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[プレイレポ]新作ヒーローシューター「CONCORD」は「シューターと格闘ゲームの組み合わせ」をコンセプトとしキャラクター性に注力
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印刷2024/06/28 07:00

プレイレポート

[プレイレポ]新作ヒーローシューター「CONCORD」は「シューターと格闘ゲームの組み合わせ」をコンセプトとしキャラクター性に注力

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)は2024年6月25日に「CONCORD」PC / PS5)のメディア向け体験会を開催した。5対5のSFヒーローシューターである本作は,“シューティングと格闘ゲームを足した”プレイフィールを目指している。格闘ゲームのように個性豊かな「フリーガンナー」たちが銀河を股に掛け,さまざまなルールで活躍するのだ。


「シューターと格闘ゲームが組み合わさったようなゲーム」がコンセプト


 「CONCORD(コンコード)」は2024年8月24日に発売が予定されている,オンライン専用シューター。対応機種はPlayStation 5とPCで,クロスプレイに対応している。開発を担当するのはアメリカのFirewalk Studiosで,2023年にSIEに買収されPlayStation Studiosに加わったばかりだ。

 ジャンルとしてはいわゆる“ヒーローシューター”系FPSとなる。さまざまなスキルを持つ「フリーガンナー」と呼ばれるキャラクターを操るプレイヤー5人がチームを編成し,モードごとに異なる目標を達成すべく,ライバルチームと競い合う。
 メディア向け体験会では対戦プレイを楽しむこともできた。実際にプレイしてみると,今年5月に公開された初報やプレイムービーからはだいぶ印象が異なる,個性的過ぎるキャラクターたちがぶつかり合うFPSだった。


 この日はFirewalk StudiosからIPディレクターであるキム・クライネス氏と,リードゲームプレイデザイナーのクロード・ジェローム氏も来日。本作のコンセプトや展望について語っている。

 Firewalk Studiosには「Call of Duty」「Halo」「Apex Legends」「Destiny」などさまざまなシューターに携わったスタッフが集まっており,「プレイヤー同士がつながれる,忘れられない時間」を作るため,ゲームプレイとストーリーの両面から体験を作り上げていったという。
 ジェローム氏は「シューターと格闘ゲームが組み合わさったようなゲーム」というコンセプトで,ビジュアルからバックストーリー,プレイングまで,あらゆる方法でキャラクターのアイデンティティを確立していったそうだ。

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 ヒーローシューターのキャラクターは「タンク」や「ヒーラー」などのロール(役割)を持つのが一般的だ。しかし本作では「こうした古典的な枠組みを飛び越えたロールシステムを構築できた」とジェローム氏は語る。
 キャラクターの能力をデザインするうえで多様性や非対称性がキーワードとなっており,それぞれがユニークな要素を持つ。中でも「持続展開可能なアイテム」,いわゆる設置物がポイントであるという。

 キャラクターは偵察や治療,攻撃などさまざまな用途の設置物を置くことができ,これがマップ上に残り続けることにより,「CONCORD」独自の戦略性が作り出されているのだそうだ。また,キャラクターたちをデッキのように構築する「クルービルダー」というシステムもあり,キャラクターのそれぞれが持つボーナスを積み重ねてデッキを強化していく。

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 加えてキャラクターたちには「バージョン」が存在し,バージョンを変えれば武器や能力にモディファイアが加えられ,プレイに影響を及ぼすという(残念ながら,今回のプレイではこれらのシステムを体験することはできなかった)。

 2024年7月19日〜7月22日に行われるオープンβテストの時点からキャラクター16体とマップ12種がプレイ可能となり,今後は無料での追加が行われていくとのこと。

 また,キャラクター性の確立やストーリーテリングへの取り組みも行われる。毎週新たなエピソードが2分間のシネマティックとして公開されるのに加え,本作の世界を紹介するインタラクティブマップ「銀河ガイド」では新たな物語や世界設定も明かされていくとのこと。「CONCORD」ではIPとストーリーを大切にしていき,拡大し続けていくとクライネス氏は語った。


お掃除ロボから空飛ぶ火の魔女まで,尖ったヤツらが大暴れ


 それでは,実際にプレイしてのインプレッションをお届けしていこう。今回は16人のフリーガンナーのうち,10人を体験できた。
 本作には「ブリーチャー」「ワーデン」「レンジャー」「ハウント」「タクティシャン」「アンカー」といったクラスが存在するが,フリーガンナー(キャラクター)ごとにやれることが大きく違っている。


 例えば,同じブリーチャーでも「スターチャイルド」はショットガンと突進技で大暴れし,「ダビアス」は地面に可燃性の化学物質をまきつつグレネードランチャーで戦う……と立ち回りがまったく異なっている。クラスは“大体どんな役割なのか”を示す大まかな区分と考えるのがいいだろう。

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 個性的な面々が集う本作だが,操作は非常にシンプル。意識するのは2つのスキルと[○]ボタンでのドッジ(回避)くらいで,FPSやヒーローシューターをプレイしている人なら5分もプレイすれば慣れるはずだ。
 今回プレイできたPS5版にはそこそこ強めのエイムアシストがあるのに加え,範囲攻撃可能な武器もあり,さらにはフリーガンナーたちの耐久力が高めで多少撃たれてもやられないため,初心者でもプレイしやすいだろう。

 印象的なのが,フリーガンナーたちの個性の強さだ。
 例えば「1-OFF(ワンオフ)」は巨体の元リサイクルロボットで,耐久力が非常に高いため攻撃されてもビクともしない。
 彼の主武器はなんと掃除機で,敵にいくら使ってもダメージを与えることができないが,罠や回復用の設置物から炎まで様々なものを吸い込め,敵の目論見を潰すことができる。
 自らの設置物「エア・バリア」は敵弾を吸い込んで防御し,「ゴミ爆弾」はゴミ袋を投げてダメージを与えられる。そして,エア・バリアやゴミ爆弾は自分の掃除機で吸い込めば再利用可能となる。
 エア・バリアを設置しつつ敵の設置物や炎を吸い込む守りの動きと,ゴミ爆弾や副武器で敵にダメージを与える攻めの動きを両立させなければならず,設置に吸い込みに攻撃と忙しいのが面白い。

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 「ヘイマー」はギルドを追われた火のミスティック(魔術師)で,ジャンプすればしばらく滞空することが可能。着弾点で爆発する主武器や,アビリティ「火の壁」を空中から打ち下ろす様はまるで爆撃のようだ。
 しかしながら,滞空すると目立って狙われやすいし,ヘイマー自身のHPは高くないので,状況判断が重要という印象だ。

 筋骨隆々の「スターチャイルド」は「レイジラッシュ」で突進し,「パワースラム」で敵を吹っ飛ばす近接系。レイジラッシュにはシールド,ドッジにも防御力上昇が付与されるため,とにかく動き回ることが強さに直結する。敵から離れないよう食らいつくプレイが独特だ。

 「ダビアス」は可燃性の化学物質を地形に付着させるアビリティと,炎のダーツを撃ち出すアビリティが得意技。可燃性物質は主武器や炎のダーツで着火すると燃え続けるため,トラップのようにも使える。
 「ロカ」はホバリングしつつロケットランチャーを撃ち,いざとなれば地面に突撃して衝撃波で周囲の敵を攻撃……と,どのフリーガンナーも尖っている。

 そんな彼らがぶつかり合うのだから,撃ち合いであると同時に,自分の長所をいかに活かすかの勝負が展開される。それぞれのフリーガンナーがいろいろな行動をこなすことができ,シューターと格闘ゲームが組み合わさったようなゲームというコンセプトは達成できていると感じられた。

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 また,1-OFFのエア・バリア,ヘイマーの炎の壁,「ヴェール」の「トラップマイン」,ダビアスの可燃性物質,ドウの「ヒール・パッド」など多くのキャラクターがなにかしらの物体をマップに置くことができ,戦略的な動きができるのも面白いところ。
 マップへの習熟や設置物をどこに置くかの判断力を問われることもあるし,設置物に追い込むようなこともできたりと撃ち合い以外に頭を使うのが面白い。

 今回プレイできたルールは「トロフィー・ハント」「カーゴ・ラン」「クラッシュ・ポイント」の3つ。
 トロフィー・ハントは敵を倒すと出現する「バウンティカード」を拾うとポイントが加算され,一定値に達すると勝利となる。倒された味方が落としたバウンティカードを拾い,敵に得点させないサポートも重要だ。やられてもどんどんリスポーンできるのが楽しく,盛り上がるルールといえる。

 カーゴ・ランはマップ上に出現するロボット「ブルーバディ」を回収,ゾーン内に設置して守りきれば勝ちだ。両チームのフリーガンナーたちが我先にブルーバディへ殺到する様はラグビーのよう。豪快な側面があると同時に,リスポーン不可なため1つのミスが数的不利に直結するのが面白い。

 クラッシュ・ポイントはマップの中心にある占領ゾーンを奪い合うモードで,こちらもリスポーン不可。対戦シューターではお馴染みのルールではあるものの,フリーガンナーたちの個性で新鮮なプレイ感を楽しめた。

 全体的にただのシューターやFPSに留まらず,尖ったキャラクターで大暴れできるゲームという印象の「CONCORD」。会場では合同インタビューも行われ,Firewalk StudiosのIPディレクターであるキム・クライネス氏と,リードゲームプレイデザイナーのクロード・ジェローム氏に話を聞くこともできた。

写真左から,Firewalk Studiosのリードゲームプレイデザイナーのクロード・ジェローム氏と,IPディレクターであるキム・クライネス氏
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――よろしくお願いします。今や対戦シューターは基本無料でのサービスも多いですが,「CONCORD」でパッケージやダウンロードでの販売を選んだ理由を教えてください。

キム・クライネス氏(以下,クライネス氏):
 パッケージ版やダウンロードの販売型とすることで,16名のキャラクターや6モードを楽しんでいただけるという側面はあります。
 また,銀河ガイドやシネマティックといったストーリーテリング,3か月ごとに展開されるシーズンや,そこにおける新キャラクターやマップといった定期的な展開を,追加費用なしで行う事ができるのです。

クロード・ジェローム氏(以下,ジェローム氏):
 キャラクターベースで考えると,販売型を取ることで多くのキャラクターで楽しんでいただけるというところはあります。

――さまざまなヒーローシューターが世に出ていますが,本作ならではの特徴や魅力を教えてください。

ジェローム氏:
 このゲームはさまざまな層から成り立っています。戦闘や移動,非対称のキャラクターがぶつかり合う格闘ゲームの要素をヒーローシューターに取り入れたところ,単にエイムの腕がいいだけではなく頭を使って戦うところなどが大事になっています。
 また,没頭できる世界観やそこで行われるストーリーテリング,キャラクターの人間関係や生活感といったところでも評価されるものにしたいと思っています。

――「CONCORD」はPS5とPCでの展開です。入力デバイスが異なることによってプレイ環境に差が出ると思いますが,どのようにお考えですか?

ジェローム氏:
 PS5とPCでクロスプレイできるようにしたのは,多くの人とマッチングできる人数的なプールを確保するためです。
 環境の差については開発側としても気にしてはいて,クロスプレイの有無は選択していただけます。我々としては「CONCORD」を単に「エイムが上手いからプレイを続けたくなる」ようなゲームにはしたくないと思っています。
 移動やキャラクター編成などの要素も大切にしたいと考えていて,デバイスによってエイムがアシストされるから有利になるというわけではないというのが「CONCORD」なんです。

――PlayStation.Blog(外部リンク)で,「お気に入りのアートやアニメ,映画,シリーズ作品にインスパイアされ,理想的なSFアドベンチャーに捧げるラブレターとして『CONCORD』を制作しました」とコメントされていますが,どのようなインスピレーションを得たのか教えてください。

クライネス氏:
 「CONCORD」はSFへのラブレターでありつつ,単なるラブレター以上のものを目指しています。
 個人的には共感できる作品,キャラクターとつながりを感じられる作品が好きなのです。「CONCORD」にもさまざまなバックグラウンドを持つキャラクターがいますので,感情移入できるキャラクターを探してほしいですね。

ジェローム氏:
 我々はプレイや上達を通してキャラクター自身と共感できるようなものを目指しています。
 例えば1-OFFはお掃除をするリサイクルロボですが,プレイしていくと自分も掃除したくなるような気持ちが芽生えるんじゃないでしょうか。
 もちろん,プレイ中に“掃除”することで戦略的なアドバンテージが得られるようにも設計しています。なので,ゴミ爆弾を投げた後,掃除機で回収するとまた使えるようになるわけです。

――いろいろな対戦ゲームがあるなかで,ヒーローシューターを選んだ理由はなんでしょう。

ジェローム氏:
 我々のスタジオにはマルチプレイ好きが多いことを活かした形です。また,シューターの系譜を受け継ぎ,マルチプレイという伝統を続けていきたいというところもあります。大事なのはチームゲームであること。そして,様々なバックグラウンドを持つキャラクターたちが家族になることです。

――キャラクターの個性が強いだけに,ゲームバランスの調整も難しいと思います。調整におけるポリシーを教えてください。

ジェローム氏:
 各キャラクターが個性を持ち,全員が違うところが大事であると考えています。バランスを考えると,皆が均等になるように調整しがちです。しかし「CONCORD」のキャラクターは尖ってもいいので個性を重視しています。

――eスポーツ的な展開は考えておられますか?

クライネス氏:
 ローンチについては,5対5の対戦型シューターであることにフォーカスした状態です。今後もシーズナルコンテンツを展開していき,プレイヤーがどう反応されるかを楽しみにしています。

――サービス開始後にイベントやコラボスキンなどを予定していますか?

ジェローム氏:
 今はゲームの基盤を作ることに集中しています。

クライネス氏:
 プレイヤーがキャラクターをどうカスタマイズされるかも楽しみですね。

――実際にプレイしてみて,トレイラーから受けた印象とは違うものだと思いましたし,尖ったキャラクターが多いと感じられました。開発において,これまでのヒーローシューターをどう変えていこうと考えられたのでしょうか?

ジェローム氏:
 「CONCORD」における差別化の一つは継続的な設置アイテムでしょうか。一度置いたアイテムはその場に残るため,ステルスしつつ偵察トラップを置いて周り,いろいろなところの動きを見ることも可能です。
 チームで戦うことにストレスを覚える方もおられるでしょうから,単独行動できるキャラクターも作って置いたわけですね。いろいろなスタイルのプレイヤーたちを招き入れてミックスし,化学反応させることを目指しているんです。

クライネス氏:
 1-OFFのように奇抜なキャラクターがいるのも,こうした理由によるものですね。

――ありがとうございました。

 「CONCORD」はPS5とPCで2024年7月13日〜7月15日に予約者向けのアーリーアクセス,7月19日〜7月22日に全プレイヤーが参加できるオープンβテストが行われる予定だ。
 予約すればアーリーアクセス権のコードが4名分プレゼントされるため,フレンドを招待することも可能なので,気になる人は予約してフレンドと一緒にアーリーアクセスをプレイしてみよう。

「Concord」公式サイト

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