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「ボウと月夜の碧い花」の手書き風アートスタイルを選んだ理由や和風の世界観のルーツとは。開発チームにインタビューを実施
※パブリッシャはPS5版,Nintendo Switch版がマーベラス。PC版,Xbox Series X|S版がHumble Games
マーベラス「ボウと月夜の碧い花」公式サイト
7月19日から7月21日まで,京都市のみやこめっせで行われたインディーイベント・BitSummit Driftでもマーベラスや任天堂などのブースに出展されており,リリースされたばかりという話題性もあってか,多くの来場者が試遊に駆けつけていた。
本作を開発を手がけたSquid Shock Studiosのアートデザインリードを務めるChristopher Stair氏,リードプログラマーのTrevor Youngquist氏,アソシエイトデザイナーのMilton Guasti氏に,BitSummit Driftの会場でインタビューを実施した。BitSummitに参加した感想や開発時の思いについて話をうかがっている。
まず,初めて参加したというBitSummitについて聞くと,ゲームの試遊機会やトレイラーの紹介だけではなく,開発者と直接コミュニケーションが取れることがユニークで特別なものだと感じたとのこと。
また「ボウと月夜の碧い花」の発売が近かったこともあり,本当に多くのファンが集まって交流を楽しめたことを嬉しそうに語った。ゲームの開発者だということを知ると皆すごく喜んでくれて,いろいろと話しかけてもらえたことが特別な経験となったという。
和風の世界観を作品のテーマに選んだ理由を聞くと,これはChristopher Stair氏の決断だったとのこと。母が日本人で,子どものころからアニメや漫画,言葉,風習といったものに触れる機会があったため,アーティストとして日本の文化から多くのものを得ていたようだ。
また,浮世絵や墨絵といったトラディショナルな文化からも影響を受けており,それが手書き風のアートスタイルにもつながっている。Christopher Stair氏によると,そうした人の手によって作り出されるアートに惹かれており,ゲームでそれを表現したいと考えたという。
リッチな3D表現やコンピュータグラフィックスも素晴らしい表現ではあるが,本作で求めたものはハンドメイドスタイルの,例えばインクの滲みや実際には正しくはない構図といったものの味わいであり,それはすごく成功したと感じているとのことだった。
本作のもう1つの大きな特徴が,小気味の良いアクションだ。敵やオブジェクトを叩いてジャンプすることで継続的に空中を移動し,難関や強敵をクリアしていく。そのリズミカルなアクションを表現するには,オブジェクトや敵の配置に相当な労力をかけたのではないだろうか。
実際,レベルデザインを担当したTrevor Youngquist氏とMilton Guasti氏の間では,何度もやり取りが行われていたそうだ。ステージによって注意すべき点は大きく異なり,例えばサンドボックスのようなステージではそれ相応のテストを重ねたとか。
何度もテストプレイを繰り返してできたものから,さらに意図していない進め方が見つかり,再度調整をするという繰り返しだったが,「一番最適で,一番お客さんが楽しんでもらえるアクション」を目指したという。
それができたのも,優秀なスタッフを揃えることができたからだ。開発は少人数でスタートしたが,クラウドファンディングの成功によって,才能あるクリエイターが集まり強いチームにできたことが大きかったと語る。
発売後の反響について聞いたところ,Trevor Youngquist氏曰く「あまり見ないようにしている」とのこと。
不具合の修正などを担当する氏にとって,修正作業に着手できない来日中に見ても対応できないのが理由の1つだ。また,取材は発売から4日後だったため,現段階では個別の意見が目立つことから,もう少し意見が集まってきたときにそれを受け止め,より良いゲームへの修正を考えたいと話した。
最後に日本のゲームファンにメッセージをもらったので,それをお届けしよう。
「母が日本人とはいえ,ずっとアメリカに暮らしていたので自分が日本人だと思ったことはあまりありませんでした。でも日本の文化の影響を反映した本作を出せたとき,日本に対してプレゼントができたと感じました。このゲームを愛してくれる皆さんに感謝します。ちょっと難しい部分もありますが,皆さんならクリアできると思うので,ぜひ挑戦してほしいです」(Christopher Stair氏)
「クリス(Christopher Stair氏)と同じく,日本の皆さんに楽しんでほしいと願っています。私も日本の文化,日本という国もすごく好きなので,皆さんが遊んでくれると嬉しいです。そして,プレイするときのアドバイスですが,絶対にだるまを活用するといいということは伝えておきたいですね(笑)」(Trevor Youngquist氏)
「私が子どものころによく遊んでいたヨーロッパのプラットフォームアクションは,すごく難しく,クリアするのに苦労するようなメカニズムが多かったんです。本作の開発に携わることになって心がけていたのが,『プレイヤーの時間を無駄にしない,取り組み甲斐のあるゲームを作る』という,意味のあるレベルデザインでした。チーム全体がその意思を持ち,それに対して情熱を持って取り組んだゲームです。攻略や探索を楽しんでもらえると嬉しいです」(Milton Guasti氏)
マーベラス「ボウと月夜の碧い花」公式サイト
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(C)2024 Squid Shock Studios, Published by Humble Games, Marvelous Inc.
(C)2024 Squid Shock Studios, Published by Humble Games, Marvelous Inc.