プレイレポート
[プレイレポ]至高のミニチュアゲームが日本初上陸。クラファンの期限迫る「ゾンビサイド2.0」をいち早く体験してきた
1〜6人で楽しめる協力プレイ型ゲームである本作は,多種多様なゾンビのミニチュアがぎっしり箱に詰め込まれており,プレイ風景も非常に絵になるところが見どころのタイトルだ。また,大量に押し寄せるゾンビを次から次へとなぎ倒していくシナリオは壮快感も抜群で,世界中で人気を博している。
このたび4Gamerでは,そんな「ゾンビサイド2.0」をいち早くプレイする機会を得た。日本語版はまだ制作中ということで英語版のサンプルを使用したものではあったが,本稿ではその模様を紹介していこう。クラウドファンディングへの参加を迷っている人は,ぜひ参考にしてほしい。
※画像はすべて英語版のものです。また記事中のゲーム用語は製品と異なる場合があります。
「ゾンビサイド2.0」の日本語版クラウドファンディングが5月23日開始。現代を舞台にした人気ミニュチュアゲームの最新版
CMONの新作ボードゲーム「ゾンビサイド2.0」のクラウドファンディングが,Kickstarterにて2023年5月23日に開始されることが明らかとなった。Kickstarterのページはまだオープンしていないものの,支援者には多数の特典が用意されているとのことなので,楽しみにしておこう。
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Kickstarter「ゾンビサイド2.0」プロジェクトページ
基本セットを使ったチュートリアルシナリオに挑戦
現在行われている「ゾンビサイド2.0」のクラウドファンディングは,大きく分けて3種類のコースが用意されている。一番下のランクにあたる「基本プレッジ」コースは,「ゾンビサイド2.0」の基本セットとリブートボックスが入手できるコースとなっており,価格は税別1万6500円(送料含)となる。
本稿では,今回は基本セットだけを使って,チュートリアルシナリオを体験させてもらった。
1〜6人用のゲームだが,今回のプレイヤーは4人だ。それぞれが「生存者」と呼ばれるキャラクターを1体ずつ担当して,ミッションの達成を目指すことになる。キャラクターにはそれぞれ個性があり,例えば足が速かったり探し物が得意だったりというように,個々に特殊能力が設定されている。また「2.0」で追加されたという子供のキャラクター達は,いずれも体力は低いが敵から逃げやすいという共通点があるようだった。
整理され,軽量化された「2.0」の基本ルール
生存者は毎ターン,計3回のアクションが実行できる。主なアクションは以下のとおりだ。
- 移動:1ゾーンぶん移動する(1ゾーンは1部屋,または道路の1区画)
- 捜索:部屋を捜索し,ランダムなアイテムカードを1枚入手する
- 攻撃:手持ちの武器でゾンビを攻撃する
そのほかにも,ドアを破れるアイテムを持っていれば「ドアを開ける」,同じゾーンにいる仲間と「アイテムを受け渡す」といったアクションも用意されている。
攻撃は所持している武器によって射程が異なり,さらに同時に何体のゾンビを攻撃できるか/当たりやすさ/与えるダメージなどにも違いがある。例えば斧は当てにくいが,ドアを破るのにも使えたり,ソードオフ・ショットガンは強力だが,リロードのためにアクションが必要だったり,斬鉄剣は同じマスの敵しか攻撃できないが,一度に5体のゾンビを相手にできる,といった具合である。
今回のシナリオの目的は,マップ上にある4つの目標トークンを手に入れて,元いた場所に帰ってくることだ。途中で誰か1人でもゾンビに殺されてしまったら,全員の負けとなる。生存者の体力は2〜3しかなく,2回もゾンビに殴られれば死にかねないバランスだ。ゾンビは最初からマップに配置されているほか,毎ターンに引くカード次第でどんどん増えていく。ゾンビを倒すことは今回,クリア条件に含まれないので,戦闘はできるだけ避けたいところだ。
ちなみにゾンビにも種類があって,今回のシナリオでは4種類が登場するとのこと。通常の雑魚ゾンビである「ウォーカー」と,2回の行動で可能であっという間に距離を詰めてくる「ランナー」,タフでピストルなどの小火器では倒せない「ファッティ」,そして特殊能力を持つというボスゾンビの「アボミネーション」だ。
全員生還を目指しミッションスタート
まずは1人目,生存者の一人がドアを斧で破る。中の暗い部屋からはゾンビが出てくる可能性があるが,今回は運よく何もいなかった。またドアを破ったことで大きな音が出たので,黄色い三角の「音トークン」(詳細は後述)を配置する。
次に,筆者のキャラが中に入って目標トークンの1つめをゲット。この中には強力なアイテムが入っており,なんと軍用スナイパーライフルを手に入れた!
残り2人も部屋に入って捜索を行い,アイテムを手に入れようとするが……なんとアイテムではなくゾンビが飛び出してきてしまった。たまにはそういうこともあるようだ。
プレイヤー側が全員行動したらゾンビの手番だ。ゾンビは一定のアルゴリズムで行動することになっており,同じゾーンに生存者がいれば攻撃し,いなければ近づいてくる。視線の通る場所に生存者がいればもちろんのこと,見えない場合は音を頼りに接近してくるので,できるだけ音はたてないほうがいい。
先ほどドアを破ったときに音トークンを置いたが,このように生存者がなんらかのアクションを行ったり,銃を撃ったりすると音が出てしまうので注意が必要だ。あるいはこれを利用して,あえて音を出してゾンビを誘導することも可能とのことだった。
次のターン,拾ったスナイパーライフルをさっそく使うため,筆者は外に出ることにした。同じゾーン内にゾンビと味方がいる場合,敵を攻撃しようとすると味方を誤射する可能性がある。しかしスナイパーライフルには誤射が起こらない能力があるとのこと。これは確かに強力だ。
その後も仲間達と協力し,さまざまなアイテムをかき集めながら進んでいく。手に入れた食糧はアドレナリンゲージを上昇させる効果があり,ゾンビを倒さずとも能力が開放できる。銃の二丁持ちが得意なキャラクターは,拾ったサブマシンガンを両手に装備して一度に6個のサイコロを振れるようになり,雑魚ゾンビの群れをなぎ払った。押し寄せるゾンビを倒し続けるうち,アドレナリンゲージも黄色の領域に突入。こちらのアクションや能力が増える一方で,ゾンビの増え方も尋常ではなくなってきた。
これ以上はヤバい……ということころで,目的のトークンを回収し,なんとかミッションを達成。チュートリアルは見事クリアで幕を閉じたのだった。
無双プレイが手軽に楽しめる「ゾンビサイド2.0」
チュートリアルのみの体験プレイだったが,まず感じたのは「手軽に無双できて爽快」だ。ルールが整理されていて軽いため,次から次へと襲ってくるゾンビをぶっ飛ばすサクサク感が,本作のキモだと感じられた。
もちろん,こちらの装備が整っている前提ではあるが,ゾンビが10体くらい一度に出現しても,絶望や恐怖よりも先に「いくらでもぶち殺してやんよ! かかってこい!」的な高揚感が湧いてくる。タイトルの「ゾンビサイド」とはゾンビとジェノサイドを組み合わせた造語とのことなので,まさにそんな感覚だろう。
生存者側は数度攻撃されただけでやられてしまうので,かなりシビアなゲームバランスなのかと最初は心配だったが,少なくとも序盤は気楽にプレイしてもなんとかなりそうだ。いかにもゾンビものというワラワラ感が楽しめるので,その手の体験をしてみたい人には,オススメできるタイトルと言えるだろう。
基本セットには全部で25本のシナリオが収録されており,難度は初級から上級まで,プレイ時間も30分から90分までと,幅広いものが用意されている。ミッションの種類もNPCを救出するものや,指定ラウンドを耐え抜くもの,果ては車をゾンビの群れに突っ込ませて爆破するものまで,ゾンビもので定番のシチュエーションがかなり網羅されているようだった。気の知れた仲間と,お酒を飲みながらプレイなどすれば,かなり盛り上がることは想像に難くない。
一方で,ソロプレイも可能なので1人でじっくりと取り組むのも面白い。シナリオを自作することも可能とのことで,海外ではすでに多くのシナリオがネット上にアップされているとのことである。
ちなみに前作にあたる「Zombicide」は日本では未発売だが,違いとしてはプレイアブルキャラクターが増えたことと,ボードの改良でセットアップが簡単になったこと,ルールが整理されて難度調整が簡単になったことが挙げられるという。最後の難度調整は,ルールブックに指針が記載されているそうなので,もう少し歯ごたえが欲しい人は,より高難度のミッションに挑んでみるといいかもしれない。
Kickstarter限定のリブートボックスほか,豪華な拡張が勢揃い
基本セットだけでも十分に楽しめる「ゾンビサイド2.0」だが,クラウドファンディングの参加者には,さらなる特典が用意されているので,それぞれ簡単に紹介しておこう。
「基本プレッジ」に含まれるリブートボックスは,基本セットと混ぜて使用できる追加ミニチュアセットだ。このボックスに88体のミニチュアが含まれており,39体もの生存者キャラクターが追加でプレイアブルとなる。
クラウドファンディングの2番目のランク「ストーリープレッジ」コースになると,「基本プレッジ」の製品に加え,「ワシントンZC拡張」と「プレジデントボックス」が追加となる。価格は税別2万3000円(送料含)だ。
「ワシントンZC拡張」は10本のシナリオからなるキャンペーンもので,シナリオを跨いだ成長要素やストーリー分岐が用意されているとのこと。例えばゾンビ化が進行しているNPCを助けるか見捨てるか? ここで武器を拾うか,それともほかの人のために残しておくか? といった選択によって,物語が変化するのだという。週末に泊まり込みで一気にプレイすると盛り上がるだろう。
また「プレジデントボックス」には,歴代のアメリカ大統領をモチーフとした生存者キャラクターが6体含まれており,各種ゲームに追加できるようになる。
さらに一番上のランクにあたる「ビッグプレッジ(全部入り)」コースになると,「ワシントンZC拡張」と同等のキャンペーンもの製品2つが追加される。
1つ目は軍施設を舞台に武装した兵士ゾンビを相手取る「フォートヘンドリックス拡張」で,2つ目がブラジルを舞台に,カポエラ使いやブードゥー呪術士らが登場する「リオZジャネイロ拡張」だ。さらにいくつかの追加ミニチュアなどがセットになって,価格は税別4万7750円(送料含)となっている。ここまで来ると少なくない出費ではあるものの,含まれるミニチュアの数を考えれば,決して高いわけではないのが困りもの。クラウドファンディングにおいて「迷ったら全部」とは良く聞く言葉だが,購入を検討している人は,お財布と相談しながらじっくり考える必要がありそうだ。
迷ってる人は急いでキックを!
CMON Japanによれば,今回のクラウドファンディング終了後の一般販売は,現時点では未定とのことだった。とくにリブートボックスは,先にも述べたように一般販売は今後も含めて行われないそうなので,これを手に入れるには終了日である6月7日までに決断しなくてはならないのだ。
また今回プロジェクトが成功裏に終われば,海外版のクラウドファンディングがすでに終了している「Zombicide: White Death」についても,日本語版の可能性が見えてくるとのこと。こちらは東洋ファンタジー版の「ゾンビサイド」とでも言うべき内容で,織田信長や宮本武蔵,三国志の関羽,インド神話のラーマなどが登場するという。
正直,一番下の「基本プレッジ」コースでも,これだけのミニチュアが詰まって1万5000円というのは相当に破格なのは間違いない。CMON Japanの活動を応援する意味でも,ミニチュアゲームのファンは早めのキックを心掛けたいところだ。
Kickstarter「ゾンビサイド2.0」プロジェクトページ
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ゾンビサイド2.0
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