転させてから猛スピードで飛び出す「スピンダッシュ」や,ステージ内のギミックを使うことでどんどん加速し,操作に慣れればものすごい爽快感を味わえる。
そして,シリーズを象徴するのがジェットコースターのようなループだ。
中途半端なスピードで突入すると途中で落ちてしまうが,スピードが十分ならクルリと1回転,先に進んでいく。ちなみにループ内で地形に合わせて操作しようとすると,かえって落ちてしまう。「一度走り出したら方向ボタンは押しっぱなし」であり,難しい操作は必要ない。
そのほか,体当たりするとはるか上空に飛んで行けるバンパー,触れると加速する空中のレールなど,ステージ内には激しい動きとスピードを楽しめる仕掛けがたっぷり用意されている。ソニックをぐいぐい動かすというより,高速で動き回る彼に「軽く手をそえて」調整するくらいに思っておくとしっくり来るはずだ。
動きが速いだけに敵にもよくぶつかるのだが,ステージに多数配置された「リング」を取っていれば,1回だけ耐えられる。このとき,飛び散ったリングを再び入手できるため,実は敵にやられてしまうケースは少ない。
クラシックソニックとは,こうした約束事を知っていれば気軽には遊べるゲームであり,それは「スーパースターズ」でも変わらない。ステージクリアを目指すだけであれば,そんなに大変なゲームではないのだ。そう,あくまでクリアを目指すだけなら──。
遊ぶたびに新しいチャレンジが見つかる
ただし,各ステージの隅々まで楽しもうとすると,途端に難しくなるのがクラシックソニックだ。ステージは左右だけでなく上下方向にも広く,あちこちに分岐や合流がある。どこを通過するかによって,難しさやクリアタイムがガラリと変わる。
スピードに任せて駆け抜けるのも爽快だが,針の穴を通すようなコントロールと適切なブレーキングにより,狙ったルートにソニックを叩きこむのも気持ちがいい。
なお,本作にはゲームオーバーが存在しないので,制限時間やキャラクターの残り人数を気にすることなく,ステージを丹念に探索できる。
ゲームオーバーが存在しないことから,「ヌルい?」と思った人もいるだろう。その代わりにプレイヤーの腕が試される難所は多い。ステージ内に設置されているチェックポイント(ポイントマーカー)を通過するとひと安心だが,ゲームの後半ともなると,その直後に難所が待っていることも多く,素直に喜べなかったりする(笑)。
その昔,ゲームの作り手とプレイヤーの間には,どこか真剣勝負のようなヒリヒリした空気が漂っていたものだが,「スーパースターズ」からはその名残りをしっかりと感じられた。
ソニックと宿敵・Dr.エッグマンは,さまざまな作品で7つのカオスエメラルドを奪い合っているのだが,本作のソニックはカオスエメラルドを入手すると,新たな力「エメラルドパワー」を習得できる。
エメラルドパワーには無数の分身を出現させたり,隠れた足場を出現させたりするといったさまざまな効果がある。……だが,初回のクリア時点では,いまひとつエメラルドパワーを活用しきれなかった感がある。
もちろん,エメラルドパワーに頼りたくない気持ちも少しはあったが,そもそも最後までカオスエメラルドがすべて揃わず,「残りはどこに……?」という状態だったのだ。すべてのカオスエメラルドを集めること自体,「スーパースターズ」の大きなチャレンジとなっている。
また,エメラルドを探しているうちに,所有しているエメラルドパワーの面白い使い方が見えてくることもあった。
さらに,操作キャラクターを変更すれば,プレイフィールが大きく変化する。ジャンプ連打で上昇したり,ホバリングできたりするテイルス。空中で滑空して壁に張り付けるナックルズ。二段ジャンプによるハンマー攻撃が可能なエミー。キャラクターはステージセレクト画面でいつでも切り替えられるので,難しいと感じたステージではキャラクターを変更してみるのも1つの手だ。
なお,各キャラクターの専用ステージもあるため,クリアまでには全員を操作することになる。
最後は演出面について触れよう。本作のソニックたちのジャンプ音や走行音は,かつてのメガドライブ用ソフトのそれに近い,電子音らしい電子音になっている。チップチューン風のBGMとも相まって,耳に心地いい。こうした効果音も「かつての挙動が再現されている感覚」に一役買っているだろう。とくに初プレイでは,現代風のビジュアルとのギャップに驚くかもしれない。
遊びの舞台となるステージも,かつての作品を思い出させるもの,新たなアイデアが盛り込まれたものなど,バラエティに富む。全11のゾーンにはそれぞれ複数のステージが用意されており,ビジュアルの華やかさや遊びの豊かさもまた「ソニック」らしさを感じるポイントだ。
また,ステージ間のキャラクターたちのお芝居はすべてサイレント。なかなか珍しい形式で新鮮に感じたが,考えてみれば昔のゲームはこれが当たり前だったので,同時に懐かしさを覚える。
筆者は今回の記事を執筆するため,文字通りの駆け足気味にエンディングまでひた走ったのだが,「少しもったいなかったかも?」と思ったくらいに,「ソニックスーパースターズ」は楽しい遊びがぎっしりと詰まっている。とはいえ,まずは走り抜けてから気になったポイントを再び訪れるのも,ステージを1つずつ丹念に探るのも,プレイヤーの自由なのがいいところだ。
ステージの難所を繰り返し練習するうちに,気になるものを見つけてちょっと寄り道。そうこうするうちに何度目かのチャレンジで,スムーズに打開できる瞬間がやってくる──。
本作は何度壁にぶつかろうが,罠にひっかかろうが,「常に走り続けることが大切」だということを思い出させてくれる。そう,2Dアクションを繰り返し遊んでいた,あの頃のようなキモチを。
「ソニックスーパースターズ」公式サイト
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